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中古マンションを売却するには?基本の流れや注意点・失敗例を解説

中古マンションを売却するには?基本の流れや注意点・失敗例を解説

この記事でわかること

  • 中古マンションを売却する流れや必要書類、費用がわかる
  • 中古マンションの相場の調べ方がわかる
  • 中古マンションを売却する際の注意点がわかる
  • 中古マンション売却の失敗例と対応法がわかる
  • 失敗しない不動産会社の選び方がわかる

中古マンションを売却するには、どの不動産会社に依頼すればよいのか、希望の価格で売れるか不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。

中古マンション売却で失敗しないためには、不動産会社選びや、売買価格と売買時期の見極め、節税などを含めた税金対策の知識が必要です。

この記事では、中古マンション売却の基本の流れや必要書類、かかる費用などの情報をよくある失敗例や注意点とあわせて解説します。

目次

中古マンションを売却する基本の流れ

中古マンションを売却する流れ

中古マンションの売却の流れは、大まかに分けると7つのステップで説明することができます。
売却活動や売買条件の交渉などは不動産会社に任せることになりますが、全体的な流れを把握することで、売却活動をスムーズに進めることができるでしょう。

マンション売却にかかる期間は、査定から媒介契約締結までは1ヶ月ほどですが、買い手が見つかるまでに費やす時間は、物件や地域によって異なります。

一般的には、査定から引渡しと売却後の手続きまでに3〜6ヶ月かかるため、マンション売却にかかる期間はトータルで半年はみておいたほうがいいでしょう。

ただし、ペットを飼っている場合などマンション売却前にリフォームをするときは、さらにリフォーム期間が追加されるため注意が必要です。

中古マンションの売却にかかる費用

中古マンションを売却する際は費用が掛かります。

具体的にどのような費用がかかるのか確認していきましょう。

仲介手数料

中古マンションの売却を依頼する不動産会社には、売買契約が成立した成功報酬として仲介手数料を支払います。
一般的には、売買契約時に50%、残金決済時に50%支払うことが多いですが、不動産会社によっては残金決済時にまとめて支払う場合もあります。

仲介手数料は法律によって上限が決められており、以下の計算式で算出されます。

仲介手数料=物件価格×3%+6万円+消費税

また、不動産会社によっては無料にしているところもあるため、仲介手数料は必ずかかるものではありません。
ただし、売却する場合はかかると思っていたほうが無難です。

譲渡所得税

中古マンションを売却して利益が出た場合は、譲渡所得税を納める必要があります。
売却した翌年に確定申告して納税します。
譲渡所得税は、譲渡所得(利益)に対してかかる税金で、所得税と住民税の総称です。
なお、譲渡所得税には、2013年から2037年までは、東日本大震災の復興に充てるための復興特別所得税がプラスされます。
譲渡所得を算出する計算式は以下のとおりです。

譲渡所得=中古マンション売却金額-(マンションの取得費用+売却にかかる経費)

マンションの取得費用には、購入したときの代金に、購入にかかる税金や仲介手数料、登記費用などを加算することができます。
売却にかかる経費には、中古マンション売却時の仲介手数料、印紙税などが含まれます。

一定の条件を満たすことができれば特例を利用して節税することが可能です。
主な特例には、「3,000万円特別控除の特例」「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」「特定の居住用財産の買い換え特例」があります。

登記費用

登記費用とは、不動産の所有権や抵当権などを登記する場合に発生する費用のことです。
マンション売却時に売主が負担する登記費用は、抵当権抹消登記にかかる費用です。

住宅ローンの残債がある場合は、マンションに設定されている抵当権を抹消しないと売却することができません。
抵当権を抹消するためには、不動産1件につき1,000円の登録免許税が必要です。

また、登記手続きは難しいため司法書士に依頼することが多く、15,000円前後の司法書士手数料がかかります

なお、マンション売却にともなう所有権移転登記費用は、一般的には買主が負担します。

印紙税

中古マンションを売却する際には、売買契約時に印紙税の納付が必要です。

売買契約書に印紙を貼付し、印鑑で消印することによって納めたことになります
印紙税は、中古マンションの売却金額に応じて異なります。
売買契約書に記載される契約金額ごとの印紙税額は以下のとおりです。

契約金額本則税率軽減税率
100万円を超え500万円以下のもの2,000円1,000円
500万円を超え1千万円以下のもの1万円5,000円
1千万円を超え5千万円以下のもの2万円1万円
5千万円を超え1億円以下のもの6万円3万円
1億円を超え5億円以下のもの10万円6万円

なお、2024年3月31日までに作成される売買契約書であれば軽減税率が適用されます。

一括繰上返済手数料

先述のとおり、住宅ローンが残っている状態では、中古マンションを売却することはできません。
中古マンションの売却資金で、一括返済する必要があります。
中古マンションの売却資金で足りない場合は自己資金で補う必要があるでしょう。
一括返済にかかる手数料は金融機関によって異なりますが、33,000~55,000円程度です。
住宅ローンが残っている場合は、借りている金融機関に確認しておきましょう。

中古マンション売却時に必要な書類

中古マンションを売却するときには、さまざまな書類が必要です。
書類がない場合は、売却をスムーズに行えない可能性があるため注意しましょう。
必要な書類は以下のとおりです。

項目内容
身分証明書本人確認のために必要です。(共有名義の場合は共有者全員分)
登記識別情報(権利証)所有者であることを証明するための重要なものです。確認のためで、登記の際に必要になります。
実印、印鑑登録証明書発行から3ヶ月以内のものが必要です。
住民票発行から3ヶ月以内のものが必要です。
通帳、キャッシュカード手付金や残金振込のために必要です。
固定資産税・都市計画税納税通知書または固定資産税評価証明書固定資産税、都市計画税の日割清算の計算のために必要です。
マンションの管理規約、長期修繕計画、総会議事録守るべき規約や現状の修繕状況を買主に伝えるため必要です。買主によっては住んだ後に必要な書類です。
管理に係る重要事項調査報告書管理費や修繕積立金の月額金額、駐車場や駐輪場などの区画数や空き状況、使用料など買主への説明のため必要です。

最低限必要ではないですが、用意しておいた方がよい書類は以下のとおりです。

耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書耐震診断やアスベスト使用調査を実施している場合は必要です。
住宅ローン残高証明書または
住宅ローン返済予定表
住宅ローンが残っている場合は必要です。
新築時のパンフレット、図面新築で購入している場合は、あったほうが売却が有利になります。

中古マンションの相場の調べ方

中古マンションを売却する場合は、いくらで販売するかの売り出し価格を決める必要があります。
早期に売却するためには、売却相場を把握することが大切です。

売却相場を調べる方法は、不動産会社に査定を依頼することです。査定金額は不動産会社によって異なるため、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。査定の平均額がわかることもメリットだといえます。

また、中古マンションの売却相場は、自分で調べることができます。国土交通省が運営している「土地総合情報システム」では、実際の不動産取引金額を確認することが可能です。
国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営、管理している「レインズマーケット」でも実際の成約事例をみることができます。

実際の成約事例を確認できるため、不動産会社の査定額が適正な金額になっているか確認するための材料になるでしょう。

中古マンション売却に強い不動産会社の選び方

中古マンションが売れるかどうかは、不動産会社の選び方にかかっているといっても過言ではありません。

ここでは中古マンションの売却に強い不動産会社を見極める方法について解説していきます。

免許番号をチェックする

不動産の売買を仲介するためには、宅地建物取引業の免許が必要です。
不動産会社の事務所の設置範囲で発行元が異なり、事務所が一箇所であれば都道府県知事、複数の件をまたいで設置している場合は、国土交通大臣になります。
宅地建物取引業の免許番号の具体例は以下のとおりです。

「東京都知事免許(5)〇〇〇〇号」
「国土交通大臣免許(1)〇〇〇〇号」 

()内の数字は更新回数で、5年に一度更新されます。
数字が大きいほど不動産売買の経験が長いことになり、中古マンションの売却に強い不動産会社を見極める目安となるでしょう。

マンションの売買実績が豊富か確認する

不動産会社には得意分野があり、会社によって異なりますので、マンション売却が得意な会社を見つけることをおすすめします。

不動産会社のホームページや店舗の張り紙などでマンション売却の実績を確認しましょう。
ただし、不動産の売買が得意でも、マンションではなく、戸建てが得意な会社もあり、マンションを扱った経験が少ないと不安が残ることになります。
中古マンションの売却が得意な不動産会社を選びましょう。

中古マンション売却が得意な会社は、希望条件を指定して待っている顧客の情報を持っていることもあるため、早期の売却が期待できるでしょう。

査定額の詳細や内訳を明示してくれる会社を選ぶ

複数の不動産会社に査定を依頼すると、査定結果によってある程度会社の特徴がわかります。
契約をとりたいために根拠のない高い査定金額を提示する会社や、明確な根拠がなく、内訳などの詳細がないやる気のない会社もあるため注意しましょう。

できれば、近隣の類似物件の成約事例とともに、物件のプラスのポイント、マイナスのポイントともに説明してくれる不動産会社がおすすめです。

不動産流通推進センターが提供している価格査定マニュアルを参考にしながら査定の説明を聞きましょう。

参考:価格査定マニュアル:不動産流通センター

マンション売却で失敗した人の共通点

ある民間不動産広告会社の調査によると、マンション売却に不満を抱いている人の割合は、調査対象の3分の1にも上り、不満を抱いている人にはいくつかの共通点がありました。

マンション売却に不満を抱いている人の共通点は以下のとおりです。

中古マンション売却で失敗しやすい共通点

  • 不動産会社選びで失敗
  • 売買価格の決定で失敗
  • 税金対策で失敗

不動産選びで失敗してしまった

不動産会社を選ぶとき、何を重視したらよいか迷うかもしれませんが、わかりやすい選び方は「査定価格」です。

数社に簡易査定をしてもらって、一番高い査定価格を出した会社に売却を依頼したいと考えている方もいるのではないでしょうか。

しかし、査定価格は売出価格でも成約価格でもないため、たとえ高い査定額を出した会社でも信頼できる会社とは限りません

コミュニケーションが密に取れない会社や、相続や税金に関するフォロー体制が整っていない会社もあるでしょう。

査定額にとらわれてしまうと、中古マンション売却で失敗する可能性があるため注意してください。

不動産会社選びでは、次のような失敗をする方が多いので注意が必要です。

不動産会社選びの失敗例理由
売出価格が高すぎて売れない根拠のない高い査定額を出した会社に頼んでしまった
不動産会社の販売活動が下手マンションの近くの賃貸専門の不動産会社に依頼してしまった
不動産会社と信頼関係を築けない強気の営業に根負けして頼んだが、知識や経験がない会社だった

顧客を取り込みたい一心で、根拠なく高い査定価格を出す不動産会社は、高い価格で売り出すように勧めてきます。

しかし、売出価格が高すぎると買い手が見つからず、結果として値引き価格での売却を余儀なくされる可能性があります

また、マンションの最寄り駅近くにある不動産会社に売却を依頼したが、売却がスムーズに進まなかったというケースもあるでしょう。

賃貸を得意とする不動産会社の場合、つながりが深い他の不動産会社も賃貸専門の会社が多く、中古マンションの売買を依頼するには適しません。

トークが得意な営業担当者も、不動産売却の知識と経験が深いとは限らないため見極めが必要です。

売買実績が多い会社かどうかを事前にしっかり確認しておきましょう。

売買のタイミングと売買価格の決め方

中古マンション売却の失敗原因2つめは、売却時期の決め方です。

家族のライフイベントやライフプランに合わせたタイミングで売却するのであれば、売却の動機がはっきりしています。

この売却動機が、マンション売却で満足するかどうかのポイントの1つです。

たとえば、夫(妻)が転勤するため勤務先が遠くなったという理由で中古マンションを売却する場合、売却の動機は確固たるものでしょう。

親と同居するため2世帯住宅に引っ越すケースも、家族でよく話あったうえで中古マンション売却を決めるでしょう。

このように明確な動機に合わせたタイミングで売却した場合、当初の希望条件を貫くかどうかを柔軟に判断できるので、後悔することは少ないです。

一方、確固たる理由がなく売却したり経済情勢などにとらわれたりすると、成約価格などに不満を感じることが多いでしょう。

中古マンションの売却で失敗したと感じる方の多くが、売買価格に対する不満を抱いています。

では売買価格で失敗したと思う人には、どのような共通点があるのでしょうか。

売買価格で失敗したと思う人の共通点

  • ・物件への思い入れが強すぎて、中古マンションの価格を過大評価
  • ・物件近くの中古マンション相場を調べすぎて、物件の特性を考慮せず過大評価
  • ・急いで売却しなければならない事情があるのに高く売りたい、逆に急がなくてよいのに価格を下げてしまった

結果として希望価格より大幅に低い価格で売却することになり、不満が強くなります。

節税などの税金対策が不十分

中古マンション売却で譲渡所得(利益)が出た場合、所得税や住民税がかかります。

取得後何年でマンションを売却すれば税金を安く抑えられるのか、知識がないと税金が高額になってしまうおそれがあります

特に相続税対策で中古マンションの売却を考えている場合、相続財産評価などは専門家以外には難しい面があり、一人で売却を進めると失敗しやすいため注意が必要です。

中古マンション売却の失敗例と対応法

中古マンション売却で失敗する方の共通点を見てきましたが、具体的な失敗例と解決法を紹介します。

失敗例1:郊外のマンションがなかなか売れずに価格を引き下げ

  • ・売却物件 Aさん所有の郊外のマンション(築20年の3LDK)
  • ・10社に査定を依頼
  • ・どの会社の査定額も2,500万円だったが、B社の査定額が3,500万円だった
  • ・B社に仲介を依頼して売出価格を3,500万円とした

Aさんの部屋を内覧したCさんは、部屋は気に入ってくれたのですが、価格に難色を示し、成約に至りませんでした。

その後、同じマンション内で広さや間取りなどの条件が似た部屋が2,500万円で売りに出されてしまい、Cさんはそちらを購入してしまいました。

それでもB社が「この部屋なら高く売れます」と言うのでしばらく様子を見ましたが、なかなか売れません。

その後、しかたなく、AさんはB社の求めに応じて何度も価格を下げたものの、成約しなかったため、1,500万円で買取業者に売却する羽目となりました。

マンションの売り出し中に、AさんはB社に価格引き下げの理由や成約価格の見通しを聞いても、満足な回答を得られませんでした。

Aさんは、不動産会社の対応も売却価格にも大きな不満を残すこととなったのです。

また、B社は、他の不動産会社とのつながりも希薄でした。

法令で定められている不動産流通システムのほかは、独自の販路は持っていなかったのです。

物件の引き合い報告も非常に数が少なかったことも敗因の一つだと、Aさんは感じてしまいました。

原因と対応方法

このケースでは、査定価格のみを基準に選んでしまい、明らかに不動産会社選びで失敗しています。

Aさんは、価格を下げることが不満だったのではなく、納得できる説明がなかったことに怒りを感じていました。

納得いく売却金額まで何度でも相談にのってくれる不動産会社なら、Aさんは不動産売却で後悔せずに済んだのではないでしょうか。

また、独自の販路で物件を他業者に紹介できる不動産会社を選べば、早期に適切な価格で成約できた可能性があります

失敗例2:相続税などの節税対策不足

  • ・売却物件 Dさんが所有する都心のタワーマンション(築5年、2LDK、最上階)
  • ・E社に仲介を依頼して売却

DさんはE社に売却を依頼したマンションのほかに、都心に土地や収益用ビルなど複数の不動産を所有していました。

Dさんは高齢のため、いずれ発生する相続に備えて、どの不動産から売ると良いかなど細やかな相続税対策のアドバイスを望んでいました。

しかし、E社は「まずは売りやすい物件から売りましょう」というので渋々依頼しましたが、残念ながらDさんが望んだ相続税対策の具体策は何らアドバイスしてもらえず、違う不動産会社を探す羽目になりました。

原因と対応方法

相続税対策が主な目的の場合、相続のノウハウや経験が不足している不動産会社だと、節税や相続対策が不十分になりがちです。

税理士など専門家と連携している不動産会社に相談すべきだったと言えるでしょう。

中古マンション売却時に押さえておきたい注意点

スムーズに中古マンションを売却するときは、下記で紹介する5つの内容を押さえておきましょう。

売却のタイミングを検討する

中古マンションを好条件で売却するためには、売却するタイミングが重要です。
不動産業界では、2、3月が一番の繁忙期です。4月からの新生活での住まいのために、購入の需要がピークに達します。
1年の中で一番高く売れやすい2、3月に売却するために、逆算して売却の準備をはじめることをおすすめします。

周辺の中古マンション相場が上がっているときも売却のタイミングといえます。
購入したときよりも高く売れそうであれば、中古マンション相場が上がっている証拠です。

また、先述のとおり、マンション売却によって利益が出た場合は、譲渡所得税を払う必要がありますが、売却までの所有期間によって税率が異なります。
5年を超えるかどうかで税金の金額が変わるため、所有期間を確認しておくことをおすすめします。

内覧に対応できるようにしておく

マンション売却において、成功するかどうかは内覧にかかっているといっても過言ではありません。
不要なものは処分して、できる限り清掃しましょう。
ハウスクリーニングを利用することもひとつの方法です。
第一印象で、明るく清潔なイメージが与えられるかが重要なポイントになります。

ペットを飼っている場合は、においが染みついていることが多いため、クロスやフローリングは交換したほうがいいでしょう。

内覧の希望が入った場合は、できるだけ対応することをおすすめします。
物件によって異なりますが、1件1件の内覧が重要になるため、不在の場合でも対応できるように不動産会社の担当者にお願いしましょう。

また、住みながら売却することも可能ですが、内覧日の設定など不動産会社の担当者との連携が大切になります。

販売図面の作成を依頼する

中古マンションの売却において、販売図面は重要です。販売図面を見て、物件に興味を持ってもらえるかで、集客数が変わってきます。

販売図面には、物件概要や図面などの情報のほか、アピールポイントも掲載するため、売却活動では欠かせないツールです。
レインズに掲載するほか、ポスティングチラシや不動産サイトでも使用するため、できる限りこだわりましょう

作成時には新築時のパンフレットがあると作りやすいため、不動産会社の担当者に渡しましょう。

「駅まで徒歩5分」「バルコニーの奥行きが3m」など自分が住んでいるアピールポイントになることは、不動産会社の担当者に伝えておくのもひとつの方法です。
また、眺めがいい物件であれば、眺望写真の掲載もよいでしょう。

ただし、販売図面の作成費用やポスティング費用を請求される場合があるため注意しましょう。

理想の契約方法を選ぶ

中古マンションの売却を依頼する場合は、不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。
それぞれ特徴が異なるため、自分にあった媒介契約を選びましょう。

専属専任媒介契約、専任媒介契約は不動産会社1社と契約しますが、一般媒介契約は同時に複数の会社に依頼できます。

また、専任媒介契約、一般媒介契約は自分で買主を見つけることができますが、専属専任媒介契約では自分で買主を見つけても、不動産会社を通して契約する必要があります。

専属専任媒介契約は、媒介契約の中でも一番制限が多いですが、熱心な売却活動が期待でき、売却活動の報告も細目に聞くことができるためおすすめの契約です。

設備に不具合がないか確認する

中古マンションを売却する場合は、「契約不適合責任」に注意しましょう。
契約不適合責任とは、引渡し後でも欠陥や不具合があった場合に売主が追わないといけない責任のことです。

事前に物件の欠陥や不具合を説明しないまま契約が成立してしまうと補修や賠償が必要になるため注意しましょう。

設備に不具合がある場合は、正確に告知することで、マンション売却後のトラブルを防ぐことができます。
事前にインスペクション(建物状況調査)を行い、付帯設備表および告知書を作成しておくことをおすすめします。

契約不適合責任のトラブルによって、最悪のケースでは、契約解除になる可能性もあるため注意が必要です。

中古マンション売却における節税方法

中古マンションの売買で発生する税金は、特例の適用対象となっていれば節税できます。

ここでは利益が出た場合・出なかった場合の節税方法を解説していきます。

売却益が出たときの節税方法

マンション売却によって、売却益が出た場合は、3,000万円特別控除の特例を利用することによって節税することができます。
特例を利用して譲渡所得がなくなれば、税金はかかりません。
3,000万円特別控除の特例を利用したときの譲渡所得の計算式は以下のとおりです。

譲渡所得=マンション売却金額-取得費-売却にかかる経費-3,000万円

ただし、買い替えする場合に、売却物件で3,000万円特別控除の特例を利用すると購入する物件で住宅ローン控除が使えないため注意が必要です。

3,000万円特別控除の特例と住宅ローン控除は併用できないため、どちらか一つを選択する必要があります。

3,000万円特別控除の特例と住宅ローン控除は併用できませんが、一般的には、住宅ローン控除のほうが節税の恩恵は大きくなります。
買い替えする場合は、どちらが節税効果が大きいか検討して利用するようにしましょう。

売却損が出たときの節税方法

買い替えで売却損が出た場合も、特例が利用できます
中古マンションを売却した年のそのほかの所得と相殺して、所得税や住民税を減らすことができ、損益通算といいます。
さらに、損失が大きく、相殺しきれない場合は、翌年以降の所得からも繰り越して差し引ける「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を利用できます。

譲渡損失の特例は、新しく購入する物件でも、住宅ローン控除を利用することができるため、使い勝手がいい特例といえます。

特例が利用できるかどうかは物件が要件を満たしているかによるため、使えるかどうか事前に調べておくことをおすすめします。

詳しくは、以下の関連記事をご覧ください。

中古マンションの売却についてよくあるご質問

続いて、中古マンションの売却に関してよくあるご質問を紹介します。
こちらも参考にしてみてください。

築年数15年のマンションはどのくらい資産価値が落ちますか?

築年数が15年のマンションの値下がり率は、約40%です。
たとえば、新築時に5,000万円で買ったマンションであれば、築15年で約3,000円に値下がりしていることになります。

しかし、中古マンションの売却相場は築年数で決まるものではないため、あくまで目安です。
実際には立地条件や設備のほか、市況などで値下がり率は異なり、同じ築年数でも物件によって売却金額は変わります。

また、築年数とともに資産価値は下がる傾向にありますが、新築時と比べ、物件金額と固定資産税も下がるため買いやすいという声が多いことも事実です。
物件金額が下がると購入できる層は多くなるため、検討する人は増えるでしょう。

中古マンションが売れないとどうなりますか?

中古マンションが売れないでいると、住宅ローンを滞納している場合、最終的には競売にかけられることになります。
住宅ローンを滞納していなければ、住み続けることになるでしょう。

中古マンションの売却には、一般的に3〜6ヶ月かかる場合が多く、物件によっては1年以上売却にかかるケースもあります。

早期に中古マンションを売却するためには、売却に関しての理解を深めることが重要です。
先述した中古マンション売却時に押さえておきたい注意点を意識して売却活動に取り組むことをおすすめします。

また、信頼できる中古マンション売却が得意な不動産会社を選べるかどうかも早く売却できる鍵となるため、不動産会社選びは慎重に行いましょう。

マンション売却における利益とは何ですか?

マンション売却時における利益は、売却金額からマンションの取得費と売却にかかった経費を差し引いた金額のことです。

たとえば、中古マンションを3,000万円で売却した場合、取得費が3,200万円、売却にかかった経費が100万円であれば、金額は-300万円となり、利益はありません。
取得費が2,500万円、売却にかかった経費が100万円であれば、400万円の利益となります。

まとめ

中古マンションの売却の流れや必要書類、費用などを詳しく解説してきました。

効率よく売買を進めていくポイントはありますが、その一方で失敗例も目立ちます。

所有するマンションは人気エリア内だから高く売れると思っていたら、修繕など管理状態が悪く思ったような価格では売れなかったということもあります。

この場合、売主の主観を丁寧に修正してくれる不動産会社を選んでいれば、売買価格が少し低くなっても後悔はしなかったかもしれません。

中古マンション売却で失敗しないための最善の方法は、売却事情や希望条件を丁寧に聞き取り、的確なアドバイスをしてくれる不動産会社と出会うことです。

マンション売却で後悔しないよう、不動産会社選びには細心の注意を払いましょう。

中古マンションの売却に関する悩みや不明点がある場合は、経験豊富な専門家に相談することをおすすめします。

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