【円満離婚】事前の話し合いから離婚前後の流れや慰謝料の相場までをまとめて解説 | 離婚弁護士マップ
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【円満離婚】事前の話し合いから離婚前後の流れや慰謝料の相場までをまとめて解説

この記事でわかること

  • 円満離婚の定義や良いところ悪いところがわかる
  • 円満離婚の流れや慰謝料相場を理解できる
  • 円満離婚で決めておきたいことがわかる

「円満離婚」という言葉を耳にしますが、この円満離婚とはどのような離婚を指すのでしょうか。

また、円満離婚の流れや慰謝料相場はどうなっているのでしょう。

この記事では円満離婚の意義や流れ、慰謝料相場、決めておきたいことなど、円満離婚についての知識をまとめました。

円満離婚の定義

円満離婚とはそもそもどのような離婚を指すのでしょう。

まずは円満離婚の定義について確認しましょう。

円満離婚とは揉めずにスムーズに進んだ離婚のことです。

夫婦で話し合って離婚を決め、養育費や財産分与などの離婚条件を決めるときも揉めず、スムーズかつ迅速に決まりました。

離婚届の提出も迅速にできました。

このような離婚ケースを円満離婚といいます。

夫婦で話し合って離婚することを、協議離婚といいます。

裁判で離婚することが裁判離婚で、調停で離婚することが調停離婚です。

円満離婚は協議離婚のひとつで、協議離婚の中でも揉めずにスムーズに離婚できたケースを意味します。

円満離婚の良いところ・悪いところ

円満離婚の意義から「円満離婚は離婚の中でもよいものである」という印象を受けるかもしれません。

確かに離婚の際に円満離婚することは、当事者にとってよい面があるかもしれません。

しかし、同時に円満離婚には悪い面もあるため、注意が必要です。

円満離婚について理解を深めるために、円満離婚のよいところと悪いところを考えてみましょう。

円満離婚のよいところ

円満離婚には「時間」「費用」「ストレス」「離婚後の関係」の4つの点でよいところがあります。

円満離婚のよいところを順番に説明します。

円満離婚は時間がかからない

円満離婚は、財産分与などの離婚条件で揉めず、スムーズに成立する離婚です。

揉めない離婚ですから、離婚条件などで揉める離婚と比較すると時間がかかりません。

円満離婚は離婚までのスピードが早く、離婚成立までにかかる時間が短い点がよいところのひとつです。

円満離婚は費用がかからない

円満離婚では、一切費用がかからないというわけではありません。

仮に円満離婚だとしても、離婚協議書の作成などを弁護士に依頼すれば、弁護士報酬などの費用が発生します。

円満離婚は揉めて離婚するケースよりも、費用負担が軽減されるという点でメリットがあるのです。

たとえば離婚条件などで揉めた末に離婚するとします。

離婚協議で決着がつかなかったため、調停をしました。

この場合は調停費用が必要になります。

さらに、調停で決着がつかなければ裁判になるのです。

裁判までいけば調停費用に加えて、裁判費用や弁護士費用などが必要になります。

離婚で揉めればその分だけ費用負担が増す傾向にあるのです。

円満離婚できたケースの方が、離婚で揉めてしまったケースより費用の負担が少なくなります。

円満離婚はストレスも軽減される

円満離婚で軽減されるのは離婚にかかる費用だけではありません。

ストレスが大きくないという点でも円満離婚にはよいところがあります。

離婚で揉めてしまうと、離婚が成立するまで精神的なストレスがあるはずです。

また、離婚後も離婚のときに揉めたことを思い出し、嫌な気分になることもあるのではないでしょうか。

円満離婚は、離婚成立までのストレスや離婚を振り返ったときのストレスが、揉めた離婚ケースより少ないと考えられます。

円満離婚は離婚後に子どもとの面会などもしやすい

円満離婚は離婚時に揉めていませんから、離婚後に元夫婦が顔を合わせやすいのではないでしょうか。

子どもがいれば、離婚後も子供の父母であることは変わりません。

子どもと同居していない親は、子どもと面会することも可能です。

離婚時に揉めていれば「子どもと元配偶者を会わせたくない」と思うかもしれません。

円満離婚の場合は、子どもと元配偶者の面会に対して葛藤も抱きにくいはずです。

円満離婚の悪いところ

円満離婚には悪いところがふたつあります。

離婚がスムーズ過ぎて問題を見逃してしまう

円満離婚の場合に注意したいのは、離婚がスムーズに進み過ぎて不倫などの問題を見逃す可能性がある点です。

配偶者から離婚を申し入れられて、離婚に応じたとします。

離婚条件もスムーズに決まり、円満離婚できました。

しかし、後から配偶者が不倫していたことが分かったのです。

離婚のときに不倫が分かっていれば、不倫に対しての慰謝料請求をしていました。

離婚した配偶者とはもう連絡が取れず、慰謝料請求の機会を逃してしまったのです。

このように、円満離婚では離婚がスムーズ過ぎて慰謝料請求できるはずの問題点などを見逃すことがあります。

離婚条件を決め忘れることがある

同じく、円満離婚はスムーズに離婚が進んでしまい、離婚条件を決め忘れることがあります。

離婚協議が長引けば、離婚条件について決め忘れがあっても「養育費について決めていない」など、決め忘れを思い出せるかもしれません。

しかし円満離婚は揉めることなくスムーズに離婚が進むため、離婚条件の決め忘れに気づいた頃にはすでに離婚が成立し、元配偶者と連絡が取れない可能性もあります。

円満離婚は離婚までスムーズ過ぎて、決めるべきことを決め忘れて、離婚したことを後から気づく可能性があるという悪いところもあるのです。

離婚前の準備から完了までの流れ

円満離婚するためには、どのような流れで離婚を進めればいいのでしょうか。

円満離婚の準備から離婚成立までの流れについて説明します。

円満離婚の準備をする

円満離婚をするときは、まず円満離婚に向けての準備を行います。

円満離婚の準備として行いたいことは、次のふたつです。

  • ・円満離婚後の生活拠点や、生活費などの準備をする
  • ・どのように離婚を切り出せば円満離婚になるか考える

仮に円満離婚したとしても、離婚後の生活拠点や生活費の準備ができていないと、生活に困ることになります。

円満離婚後の安定した生活のためにも、生活費の預金や新居の準備、離婚後の仕事など、離婚後の生活に必要なことを決めたり、必要な物や資金を準備したりしておきましょう。

また、円満離婚をするためには、配偶者に対してどのように離婚を切り出すかが重要です。

配偶者を怒らせてしまうと、配偶者は離婚に対して意固地になり、円満離婚できない可能性があります。

一方的に自分の気持ちを押し付けるのではなく、配偶者の気持ちや考えも聞くことが重要になります。

離婚や今後のことについて意見を求められたら、真摯に自分の気持ちを告げることもポイントです。

子どものことや離婚条件のことなども考えておいて、配偶者に伝えるとスムーズです。

円満の切り出しから円満離婚成立までの流れ

離婚の切り出しから円満離婚の成立までの流れは次の通りです。

  • ・離婚したいと配偶者に切り出す
  • ・離婚についての配偶者の意見や気持ちなどを確認する
  • ・離婚条件(財産分与・養育費・慰謝料・親権など)を決める
  • ・離婚届を提出して円満離婚が成立する

以上の流れで円満離婚が完了します。

親や親族などに離婚のことを話す場合は、離婚条件を決めたあたりで打ち明けることが妥当なタイミングだと言えます。

他にも離婚について話すべき人がいれば、ある程度離婚条件などが固まった段階で話すといいでしょう。

その方が、離婚について尋ねられたときに答えやすいはずです。

円満離婚の場合の慰謝料の相場とは

慰謝料は離婚するからといって、必ず発生するわけではありません。

慰謝料は、離婚相手に不貞行為やDV、モラハラ、悪意の遺棄など、慰謝料請求できるケースに発生します。

対して性格の不一致などで離婚する場合は、夫婦のどちらかが悪いというわけではありませんから、基本的に慰謝料請求はできないのです。

円満離婚の場合も円満離婚慰謝料を請求できるケースとできないケースがあるため、注意が必要になります。

円満離婚慰謝料を請求できるのは、円満離婚の原因が不貞行為やDV、モラハラ、悪意の遺棄などのケースです。

仮に円満離婚だとしても、離婚のそもそもの原因が慰謝料を請求できるものであれば、慰謝料が請求できるということです。

対して円満離婚の原因が性格の不一致など慰謝料請求できないものであれば、円満離婚慰謝料の請求も基本的にできません。

円満離婚で、慰謝料の請求ができるケースの慰謝料相場は50~300万円です。

ただし、円満離婚の原因や事情その他を考慮して円満離婚慰謝料の額が決まるため、円満離婚慰謝料額は最終的にケースバイケースになります。

円満離婚する夫婦で話し合って、相場とは異なる円満離婚慰謝料額を決めても差し支えありません。

円満離婚でも決めておきたいこと

スムーズに離婚できるからといって何も決めずに離婚してしまうと、後からお金などの問題が発生し、離婚後にトラブルになる可能性があります。

また、離婚後に「決めておけばよかった」と後悔する可能性もあるはずです。

後悔しないために、そして離婚後のトラブルの芽を摘んでおくために、円満離婚でも以下のポイントは決めておくことが重要です。

  • ・お金のこと
  • ・子どものこと
  • ・離婚後のこと

円満離婚でも特に決めておきたいのは「お金のこと」です。

財産分与や養育費のことを決め忘れて離婚してしまうと、離婚後のトラブルの火種になります。

せっかく円満離婚できても、離婚後の火種になっては意味がありません。

また、子どものことや離婚後のことも重要です。

親権が決まっていないと円満離婚は成立しません

なぜなら、離婚届には親権についての記載欄があるからです。

親権が決まっていないと離婚届が受理されないため、円満離婚はできません。

離婚後の住居などについても、最低限のことは決めておきましょう。

決めておかないと、円満離婚した直後に「引っ越しできない」「離婚後の新居がない」など、生活に困ることになります。

まとめ

円満離婚とは、離婚条件など離婚のことで揉めず、スムーズに成立する離婚のことです。

協議離婚のひとつで、協議離婚の中でも揉めずに、スムーズにできた離婚のことを円満離婚といいます。

円満離婚は離婚準備にはじまり、離婚届の提出で成立します。

円満離婚慰謝料は、発生する場合としない場合があり、発生する場合の相場は50~100万円ほどです。

離婚のことでわからないことがあれば、弁護士に相談しましょう。

円満離婚の切り出し方や準備などについてもアドバイスを受けられます。

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