離婚後の新しい戸籍の作り方と子供の入籍方法|戸籍を作るメリット・デメリット | 離婚弁護士マップ
  • tel-button
  • mail-button
top center bottom

離婚後の新しい戸籍の作り方と子供の入籍方法|戸籍を作るメリット・デメリット

この記事でわかること

  • 離婚後、新しい戸籍を作るための条件
  • 離婚後、新しい戸籍を作る方法、そのメリット、デメリット
  • 離婚後、自分と子どもを同じ姓にするにはどうしたらよいか

離婚において多くの人が気になることの一つに姓の変更があるのではないでしょうか。

結婚時に夫を筆頭者として戸籍を作る場合ですと妻は夫と同じ姓になります。

離婚をすると、妻は旧姓に戻るのが原則(「復氏」といいます)です。

決められた手続きを行えば結婚していたときの姓をそのまま名乗り続けることもできます。

姓は一度届を出してしまうと、再度変更するためには裁判所の許可を得なくてはならず、再度の変更の場合は許可される条件も厳しいので、この記事をご参考にしていただきよく考えて決定するようにしましょう。

離婚後に新しい戸籍を作るための条件

離婚したときには、戸籍の筆頭者である場合を除いて原則的には結婚前にいた戸籍に戻ることになります。

結婚時に夫を筆頭者として戸籍を作った場合、夫は、身分事項欄に離婚という記載がされるのみで筆頭者としてこちらの戸籍に残ります。

一方、妻は結婚前の元いた親の籍に戻ることになります。

元の戸籍が除籍になっている場合

両親や元の戸籍にいた者全員が死亡してしまっていると戸籍自体が無くなってしまっていることがあります。

そのような時は戻る先の戸籍が存在しないことになりますので新しい戸籍を作ることになります。

元の戸籍には戻らず新しい戸籍を作る意思で離婚届に記載した場合

離婚届には離婚後に戸籍をどうするかを記載する欄(「婚姻前の氏にもどる者の本籍」)があります。

離婚後に元の姓を使用して、新しい戸籍を作りたい場合はこの欄にそのように記載して提出すると、新しい戸籍が作成されます。

結婚していたときの姓を使用したい場合

結婚していたときの姓を使いたい場合は、必ず新しい戸籍を作ります。

前述の、離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍」には何も記載せずに、別途手続きをすると結婚していたときの姓のままで、新しい戸籍を作ることができます。

離婚後に新しい戸籍を作るメリット

離婚後に新しく戸籍を作るメリットは下記のように4つに大別されます。

本籍地を好きなところにできる

戸籍地が遠方であったりすると、パスポートの申請など戸籍謄本を取りたいとなった場合に、わざわざ取得に行くことも大変ですし、郵送で戸籍謄本を取得しようとすると時間がかかります。

また郵送請求する際には現金を郵便で送るわけにはいきませんから、定額小為替を同封する必要がありますがその準備も意外に面倒だったりします。

離婚時に新しい戸籍を作るのであれば、現在の住所地などに本籍地を定めれば、戸籍謄本の取得など何かと都合が良いでしょう。

子どもと戸籍を同じくできる

まずは、離婚後に新しい戸籍を作ることで子どもと同じ戸籍になることができます。

たいていの場合、女性の側が姓を変更しているのではないでしょうか。

前述の通り、離婚すると結婚の際に姓を変更した者は、基本的には結婚前の姓に戻り、そして婚姻前にいた戸籍に戻ることになります。

しかし子どもがいる場合、母親が親権者となって離婚したとしても当然に一緒の戸籍になるわけではありません。

元の母親の両親の戸籍に、母親と子どもが戻ることは法律上想定されていません。

戸籍法第6条の三代戸籍禁止の原則(一つの戸籍に記載できる親族関係は親子二代までという原則)があらからです。

母親と子どもが一緒の戸籍に入るためには新しい戸籍を作ることになります。

子どもが成人していれば、親権者になる方の親はそれほど深くこの問題について考えなくても良いかもしれません。

未就学児~20歳までのお子さんをお持ちの方には、自分のためだけではなく子どもへの影響も考えてみていただければ幸いです。

離婚された方の多くがおっしゃるには、子どもの姓を変更しても子どもが疑問に思わないのは本当に小さい間だけだということです。

筆者の感覚からいってもおそらく3歳くらいまでではないでしょうか。

子どもが3歳以降になってくると子ども本人が何とも思わなくても、子どもの友達が気づいたり、その友達の親が何か言ったりして子どもが傷つくことも考えられます。

元配偶者の姓を名乗ることにとても抵抗があるかもしれませんが、もし子どもの気持ちを尊重できる余裕があるならば姓はそのままとして戸籍だけを新しく作り、子どもを入籍させる方法をお勧めしたいと思います。

周囲に離婚がばれない

新しい戸籍を作って婚姻時の姓を使いつづける手続きをとれば、名前が変更になりませんので離婚を知られたくない人にはばれません

婚姻していたときの姓を名乗り続けることができる手続きがあります。

これを「離婚の際に称していた氏を称する届」といいます。

これを届けると、婚姻前の親の戸籍に戻ることはできません。

姓が違う者は同じ戸籍に入れないからです。

つまり、新しい戸籍を作ることになるわけです。

姓が変更にならなければ、口座名義変更や保険の契約者変更、運転免許証、パスポートの変更などの面倒な手続きもいりません。

特に、学校に通う子どもがいる場合、子どもは友達や学校の先生などに、両親が離婚したことを伝えたくないと考えることもあるでしょう。

母親が姓を変更しないで新しい戸籍を作って、子どもを入籍させれば子どもの姓も変更になりませんので、そのような子どもの気持ちに配慮することができます。

元配偶者に住所地を知られないようにできる

離婚事由がドメスティックバイオレンスによるものであるような場合、元夫などの加害者には住所は絶対に知られないほうが安全です。

しかしながら子どもの戸籍を元夫などの加害者と一緒にしておくと、子どもの戸籍の附票をたどって住所地がわかってしまいます。

戸籍の附票には、住所の履歴が載っているので、現在どこに住んでいるかまで子どもの戸籍から簡単にわかってしまうのです。

元配偶者に勝手に住所を調べられてしまうことを避けるためには、新しい戸籍を作って子どもを入籍させ元配偶者の戸籍と完全に分けることが必要です。

そうすれば、離婚によって赤の他人になるわけですから、勝手に戸籍の附票などを取得して住所を調べるということは容易にはできなくなります(注:完全にできないというわけではありません)。

離婚後に新しい戸籍を作るデメリット

離婚後に新しく戸籍を作るデメリットは下記のように4つに大別されます。

元の配偶者の姓を名乗り続けることにモヤモヤする

婚姻していたときの姓を名乗り続ける場合に限っての話ではありますが、離婚事由がとても嫌なものであった場合、婚姻時の姓を名乗り続けることを選択したものの、時々モヤモヤしたりするかもしれません。

元配偶者の住所地を簡単に知ることができなくなる

上記の見出し『元配偶者に住所地を知られないようにできる』と逆に、子どもを新しい戸籍に入籍させると、元配偶者とは当然別の戸籍になるわけですから、元配偶者の戸籍の附票を取得することは簡単にはできなくなります。

取得できないわけではないですが、役所にどうして元配偶者の必要なのかを説明し正当な理由がないと発行してもらえなくなります。

たとえば、子どもの養育費の支払いを求めるためなど正当な理由があって、子どもと自分と元配偶者が同じ戸籍にいたときの戸籍謄本のコピーなどを役所に提示すれば元配偶者の戸籍の附票を取得することができます(東京都中央区の場合)。

養育費の不払い、離婚後に財産分与や慰謝料を求めたくなったなどで元配偶者の住所を知りたい場合などは上記の通り少し手間がかかることになります。

新しい戸籍の作り方

新しい戸籍を作るパターンは下記の2通りです。

  • (1)結婚していたときの姓から旧姓に戻り、新しい戸籍を作る
  • (2)結婚していたときの姓を引き続き使用し、新しい戸籍を作る

(1)のパターンで、新しい戸籍を作るときの手続きは特に難しくありません。

基本的には、離婚届を提出するとき、「婚姻前の氏にもどる者の本籍」欄において、「新しい戸籍をつくる」にチェックをし、新しい戸籍で名乗る氏と新しい本籍地を記載して提出するだけです。

新しい戸籍を作ろうとするときに、本籍地はどこでも構わないということになっていますので、現在の住所地でも良いですし、離婚して、さらに引っ越しをしているようであれば、その住所地を本籍地としてもOKです。

(2)のパターンでは、離婚届のみで手続きをすることはできません。

別途、「離婚の際に称していた氏を称する届」を離婚届と一緒に提出する必要があります。

この届は離婚届と一緒に提出しなくても、離婚届提出後3か月以内であれば届出することができます。

この場合の注意点は、離婚届の「婚姻前の氏に戻る者の本籍」欄には何も記載しないことと、「離婚の際に称していた氏を称する届」をいったん提出してしまうと、取り消すことができない点です。

提出後に氏を変更するためには、裁判所から、「やむをえない事情がある」ので氏を変更しても良いという許可を得る必要があります。

「やむをえない事情」とは、その氏を名乗ることで社会生活上著しい支障があるということです。

それを裁判所に証明する必要があるということですので、許可を得るのはかなり難しいことがわかると思います。

「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出するときにはあとで取り消すことができないということに留意しよく考えてから手続きをするようにしましょう。

参考までに、新しい戸籍が作られるまでの期間がどれくらいかかるのかを、例として東京都渋谷区に問い合わせてみました。

渋谷区を本籍地とする離婚届を提出する場合は、1週間から2週間ほど、渋谷区以外を本籍地とする離婚届を提出する場合は2週間から3週間ほどかかるそうです。

子どもを新しい戸籍に入籍させる方法

子どもは両親が離婚しても、名字は変わらず、結婚中の戸籍に残ります。

離婚後も子どもの名字を変える必要がなく戸籍も元のままで良いなら、何も手続きをとる必要はありません。

父母が離婚して、たとえば母親が子どもと同じ戸籍としたい場合、方法は下記の通りとなります。

例1: 母親が復氏(婚姻前の氏に戻ること)して、子どもを自分の戸籍に入れたいときは、まずは「子の氏の変更許可の申立て」をして、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

1点、注意点としては、親権者を父、監護者を母としている場合、氏の変更等については、法律行為ですから、親権者の同意がなければ手続きできないという点です。

「子の氏の変更許可の申立て」は法律行為にあたりますので、親権者の同意が必要になります。

親権者と監護者を分けることはまれかと思いますが、ご注意ください。

母親と子どもが同じ姓になれば、子どもを母親と同じ籍に入れることができます。

子どもを母親と同じ籍に入れる場合は、母親は新しい戸籍を作成していることが条件になります。

「子の氏の変更許可申立て」の申立て自体は簡単ですので、ご自身で自分の住所地の管轄の家庭裁判所で行うことができます。

参考:
各地の裁判所一覧
裁判所の管轄区域

父母の離婚によって同居する親子の氏が異なってしまうと生活に支障がありますので、許可が下りないということはない、というのが実情です。

必要書類は、

  • (1)申立書(ゴム印以外の印を捺します)
  • (2)子どもが入る予定の親の戸籍謄本
  • (3)子ども自身の戸籍謄本
  • (4)収入印紙(子1人につき800円)
  • (5)郵券(切手のこと。金額と内訳は裁判所に確認してください)

です。

もし子どもが15歳以上であれば本人が申立人になります。

子が15歳未満であれば親権者が申立人になります。

家庭裁判所の許可が出たら、本籍のある市区町村、もしくは住所地のある市区町村で「入籍届」を提出することで子どもを母親と同じ戸籍に入籍させることができます。

入籍届提出の際の必要書類は、(1)「入籍届」(2)家庭裁判所の氏の変更許可の審判書謄本です。

例2:母親が婚姻中の姓を引き続き称して、子どもを自分と同じ戸籍に入れたい場合、母親は離婚の日から3か月以内に、「離婚の際に称していた氏を称する届」をして、「婚氏の続称」をします(民法第767条2項)。

この手続きをとっても、子どもはまだ元の戸籍に入ったままの状態ですので、本籍のある市区町村、もしくは住所地のある市区町村で「入籍届」を提出することで、子どもを母親と同じ戸籍に入籍させる必要があります。

入籍届提出の際の必要書類等は、例1と同様です。

まとめ

離婚後の戸籍の手続き自体はそう難しいものではありません。

どのように手続きしたら良いかは役所の戸籍係が丁寧に教えてくれますし、離婚が成立した後すぐに手続きするものだと心構えをしておけば、「離婚の際に称していた氏を称する届」の3か月の期限も問題にはならないでしょう。

それよりも、姓や戸籍は一生の問題ですから、どのようにすれば、自分や子どものこれからの生活が良くなるのかを考えて決定すべきことです。

もしどうしたらよいか悩まれる場合には、法律相談で良いので、弁護士に相談してみましょう。

弁護士は豊富な経験の中から、姓や戸籍の問題について的確なアドバイスをくれることでしょう。

こちらの記事で書いたことを理解していただければ、相談にあまり時間もかからないはずです。

弁護士には、各地弁護士会の運営する法律相談センター、自治体が開催する法律相談、法テラス(日本司法支援センター)などで、相談することができます。

おおよそ30分5,000円~ですが、無料の場合もあります。

監修弁護士
中野 和馬

東京弁護士会

中野 和馬
石木 貴治

東京弁護士会

石木 貴治
山谷 千洋

東京弁護士会

山谷 千洋
堀 翔志

第二東京弁護士会

堀 翔志
水流 恭平

東京弁護士会

水流 恭平
福西 信文

東京弁護士会

福西 信文
川﨑 公司

東京弁護士会

川﨑 公司
大橋 正崇

弁護士法人AO

大橋 正崇
鵜飼 大

ウカイ&パートナーズ法律事務所

鵜飼 大
監修弁護士一覧
弊社が選ばれる3つの理由
離婚について知る