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「離婚調停」について弁護士が解説!

原先生(RHA法律事務所)

RHA法律事務所へのご相談はこちら

弁護士に相談をしたり、依頼したりすることは人生であまり経験することではありません。
そのため、離婚について悩まれているときにも、弁護士を頼るのは怖いと考えている方も多くいらっしゃいますが、悩みを抱える皆様が気軽に相談できる弁護士となれるように日々努力してまいります。
離婚でお困りのご相談者のお話を丁寧にお聞きし、問題の早期解決ができるよう努めますので、お困りの際は一人で抱えずお気軽にご相談ください。

今回は離婚調停について弁護士の原悠太先生にインタビューをしました。
原悠太先生は、東京都大田区にあるRHA法律事務所の所長を務めており、離婚問題や債務整理、企業法務や医療問題,セミナー活動等、幅広い分野の法律問題を手掛けていらっしゃいます。
インタビューでお話をさせていただいたところ、こちらの初歩的な質問についてもいやな顔せず、わかりやすく丁寧に教えてくれ、柔らかい印象の先生でした。
男女関係なく相談しやすい雰囲気の先生ですので、お悩みの方は一度連絡してみてはいかがでしょうか。

みなさんは、離婚調停と聞くとどのようなイメージをお持ちですか?
家庭裁判所で話し合うことになるので、法廷のような場所で話しをするのかなと想像する方も少なくないのではないでしょうか。
離婚調停を検討する方の多くは、初めて経験だという方がほとんどだと思います。

離婚調停の基礎知識について知りたい!

離婚を検討した場合、夫婦ふたりでは感情的になって話し合いが進まなかったり、離婚すること自体はお互い納得しているけれど、離婚条件が全然合わなかったりすることがあると思います。
このような場合に利用できる手段として、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることです。
離婚調停は夫婦関係調整調停(離婚)といって、離婚の可否についてはもちろんのこと、財産分与、親権、養育費、慰謝料等さまざまな話し合いを行うことができます。
とはいえ、人生で離婚調停を何回も行うひとは少なく、どのような流れで進むのかなかなかわからないこともあるでしょう。
今回は離婚調停をする前に知っておきたい基礎知識について原先生に質問してみました。

Q1.離婚調停はどこでやるの?お互い顔をあわせなくちゃいけないの?

インタビューアー:

原先生、本日はよろしくお願いします。
早速ですが、離婚調停について質問させていただきたいと思います。
離婚調停は夫婦のあいだで折り合いがつかない場合に、家庭裁判所を仲裁役として、話し合いを行うことだと思います。
裁判所というと個人的に「法廷」というイメージが強いのですが、離婚調停は法廷で行うのでしょうか。

原先生:

確かに裁判所というと法廷のイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんね(笑)実際の離婚調停は、会議室のような場所で行うことが多いと思います。

インタビューアー:

ありがとうございます。裁判所で話し合うからといって必ずしも法廷を使うわけじゃないんですね。会議室のようなところと聞いてなんとなく安心しました(笑)
話が少し変わるのですが、離婚調停を申し立てるひとの中には、「相手と極力顔を合わせたくない」と考えるひとも少なくないと思います。
調停で配偶者と顔を合わせないようにすることは可能ですか。

原先生:

調停の申立書と提出する事情説明書に配偶者と同席したくない理由を伝えておけば、家庭裁判所が顔を合わせることのないよう配慮してくれます。
ただし調停が成立し最後に行われる和解案の読み合わせについては原則として双方が顔を合わせる必要があります。
和解案の読み合わせはお互いがしっかり和解内容を理解しているかをすり合わせるために行われるものです。調停後に双方に齟齬が生まれないためにも当事者同士が同席して読み合わせをします。

インタビューアー:

基本的には顔を合わせずに済むのは、離婚したい理由によって安心材料となりますね。
次の質問です。離婚調停は、家庭裁判所に申立てをしたらすぐにできるものなのでしょうか?

原先生:

離婚調停は申立てからすぐに行うわけではありません。
家庭裁判所によって異なりますが、大体申立てをしてから1、2か月はかかると考えて良いと思います。
また、実感としては新型コロナウイルスの影響によって期間が空いてしまっている点もあると思います。

インタビューアー:

ありがとうございます。
よくよく考えると、家庭裁判所との都合と申立て方、相手方の予定を合わせることもしないといけませんし、また感染拡大を抑える観点からも通常よりも数を減らしているかもしれないので、期間が空いてしまうのは納得です。

離婚調停のポイント

  • 離婚調停前に家庭裁判所へ申請をすれば基本的には配偶者と顔を合わせずにすむ
  • 離婚調停で当事者同士が必ず顔合わせをするタイミングは「和解案の読み合わせ」
  • 離婚調停は申立てから実際に開かれるまで1,2か月かかると思っておく

Q2.離婚調停で話し合えることや仲裁役について知ろう

インタビューアー:

すごく抽象的になってしまうのですが、ずばり離婚調停で話し合いできることって何なのでしょうか。
離婚するかどうかだけじゃなくて、財産分与や養育費、親権といったことも話し合いたい場合にはどうすればいいのでしょうか?

原先生:

離婚前に調停を行う場合、基本的に夫婦関係調整調停を申し立てることになります。
この調停では、離婚する、しないの話し合いはもちろん、今挙げてもらった財産分与や養育費といった離婚条件についても話し合うことができます。

インタビューアー:

ありがとうございます。ちなみに、少し気になったことがあります。
夫婦関係調整調停の申立書には離婚と円満があるかと思います。
離婚はそのまんまの意味なので、理解できるのですが「円満」とはどういう意味なんでしょうか。

原先生:

夫婦関係調整調停(離婚)は離婚したい方が申立てを行います。対して、円満は夫婦関係を継続したいと思う方が申立てることになります。

インタビューアー:

ありがとうございます。調停というと、どうしても離婚によりがちですが、相手に離婚を切り出された場合でも調停を申し立てることができるんですね。勉強になります。
話は変わりますが、離婚調停は申立てた側が有利になることはありますか?

原先生:

家庭裁判所は、フラットな立場で夫婦双方の意見を聞くので、調停を申立てたこと自体が直結して調停を有利に進められることにはなりません。
しかし、申立て方になんのメリットがないのかと言われればそういうわけでもありません。
調停は、基本的に申立て方の主張を聞くことから始まります。
そのため、事前に調停の準備を進めて、しっかりと主張することができれば大きなアドバンテージとなりえます。

インタビューアー:

確かに、初めに自分の主張をできるのは大きなメリットですね。
家庭裁判所で離婚調停を行う場合、裁判官だけではなく調停委員といった役目のひとも重要だとよく耳にすることがあります。
当事者以外には、どんな役目の方が登場するのでしょうか。

原先生:

裁判所というと、裁判官のイメージを持つ方もいらっしゃるかと思いますが、調停では裁判官が毎回出席するわけではありません。
仲裁役になるのは、男女2人で構成される調停委員というひとです。
また、親権についてなどを話し合う場合には家庭裁判所調査官が調査をすることもありますし、調停手続きの記録等を作成する裁判書記官もいます。

離婚調停の登場人物

  • 裁判官(調停官)…調停では裁判官、もしくは調停官(※)が担当することになる。常勤の裁判官は、複数の調停案件を抱えているため、常に調停に参加しているわけではない。
  • 裁判書記官…調停の記録や調停が成立した場合の調書の作成、執行分付与等を行う。
  • 調停委員…男女2人で構成されており、調停を円滑に進めるための仲裁役となる
  • 家庭裁判所調査官…親権等で養育環境等を調べる場合調査を行う役目を持つ
    ※調停官とは、弁護士の身分をそのままに週1度裁判所出勤して調停を取りまとめる臨時の裁判官のこと。
インタビューアー:

ありがとうございます。
ひとつの調停でも、さまざまな役割を持った方が携わっているのですね。
登場人物のなかで、やはり気になるのは先程も先生が触れていたように、調停委員の存在です。離婚調停を円滑に進めるためには、調停委員の心証が大切と聞くことがあります。
なぜ調停委員の心証が調停においてなぜ大切なのか教えていただけると幸いです。

原先生:

先ほどもお伝えしましたが、裁判官は常時複数の案件を抱えているため、毎回調停に出席してくれるとは限りません。
そのため裁判官は調停委員の報告を通して調停の進み具合や流れを把握するわけです。
調停委員の報告は裁判官の心証にも関わってくるので、それに伴い調停委員の心証も大切になるのです。

インタビューアー:

ありがとうございます。調停委員の報告が裁判官の心証に関わるのであれば、「調停委員を味方につけた方がいい」とか「調停委員の心証が大切」というのも理解できる気がします。

離婚調停のポイント②

  • 離婚調停では離婚するかどうか以外の離婚条件についても話し合うことができる
  • 離婚調停で自分の主張を一番初めにできるのは申立て方の大きなアドバンテージ
  • 離婚調停では調停委員が今後の流れを大きく左右する可能性がある

離婚調停をするための手続きについて教えてください

離婚調停は離婚協議で折り合いがつかなかった夫婦にとってかなり便利な制度です。
とはいえ実際に調停をしたいと思った場合、家庭裁判所に行けば、すぐに調停が行えるわけではなく、事前に申立てを行う必要があります。
調停しよう思い、裁判所のホームページを確認してみても、家事事件に関する調停は多くあるので、どの書類で申立てを行い、具体的にどのような書類を準備するのか混乱してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
原先生に具体的な離婚調停の手続きについて質問に答えていただきました。

Q1.離婚調停を行いたいとき用意する必要のある書類を確認しよう

インタビューアー:

先ほどは、調停の基礎的な知識について質問させていただきました。
今回は離婚調停の手続きの流れについてご質問させていただければと思います。
離婚調停を行う場合、申立書を裁判所に送付しなければならないと思うのですが、裁判所のホームページを確認すると、夫婦関係調整調停の申立書以外にもさまざまな種類の申立書があります。
夫婦関係調整調停の申立書だけですべて話し合えるのか不安です。

原先生:

夫婦関係調整調停(離婚)では親権・養育費・年金分割・面会交流をふくめた財産分与・慰謝料の条件については話し合うことができます。
今挙げてもらった養育費調停や、財産分与の調停は離婚後に申立てを行う調停です。
したがって離婚前であれば財産分与・養育費等の申し立てを別途申し立てる必要はありません。
ただし、婚姻費用について請求する場合には「婚姻費用分担請求」を別途申し立てなければなりません。
婚姻費用とは、夫婦が別居したときに収入の高い方から低い方に支払いが生じるもので、別居あいだの配偶者の生活費や子どもの養育費用が含まれます。
なお、婚姻費用については、申立て自体は夫婦関係調整調停とは別に申立てしなければいけませんが、実際の話し合いは同時に行うことができます。
また、ややこしいお話ですが、離婚調停では話し合えることと話し合えないことがあります。
例えば夫婦間のお金の貸し借り、夫や妻が経営している会社で働いている場合の給料の未払いといったトラブルは、家庭に関するトラブルではないので裁判所の管轄が異なります。
このような場合、相手との話し合いで解決できないときには、別途、簡易裁判所や地方裁判所に民事調停や民事訴訟等を申し立てる必要があります。

インタビューアー:

ありがとうございます。
離婚調停はあくまで家庭に関する話し合いに限られるのですね。
例に挙げていただいたお金の貸し借りや給料の未払いの問題も、お金に関する問題なのでなんとなく離婚調停でも話し合えるのかなと思っていました。
しかし、よく考えてみるとこれらの問題は、別に家庭の問題ではないですよね…。
そもそも夫婦関係だから、借りたお金を返さなくていいわけないですし、「妻だから」、「夫だから」といって給料を払わなくていいはずがないです。
ただ、何を話し合えるのかを切り分けなければならないというのは、個人的にすごく難しい問題だなと思います。
問題の切り分け等も踏まえて率直にお伺いいたします。
離婚調停は、弁護士の力を借りないで、自力で申し立てることはできますか?
また可能な場合、申立書以外の関係書類について教えてください。

原先生:

離婚調停は弁護士に依頼しなくても自力で行うことができます。
実際に、自力で調停を行っている方は少なくないと思います。
提出書類として必ず必要になるのが戸籍謄本です。
その他にも申立て後にはご自身が調停で伝えたい主張書面や、給与明細、通帳などのコピーを提出したりすることもあります。

インタビューアー:

離婚調停で取り決めしたいことによって提出書類は異なるんですね。
共通した書類もありますが、資料を集めたり、自分で主張書面を考えたりすることはすごく難易度が高そうです。
ちなみにDV等で相手方と極力顔を合わせたくない場合や連絡先を知られたくない場合、事前に裁判所へ事情を伝えておけば配慮してもらえると思うのですが、申立書にそのまま事情を記載してもいいものなのでしょうか。

原先生:

相手方と極力顔を合わせたくない場合には、「進行に関する照会回答書」に理由を記載の上、申立書と一緒に提出することで、裁判所が一定の配慮をしてくれます。
また、申立書の内容は基本的に相手方へコピーが送付されます。そのため住所等の連絡先を相手方に知られたくない場合には、「非開示の希望に関する申出書」を提出し、裁判所はその申し出を妥当であると判断した場合には、相手方に連絡先が伝わらないように配慮してくれます。

インタビューアー:

離婚事由によってはさまざまな書類を提出する必要があるんですね。
個人的には見落としがあると怖いので、弁護士に相談したくなります。

離婚調停のポイント③

  • 離婚調停は自力でも行える
  • 離婚調停は取り決めしたいことによって提出書類が多くなる
  • 相手方と顔を合わせたくないのなら「進行に関する照会回答書」に事情を記載する
  • 相手方に連絡先を知られたくない場合には「非開示の希望に関する申出書」を提出する

Q2.初回の調停から終了までの期間は?リモートで調停を行うことは可能?

インタビューアー:

先ほど離婚調停は申し立てから初回の調停までは期間が空くと伺いました。
今回は初回の調停から調停成立、もしくは不成立になるまでの期間をお伺いしたいのですが、先生の実感としてどれくらいの期間かかると思われますか?

原先生:

そうですね、私の実感としては早くて3回。通常は5,6回の調停期日を経て成立することが多いような印象です。

インタビューアー:

調停は初回じゃ終わらないんですね!
複数回調停を行うとなると、何となく調停が成立するまで時間がかかりそうな気がするのですが、時間にするとどれくらいの期間になるのでしょうか。

原先生:

そうですね。調停の期日は大体1か月から1か月半程度空くので、半年から1年程度の期間がかかると考えて良いと思います。
なお、裁判所にも夏休みのようなものがあります。
もちろん裁判所全体が業務停止になるということはありませんが、このあいだになると、通常は1か月ほどで次回調停が組まれるのに、その時期に関しては2か月程度期間が空くというケースもあります。
調停の期日は調停を行う裁判所、申立ての時期等で次回調停日の期間が長くなることもあります。

インタビューアー:

調停を申立てればすぐに結論が出るわけじゃないんですね。
離婚調停を行う方のほとんどが調停を経験したことがないと思うので、初回で決着がつくと考えている方も少なくないんじゃないかなと思いました。
また、裁判所にも夏休みがあるのですね。
当事者としたら、「早く調停期日を組んでほしい」と思うかもしれませんが、こればかりは仕方がないなと思いました。

少し質問が変わるのですが、2020年から新型コロナウイルスの流行がありました。
また、現在はIT化の流れで一般企業でもZOOM等を導入して会議を行うことも少なくなくなりました。
そこで思うのですが、裁判所はZOOM等を利用して調停を行うことはあるのでしょうか。
わざわざ裁判所に行かなくても調停を行えるのは大きなメリットだと個人的に感じます。

原先生:

意外に思われるかもしれませんが、裁判所によってビデオ会議システムの設備を導入していないところもあります。
そして、ビデオ会議システムを利用するのはあくまで例外であって,当事者が遠方だとか,裁判所に行けない理由が必要です。
その他にも弁護士を立てている場合には、弁護士が事務所から電話をして調停に参加することもあります。

インタビューアー:

ありがとうございます。また、少し話はずれてしまうのですが弁護士は依頼者の代理人という立場です。
ということは、弁護士を立てている場合、当事者本人は出席しないで弁護士にすべて交渉を任せることもできるように思えるのですが、実際のところどうなのでしょうか?

原先生:

当事者が出席せずに弁護士が依頼者の代理人として離婚調停を進めることもできます。
しかし、調停は依頼者本人のための話し合いです。そのため、私にご依頼いただいた場合には、依頼者にも一緒に参加してもらうスタンスですね。

インタビューアー:

ありがとうございます。
確かに、離婚する本人が出席しないで離婚調停が進むのもなんとなく変な感じがします。
私個人的にも大切な話し合いなので、よっぽどの事情がない限りは参加したいなと思いました。

離婚調停のポイント④

  • 離婚調停は初回じゃ終わらない
  • 離婚調停が終了するまでの期間は半年から1年を目安に考えよう
  • 離婚調停をリモートで行うには条件がある

離婚調停は事前準備が超重要!具体的な事前準備について確認しよう

離婚調停を検討する方の中には、「離婚調停を申し立てれば、後は裁判所のひとが味方になってくれて、主張通りに離婚の条件がまとまるでしょ」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
離婚調停は裁判所が仲裁役となって話し合いが行われる場であって、裁判所が判決をくだしてくれるわけじゃありません。
また、「一方的に相手方が悪い」と証拠もなく主張しても、調停が有利に進められるわけじゃありません。
調停を有利に進めるには、事前準備がかなり重要です。
とはいっても、具体的にどんな事前準備が必要なのかイメージがつきにくいですよね。
原先生に離婚調停の事前準備について詳しく聞いてみました。

Q1.離婚調停の準備とは?何を準備すればいいの?

インタビューアー:

離婚調停に臨むにあたって、冷静に話さなければならないことは理解しているのですが、具体的な事前準備とは何をすればいいのでしょうか。

原先生:

離婚調停では、証拠等を用いて自分の主張に正当性があるということを冷静に論理的に調停委員へ伝えることが大切です。
まず大切なのが、主張書面です。
主張書面とは調停で自分が主張したいことを書面にしたものをいいます。
ただし、いくら主張書面を準備したとしても、主張に根拠がなければ自分の主張の正当性を証明することはできません。
そのため離婚の意思を持つようになった経緯等を記載した陳述書や、相手方に有責行為がある場合にはその証拠、財産分与を行いたい場合は共有財産に関する資料、養育費を取り決めしたい場合には給与明細、年収のわかる源泉徴収票等の資料というように主張を裏付ける証拠を準備する必要があります。

インタビューアー:

話し合う項目が多ければ多いほど混乱してしまいそうです。

原先生:

調停では感情的になって「自分のいうことが正しい」というだけでは、主張の正当性は認められません。主張の正当性を理解してもらうためには、裏付けがなければいけません。

インタビューアー:

確かに冷静に考えてみると、感情的に主張したとしても、根拠がなければ、その主張が正しいということにはなりませんよね。
また「自分の主張なんて別にわざわざ書面にしなくてもわかる」と思ってしまう方もいるかもしれませんが、話し合いを行っていく中でヒートアップして論点がずれてしまうこともあると思います。
自分の主張を確認する意味でも準備はとても大切ですね。

離婚調停のポイント⑤

  • 調停で主張したい内容は書面にしておく
  • 自分の主張の正当性を示せるような証拠を準備する

離婚調停を弁護士に依頼するときの費用は?用意しておくべきことはあるの?

離婚調停を行いたいとき、「自力ではできない」と感じ、弁護士への相談・依頼を考える方も少なくないと思います。
とはいえ、弁護士費用というと何となく高額なのではないかと不安になる方も少なくないのではないでしょうか。
また、普段日常生活をおくるうえであまり関わる機会がないので、弁護士というとなんとなく「法律」・「専門家」・「難しい」といったような固いイメージをお持ちの方もいると思います。
実際に離婚の相談を受けた場合について、原先生にお聞きしました。
早速確認していきましょう。

Q1.離婚問題を弁護士に依頼した場合に費用を確認しよう

インタビューアー:

離婚の問題は、自力では解決できず状況によって弁護士へ依頼した方がよいこともあると思います。
離婚調停の場合、
実際に依頼を受けた場合、どのような費用が発生するのでしょうか。

原先生:

そうですね。通常は依頼時に払う着手金がまず必要になります。
離婚が成立した場合の成功報酬を設定している事務所もあります。
後は調停等で裁判所に行く場合の日当やタイムチャージ、裁判所等が遠方の場合には出張費費用といった費用が掛かります。
また調停が不成立になり、訴訟を行いたい場合には追加費用が掛かります。

インタビューアー:

ありがとうございます。
単刀直入にお聞きします。諸々の費用を支払った場合、総額でいくらくらいになるのでしょうか。

原先生:

着手金や報酬等、弁護士費用は各事務所で設定しているので一律に費用が決まっているわけではありません。
事務所では事案にもよりますが、着手金で15万~25万円くらいと考えていただければと思います。

インタビューアー:

正直個人的には、この費用で離婚できるなら安いものだなと思いました。例えば、お子さんがいたりして離婚後相手方に養育費を支払ってもらいたい場合、何にも取り決めをしていなかったら、泣き寝入りだって考えられます。
弁護士に依頼することで離婚後のトラブルのリスクを抑えられたり当事者同士でもめていた離婚問題が解決できたりするなら、必要経費だと割り切りたいなと思いました。

原先生:

依頼者の方にそう思ってもらえるとありがたいです。
とはいえ、お悩みの方のなかには金銭的な問題で、弁護士に依頼するのをあきらめてしまう方もいらっしゃると思います。
事情を抱えた方には相談時にできる限り寄り添いたいと考えています。

Q2.離婚の問題を弁護士にするタイミングは?

インタビューアー:

離婚問題を相談したくても、弁護士に相談するタイミングがいつなのか、なかなか踏み切れない方もいると思います。
実際、弁護士に相談するタイミングはあるのでしょうか?

原先生:

「自分には手に負えない」と思ったら、すぐに相談していただきたいです。
例えば、離婚調停中に相談を受け、受任することもありますが、すでに流れが固まっていると、弁護士であってもできることが限られます。
そのため早い段階ならアドバイスの選択肢が増えるので、できれば早めに相談してほしいなと思っています。

インタビューアー:

ありがとうございます。
少し話が変わるのですが、離婚相談を受けたときのことを教えてください。
先生が離婚の相談を受けた場合、どのようなことを意識して相談者とお話をしますか。

原先生:

そうですね、相談者の方が不安なことや一番求めていることキャッチしたいなと思っています。
そのため、まずは相談者の方のお話をなんでも聞くことにしています。
ときには、2,30分雑談をすることもあります(笑)
そうやってお話をして、「なんでも相談してもいいんだ」と感じていただきたいなと思っています。

インタビューアー:

ありがとうございます。
弁護士に相談するというのは、やっぱりとても緊張すると思いますので、原先生のように接していただけるととても安心すると思います。
相談を受ける中で、事前に用意した方が良いものはありますか?

原先生:

そうですね。できれば結婚から離婚したいと思うまでの簡単なメモなどを用意していただけると良いかもしれません。

インタビューアー:

ありがとうございます。
最後に離婚のお悩みの方に一言メッセージをいただけると幸いです。

原先生:

離婚の問題は家庭という狭い世界の中で本人にしかわからないセンシティブなものなので、日々不安を抱えながら生活している方は多くいらっしゃると思います。
また、「相談したい」と思っても誰にでも相談できる内容ではないのでお困りの方もいるでしょう。
弁護士は依頼者の代理人です。
あなたの気持ちを代弁する唯一の味方でありあなたそのものです。
あなたの気持ちに寄り添い、不安が解消できるよう精一努めますので、「手に負えない」と感じたら、ご相談ください。

インタビューアー:

原先生、本日はありがとうございました。

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