10年前の浮気を理由に離婚できる?事前準備から慰謝料請求・財産分与の要否までを知りたい | 離婚弁護士マップ
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10年前の浮気を理由に離婚できる?事前準備から慰謝料請求・財産分与の要否までを知りたい

この記事でわかること

  • 10年前の浮気で離婚できるかわかる
  • 10年前の浮気で慰謝料請求できるかわかる
  • 浮気の慰謝料相場や証拠などを理解できる

配偶者の浮気は慰謝料請求や離婚の原因になります。

しかし、浮気された直後に慰謝料請求や離婚の決断をせず、時間が経ってから「慰謝料請求したい」「離婚したい」と思ったときはどうすればいいのでしょう。

時間が経ってから慰謝料請求や離婚は可能なのでしょうか。

浮気から10年という長い年月が経過してから慰謝料請求や浮気を原因にした離婚はできるのでしょうか。

10年前の浮気を理由にした離婚の可否や慰謝料請求の方法、必要な証拠などの基本的な知識について解説します。

10年前の浮気でも離婚の材料にできる

浮気から10年という時間が経過していても、離婚や慰謝料請求の材料のできるのでしょうか。

10年前の浮気が原因で離婚や慰謝料請求ができるか判断するためには、浮気の時効について知っておく必要があります。

まずは浮気の時効についてお話しして、次に10年前の浮気の慰謝料請求の材料にできるか解説します。

浮気の消滅時効は「3年」である

配偶者に浮気されたからといって、何時でも慰謝料請求などができるというわけではありません。

浮気には時効があるため、時効を過ぎてしまうと基本的に慰謝料請求はできなくなります

浮気の時効は「3年」です。

配偶者の浮気を知り、なおかつ浮気相手(加害者)の情報を知った時点から時効が起算されます。

浮気と浮気相手(加害者)を知ってから3年で浮気の慰謝料請求ができなくなるということです。

ただし、離婚慰謝料は異なります。

離婚慰謝料は浮気という離婚原因によって離婚することになった心の痛みや損害についての慰謝料です。

浮気が原因で離婚した場合、離婚慰謝料は離婚時から起算します。

浮気が原因の離婚慰謝料は、離婚後3年間請求できるということです。

10年前の浮気でも慰謝料請求できるか

10年前の浮気に対して慰謝料請求できるかどうかは、相手によって異なります。

配偶者が10年前に浮気をして、その浮気相手に慰謝料請求したいとします。

浮気を知っていて浮気相手の情報も知っていた場合は、3年で時効になっているのです。

よって、10年前の浮気の慰謝料請求は極めて難しいという判断です。

基本的にできません。

対して浮気をした配偶者に対しては慰謝料請求できる可能性があります。

たとえば、10年前の浮気が原因で離婚に至ったのであれば、配偶者には離婚後3年は慰謝料請求が可能だという判断です。

ただし、10年前の浮気が原因で慰謝料請求したとしても、その慰謝料請求が認められるかどうかは別問題です。

あくまで時効的な面では慰謝料請求できるという結論になります。

なお、10年前の浮気が原因で慰謝料請求する場合は「なぜ今に至って離婚しなければならなかったのか」などが問題になるのです。

10年前の浮気ですから、10年間は普通に夫婦として暮らしていた期間がありました。

10年間夫婦として暮らしている間に「浮気問題は解決したのではないか」「離婚の原因は過去の浮気ではなく、別の問題ではないか」という疑義が生まれるのです。

慰謝料請求を認めてもらうためには、10年前の浮気や婚姻関係破綻の証拠をしっかりと準備する必要が出てきます。

結論としては「10年前の浮気でも慰謝料請求できる可能性はある」ということです。

10年前の浮気が原因で離婚する際に必要な理由や証拠

10年前の浮気が原因で離婚する際は「浮気」という理由を証明するための証拠が重要になります。

離婚は基本的に夫婦双方の合意があり、離婚届を提出すれば成立するのです。

しかし、夫婦の片方が離婚に同意していない場合は、話し合いで解決できません。

裁判所の調停や裁判などで離婚するしかないのです。

裁判や調停では証拠が非常に重要になります。

浮気をされた妻や夫が口だけで「浮気があった」と主張しても、調停委員や裁判官を説得することは難しいはずです。

なぜなら、裁判官や調停委員は第三者だからです。

浮気が原因で離婚するためには、調停委員や裁判官という第三者が「浮気はあったようだ」と納得するだけの証拠を用意しなければいけません。

証拠が乏しい状態でも調停や裁判の提起は可能ですが、調停や裁判を起こしたからといって必ず離婚を認めてもらえるわけではありません。

認めてもらえるだけの証拠を準備してはじめて、離婚できる可能性が高くなるのです。

10年前の浮気で離婚するために必要な証拠とは

10年前の浮気で離婚するためには、10年前の浮気の証拠が必要になります。

前述したように、裁判所の調停や裁判になれば、裁判官や調停委員などの第三者を納得させる必要があるのです。

10年前の浮気での離婚を認めてもらうためにも、浮気の証拠はしっかり準備しましょう。

具体的な浮気の証拠には以下のようなものがあります。

  • ・写真
  • ・画像
  • ・浮気を認めた自白の録音
  • ・メール
  • ・SNS
  • ・探偵の浮気調査
  • ・領収書やクレジットカード明細
  • ・日記や手記
  • ・手紙
  • ・電話の通話記録

など
以上のようなものは浮気の証拠になります。

ただ、証拠によって力に差があるため注意が必要です。

クレジットカード明細や領収書なども証拠になる可能性がありますが、浮気が推認できなければ意味がありません。

浮気した配偶者のクレジットカード明細の中にはまったく関係のない買い物の記録なども出ているはずです。

このような記録は浮気の証拠にはなりませんので、合わせて注意してください。

10年前の浮気の証拠でさらに注意したいのは、浮気自体がかなり前なので、証拠集めが難しいという点です。

現在進行形の浮気なら探偵などに相談して浮気の証拠集めをしてもらいやすいことでしょう。

しかし10年前の浮気の場合は現在進行形での証拠集めがかなり難しくなります。

浮気当時は自宅に残されていたはずの証拠も、10年という年月の経過により処分されている可能性があるはずです。

一覧のものは証拠として使える可能性自体はあるのです。

しかし浮気が10年前となると、収集自体が困難になるものも多いということです。

現状で集められる浮気の証拠や具体的な証拠、浮気の離婚対策については、弁護士に相談することをおすすめします。

10年前の浮気で慰謝料を請求する方法

すでにお話ししましたが、10年前の浮気でも慰謝料請求できる可能性があります。

10年前の浮気で慰謝料請求する際は、以下の3つのポイントが重要です。

  • ・慰謝料請求の相手は誰か
  • ・時効ついてしっかり確認する
  • ・浮気の慰謝料請求の証拠

10年前の慰謝料請求で重要になる3つのポイントを順番に確認します。

慰謝料請求の相手は誰か

10年前の浮気の慰謝料請求を誰に行うかが重要になります。

前述したように、浮気の慰謝料請求の可否は相手によって変わってくる可能性があるからです。

浮気相手には、浮気と浮気の加害者を知ってから3年で慰謝料請求が基本的にできなくなりました。

対して配偶者に対しての慰謝料請求は、浮気による離婚後3年間は原則的に可能です。

10年前の慰謝料請求では、相手による浮気の慰謝料請求の可否を確認することが重要になります。

時効についてしっかり確認する

10年前の浮気についても慰謝料請求が可能なケースがあります。

ただし、時効については重々注意する必要があります。

配偶者と浮気が原因で離婚した場合、離婚後3年は基本的に離婚慰謝料の請求が可能です。

ただし、時効間際の慰謝料請求や時間が経ってからの慰謝料請求には注意が必要になります。

自分では「まだ3年経っていないだろう」と思っていても、時効が差し迫った状態になっていることがあるからです。

さらに、慰謝料請求のためには裁判所での手続きに必要な時間や準備期間も必要になります。

時効を間違えてしまうと、可能だった慰謝料請求ができなくなる可能性があるのです。

時間経過後の慰謝料請求や時効間際の慰謝料請求は、法律の専門家にしっかりと時効を確認してもらうことをおすすめします。

また、慰謝料請求の手続きや準備などを考えて、早めに着手しましょう。

浮気の慰謝料請求の証拠

浮気の慰謝料請求には証拠が必要です。

第三者に納得してもらうため、そして配偶者に言い逃れされないためにも、浮気の証拠が不可欠になります。

証拠の準備状況によっても慰謝料請求が認められる可能性が変わってくるため、証拠集めはしっかり行う必要があるのです。

証拠の準備が難しい場合や何を証拠として集めたらいいのかわからない場合は、弁護士などの専門家に相談してみてください。

証拠が乏しい場合は証拠の収集に時間がかかる可能性もあります。

証拠収集や精査に要する期間も考慮して慰謝料請求のために動くことが重要です。

熟年離婚の場合の慰謝料の相場は高くなりがち

10年前の浮気で慰謝料請求する場合、長年連れ添った夫婦であることが少なくありません。

新婚夫婦が10年前の浮気で慰謝料請求するなどは、ほぼ考えられないはずです。

10年以上の時を共にした夫婦が慰謝料請求の当事者であることが基本ではないでしょうか。

10年前の浮気が原因で熟年離婚した場合、どのくらいの慰謝料が相場になるのでしょう。

熟年離婚の慰謝料相場とは

熟年離婚の慰謝料相場は基本的にありません

なぜなら、離婚については個別の事情やケースによって慰謝料金額がかなり変わってくるからです。

浮気による離婚の慰謝料は一律にいくらと決まっているわけではなく、浮気の場合でも慰謝料請求ケースごとに金額が変わってくるという仕組みになっています。

同じ浮気でも個別ケースで異なるからこそ、慰謝料額の相場はあって無いものなのです。

ただし、過去の熟年離婚の慰謝料から、ある程度の目安金額を知ることは可能になっています。

肉体関係を伴う浮気の慰謝料相場は100~500万円です。

浮気の期間や回数などによって金額がかなり変わってくるため注意してください。

DVが原因で離婚した場合の慰謝料は50~300万円になります。

こちらについても怪我の状況や期間などによって金額が変化します。

モラハラは100~300万円が相場です。

熟年離婚の中でも悪意の遺棄の場合は、50~300万円の慰謝料額が相場になります。

悪意の遺棄とは、夫婦で助け合って生活しなければならないところ、助け合いをしなかったことを指します。

配偶者から長年生活費をもらっていなかったケースなどは、この悪意の遺棄に該当する可能性があるのです。

セックスレスが原因のケースでは、100~300万円になります。

悪意の遺棄やモラハラ、セックスレスによる慰謝料も、個別ケースによって金額が変わってくるのです。

浮気による離婚でも財産分与は必要

浮気によって離婚しても財産分与は必要です。

浮気による離婚の際に慰謝料を支払ったからといって財産分与が不要になるわけではありません。

浮気による慰謝料を支払っても、基本的に財産分与をしなければいけないのです。

財産分与とは「夫婦として生活していたときに夫婦で培った財産を、離婚に際してわけること」を意味します。

財産分与には3つの種類があります。

清算的財産分与と扶養的財産分与、慰謝料的財産分与です。

中でも財産分与の中心になるのは、清算的財産分与です。

清算的財産分与とは、離婚理由を問わず夫婦の貢献度を考慮して夫婦の財産を平等に分配しようという考え方になります。

清算的財産分与は夫婦で培った財産の清算という意味合いが強くなるため、有責配偶者からの請求も可能です。

有責配偶者とは、浮気をした側の配偶者のことになります。

財産分与は慰謝料と性質こそ違いますが、離婚のお金の問題という点では同じです。

養育費なども含め、離婚のときのお金の問題はこじれやすいという特徴があります。

財産分与のことでわからないことや疑問、不安があれば、トラブルに発展する前に弁護士へと相談しましょう。

まとめ

10年前の配偶者の浮気でも、ケースによっては慰謝料請求や離婚ができる場合があります。

浮気の慰謝料請求には時効があります。

時効は浮気と浮気相手(浮気の加害者)を知ってから3年です。

しかし、浮気によって離婚した場合は配偶者に対して離婚後3年は慰謝料請求できる可能性があります。

慰謝料請求については実際のケースによって変わってきますので、弁護士に相談して慰謝料請求の可否を判断することをおすすめします。

慰謝料請求が可能だった場合、請求の時効には重々注意が必要です。

慰謝料請求のためには準備や裁判所での手続きが必要になることもあるため、準備期間や手続きの所要時間などを考慮して進めましょう。

証拠が乏しいときなども、早めに弁護士へと相談の上で準備することをおすすめします。

財産分与なども含め、弁護士と相談しながら慎重に進めることが大切です。

監修弁護士
中野 和馬

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