この記事でわかること
- 養育費の相場の調べ方がわかる
- 子供が一人、または2人いた場合の相場について、具体的にわかる
- 年収500万のケースの養育費の相場がわかる
子供がいる夫婦の離婚では、養育費でもめてしまうケースが多いようです。
養育費の相場を理解したうえで、冷静な話し合いを目指すことが大切です。
ここでは、養育費の支払い義務者が年収500万円というケースを紹介します。
養育費の相場はどう調べる?
養育費は当事者同士の話し合いで決めるのが基本です。
ただ、支払う側はできるだけ低い金額を望み、受け取る側はできるだけ高い金額を望むことが普通なので、お互いの希望が一致することはなかなかありません。
そのような場合、相場を知っていれば、それを基準としてスムーズな話し合いが期待できます。
多くの場合、家庭裁判所でも採用されている養育費の算定表を使って養育費の目安を計算します。
養育費の算定表は、①養育費を支払う側(支払い義務者)の年収、②養育費を受け取る側(権利者)の年収、③子供の人数、④子供の年齢の4つの要素から算定する仕組みになっています。
裁判所で養育費を争った場合も、多くの場合、この算定表に基づいた結論が出されることになります。
子供が1人の場合
では、子供が1人の場合の実際の養育費の相場を見ていきましょう。
ここでいう「義務者」とは、養育費を支払う側の当事者のことで、「権利者」というのは養育費を受け取る側の当事者です。
1.子供1人(0~14歳)、権利者が年収150万円(給与所得者)の場合
養育費早見表①
義務者(給与所得者)の年収 | 養育費 |
---|---|
0~125万円 | 0~1万円 |
125~225万円 | 1~2万円 |
225~400万円 | 2~4万円 |
400~575万円 | 4~6万円 |
575~750万円 | 6~8万円 |
750~900万円 | 8~10万円 |
900~1075万円 | 10~12万円 |
1075~1250万円 | 12~14万円 |
1250~1450万円 | 14~16万円 |
1450~1625万円 | 16~18万円 |
1625~1800万円 | 18~20万円 |
1800~1975万円 | 20~22万円 |
1975万円~ | 22~24万円 |
養育費早見表②
義務者(給与所得者)の年収 | 養育費 |
---|---|
0~98万円 | 0~1万円 |
98~165万円 | 1~2万円 |
165~294万円 | 2~4万円 |
294~435万円 | 4~6万円 |
435~563万円 | 6~8万円 |
563~681万円 | 8~10万円 |
681~823万円 | 10~12万円 |
823~966万円 | 12~14万円 |
966~1122万円 | 14~16万円 |
1122~1256万円 | 16~18万円 |
1256~1398万円 | 18~20万円 |
1377~1546万円 | 20~22万円 |
1546万円~ | 22~24万円 |
2.子供1人(15~19歳)、権利者が年収150万円(給与所得者)の場合
養育費早見表①
義務者(給与所得者)の年収 | 養育費 |
---|---|
0~100万円 | 0~1万円 |
100~200万円 | 1~2万円 |
200~350万円 | 2~4万円 |
350~475万円 | 4~6万円 |
475~625万円 | 6~8万円 |
625~775万円 | 8~10万円 |
775~900万円 | 10~12万円 |
900~1050万円 | 12~14万円 |
1050~1175万円 | 14~16万円 |
1175~1325万円 | 16~18万円 |
1325~1500万円 | 18~20万円 |
1500~1675万円 | 20~22万円 |
1675~1800万円 | 22~24万円 |
1800~1950万円 | 24~26万円 |
1950万円~ | 26~28万円 |
養育費早見表②
義務者(給与所得者)の年収 | 養育費 |
---|---|
0~82万円 | 0~1万円 |
82~148万円 | 1~2万円 |
148~256万円 | 2~4万円 |
256~349万円 | 4~6万円 |
349~471万円 | 6~8万円 |
471~582万円 | 8~10万円 |
582~681万円 | 10~12万円 |
681~802万円 | 12~14万円 |
802~898万円 | 14~16万円 |
898~1030万円 | 16~18万円 |
1030~1159万円 | 18~20万円 |
1159~1293万円 | 20~22万円 |
1293~1398万円 | 22~24万円 |
1398~1524万円 | 24~26万円 |
1524万円~ | 26~28万円 |
算定表を見るとわかるように、0~14歳までの子供よりも、15歳以上の子供の養育費の方が高く設定されています。
これは、15歳以上の子供は教育費がより高額になることが想定されているからです。
また、自営業者と給与所得者では、年収が同じでも自営業者の方が養育費が高くなります。
これは、自営業者の年収の課税所得は様々な控除等がされていることなどを考慮しています。
ここでは、権利者が年収150万円の給与所得者としていますが、権利者についても自営業者と給与所得者では結果が異なります。
同じ年収150万円であっても、自営業者の150万円の方がもらえる養育費の相場は低くなります。
子供が2人の場合
次に、子供が2人の場合の養育費の相場を見てみましょう。
なお、子供が2人で義務者が自営業者のケースについては文字数の関係で割愛していますので、裁判所の養育費算定表を参照ください。
子供2人(第1子及び第2子が0~14歳)、権利者が年収150万円(給与所得者)
養育費早見表①
義務者(給与所得者)の年収 | 養育費 |
---|---|
0~75万円 | 0~1万円 |
75~175万円 | 1~2万円 |
175~300万円 | 2~4万円 |
300~400万円 | 4~6万円 |
400~525万円 | 6~8万円 |
525~625万円 | 8~10万円 |
625~775万円 | 10~12万円 |
775~875万円 | 12~14万円 |
875~1000万円 | 14~16万円 |
1000~1100万円 | 16~18万円 |
1100~1225万円 | 18~20万円 |
1225~1350万円 | 20~22万円 |
1350~1500万円 | 22~24万円 |
1500~1625万円 | 24~26万円 |
1625~1750万円 | 26~28万円 |
1750~1875万円 | 28~30万円 |
1875~1975万円 | 30~32万円 |
1975万円~ | 32~34万円 |
義務者の年収によって、最低0円から最高34万円までの幅があります。
子供2人(第1子15歳~、第2子0~14歳)、権利者が年収150万円(給与所得者)
養育費早見表②
義務者(給与所得者)の年収 | 養育費 |
---|---|
0~50万円 | 0~1万円 |
50~150万円 | 1~2万円 |
150~275万円 | 2~4万円 |
275~400万円 | 4~6万円 |
400~500万円 | 6~8万円 |
500~600万円 | 8~10万円 |
600~725万円 | 10~12万円 |
725~825万円 | 12~14万円 |
825~925万円 | 14~16万円 |
925~1025万円 | 16~18万円 |
1025~1150万円 | 18~20万円 |
1150~1250万円 | 20~22万円 |
1250~1375万円 | 22~24万円 |
1375~1500万円 | 24~26万円 |
1500~1650万円 | 26~28万円 |
1650~1750万円 | 28~30万円 |
1750~1850万円 | 30~32万円 |
1850~1950万円 | 32~34万円 |
1950万円~ | 34~36万円 |
義務者の年収によって、最低0円から最高36万円までの幅があります。
子供2人(第1子及び第2子が15歳~)、権利者が年収150万円(給与所得者)
養育費早見表③
義務者(給与所得者)の年収 | 養育費 |
---|---|
0~50万円 | 0~1万円 |
50~150万円 | 1~2万円 |
150~275万円 | 2~4万円 |
275~375万円 | 4~6万円 |
375~475万円 | 6~8万円 |
475~575万円 | 8~10万円 |
575~675万円 | 10~12万円 |
675~800万円 | 12~14万円 |
800~900万円 | 14~16万円 |
900~975万円 | 16~18万円 |
975~1075万円 | 18~20万円 |
1075~1175万円 | 20~22万円 |
1175~1300万円 | 22~24万円 |
1300~1425万円 | 24~26万円 |
1425~1550万円 | 26~28万円 |
1550~1650万円 | 28~30万円 |
1650~1750万円 | 30~32万円 |
1750~1850万円 | 32~34万円 |
1850~1950万円 | 34~36万円 |
1950万円~ | 36~38万円 |
義務者の年収によって、最低0円から最高38万円までの幅があります。
年収500万円の場合、養育費の相場はいくら?
子供が1人、または2人いた場合で、それぞれ何例かを紹介していきます。
子供が1人の場合
義務者が給与所得者で、子供が1人(0~14歳)の場合
この場合、権利者(養育費を受け取る人)の年収が0~50万円(給与所得者)または0~44万円(自営業者)であれば、養育費の相場は6~8万円になります。
権利者の年収が50~350万円(給与所得者)または44~256万円(自営業者)であれば、4~6万円が養育費の相場となります。
権利者の年収が350万円~(給与所得者)または256万円~(自営業者)であれば、2~4万円が養育費の相場となります。
義務者が自営業者で、子供が1人(0~14歳)の場合
この場合、権利者の年収が0~75万円(給与所得者)または0~66万円(自営業者)であれば、8~10万円が相場となります。
権利者の年収が75~325万円(給与所得者)または66~237万円(自営業者)であれば6~8万円が相場となります。
権利者の年収が325万円~(給与所得者)または237万円~(自営業者)であれば4~6万円が相場になります。
義務者が給与所得者で、子供が1人(15歳以上)の場合
この場合、権利者の年収が0~25万円(給与所得者)または0~22万円(自営業者)であれば8~10万円が相場となります。
権利者の年収が25~250万円(給与所得者)または22~185万円(自営業者)であれば6~8万円が相場となります。
権利者の年収が250万円~(給与所得者)または185万円~(自営業者)であれば4~6万円が相場となります。
義務者が自営業者で、子供が1人(15歳以上)の場合
この場合、権利者の年収が0~50万円(給与所得者)または0~44万円(自営業者)であれば10~12万円が相場となります。
権利者の年収が50~225万円(給与所得者)または44~165万円(自営業者)であれば8~10万円が相場となります。
権利者の年収が225万円~(給与所得者)または165万円~(自営業者)であれば6~8万円が相場となります。
以上の通り、義務者が年収500万円で子供が1人の場合には、最低2万円、最高12万円が養育費の相場となります。
子供が2人の場合
義務者が給与所得者で、子供が2人(第1子及び第2子0~14歳)の場合
この場合、権利者の年収が0~100万円(給与所得者)または0~82万円(自営業者)であれば8~10万円が相場となります。
権利者の年収が100~325万円(給与所得者)または82~237万円(自営業者)であれば6~8万円が相場となります。
権利者の年収が325万円~(給与所得者)または237万円~(自営業者)であれば4~6万円が相場となります。
義務者が自営業者で、子供が2人(第1子及び第2子0~14歳)の場合
この場合、権利者の年収が0~50万円(給与所得者)または0~44万円(自営業者)であれば12~14万円が相場となります。
権利者の年収が50~200万円(給与所得者)または44~148万円(自営業者)であれば10~12万円が相場となります。
権利者の年収が200~400万円(給与所得者)または148~294万円(自営業者)であれば8~10万円が相場となります。
権利者の年収が400万円~(給与所得者)または294万円~(自営業者)であれば6~8万円が相場となります。
義務者が給与所得者で、子供が2人(第1子15歳以上、第2子0~14歳)の場合
この場合、権利者の年収が0~25万円(給与所得者)または0~22万円(自営業者)であれば10~12万円が相場となります。
権利者の年収が25~150万円(給与所得者)または22~113万円(自営業者)であれば8~10万円が相場となります。
権利者の年収が150~375万円(給与所得者)または113~275万円(自営業者)であれば6~8万円が相場となります。
権利者の年収が375万円~(給与所得者)または275万円~(自営業者)であれば4~6万円が相場となります。
義務者が自営業者で、子供が2人(第1子15歳以上、第2子0~14歳)の場合
この場合、権利者の年収が0~100万円(給与所得者)または0~82万円(自営業者)であれば12~14万円が相場となります。
権利者の年収が100~250万円(給与所得者)または82~185万円(自営業者)であれば10~12万円が相場となります。
権利者の年収が250~500万円(給与所得者)または185~373万円(自営業者)であれば8~10万円が相場となります。
権利者の年収が500万円~(給与所得者)または373万円~(自営業者)であれば6~8万円が相場となります。
義務者が給与所得者で、子供が2人(第1子及び第2子15歳以上)の場合
この場合、権利者の年収が0~50万円(給与所得者)または0~44万円(自営業者)であれば10~12万円が相場となります。
権利者の年収が50~200万円(給与所得者)または44~148万円(自営業者)であれば8~10万円が相場となります。
権利者の年収が200~425万円(給与所得者)または148~312万円(自営業者)であれば6~8万円が相場となります。
権利者の年収が425万円~(給与所得者)または312万円~(自営業者)であれば4~6万円が相場となります。
義務者が自営業者で、子供が2人(第1子及び第2子15歳以上)の場合
この場合、権利者の年収が0~25万円(給与所得者)または0~22万円(自営業者)であれば14~16万円が相場となります。
権利者の年収が25~150万円(給与所得者)または22~113万円(自営業者)であれば12~14万円が相場となります。
権利者の年収が150~325万円(給与所得者)または113~237万円(自営業者)であれば10~12万円が相場となります。
権利者の年収が325~575万円(給与所得者)または237~435万円(自営業者)であれば8~10万円が相場となります。
権利者の年収が575万円~(給与所得者)または435万円~(自営業者)であれば6~8万円が相場となります。
以上の通り、義務者が年収500万円で子供が2人の場合には、最低4万円、最高16万円が養育費の相場となります。
まとめ
年収500万円の場合に限ったとしても、養育費の相場は、権利者の収入次第でかなり幅があります。
権利者の収入が多いケースでは、養育費がごく少額であることがお分かりいただけたと思います。
これは、支払う側の立場からすれば安心ですが、権利者側の立場だと不公平と感じる場合もあるでしょう。
ただし、算定表はあくまでも相場の目安です。
実際の養育費はそれぞれの事情を加味する必要があるとともに、子供が幸せに暮らしていくために必要な費用であることを忘れてはいけません。
お互い、子供の将来を考えながら、冷静に話し合って納得のいく結果となるように努めましょう。