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【離婚後に浮気発覚】慰謝料の請求はできる?相場と請求方法を説明

この記事でわかること

  • 離婚後の浮気発覚で慰謝料請求できるかわかる
  • 離婚後の浮気発覚で慰謝料請求する方法がわかる
  • わけあっていた財産や時効への対応が理解できる

婚姻中に浮気が発覚すれば、慰謝料を請求できるという話を耳にしたことはありませんか。

婚姻中はパートナー以外の異性と肉体関係を持ってはいけないため、不貞行為(浮気)をすると慰謝料を請求できる可能性があるのです。

しかし、離婚後に浮気が発覚したらどうなのでしょう。

離婚ですでに夫婦関係が切れているので慰謝料は請求できないのでしょうか。

それとも、離婚後に浮気が発覚しても慰謝料を請求できるのでしょうか。

離婚後に浮気が発覚したケースの慰謝料請求の可否や、慰謝料請求の方法について説明します。

離婚後の浮気で慰謝料請求はできるのか

離婚後に浮気が発覚しても、条件さえ満たしていれば慰謝料請求が可能です。

婚姻中に浮気をしても、離婚後に発覚するケースもあります。

婚姻中の浮気が離婚後に発覚しても、それは発覚したのが離婚後というだけで婚姻中の浮気に他なりません。

婚姻中は配偶者以外と性的な関係を持ってはいけないというルールがあります。

配偶者以外と肉体関係を持った(不貞行為に走った)場合は、慰謝料請求の対象になります。

離婚後に発覚したからといって慰謝料を請求できなければ、浮気したパートナーは離婚によって浮気の責任から逃げられることになるはずです。

「条件さえ満たしていれば離婚後に発覚した浮気でも慰謝料請求できる」

これが結論です。

離婚後の浮気発覚で慰謝料を請求できる条件とは

離婚後の浮気発覚で慰謝料請求をするためには、条件を満たしている必要あります。

離婚後の浮気発覚による慰謝料請求の条件は3つあります。

条件を順番に見ていきましょう。

離婚原因が慰謝料請求可能な理由である

前述したように、離婚の原因が慰謝料請求できる理由に該当する場合は、慰謝料請求が可能です。

反対に、離婚の原因が慰謝料請求できない理由の場合は、慰謝料請求が基本的にできません。

慰謝料請求できる離婚原因は以下の通りです。

  • ・不貞行為
  • ・DVやモラハラ
  • ・悪意の遺棄
  • ・その他婚姻を継続しがたい重大な事由

不貞行為とは浮気のことです。

ただ、浮気は個人の判断によって境界線が異なるため、すべてのケースにおいて浮気による慰謝料請求が可能というわけではありません。

慰謝料請求の基準になるのは肉体関係の有無です。

親密そうに見えるとそれだけで浮気であり、慰謝料請求可能ではないかと思うかもしれませんが、慰謝料請求の基準はあくまで肉体関係の有無なので、肉体関係がないと慰謝料請求は認められ難くなります。

悪意の遺棄とは、夫婦の協力義務を果たさないことです。

たとえば生活費を渡さなかったなどのケースが悪意の遺棄に該当する可能性があります。

その他婚姻を継続しがたい重大な事由には色々なケースがあります。

慰謝料請求できる可能性があるのは、セックスレスなどです。

離婚原因に以上のような理由があれば、離婚後に慰謝料請求できる条件をひとつ満たすことになります。

なお、性格の不一致が離婚理由の場合は、原則的に慰謝料請求できません。

性格の不一致は、夫婦のどちらか一方が悪いわけではないからです。

ただ、性格の不一致に不貞行為やモラハラなど他の理由が混ざっている場合は、慰謝料請求できる条件を満たしていると判断される可能性があります。

離婚時の離婚協議書に清算条項がない

離婚協議書を作成すると、離婚協議書の中に清算条項が記載されるのが基本です。

清算条項とは「離婚後にいかなる名目でも金銭を請求しない」「離婚に対する債権債務が一切存在しない」などの文言のことです。

離婚協議書に清算条項の記載があると、離婚時に金銭を請求しないことや債権債務がないことを確認しているわけですから、離婚後の慰謝料請求はルール違反になってしまうわけです。

離婚協議書に清算条項の記載がない場合は特に問題ありません。

離婚協議書などの離婚時の金銭の取り決めをする書面に清算条項がある場合は、離婚後の慰謝料請求は難しいという結論です。

なお、離婚した元パートナーに慰謝料請求できないケースでも、浮気相手に慰謝料請求できる可能性はあります。

慰謝料請求権の時効が経過していない

離婚後に慰謝料請求するための3つ目の条件は、慰謝料請求の時効が経過していないことです。

離婚後の慰謝料請求の時効は「離婚が成立した日から3年」になります。

ただし、ケースによって時効の計算が変わってくるため注意が必要です。

慰謝料請求を内容証明郵便で行う場合は時効が6カ月伸長されます。

元パートナーが慰謝料の支払いに同意して書面に内容をまとめておけば、債務の承認として時効は書面の作成から計算されることになるのです。

また、注意したいのは、慰謝料の性質によっても時効が変わってくる可能性がある点です。

離婚慰謝料は離婚に対する精神的な苦痛を金銭的に補償する慰謝料ですが、浮気の慰謝料は浮気の精神的苦痛に対して請求する慰謝料になります。

浮気慰謝料の場合は浮気を知ったときから時効が進行するため、「浮気を知ったときから3年」が時効になるのです。

自分が請求するのは、浮気慰謝料か離婚慰謝料なのかで時効を判断する必要があります。

時効の計算については法律の専門的な知識を要するため、弁護士に相談して確認してもらうことをおすすめします。

離婚後の浮気発覚で慰謝料を請求する方法

離婚後に慰謝料請求が可能な場合、具体的にどのような方法で慰謝料請求すればいいのでしょうか。

離婚後に浮気が発覚したときの慰謝料請求の方法を順番に見ていきましょう。

元パートナーの浮気の証拠を集める

慰謝料請求をするために重要になるのが浮気の証拠です。

慰謝料請求をスムーズに行うためにも、まずは元パートナーの浮気の証拠を集めておきましょう。

浮気の証拠がなければ、元パートナーに言い逃れされる可能性があります。

慰謝料請求したときに証拠がなければ、言いがかりだと取り合ってもらえないかもしれません。

元パートナーに、婚姻中に浮気をしたことをつかんでおり、慰謝料請求することをはっきりと告げるには根拠が必要です。

そして逃げを打たれないためにも、浮気の証拠はしっかり掴んでおきましょう。

離婚後はすでに夫婦ではないため、浮気の証拠を掴んでも元パートナーが慰謝料請求に応じない可能性もあります。

証拠を見せてもなお言い逃れする可能性や、浮気自体は認めても支払いは断固拒否する可能性もあるのです。

元パートナーが慰謝料請求に応じない場合は、裁判などによって慰謝料を請求することになります。

裁判は裁判官が証拠や主張を確認して判決を下します。

そのため、証拠がない場合は慰謝料請求が認められる可能性は低くなるのです。

元パートナーから慰謝料請求するためにも、証拠集めが重要になります。

証拠について分からないことがあれば、弁護士などに相談しておきましょう。

自分で証拠集めが難しい場合は、探偵に証拠を集めてもらうという方法もあります。

元パートナーと慰謝料について話し合う

慰謝料を請求するからといって、必ず裁判をしなければならないわけではありません。

浮気の慰謝料は、話し合いで請求することも可能です。

元パートナーに離婚後発覚した浮気について慰謝料請求する旨を告げ、慰謝料の交渉をしたうえで支払ってもらうこともできます。

ただし、元パートナーが素直に払わない可能性もあります。

交渉自体に応じない可能性もあるはずです。

元パートナーが交渉に応じない場合は、弁護士に依頼して交渉してもらう方法もあります。

離婚した妻や夫から「浮気の慰謝料について話したい」と言われても、言われた側は甘く見るかもしれません。

しかし弁護士が出てくれば、法的手段などを恐れて交渉に応じる可能性が高くなります。

自分での交渉が難しい場合や元パートナーが交渉自体に応じない場合は、弁護士に相談してみるといいでしょう。

なお、離婚した人の中には元パートナーに会いたくない人もいることでしょう。

元パートナーに会いたくない人は、内容証明郵便などを送付することによって浮気の慰謝料を請求することも可能です。

内容証明郵便の送付による慰謝料請求も弁護士に一任できますので、「元パートナーに対してどのように慰謝料請求するか」「元パートナーに会いたくないのか」を考えてみましょう。

離婚後に発覚した浮気の慰謝料請求裁判を起こす

話し合いで浮気の慰謝料がまとまらなければ、最終的に裁判で慰謝料請求することになります。

申立を行う裁判所は、相手の所在地を管轄する家庭裁判所です。

浮気の慰謝料を裁判で請求する際は、手持ちの証拠で足りるのか、どのような主張をしていくかなど、弁護士とよく相談しておくことをおすすめします。

裁判は法的な知識を要する手続きですから、弁護士からサポートしてもらうといいでしょう。

また、弁護士に相談する際は費用倒れについては確認しておくことが重要です。

弁護士に相談して裁判をしても、裁判費用や弁護士費用でマイナスになっては意味がありません。

マイナスにならないかどうか、費用面でも相談しておくことをおすすめします。

慰謝料相場などの弁護士に確認しておきましょう。

離婚後に分け合っていた財産はどうなるか

離婚の際は財産分与を行うのが基本です。

財産分与は浮気があってもなくても行います。

これは、財産分与が婚姻中に夫婦で築いた財産を分配するものだからです。

慰謝料と財産分与は異なるため、慰謝料が発生しないケースでも財産分与は行うのが基本になります。

離婚後に浮気が発覚して慰謝料請求した場合、すでに行った財産分与がどうなるかが問題になります。

離婚時の財産分与は、夫婦の事情を考慮して決めます。

たとえば夫婦の片方が浮気をした場合は、慰謝料としての意味合いを持たせて、浮気をされた側の配偶者に多めに渡すケースなどがあるのです。

すでに財産分与している場合は「慰謝料をもらい損ねたのではないか」と不安になるかもしれません。

離婚後に浮気が発覚して、財産分与のときに慰謝料を受け取っていない場合は、離婚後に慰謝料請求することで慰謝料分の受け取りが可能です。

改めて離婚時の財産分与をやり直す必要はありません。

なお、離婚時にそもそも財産分与自体を行っていないケースもあります。

離婚時に財産分与自体を行っていない場合は、離婚後2年以内に財産分与を請求することも可能です。

離婚後に浮気発覚したときの慰謝料相場

離婚後に浮気発覚して慰謝料請求するとして、具体的にどのくらいの額を請求できるのでしょうか。

離婚後に浮気が発覚して慰謝料請求する場合の相場は、200~300万円になります。

判例などを参考に算出した慰謝料相場なので、実際は相場より高くなることも、低くなることもあります。

最終的にはケースバイケースです。

慰謝料相場はあくまで参考程度に考えるのが重要です。

離婚請求権の時効が来そうな場合の対応について

離婚後に慰謝料請求しようと思ったときには時効が迫っていた。

このようなケースでは、どのように対応すればいいのでしょう。

離婚後の浮気発覚で慰謝料請求の時効が迫っている場合は、3つの方法で対処します。

  • ・催告をする
  • ・裁判上の請求を行う
  • ・弁護士に相談する

催告とは元パートナーに慰謝料請求することです。

催告を内容証明郵便で行うと時効が6カ月ストップしますので、その間に裁判を申し立てれば時効を振り出しに戻せます。

裁判上の請求とは、裁判などによって慰謝料を請求することです。

裁判などを起こせば、完成間際だった時効も振り出しに戻せます。

この他には、弁護士に相談するという方法があります。

なお、時効ですが、期間の経過とともに自動的に完成するわけではありません。

元パートナーが、時効の完成によって自分によい効果があると表明する「時効の援用」をしなければならないのです。

時効の援用をしていない段階では時効が完成していませんから、慰謝料の請求が可能です。

また、元パートナーが慰謝料の一部を支払った場合は、慰謝料の存在を認めたことになりますから、依然として慰謝料の請求は可能なのです。

時効完成を阻むためには何をすればいいか。

どのような方法が適切なのか。

時効の援用などの状況はどうなっているのか。

弁護士に相談して、時効への対処法や状況確認などを行うことをおすすめします。

まとめ

離婚後に浮気が発覚しても、条件さえそろっていれば慰謝料請求できる可能性があります。

離婚後に浮気が発覚した場合は、慰謝料請求の条件がそろっているか確認し、慰謝料請求できる場合は浮気の証拠集めなどの準備を入念に行ったうえで慰謝料請求しましょう。

離婚後に浮気が発覚した場合の慰謝料請求の可否で悩む場合は、一度弁護士に相談して可否について判断してもらうとスムーズです。

離婚後に浮気が発覚した場合の慰謝料請求は話し合いで決めることもできますが、元パートナーが応じない場合は裁判で浮気慰謝料を請求することになります。

元パートナーへどのように浮気慰謝料を請求するか迷ったら、弁護士とよく相談することをおすすめします。

監修弁護士
中野 和馬

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