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離婚したいと言われたら受け入れるしかない?弁護士が教える適切な対応と答え方

離婚したいと言われたら受け入れるしかない?弁護士が教える適切な対応と答え方

この記事でわかること

  • 離婚を突然切り出されたときの原因や心境について理解できる
  • 離婚を切り出されたがやり直せる可能性についてわかる
  • 離婚を受け入れられない場合の対応の仕方がわかる
  • 夫(妻)を引き止めるためにできることがわかる

ある日突然「離婚したい」と言われたら、パニックになってしまう人が多いのではないでしょうか?

しかし、離婚したいと言われても、まだ離婚が決定したわけではありません。

そもそも離婚は、「夫婦の合意」がなければできません。

まずは一度冷静になって、離婚するべきかどうか自分の気持ちに素直に向き合ってみましょう。

この記事では、離婚したいと言われた時の心境の変化や、どのような点に注意して相手と話し合っていけばよいかを解説していきます。

突然離婚したいと言われた側の心境

突然離婚したいと言われた側の心境

突然離婚したいと言われたら、おそらく頭の中が真っ白になってしまうでしょう。

一度は生涯の愛を誓い合ったのですから、そう簡単に別れるわけにはいきません。

しかし、それはいったい誰のためでしょうか?

  • ・自分のため?
  • ・親のため?
  • ・世間体が気になるから?
  • ・子どものため?

理由はさまざまなことが考えられますが、すぐには相手の気持ちを受け止められないし、離婚に合意ができるはずもありません。

「自分のどこが悪かったのか?」「ほかに好きな人ができたのだろうか?」など、考えれば考えるほどキリがなく、悲しみのどん底に突き落とされたと感じてしまいます。

とてもショックなことですが、離婚原因のトップは、実は「性格の不一致」なのです。

多くの方が同じような悩みを抱えているのかもしれません。

ステージ1 ショック期

ある日突然離婚したいと言われたら、ショックが大きすぎて現実を受け入れられない状態に陥ります。

食事も喉を通らないほど憔悴して、眠れぬ日々が続いてしまうかもしれません。

ステージ2 パニック期

離婚を要求してきた相手に対して怒りや恨みの感情を抱くこともあります。

一方で、自分に悪いところはなかったのか?などと自分を責めたり絶望感に襲われたりと、心身のバランスを崩してしまう方もいらっしゃいます。

ステージ3 葛藤期

葛藤期では、ある程度冷静に物事を考えられるようになります。

「パートナーはもう関係修復を望んでいない」という現実を受け入れようとしたり、まだチャンスがあるのではないかと葛藤を繰り返します。

少しずつ諦めの気持ちが湧き上がってくる時期ともいえます。

ステージ4 出発期

完全に吹っ切れたわけではありませんが、婚姻継続を望む気持ちから脱却する時期に入ります。

少しずつ新しい未来に向かってポジティブに考えることができるようになります。

離婚を切り出されてからやり直せる可能性

一度離婚を決意したら、それを覆していくことはなかなか難しいでしょう。

関係を修復してやり直せる可能性があるかどうかは、残念ながら誰にもわかりません。

個々の事情により置かれている状況も異なり、性格も異なるため、すべての人にぴったりと一致する答えはありません。

  • ・自分が不倫した事実がバレてしまった
  • ・自分のモラハラやDVが原因で離婚したいといわれた
  • ・自分の借金問題やお酒の問題で離婚したいといわれた
  • ・生活費を入れないことで離婚したいといわれた
  • など

配偶者に、上記のような法律上の原因に該当する問題などがあれば、最終的に裁判になった場合には離婚せざるを得ない可能性が高いです。

また、これらの被害を受けていた期間が長ければ長いほど、離婚をしたくない側からみれば不利になります。

法律上の原因と根拠は?!

離婚を切り出された側に法律上の原因がなければ、離婚に応じる必要はありません。

その根拠は民法770条1項に定められています。

法律上の原因

  • 1.不貞行為(=性交渉)
  • 2.悪意の遺棄
  • 3.3年間の生死不明
  • 4.強度の精神病で回復の見込みがない
  • 5.婚姻を継続しがたい重大な事由

1〜4については、法律にあまり詳しくない方でもご理解頂けるかと思います。

5については、抽象的すぎてわかりづらいと感じる方が多いでしょう。

こちらは、過去の裁判例から判断することとなります。

  • ・婚姻期間に比して別居が長期間に及ぶ(5年以上は要注意)
  • ・DVやモラハラ

などが該当します。

自分がどの事由に当てはまるのか不安な方は、弁護士に相談して確認してみてはいかがでしょうか。

離婚を受け入れられない場合の答え方

離婚を受け入れられない場合の答え方

離婚したい側からしてみれば、すぐに返事が聞きたいところですが、焦る必要は全くありません。

「離婚したくありません」「いますぐに決めることはできません」と、自分の意思をはっきりと相手に伝えましょう。

離婚したい方のペースに飲まれないように気をつけてください。

離婚したいと言われたときに何より大切なことは、すぐに返事(結論)をしないことです。

「夫婦だから言わなくても気持ちは伝わっているだろう」と思うのは危険です。

何も伝えなければ何も変わらず、離婚への道を加速させてしまうことになりかねません。

夫(妻)を引きとめるためにできること

まず大切なことは、一度冷静になってから話し合いをすることです。

パニック状態のまま話をしても余計にこじれてしまいます。

相手の気持ちをしっかり聞いた上で、自分の素直な気持ちを伝えましょう。

一度の話し合いで結論を出す必要はありません。

2人の将来を具体的にイメージできる話をするなどしてみることも有効ではないでしょうか。

「私は生涯添い遂げます」という気持ちを伝えることができて、相手の心に響けば一歩前進といえます。

とはいえ、性格の不一致が原因の場合は、日常の些細なことが気に入らずどうしても受け入れることができないケースが多いものです。

自分に直せる部分があるかどうかも意識してみるとよいかもしれません。

改善できるところは積極的に改善していきましょう。

相手にその姿勢を見せることで、状況が好転するかもしれません。

決してやってはいけないことは、相手を非難することです。

余計に離婚したいという意思が固まってしまう恐れがあります。

夫(妻)を引きとめるときのNG行動とは?!

夫(妻)を引きとめるときのNG行動とは

やってはいけないことをまとめておきましょう。

現在パニックになっている方は、以下の点に気をつけてください。

  • ・他人の意見に流されない
  • ・相手を非難する
  • ・必要以上にへり下る
  • ・別居
  • ・暴力や浮気

辛い状況になれば、誰かに話したくなるのが自然な感情です。

しかし、親や離婚経験のある人に相談すると、「孫の顔が見られなくなる」「あなたも離婚組の仲間入り」などと言われる可能性もあります。

参考程度に聞くのはよいですが、流されすぎないようにしましょう。

また、必要以上にへり下るのも逆効果になる可能性があります。

足元をみられて、不当な請求をされてしまうことも考えられますので、毅然とした態度で話し合いをしましょう。

前述のとおり、別居が長期間に及べば不利になりますし、当然のことながら暴力や浮気をしてはいけません。

相手の離婚の意思が固い場合

「とりあえず一度別居してみよう」と提案されることも珍しくありません。

しかし、これは関係修復にとってよいことなのでしょうか?

相手の離婚意思が固い場合には、2人の距離を余計に遠ざけてしまうことが懸念されます。

必ずしも悪い結果を招いてしまうとはいえませんが、別居を決断される場合は慎重に考えることをおすすめします。

「追われると逃げたくなる」という方は多いので、一時的に別居をして様子をみようと思われる方も少なくありません。

しかし、結局は時間ばかりが過ぎていきなかなか解決に至らないということもありますので、この点を念頭に入れて行動しましょう。

前述のとおり、5年以上の別居は不利になりますので注意が必要です。

離婚意思が固い相手が、勝手に偽造などを施し離婚届を出してしまうことも考えられなくはないので、「離婚届不受理申し出」を出しておくことをおすすめします

これを出していると、例え勝手に離婚届を出されたとしても離婚は成立しません。

離婚意思が固いのはなぜ?!実は不倫していたケースが多い

よくよく考えてみても、相手が離婚したいと頑な場合は、ほかに何か原因がないか考えてみましょう。

一般的に多いケースは「不倫」です。

例えば、夫が離婚したいと切り出してきたとします。

自分に隠れて不倫をしていた場合、少し法律に詳しい人なら「妻にバレる前にとっとと離婚しちゃおう。慰謝料請求されたら大変だ!」と考えるかもしれません。

不貞行為に対する慰謝料は、一般的には300万円ほどが上限となります。

もしバレてしまえば、不倫相手との関係を解消しなければならず、かつ慰謝料も支払わなければならないのでダブルパンチです。

さらには、離婚の申し立てが難しくなってしまうことです。

不貞行為を行なった有責配偶者に対して、裁判所は離婚請求のハードルを高く設定しているためです。

まとめ

今までは、一般的に妻の方から離婚を切り出すケースが圧倒的に多かったのですが、最近では夫から離婚を切り出すケースが増えています。

テレビのワイドショーなどでも熟年離婚と呼ばれる「ベテラン夫婦」の離婚が取り上げられるようになりました。

今や離婚自体は珍しいことではなく、3組に1組は離婚する時代です。

しかし、離婚したいと言われたら、誰だってパニックになります。

解決への近道は、一度冷静になることです。

自分の気持ちに素直に向き合って、どうしたいのかをよく考えてからパートナーと話し合ってみましょう。

監修弁護士
中野 和馬

東京弁護士会

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石木 貴治

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