不倫した側・された側が失うものと離婚を含めた選択肢 | 離婚弁護士マップ
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不倫した側・された側が失うものと離婚を含めた選択肢

この記事でわかること

  • 不倫をした場合に問われる責任についてわかる
  • 浮気をされた場合に離婚した方が幸せになれるかについてわかる
  • 不倫を原因とした離婚の進め方がわかる
  • 不倫が原因で離婚する場合の注意点がわかる

不倫が発覚すると、不倫された人の心を深く傷つけ、信頼を失ってしまうことがほとんどです。

不倫をした人はちょっと魔が差しただけだと考えていても、深刻な事態になるケースも往々にしてあります。

ここでは、不倫をした人に課される責任や離婚をすべきかどうかの判断、不倫を原因とした離婚の進め方や注意点などについて説明します。

不倫(浮気)は離婚に直結する問題

結婚生活を続ける中で、配偶者以外の異性に惹かれてしまうことは多くの人に起こりうることです。

ですが、その気持ちを実際に行動に移して不倫をしてしまうと、深刻な結果となる可能性があります。

不倫をしていると、いつもとは違う言動をとったり、不倫の証拠となるものを残したりしてしまうなど、自分では隠しているつもりでも何かがきっかけで発覚する可能性が高いものです。

不倫が発覚すると、配偶者は、信頼していた相手から裏切られたことによる怒りと悲しみを抑えきれず、修羅場となって一気に離婚話まで発展する可能性もあります。

実際、不貞行為は法律で定める離婚事由に該当するため、相手から離婚請求され、それが認められる可能性は十分あります。

軽い気持ちで不倫をする人も一定数いますが、不倫は離婚に直結する重大な問題なのです。

不倫をした側に課される責任

不倫をした場合、どのような責任を問われることになるでしょうか。

慰謝料請求や社会的立場の変化、家庭での立場の変化などが考えられるため、それぞれについて説明します。

慰謝料請求をされる

夫婦には、お互いに他の人との性交渉を行ってはいけないという貞操義務があります。

そのため、不貞行為(不倫)をした場合には、夫婦の義務を破り不法行為をしたことになるため、損害賠償請求として慰謝料を請求される可能性があります。

損害賠償とは、故意(わざと)または過失(落ち度)によって相手に損害を与えたときに、それを償うことです。

不貞行為の場合、配偶者は精神的苦痛を受けたという損害があるので、それを償わせるために慰謝料請求をすることができます。

慰謝料の相場は、不倫が原因で離婚するかどうかや、不倫の期間などによって変わります

社会的な立場への影響

不倫をしたことが原因で離婚に至った場合には、家庭を失うことになります。

離婚自体は珍しいことではありませんが、不倫が原因で離婚したことが周囲の人に知られると、社会的な立場に悪影響を及ぼす場合もあるのです。

特に、保守的な社風の会社に勤めていたり、人からの信用や高い倫理観が求められる立場や職業に就いていたりする場合、悪いうわさなどが立つと出世などにおいて不利になる可能性があります。

また、仕事上の影響はなくても、周囲の人からの評価が変わる可能性は十分ありえるでしょう。

家族からの信頼を失う

配偶者との話し合いで離婚には至らなかった場合でも、一度失った信頼を取り戻すのは容易なことではありません。

子供もある程度の年齢であれば不倫の事実を知る可能性もあり、子供からの信頼まで失ってしまう可能性もあります。

不倫が発覚した後は、家族から今まで通りに接してもらえなくなる可能性が高いでしょう。

また、配偶者からの信用を失ったことで、不倫発覚前よりも自由に使えるお金を制限されたり、行動を制限、監視されたりする可能性もあります。

浮気をされた側は離婚したほうが幸せなのか

配偶者に不倫をされた場合、離婚をするべきなのでしょうか。

離婚をした方が幸せになるケースもあれば、そうでないケースもあります。

以下のような可能性も考えたうえで慎重に判断しましょう。

経済的に生活が苦しくなる

たとえば専業主婦をしていて夫に不倫をされた場合、離婚をすると経済的に困窮する可能性があります。

慰謝料や財産分与によってある程度のお金をもらえる可能性はありますが、それだけで生活できることは通常ありません。

離婚を決める前に、仕事を見つけるなど経済的な自立の見通しを立てておく必要があります

また、たとえ経済的な自立はできるという場合でも、これまでよりも余裕がなくなる可能性は高いでしょう。

経済的な豊かさを重視する価値観を持っている場合には、ゆとりある生活ができなくなることでつらい思いをする可能性があります。

子供への影響がある

子供がいる場合には、離婚をすることで子供への影響があります。

不倫をしていても、子供にとってはよい親という場合もあり、子供から親を奪ってしまうことを躊躇するケースもあるでしょう。

また、未成年の子供がいる場合、離婚をすると親権者を父と母のどちらかに片方に決める必要があるので、子供と一緒に暮らせなくなる可能性もあります。

たとえ親権を自分がとって子供と暮らす場合にも、片親になって子供に一人で過ごさせる時間が増えさみしい思いをさせてしまったり、子供に経済的な苦労をさせてしまったりする可能性もあります。

子供への具体的な影響について考えたうえで、離婚をすることが望ましいでしょう。

やり直して信頼関係を取り戻せることもある

不貞行為によって裏切られたことによるショックは大きく、もう相手を信じられないと思うのは自然なことです。

ですが、不貞行為にも様々なケースがあり、不倫発覚後の相手の対応によっては徐々に信頼関係を取り戻せる可能性もあります。

一時的な感情で離婚を決めてしまうと、後から相手との良い思い出などが頭をよぎり、後悔する可能性もあります。

相手が反省している場合には、しばらく様子を見る時間をとるという選択肢もあります。

不倫が原因の離婚の進め方

不倫が原因で離婚する場合には、どのように手続きを進めていけばよいでしょうか。

基本的には、夫婦での話し合いによって協議離婚を目指すことになります。

協議離婚の際には、主に以下の内容について取り決める必要があります。

財産分与

結婚期間中に夫婦で形成した財産を分け合う財産分与について取り決めます。

基本的に半分ずつ分けることとなり、預貯金や不動産、保険などについてどのように分けるか話し合います。

慰謝料

不貞行為が原因での離婚であれば、慰謝料を請求するのが通常です。

慰謝料については決まった計算方法はないため、金額の折り合いがつかずに話し合いがこじれる可能性もあります。

親権者

未成年の子供がいる場合には、父と母のどちらを親権者にするか決める必要があります。

子供がある程度の年齢であれば、子供の意見も聞いて決めるのが望ましいでしょう。

養育費

離婚後も父と母はそれぞれ子供を扶養する義務があるので、子供を監護する親は、非監護親から養育費を受け取ることになります。

養育費は、夫婦それぞれの収入、子供の年齢、人数によって決めるのが通常で、家庭裁判所で採用している「養育費算定表」を使って目安となる金額を知ることができます。

協議がまとまらなければ調停へ

離婚自体に合意していなかったり、離婚には合意していても離婚条件で合意できなかったりする場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることになります。

調停では、調停委員2名と裁判官を介して、当事者それぞれの意見を調整していき、合意することを目指します。

裁判所での手続きではありますが、当事者同士の合意が得られない限りは調停委員や裁判官が決定を下すことはありません。

合意が成立しなければ、調停は不成立となって手続きは終了します。

調停不成立後は離婚訴訟へ

調停が不成立となった場合、離婚を望む場合には離婚訴訟を提起することになります。

訴訟の場合、法律上認められる離婚理由があることを証明する必要があります。

不貞行為を原因とする場合には、それを主張、立証していく必要がありますので、弁護士へ手続きを依頼せずに自力で対応することは非常に困難です。

不倫が原因の離婚の際に注意すること

不倫が原因で離婚する場合に注意することがあります。

不倫をした側、された側それぞれの注意点について説明します。

不倫をした側の注意点

相手が離婚を決意するほどの状態であれば、不貞の事実に対して強い怒りや悲しみを感じている可能性が高いでしょう。

その場合、相手から高額な慰謝料を請求される可能性があります。

不貞の事実があれば慰謝料は支払うべきものですが、相場からかけ離れた高額な慰謝料の請求にまで応じなければいけないわけではありません

請求額に納得できなければ、相手にその旨を冷静に伝え、自分が妥当だと考える金額を提示しましょう。

その際、相手の気持ちにも配慮し、低姿勢で接することを心がけましょう。

不貞の事実がある場合、相手が被害者であることは事実なので、喧嘩腰の態度をとったり感情的に対応したりするべきではありません。

できるだけ誠意ある対応をしたいという態度を示しましょう。

それでも相手との話し合いがうまくいかない場合には、弁護士を通した話し合いをするなどの対応を考えましょう。

不倫をされた側の注意点

不貞が原因で離婚する場合には、慰謝料を請求したいと考えるのが一般的です。

ただし、慰謝料を請求するためには、証拠が必要です。

相手が任意で支払いに応じてくれるのであれば問題ありませんが、そうでない限りは証拠がなければ請求が難しくなります。

また、不貞相手にも慰謝料請求できる可能性があるため、請求の可否について検討しましょう。

不貞相手に慰謝料請求できるのは、相手に故意または過失があって不倫していた場合です。

故意とは、既婚者であることを知っていたことで、過失とは、既婚者であることを知らなかったことに落ち度があったことです。

不貞相手が既婚であることを知らず、知らなかったことに落ち度がなかった場合には、慰謝料請求は認められません

まとめ

不倫が発覚すると冷静ではいられないことがほとんどで、離婚が頭をよぎることも多いでしょう。

ただし、一時的な感情で離婚を決めてしまうと、不利な形で離婚してしまったり、後悔したりする可能性もあります。

冷静に状況を判断することを心がけ、不安なことがあれば弁護士への相談も検討しましょう。

監修弁護士
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