子供がいる場合の離婚準備に必要なことと手当や助成金について | 離婚弁護士マップ
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子供がいる場合の離婚準備に必要なことと手当や助成金について

この記事でわかること

  • シングルマザーになることのメリットとデメリットがわかる
  • シングルマザーになる前に準備しておく内容がわかる
  • 離婚をする際に受け取ることができるお金の内容がわかる
  • シングルマザーが受けられる可能性のある手当や助成金の内容がわかる

子供のいる女性が離婚を考えるとき、離婚後に生活していけるのか、子供に可哀そうな思いをさせてしまうのではないかなど、心配が尽きないのではないでしょうか。

ここでは、シングルマザーになることのメリットとデメリット、準備しておくべきこと、シングルマザーが受けられる公的扶助などについて説明します。

離婚を決める前に考えておきたいメリットとリスク

子供のいる女性の場合、勢いで衝動的に離婚をしてしまうのはとても危険です。

きちんとメリットとデメリットを理解したうえで、離婚するべきかどうかを判断しましょう。

シングルマザーになるメリット

メリットとしては、主に以下のようなことが考えられます。

夫婦喧嘩がなくなり穏やかに暮らせる

離婚を考えているということは、夫婦喧嘩が頻繁に起きている状況だと考えられます。

時々喧嘩してしまうのは仕方のないことですが、しょっちゅう喧嘩をしているような状況は、ストレスが蓄積して精神を蝕んでしまう可能性もあります。

次第に顔を見るだけでも苛々したり苦痛を感じたりしてしまうケースもあり、本来リラックスできるはずの家庭がストレスの源となってしまいます。

離婚することで、このような状況から解放され、穏やかな生活を送ることができるようになります。

夫の世話が不要となり、家事の負担が軽減される

夫が自分のことを自分でやらなかったり、家事を分担したりしてくれない場合、夫の身の回りの世話や家事を負担に感じている女性が多いでしょう。

子供の世話は負担に感じなくても、大の大人の世話をすることには多くの女性がストレスを感じてしまいます。

離婚をすれば夫の世話が不要となり、家事の負担が軽減されます。

義両親などとの親戚付き合いがなくなる

夫の両親やきょうだいとの付き合いに神経をすり減らしている女性も多く存在します。

特に夫婦や子供の問題に干渉したり、しょっちゅう顔を見せるように要求したりする姑などがいる場合は、強いストレスを感じるでしょう。

離婚をすることで、夫側の親戚付き合いがなくなるというメリットもあります。

夫の浪費に悩まされなくなり、家計を自分で管理できる

夫に浪費癖があったり、生活費を夫一人が管理していたりして、自由に使えるお金をほとんど渡してもらえないなど、金銭的な悩みを抱えている女性もいます。

離婚することで世帯収入は少なくなりますが、自分で家計を管理し、夫に浪費されなくなることで金銭的な悩みがなくなるというケースもあります。

外に出ることで自分の世界が広がる

結婚している間は、夫中心の生活を送ったり、夫が束縛する性格で自由に出歩いたりすることができないなど、家の中に閉じ込められているような状況の女性もいます。

離婚をすると、ほとんどの女性は外に出て働く必要もあり、必然的に外の世界に出ていくことになります。

仕事と子育ての両立は大変ですが、家庭以外の付き合いが生まれると、よい刺激があり視野が広がったり、シングルマザー同士の交流などが生まれたりする可能性もあります。

公的な扶助が受けられる

日本ではシングルマザーのための公的扶助制度が充実しており、路頭に迷ってしまうようなことは通常ありません。

結婚していても夫が生活費をきちんと入れてくれなかったり、借金をしたりするような人であれば、シングルマザーの方が安定した生活を送れる可能性もあります。

シングルマザーになるデメリット

シングルマザーには当然デメリットもあり、主に以下のようなことが考えられます。

経済的に今よりも苦しくなる可能性が高い

夫の収入がなくなるので、世帯収入が大幅に減ってしまいます。

特に子供が小さい女性の場合、夫の収入で生活費の大部分をまかなっていることが多く、離婚をすると生活レベルを大きく下げる必要があるケースもあるでしょう。

子供に今まで通りの習い事をさせることができなくなるといった可能性もあります。

仕事と家事育児を一人で担わなければならない

離婚をすると、多くの女性がフルタイムで仕事をする必要があるでしょう。

そうなると、仕事、家事、育児をすべて一人で担うこととなり、体力的にも精神的にもハードです。

自分の時間がなくなることで、ストレスを感じることもあるでしょう。

子供と一緒に過ごせる時間が少なくなる

これまで専業主婦や短時間パートなどをしていた女性の場合、離婚して本格的に仕事をするようになると子供と過ごせる時間が短くなってしまいます。

子供がさみしい思いをしてしまうこともあるでしょう。

シングルマザーであることを引け目に感じたり、一部の人から偏見を持たれたりする

シングルマザーは今の時代数多くいるものの、いまだに一部の人からは偏見を持たれたり、自分自身がシングルマザーであることに引け目を感じたりしてしまうこともあるようです。

自分はよくても、子供が偏見を持たれることに悩む女性も多いようです。

シングルマザーになるために準備しておくこと

シングルマザーになる場合、事前にしっかりと準備をしておくことで、離婚後に「こんなはずじゃなかった」などと後悔したり戸惑ったりすることを防ぎ、スムーズに新生活を始めることができます。

お金について

まず大切なのは、離婚後の生活の見通しを立てることです。

生活の見通しを立てる上で大切なのは、やはりお金のやりくりです。

まず離婚直後に、引っ越しをする場合などは新生活を始めるためにまとまったお金が必要となることがあります。

その後の生活についても、毎月どのくらいのお金でどのようにやりくりしていくのか、収入や支出についての見通しを立てておくことが必要です

ただし、離婚までに自力でまとまったお金を用意することは容易ではありませんし、必ずしも必要なものではありません。

離婚する際に夫から財産分与や、慰謝料を請求できるケースもあります。

また、離婚後も毎月養育費を受け取ることができます。

それに加え、公的扶助を受けることができるので、子供手当や母子手当などを受け取ることができます。

これらを踏まえて、収入がどれくらいになりそうか、支出がどれくらいになりそうかをきちんと計算しておきましょう。

住む場所について

離婚に際し、これまで住んでいた家から出ていく必要がある場合もあります。

その場合、あらかじめ離婚後の住まいを見つけておく必要があります。

母子家庭を優先的に公営住宅に入居させてくれる自治体や、各種の補助金を受けられる自治体もあるので自治体の窓口などで相談してみましょう。

子供の通学や治安の面すなども考えたうえで、住む場所は慎重に決めましょう。

仕事について

離婚前からフルタイムで働いている女性であれば問題ありませんが、専業主婦をしていた場合には、離婚後には生活費を稼ぐために仕事を始める必要がある人がほとんどでしょう。

これまでパート勤務だった女性の場合も、離婚後はフルタイムで働く必要がある場合も多くあると思います。

小さい子供のいる女性が仕事を見つけることは容易ではありません

事前に仕事のめどを立ててから離婚するのが安全でしょう。

離婚に際してもらえるお金

離婚する際には、受け取ることができるお金があります。

それぞれについて説明します。

財産分与

財産分与とは、結婚期間中に夫婦で協力して形成した財産を分け合うことです。

分ける割合は貢献度に応じますが、基本的に2分の1ずつになります。

たとえ妻が専業主婦で収入を得ていなかった場合でも、家事などで貢献していたと考えられるため、半分ずつ分けるのが原則です。

財産は、預貯金、不動産、解約返戻金のある生命保険、家財道具など多岐にわたり、結婚期間中に取得したものであれば名義がどちらのものであるかは問いません。

ただし、夫婦のどちらかが相続で遺産を取得したような場合、その遺産については財産分与の対象にはなりません。

養育費

未成年の子供がいる場合、父母それぞれが養育費を分担する義務があります。

妻が子供の親権者となり子供を育てる場合には、養育費を夫に請求が可能です。

養育費の金額は、家庭裁判所で採用している「算定表」で計算することができます。

夫と妻の収入、子供の年齢、人数によって算出することができるようになっています。

養育費は支払いが長期にわたることから、不払いになってしまうケースがとても多いため、きちんと公正証書を作成して取り決めておくとよいでしょう。

慰謝料

夫が離婚原因を作った場合には、慰謝料を請求できることがあります。

典型的なのは、不貞行為やDVを行っていたようなケースです。

慰謝料を請求する場合には、証拠が必要となるため離婚の話をする前にそろえておくとよいでしょう。

離婚までの婚姻費用

離婚することが決まってから実際に離婚するまで別居する夫婦も多いでしょう。

別居した場合にも、離婚が成立するまでの間は婚姻費用(生活費)を請求することができます。

婚姻費用についても、養育費と同様に家庭裁判所で採用する「算定表」があります。

夫が任意で支払ってくれない場合、調停を起こして請求することが可能です。

年金分割

離婚の際、夫が厚生年金加入者の場合には年金分割を求めることができます。

年金分割と いうのは、離婚後に配偶者の厚生年金保険料の納付した実績の一部を分割して、分割を受ける元配偶者が受け取れる制度です。

将来的な年金の受給額が変わるため、離婚の際に手続きをしましょう。

ただし、国民年金の場合には年金分割はありません。

シングルマザーになってもらえる手当と助成金

シングルマザーになった場合に受け取ることができる手当や助成金について紹介します。

生活保護

生活保護は、憲法で保障される「健康で文化的な最低限度の生活」を送るために支給されるお金のことです。

シングルマザーで就労できない事情がある場合などは福祉事務所に相談しましょう。

児童手当

児童手当は、中学卒業までの子供がいる親を対象とする手当です。

3歳未満の子供がいる場合、月額1万5,000円、3歳以上で小学校終了前の子供がいる場合は第1子と第2子は10,000円、第3子以降は月額1万5,000円が支給されます。

中学生の子供がいる場合、月額10,000円が支給されます。

自分が居住する市区町村の役所で申請しましょう。

児童扶養手当

離婚や死別などにより片親で子供を養育する親を対象とする手当です。

児童扶養手当には、受給者の所得制限があることに加え、同居の扶養義務者の所得制限もあります。

自分が居住する市区町村の役所で申請しましょう。

支給額については以下の通りです。

1.子供が1人
全部支給の場合
月額 41,020円
一部支給の場合
所得に応じて月額 41,010円から9,680 円まで 10円きざみの額
※全部支給か一部支給かは、一人親の所得により決定

2.子供が2人
対象児童が 2人の場合、上記金額に5,000円加算

3.子供が3人以上
対象児童が3人以上の場合、上記金額に1人につき3,000 円ずつ加算

児童育成手当

離婚や死別などにより一人親で18歳までの子供を養育する親を対象とする手当です。

月額13,500円が支給されますが、受給者の所得制限があります。

児童扶養手当とは異なり、同居の扶養義務者の所得制限などはありません。

自分が居住する市区町村の役所で申請しましょう。

ひとり親家族等医療費助成制度

ひとり親家庭の医療費の一部を助成する制度です。

受給条件や受給額等詳細については、自分が居住する市区町村の役所で確認しましょう。

まとめ

シングルマザーとして子供を育てることは、決して容易なことではなく、熟考のうえ決断すべきものです。

ですが、事前にきちんと知識を得てしっかりと準備を進めることで、スムーズに新生活を始めることができます。

子供と自分のよりよい未来のために、しっかりと対策しましょう。

監修弁護士
中野 和馬

東京弁護士会

中野 和馬
石木 貴治

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山谷 千洋

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堀 翔志

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