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離婚とお金VOL46 子どもの姓を親権者ではない方の姓に変える手続き

両親が離婚をすると、当然どちらかの配偶者(妻であることが多い)が、戸籍から抜けます。

しかし、子どもがいた場合、たとえ戸籍から抜ける側の親が、子どもを手元に置き育てることとなっても、子どもの戸籍は結婚中の戸籍に残ったままであり、また、苗字も変わることはありません

遠方に引っ越した場合など、子どもの戸籍がすぐに取り寄せられないのは不便ですし(※自治体によっては、事前登録をすることにより、全国のコンビニで取得することが可能な場合もあります)、苗字も別れた配偶者と同じというのはあまり気持ちのよいものでもなく、何より手元に子どもを起き育てている親と子どもの苗字が異なるというのは、子どもが傷つく恐れもあります。

では、なにか手段はないのでしょうか? 

同じ戸籍に入れるためには裁判手続きが必要

結婚をし、苗字を配偶者の苗字に変更した場合、離婚をすると配偶者の戸籍から抜け、また苗字も元の苗字になります。

しかし、子ども自身は、たとえ子どもの親権者となる・子どもを手元に置き育てる場合でも、先程述べた通り、戸籍は移らず、苗字も変わることはありません。

自分の戸籍に子どもを入れたい場合は、まず子どもの苗字を変える裁判上の手続き(「子の氏の変更許可申立」)が必要です。

苗字が異なる人は、たとえ親子であっても、同じ戸籍に入ることが出来ないからです。

裁判手続きといっても、調停離婚などのように相手方がいる訳ではなく、裁判所とのやり取りのみで(場合によっては郵送のみで可能)すみますのでご安心ください。

なお、この手続きは、離婚をしたが苗字は旧姓に戻らず、結婚時の苗字を名乗っている場合も必要です。

氏の変更許可の申立手続き①子どもが15歳以上の場合

子ども自身が手続きを行うことができます

場所は、子どもの住所地を管理(法律用語で「管轄」)する家庭裁判所になります。

詳しくは、裁判所にお問い合わせいただくか、ホームページでも確認することができます。

概ね、必要とされる書類は下記の通りです。

用紙については、裁判所でも用意されておりますし、裁判所のホームページ(「裁判所 子の氏の変更許可の申立」で調べてみてください)で記入例も含めダウンロードすることができます。

  • ・申立用紙(郵送で行う場合は、右上の余白に捨印を押しておくと、簡単な記入ミスなどは裁判所で訂正してくれることもあります)
  • ・収入印紙800円(別途、切手が必要です。内訳は裁判所によって異なります)
  • ・子どもの現在の戸籍
  • ・子どもが入る予定の親の戸籍

※なお、子ども自身が裁判所に直接行く場合は、印鑑と身分証明書をお持ちください。

氏の変更許可の申立手続き②子どもが15歳未満の場合

申立者が親権者となります(例えば父親が親権者である場合は、母親の戸籍に移ったり・母親の苗字に変更したい場合でも父親にやってもらう必要があります)。

記載例が少し異なるだけで、必要書類は、①と同じです。

申立後の流れ~裁判所にて

東京家庭裁判所を例に挙げると、子ども自身が裁判所に行けば、原則、その日に許可が出されます。

弁護士や親権者が書類を提出した、あるいは郵送で書類を提出した場合は、時間がかかる場合もあります。

申立後の流れ~役所にて

裁判所の許可で自動的に苗字や戸籍が変わる訳ではなく、役所への届け出(入籍届)が必要です。

届出期間に期限はありません。

提出場所は、子の本籍地あるいは親権者か子どもの住民票所在地になります、必要書類としては、上記手続きで家庭裁判所が発行した「氏の変更許可の審判書」が必要となります。

※子の本籍地以外の場所で、入籍届を行う場合は、戸籍が必要になる場合もあるので、事前に役所に問い合わせておくとよいでしょう

他に手続きが必要な場合もある~親権者の許可が得られない場合

子の戸籍を変更し、苗字を変更するには裁判の手続きが必要であることがわかりました。

そしてこられの手続きは、子どもが15歳以上であるならば、子ども自身が行うことが出来ますが、子どもが15歳未満の場合は、戸籍上の親権者が行わなければなりません(ただ単に子どもを手元に置いて育てている場合ではだめです)。

親権者側の親から子の氏の変更許可の申立を行い、家庭裁判所の許可を得れば、もう一方の親の戸籍・苗字に変更することは可能です(例えば、親権者が父親の場合、父親が申し立てを行い、母親の戸籍・苗字にすることが可能)。

では親権者がこれらの手続きに同意・協力しなかった場合はどのようにしたらよいのでしょうか?その場合は、子の氏の変更許可申立ての前段階として、「親権者変更の許可」を裁判所に申し立てなければなりません(離婚後の親権者の変更には裁判所の許可が必要です)。

親権者変更の裁判手続きは、氏の変更とは異なり、単なる書類のやり取りだけではなく、どちらが親権者として適しているかなど両親双方の現状や生活状況などから判断されますので、相手方からの同意があるならばまだしも、必ずしも認められる訳ではありません

そもそも、相手方からの同意や協力があるならば、わざわざ親権者変更の許可の申立てを行わず、氏の変更許可の申立のみを行えばいいのですから、親権者変更の許可を行う必要があった場合は、手続自体を専門家にお任せするのがベストといえるでしょう。

まとめ

子の氏や戸籍を変更するには、裁判手続きをすることによって可能になります。

氏の変更の許可の裁判自体は、お子さんが15歳以上である場合にはお子さん自身が行うことが出来、手続きもそこまで難しくはありません

しかし、取り寄せる書類が本当に合っているかが分からない状態で裁判所に書類を提出するのは不安ですし、訂正や再提出がある場合には、色々と時間的にも精神的にも疲労を伴います。

また、前段階として親権者変更の申立てを行わなければいけないときはなおさらでしょう。

離婚に伴う裁判手続きは、専門家に依頼せず、ご自身のみで遂行している方も少なくありません。

しかし、手続きに長時間、時間を費やすより、お子さんの利益を最優先に考え、専門家に相談するのも一つの方法です。

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