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離婚における弁護士の役割について弁護士が解説!


弁護士 水流 恭平(ツル キョウヘイ)

離婚を依頼する弁護士は、実際に相談してから決めるのがおすすめです。離婚事件ではプライベートなことを話さなければなりませんから、相性が合う弁護士に相談したいはずです。
どういう弁護士が自分と相性がよいのかは、最初はなかなかわかりません。無料相談を利用して複数の弁護士に相談してみることで、自分に合う弁護士がわかるようになります。
実際に相談してみると、問い合わせしたときの対応や事務所の雰囲気など、ホームページではわからなかったことも見えてきます。直接会ってみて、信頼できると感じた弁護士に依頼しましょう。

都内大規模法律事務所で企業法務を、都内中規模法律事務所で個人の一般民事事件に従事したあと、今後はお客様の問題をワンストップで解決する必要性が高いと考え、平成31年1月よりこちらに移籍いたしました。
過去の経験を活かして、依頼者様のご意向に沿ったリーガルサービスを提供したいと思っております。

離婚方法の概要について

インタビューアー:

本日は、お時間をいただきありがとうございます。今回は、離婚における弁護士の役割についてご説明いただければと思います。

弁護士:

こちらこそお時間をいただきありがとうございます。

どうぞよろしくお願いいたします。

インタビューアー:

まずは離婚の方法についてご解説いただけますでしょうか?

弁護士:

離婚方法には実は4つの方法があります。

まず、夫婦同士が話し合って合意により離婚する協議離婚があります。

日本では協議離婚がもっとも多いといわれていますが、メリットとしては第三者が介在しなくてすむので、時間的にも費用的にも負担が低いところですね。

しかし、すべてのカップルが円満に協議離婚できるわけではありません。

離婚原因が片方の不倫の場合や、片方は離婚したいけれど、相手は離婚したくないという場合だと合意ができなくて泥沼化してしまい、協議離婚ができなくなってしまうことも少なくありません。

こうした場合は、当人同士だけではもう解決ができないので、家庭裁判所で第三者である調停委員を介在させて話し合いをすすめる調停離婚が可能かどうかの検討にはいります。

調停離婚は、裁判所の手続きが介在するとはいえ、あくまで当事者同士の合意形成となるのですが、合意が形成できない場合は、強制的に司法機関が判断をくだす審判離婚や裁判離婚にすすむことになります。

インタビューアー:

夫婦間で解決できるのは協議離婚のみなんですね。

協議がうまくいかない場合、離婚調停に進むとのことですが、どのような流れになるのでしょうか?

弁護士:

離婚調停は、家庭裁判所に夫婦関係調整調停を申し立てることによって開始することができます。

調停では、通常男女1名ずつの、弁護士や地元の有識者などの調停委員が選定され、調停委員が夫婦それぞれの主張を聞き取り、相手にそれを上手に伝えていくところで問題解決をはかるというプロセスになります。

誤解されやすいのですが、調停委員が離婚の是非を判断することはありません。

あくまで夫婦の主張を第三者が冷静に整理し、仲介することによって、調整することが目的となります。

そのため、調停を繰り返しても結論が出ない場合は、調停不成立として離婚は成立しません。

調停委員は中立の立場ですし決定権はないのですが、調停をうまく進めるためには、調停委員に共感してもらうことが必要です。

共感し心理的にこちらの味方になってくれた場合は、調停委員はこちらに有利なように相手を説得するよう試みてくれるからです。

インタビューアー:

調停委員に共感してもらうことが大切なんですね。

何を話せばいいのかわからない、離婚の知識が少ないなど、不安を覚える方が大半かと思いますが、不利にならないようにするにはどうすればよいのでしょうか? 

弁護士:

確かに初めてのプロセスだと不安を感じるのは無理もないですよね。

離婚には複雑な法律上の知識も必要ですし、過去に調停等での離婚経験がある方など特殊な場合を除いて、初めて離婚調停に臨む方は分からない事だらけだと思います。

そのため、離婚案件の取扱件数が多い弁護士に相談することがおすすめです。

離婚案件の取扱件数が多い弁護士であれば、調停で何を話せばいいかアドバイスもしてくれますし、調停の席に同席してもらうことも可能です。

離婚にはストレスも伴いますし、大きな身分関係や財産の変動がありますので、専門知識と経験を持ったプロに頼ることができるのは大きなアドバンテージになります。

インタビューアー:

専門知識と経験を持つプロの力があると心強いですね。

離婚調停申立書の作成についても弁護士が行うのでしょうか?

弁護士:

はい、離婚調停申立書も弁護士に作成してもらうことができます。

インタビューアー:

離婚成立までの期間、生活費を心配する方も多いと思われますが、請求はできるのでしょうか?

弁護士:

離婚成立までの間は、法的には夫婦ですので、婚姻費用といって生活費や子供の養育にかかるお金を分担する義務があります。

もし、お相手が自発的に婚姻費用を支払ってくれない場合は、夫婦関係調整調停とは別途、婚姻費用分担請求調停を申し立てることができます。

手続き自体は別の調停ということになりますが、多くの場合、期日は併合されますので、同じ日と同じ場所を使って協議をしていくことがほとんどです。

婚姻費用は、家庭裁判所が定めた算定表があり、双方の年収と子供の数などで金額が自動的に決まりますので、話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の審判で算定表通りの支払いが命じられることになることが多いです。

インタビューアー:

相手方が離婚を拒否し続けている場合や条件で対立した場合、離婚調停の話し合いは何回まで行われるのでしょうか?

弁護士:

決まりはありませんが、お互いの主張が折り合う余地がないまで議論が尽くされたタイミングで調停が不成立となります。

5~6回開催されれば、通常は不成立になるのではないでしょうか。

インタビューアー:

審判離婚が利用されるケースにはどういったものがあるのでしょうか?

弁護士:

審判離婚は全離婚件数の1%と非常にまれですが、夫婦が離婚自体には合意していてあとはマイナーな意見調整のみが必要という段階で、調停不成立にすることが不経済な場合に、裁判官の審判により調停のプロセス内で離婚が決定されます。

審判離婚について

インタビューアー:

審判離婚は他の方法と比べてあまり聞きなれない人が多いかと思いますが、裁判離婚とどのような違いがあるのでしょうか?

弁護士:

審判離婚で離婚の審判が下された場合、審判が確定すると判決と同じ効力を持ちます。

しかし、大きな違いとして、審判から2週間以内に対して裁判所に異議申し立てをすると、審判の結果を無効にすることができます。

特段理由なども必要ないので、結果に不服な場合は簡単に結論を覆すことができます。

インタビューアー:

なるほど。

異議申し立てがあることで審判の結果が無効になることもあるんですね。

離婚裁判について

インタビューアー:

離婚を考える方のなかでもっとも敷居の高い方法が裁判離婚かと思いますが、弁護士をつけず一人で進めるケースもあるのでしょうか?

弁護士:

調停不成立となった場合は、離婚訴訟を裁判所に提起することとなります。

本人訴訟といって、1人で進めることもできますが、ほとんどの方は弁護士をつけると思います。

民事訴訟は手続き上の法律の知識も必要ですし、納得のいく結果を勝ち取るためには、弁護士をつけることをおすすめします。

インタビューアー:

ほとんどの方が弁護士に依頼をするんですね。

離婚裁判において弁護士に依頼することで得られるメリットは何がありますか?

弁護士:

離婚取扱実績の多い弁護士は、離婚訴訟の判例や過去の経験から、上手に裁判所に対してこちらの主張をしてくれます。

慰謝料や養育費などを高く勝ち取れる可能性は、本人訴訟よりも弁護士をつけたほうがぐっと高まります。
また、期日などに本人は出席しなくてもよいので、忙しい方などには時間を取られないというメリットがあります。

インタビューアー:

例えば不倫やDVなどが離婚したい理由となっている場合、証拠集めが必要となりますが、弁護士に相談するとどの程度介入していただけるのでしょうか?

弁護士:

不倫やDVなどの証拠は夫婦間にしかわからないプライベートゾーンにあることが通常ですので、具体的な証拠集めは、弁護士が行うというよりもご自身が行うことになります。

しかし、どういった証拠をどのように集めればよいかのアドバイスがもらえますので、1人で証拠を集めようとするよりも格段に有利になります。

また、不倫などの場合は、弁護士から探偵事務所を紹介してもらって、素行調査をしてもらうことも有効です

インタビューアー:

勝訴に導くためのアドバイスを行ってくれるんですね。

訴訟で使用する書面にはどういったものがあるのでしょうか?

弁護士:

まず訴状を作成し、相手方の答弁書や準備書面などに対応して、こちらも同様の書類を提出していきます。

ドラマのように法廷で丁々発止と弁護士が議論するということは実務上ほとんどないですので、この書面をいかに上手に説得力をもって作成してもらうかが、勝敗を分けることになります。

インタビューアー:

離婚に向けて精神的につらい時期に一人で進めるには難しく煩雑なものですね。

それらの書類作成なども弁護士に依頼できるのでしょうか?

弁護士:

書面作成を含めて裁判手続きは本当に難しく煩雑です。

もちろん書類作成は弁護士に依頼できます。

書類で主張すべき内容についてよく事前に打ち合わせをしておき、弁護士にそれをうまく書面にまとめてもらいましょう。

インタビューアー:

相手方から和解を提案される場合もあるかと思いますが、その際の弁護士の役割にはどういったものがあるのでしょうか?

弁護士:

和解をすることによって、裁判の時間や費用を節約することができるので、和解条件が良い場合は応じることも一つの手段です。

弁護士の役割として、和解で提示された条件が妥当かどうかの客観的な評価と、和解条件を少しでも有利にするための相手方の交渉、和解条件に合意ができたときにそれを正確に書面化して公正証書にしておくことなどがあります。

和解条件で決められた慰謝料や養育費などの支払いが事後的に滞った場合、離婚協議書に条件を記載して公正証書にしておけば、裁判手続きを改めて経ることがなく、強制執行をかけることができます。

インタビューアー:

やはり弁護士がついていると心強いですね。

離婚条件を有利に運ぶために

インタビューアー:

離婚を考えた際に弁護士に相談するにはどのタイミングがよいのでしょうか?

弁護士:

まずは離婚を考えたら早めに相談してみることをお勧めします。

離婚できるかの可能性や、もし離婚した場合の経済的条件がどうなるかということを聞いてからでないと、本当に離婚すべきかどうかの正しい判断ができないと思います。

また、不倫やDVなどの相手の不法行為が原因の場合は、慰謝料請求に重要になってくるので、証拠収集方法についてもアドバイスをもらって、入念に準備をしたほうがよいです。

インタビューアー:

準備に取りこぼしのないよう、なるべく早めに相談することが肝心ですね。

書類の作成などは行政書士でも行えるそうですが、弁護士にしかできないことはありますか?

弁護士:

そうですね。

行政書士は法律行為について代理権がないので、訴訟手続きや交渉をお願いすることができません。

これらの行為は弁護士法により弁護士にのみ認められています。

インタビューアー:

どの離婚方法でもお金や子どもの親権など、条件で対立する場面が出てくるかと思いますが、弁護士を選ぶポイントはありますか?

弁護士:

離婚案件の取り扱い件数が多い弁護士を選びましょう。

弁護士と一口に言っても、専門分野によって全く経験値が違います。

交通事故や企業法務を専門にしている弁護士に相談しても、あまり熟練したアドバイスがかえってこない可能性があります

インタビューアー:

慰謝料の金額についてなかなか合意にいたらない場合、具体的に弁護士はどのように動くのでしょうか?

弁護士:

クライアントと意思確認をして、こちらが譲れる限界の金額を決めます。

そして、訴訟に踏み切ったほうが得策なのか、示談交渉を続けたほうが得策なのかを考えます。

インタビューアー:

一方による子どもの連れ去りで親権者争いにいたるケースを耳にしますが、その際の弁護士の対応にはどういったものがあるのでしょうか?

弁護士:

警察へのアプローチや調停中であれば、調停委員や裁判官への働きかけなどを行い、連れ去りの期間が長期化しないように動きます。

インタビューアー:

本日は、お忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。

離婚を考えるが手続きのしかたがわからない、慰謝料や親権について争っている方、弁護士への相談を検討している方へのメッセージをいただければと思います。

弁護士:

弁護士は敷居が高いと思われる方もいらっしゃると思いますが、よい離婚をして人生のリスタートをきるためには、法律の専門家のサポートが必要です。

ほん少しだけ勇気を出して、無料相談ダイヤルにお電話ください。

インタビューを終えて

離婚のプロセスの複雑さをお話を聞いて改めて実感しました。

また、離婚を考えてしまうときはどうしても冷静な判断ができないものです。

離婚すべきかどうかの正しい判断をするためにも早い段階で相談をしてみることが大切ですね。

先生、本日はありがとうございました。

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