「夫が私の話を聞いてくれない」「きつい言い方をしてきて一緒にいるのが苦痛」など夫の言動にストレスを感じている方は多いのではないでしょうか。
そうした夫の言動は、もしかしたらモラハラかもしれません。
近年、モラハラは、夫婦間における大きな問題となっていて、モラハラが原因で離婚するご夫婦も多いようです。
この記事では、モラハラをする夫の特徴やモラハラへの対策を紹介していますので、ぜひご覧ください。
モラハラとは?
モラハラ(モラルハラスメント)とは、言葉や行動や態度といったモラル面の行いによって精神的苦痛を相手に与えることです。
DV(ドメスティックバイオレンス)と違い、身体的に暴力を振るうわけではありません。
特に、夫による精神的苦痛を受ける妻が多く、モラハラをする夫のことを、モラハラ夫といいます。
モラハラをする夫の特徴とは?
モラハラをする夫の特徴を5つ紹介しています。
自分の夫がこうした特徴に当てはまっていたらモラハラ夫の可能性が高いですので、夫がモラハラ夫かどうか判断するための参考にしてください。
自分の非を認めない
モラハラ夫は、自分の非を絶対に認めません。
何かあっても言い訳をしたり、他人のせいにしたりと自分のせいでことが起きたとは認めません。
悪いのは自分でなく妻であることを、今と関係ない過去の話を引き合いに出したり、妻の性格のせいにしようとします。
酷い場合、自分が浮気しても、「お前の普段の行いが悪いから俺は浮気した」と、自分を正当化しようとします。
外面はいい
モラハラ夫は、外面は良く、家庭の外では常識的に振る舞い、あたかも理想の夫であるかのように周りに錯覚させるような言動をします。
そのため、外面だけではモラハラ夫であることが判断できません。
仕事が優秀だったりご近所からの評判がいい場合も多いため、妻が周りに相談しても、理解を得られないケースが多々あります。
何をしても怒る
モラハラ夫は妻が何をしても怒ります。
怒ることが目的なので、妻が次は怒らないようにと気を付けて行動しても夫は変わらず怒ります。
やらなかったことに怒ったり、やったことに対しても怒ります。
「じゃあ私はどうすればいいの?」と聞いても、「自分で考えろ!」と怒り出します。
嫉妬深い
モラハラ夫は妻に冷たく接する反面、嫉妬深いという特徴があります。
妻のスケジュールを把握しなくては気が済まなかったり、何度も電話・メールをしてきたりします。
妻の外出の際は不満げな態度をとりますので、妻は外部との接触を控えるようになってしまいます。
ナイーブな面がある
妻にはきつい態度をとるモラハラ夫ですが、精神面は弱くナイーブであるといえます。
つまらないことをいつまでも悩み続けたり、ちょっとしたことでくよくよしたりします。
裏表が激しいと言えるでしょう。
また、時には妻に優しく接することもあります。
しかし、妻が「変わってくれたかな」と期待したら、また元通りにモラハラをする夫になってしまいます。
こうした二面性が、モラハラ夫だとの判断を下すことを難しくされます。
モラハラは分かりにくい
モラハラは色々なケースはありますが、どのケースにも共通する大きな特徴が、モラハラはわかりにくいことです。
モラハラは家庭内という閉鎖的な環境で行われますから、周囲には気づかれにくいです。
また、外面が良く外部からは穏やかで紳士的な男性に見えますから、意を決して、外部に相談しても周囲の理解を得にくいといった傾向があります。
なぜモラハラをする夫になってしまうのか?
モラハラ夫に悩まされている方は、結婚するまで夫は優しく、モラハラなんてしてこなかったというケースがほとんどです。
はじめからモラハラをするような人なら、結婚は思いとどまるからでしょう。
それでは、なぜモラハラ夫はモラハラをするようになってしまったのでしょうか。
モラハラをするようになった原因として、以下のようなものが考えられています。
幼少期の家庭環境が悪かった
大人になってから、パートナーに対してモラハラをするようになる人は、幼少期時代の家庭環境が悪いことが考えられます。
例えば、以下のような環境です。
親が過干渉だった
子供の頃、やることなすことにいちいち親から口を出されるといった、過干渉な親は、子供がモラハラになる原因と考えられます。
これは、親が子供の意見を抑えることで、親の意見が子供の意見だと子供が思い込むようになってしまう可能性が高いからです。
例えば、勉強や習い事において親から口出しをされることで、子供は自分の存在価値を証明したい思いが強くなり、幼少期から自分より弱そうな人をいじめるといった行動に出てしまいます。
そして、結果として大人になってからもモラハラをするようになってしまうのです。
親が過保護だった
幼少期から親が何でもしてくれるといったように、親が過保護であると、親の言う通りにしていれば何もしなくていいと考えるようになります。
それだけではなく、もし何か悪いことをした場合でも、親が何でも処理してくれるため、「自分は悪くない」とすぐに責任転嫁をしてしまうような人間に育ってしまいます。
このように、親が過保護だと、大人になってからもモラハラをして責任転嫁をするようになる可能性があるのでしょう。
家庭内暴力を受けていた
幼少期からネグレクトやDV等の家庭内暴力を受けていた場合には、他人を思いやったり、優しくしたりする気持ちが育まれにくくなってしまいます。
そして、大人になっても思いやりが持てず、自身も暴力的になってしまうのです。
親からモラハラを受けていた
幼少期に親から身体的な暴力ではなく精神的な暴力、つまり自身も親からモラハラを受けていた場合、大人になってから高確率で自分も他人へモラハラをする傾向があります。
幼少期に親から否定され続け、それがコンプレックスとなり自分に自信が持てなくなります。
そして、親が外面と内面で異なる顔を見せていると、それを見て育った子供も大人になった時に同じく外面と内面の使い分けをできるようになります。
父親の存在
幼少期から父親がいなかったり、父親がいても家庭をかえりみない父親で子供との接触が少なかったりした場合には、本来子供が父親から学ぶべきものを学ぶことができなくなります。
本来なら、父親から学ぶべき自制心というものを学ぶことができず、子供の自己肯定感が低くなってしまう傾向が高いと考えられます。
自己肯定感が低いまま大人になると、自分に自信が持てないため周りにモラハラをしてしまう可能性が高いでしょう。
仕事でのストレス
日々の仕事によるストレスが原因で、家庭内ではモラハラをするようになってしまうことも考えられます。
企業においても、モラハラをはじめとしたハラスメント問題は重要な課題です。
ストレスのない働き方を考えることも、モラハラ対策となるのではないのでしょうか。
性格や障害によるもの
幼少期の家庭環境に問題がない場合でも、その人自身の性格によって、大人になってから急にモラハラをするようになってしまう場合も考えられます。
モラハラになってしまう性格として考えられるのは、自信過剰や心配性です。
自信過剰な人は、常に自分の言動が正解で、周りから認められたいという気持ちが大きく働くことから、モラハラに発展してしまうおそれがあります。
一方、心配性な人は一見モラハラをするようにはみえないかもしれません。
しかし、心配性だと、気が小さかったり自我が弱かったりするため、精神的に弱い部分があります。
そのため、自信のなさからパートナーを自分の所有物と思ったり、束縛をしたりする傾向が高いのです。
また、最近では「発達障害」がモラハラの原因であることも考えられています。
モラハラをされやすい人の特徴
もちろん、どんな理由があろうとモラハラはするものではありませんし、モラハラをする人が悪いことは言うまでもありません。
しかし、モラハラをされやすい態度や性格というものがあるのは事実で、モラハラをする人は相手の態度や性格をみてモラハラをすることが多いのです。
モラハラをされやすい人の特徴は、次のとおりです。
従順な人
基本的に、モラハラをする人は自分よりも弱い相手にモラハラをします。
そのため、自分の思い通りにしやすそうな相手に対してはモラハラをする傾向が強いといえます。
パートナーに対して従順な人に対しては、特にモラハラ行為が加速する傾向にあるでしょう。
優しい人
誰に対しても分け隔てなく優しく、自分よりも他人を優先してしまうくらい優しい人は、モラハラを受けやすいといえます。
モラハラをする人は、相手を対等にみていないため、このような優しすぎる人に対してモラハラをして、その結果モラハラを受けて心身共に疲弊する可能性があります。
我慢強い人
どう考えても相手が悪いと思うのに、それを指摘すると何倍も言い返されることがわかっていれば、自分が我慢すればいいと思ってしまうように、我慢強い人はモラハラ夫の標的となってしまいます。
モラハラの対策はどうする?
実際に自分がモラハラにあってしまったら、どうすればいいでしょう。
ここではモラハラの対処法をいくつか紹介しています。
別居がベスト
いつも不満のはけ口となっていた存在が急にいなくなることで、モラハラ夫はうろたえるでしょう。
そこで、モラハラ夫は過去の自分の言動を振り返り、後悔することになります。
妻の存在のありがたみを自覚し、モラハラ夫の更生を促すことができます。
言いなりにならない
モラハラ夫の妻は、何を言われても言いつけや注意を守ろうとし、完璧な妻を演じようと努力します。
しかし、どんなに頑張っても、モラハラ夫は要求をエスカレートしていくので、絶対に報われることはありません。
無理なことは無理だと伝え、モラハラ夫に反抗しましょう。
今まで従順に接していた相手に反抗するのは怖いことかもしれませんが、「文句があるなら自分でやって!」と伝えることで、改善したケースもあるので、頑張りましょう。
離婚する
結婚生活は長いです。
今は耐えられても将来的には我慢できなくなることも考えられます。
ずっと我慢を続けていたら、うつ病などの精神疾患にかかってしまうかもしれません。
努力を続けているのに、病気になってしかってはあまりに酷です。
もう耐えられないと判断したら早急に離婚し、次の人生を歩みましょう!
モラハラ夫と離婚するためには?
モラハラ夫と離婚するためには、どのような行動をとればいいのでしょうか。
実は、モラハラは離婚理由とはなりません。
モラハラが原因で婚姻を継続するかどうかが基準となります。
証拠を集める
モラハラは、暴力とは異なり外傷がないため、モラハラ夫と離婚をするためにモラハラを受けたという証拠になるものを集めましょう。
モラハラを受けたことがわかる証拠として有効なものが、自分にモラハラをしていることがわかる録音や、モラハラ夫が物に当たっている様子の録画、モラハラを受けたことを記録したメモ、モラハラ夫に向けて改善するように要求した手紙やメール等です。
他には、近所の人や夫の上司、友人等から供述書を書いてもらうことも有効です。
離婚の方法
離婚の方法には、協議離婚・調停離婚・裁判離婚の3つがあります。
モラハラ夫と離婚したい場合には、まずは話し合いを試みることをお勧めしますが、モラハラ夫は人の話を聞かない傾向があり、さらには離婚したがらない可能性が高いです。
そこで、親族や友人といった第三者に間に入ってもらって話し合うという方法もあります。
しかし、第三者がいることで余計に話し合いがこじれる場合もありますので、注意が必要です。
話し合いができず、離婚に進まない場合には、離婚調停を申し立てることができます。
調停では調停委員が相互の話を公平に聞き入れ、中立の立場で離婚に向けて進めてくれます。
離婚調停が不成立となった場合には、離婚裁判となります。
離婚裁判まで発展すれば、モラハラが「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかが争点となりますので、モラハラを立証するために集めた証拠が重要となります。
また、未成年の子供がいる場合には、離婚する際にモラハラ夫に親権が渡ってしまわないように、親権を獲得できるようにすることが大切です。
モラハラに限らず、離婚において親権獲得は妻の方に有利になることが多いですので、確実に親権を獲得するためには、できるだけ弁護士に相談することをお勧めします。
まとめ
モラハラする夫の特徴やモラハラの対処法を説明してきました。
モラハラする夫は家庭内でのみ暴力的で、外面はいい場合が多いです。
そのため、周囲に相談しても理解されなかったり、自分の夫がモラハラ夫だと気づきにくかったりする場合が多いです。
夫婦の話し合いで夫の態度が変わるのが一番望ましいですが、それが無理なら、別居や離婚なども視野に入れ、強気な態度でのぞみましょう。