マンションが売れない…不動産売却がうまくいかない場合の対処法とは
「マンションが売れない。どうすればいいんだろう?対処法を知りたい」
中古マンションを市場で売却しようとしても、すぐに売れるとは限りません。
場合によっては、平均的な売却期間を超えてもなかなか売れないということもあります。
マンションがなかなか売れない場合には、通常は何らかの理由が隠れています。
また、売れない理由に応じて適切な対処法を講じることで、マンションの売却を成功させられることもあります。
この記事では、マンションが売れない場合の理由と対処法について解説しています。
この記事を読むことで、マンションがなかなか売れない場合でもその理由を知ることができ、適切に対処をすることができるようになります。
目次
マンションの平均的な売却期間とは?
マンションを売り出し始めてから成約するまでの期間は、それぞれの取引によってさまざまです。
もっとも、平均的な売却期間は存在するため、これをひとつの目安として考えるようにするとよいでしょう。
マンションを売り出し始めてから成約するまでの平均的な売却期間は約3か月です。
多くのマンションが売り出し開始から3か月以内に成約しています。
このことから、一般的には、マンションを売り出し始めてから3か月を超えても成約しなければ売却が少し遅れていると考えることができます。また、5~6か月を超えてもなお成約していなければ、マンションがなかなか売れない状態に陥ってしまっていると考えてもよいでしょう。
マンションがなかなか売れない状態に陥ってしまった場合には、売却を成功させるためにもその理由を探り、適切な対処法を講じることが大切です。
マンションが売れないとどのようなデメリットがある?
マンションがなかなか売れないでいると、単に売却代金が手元に入ってこないだけでなく、さまざまなデメリットが生じてしまいます。
このことについてご説明します。
築年数が古くなるにつれてマンションの価値が下がり続ける
マンションがなかなか売れないまま時間だけが過ぎていくと、その分だけどんどん築年数が古くなっていきます。築年数が古くなっていけばいくほど、そのマンションの価値は下がっていきます。
築年数が古くなりマンションの価値が下がっていくと、それだけ今の販売価格では成約しにくくなります。
ただぼんやりと同じ価格でなかなか売れないマンションを売りに出し続けたまま時間だけが過ぎていくと、ますますマンションが売れないという悪循環に陥ってしまうことになってしまうのです。
また、資産価値が下がっただけ将来的に販売価格を下げていかなければ売れなくなってしまうため、最終的に成約したとしても手元に残る売却代金が少なくなってしまいます。
毎月の維持費が発生し続ける
マンションがなかなか売れなければ、その間は所有者としてマンションの維持費を負担し続けなければなりません。
たとえすでに引っ越して住んでいなかったとしても、維持費を負担しなければならないことには変わりありません。
毎月の維持費には、主にマンションの管理費や修繕積立金があります。
すでに住んでおらず売却しようとしているのに管理費や修繕積立金を支払わなければならないのはもったいないことですし、なかなか納得できないことでもあるでしょう。もちろん、そうはいっても所有者としてこれらの維持費を支払う義務があります。
また、マンションの修繕積立金は、マンションの築年数が古くなるにつれて適宜見直され、その額が大幅に上げられることがあります。マンションがなかなか売れないまま時間が経ってしまうと、その間に修繕積立金の額が上げられてしまうこともあり得ますし、そうなるとますます維持費の負担は大きくなります。
毎月の維持費の負担は、積み重なると決して無視できない額になってくるため、できるだけ早くマンションの売却を成功させて維持費の負担を減らすことが大切になってきます。
毎年の固定資産税を負担しなければならない
マンションの所有者であれば、毎月の管理費や修繕積立金に加えて、毎年の固定資産税も負担しなければなりません。
固定資産税は不動産の所有者に対して掛けられる税金であり、実際にその不動産に居住していなくても負担しなければなりません。
固定資産税は毎年課されるものなので、マンションを売りに出してなかなか売れないまま固定資産税の納付時期が来ると、またひとつ支出が増えて経済的な負担が大きくなってしまいます。
固定資産税は不動産の所有者に対して1年ごとに課されるものですが、年の途中に不動産を売却した場合には売主・買主の合意に基づいて固定資産税精算金という形で引渡しの日以降の固定資産税相当額を買主が売主に対して支払うという取引慣行があります。
このことから、固定資産税の負担を少しでも減らすためには、一日でも早くマンションを売却することが有効です。
マンションがなかなか売れない8つの理由
マンションがなかなか売れない場合には、いくつかの理由が隠れていることがあります。
マンションがなかなか売れない理由についてご説明します。
理由1:売り出し価格が高すぎる
相場と比べて売り出し価格が高すぎると、マンションはなかなか売れにくくなってしまいます。
マンションの市場にも、物件の立地・築年数等の条件に応じた相場はあります。
相場価格はその時々によって変動しており、過去の取引事例や現在売り出し中の物件情報などを基に相場を知ることができます。
通常、一社または複数社による査定を通して不動産会社から相場を教えてもらうことができます。
査定を依頼した際に、高額の査定を出して売り出し価格も高めに設定しようと提案してくる不動産会社に仲介を依頼してしまうと、相場と比べて売り出し価格が高すぎるという事態が生じてしまいます。
買主は、特にそのマンションがほしいという何らかの事情がない限りは相場よりも高い価格ではマンションを購入してくれないのが一般的であり、値下げを待ったり値下げ交渉をしたりして、相場並みかそれ以下で購入しようとします。このため、高い売り出し価格のままでは、なかなか売れないことになってしまいます。
理由2:立地的に需要が少ない
立地的に需要が少ない場所に所在するマンションも、なかなか売れない傾向にあります。
都市の中心部や繁華街、大きな駅の近くなどは、基本的には需要が多く、比較的すぐに売れていきます。
これに対し、都市部から離れていたり駅から遠かったりすると、需要は少なくなって売れにくくなってしまいます。
また、居住用のマンションなので、マンションの間取りやタイプが立地に合っているかどうかによっても売れやすさは変わってきます。
家族世帯が多い地域に立つマンションでは、広くて部屋が多いマンションのほうが売れやすく、狭めのワンルームマンションは売れにくいかもしれません。逆に、単身の大学生などが多く住む地域のマンションでは、狭めのワンルームマンションでも比較的売れやすい可能性があります。
立地的に需要が少ないマンションを売ろうとしている場合には、なかなか売れずに苦戦する可能性が高まります。
理由3:築年数が古く市場での魅力が少ない
築年数がある程度古く市場での魅力が少ない物件も、なかなか売れません。
中古マンションは、築年数が浅いもののほうが成約しやすいです。
おおむね築10年以内のマンションが最も成約しやすいですが、築20年~25年程度までのマンションであれば成約を期待できます。
これに対し、築25年を超えてくるようなマンションであれば、なかなか成約させることが難しくなってきます。これは、築25年を超えてくるマンションは物件の老朽化が進み始めており資産価値も低くなってきていることから、積極的に購入する意欲をかきたてられないことなどが理由です。
ある程度築年数が古いマンションでも、立地が特に良いなど特別な事情があれば売れやすくなります。
これに対し、築年数が古いうえに立地も良くないなどの事情が重なれば、ますます売れにくくなってしまいます。
ご自身の売ろうとしているマンションの築年数やその他の条件を確認し、売れやすいのか売れにくいのかを確認してみましょう。
理由4:アピールが弱く販売戦略がうまくいっていない
マンションを売るにあたってアピールが弱いことが売れない理由のひとつとなっていることがあります。
特に、売却物件の魅力的な広告写真を用意できていないために、マンションの購入を検討している人の心をつかめていないことがあります。
広告写真だけで売れるか売れないかが全て決まるわけではありません。しかし、魅力的でない広告写真しか用意できていないために購入希望者の心をつかめていなければ、その後の問い合わせや内覧にもつながりません。
また、販売戦略がうまくいっていないこともあります。
販売戦略にはさまざまなものがありますが、少なくとも売却物件の特徴に合わせた売り方をすることは欠かせません。
売ろうとしているマンションの特徴に照らして、ずれた層に訴求しようとしてしまうと、なかなか成約に結びつかない可能性が高まります。
理由5:内覧対応がうまくできていない
せっかく物件情報を見て問い合わせをしてくれたのに、内覧対応がうまくできていなければ、購入希望者の意欲を削いで成約のチャンスを逃してしまう可能性があります。
内覧時に丁寧な対応ができていなければ、当然購入希望者に与える印象は悪くなります。また、質問にしっかりと答えていなかったり不利な点を変に隠して答えたりしていると、非常に悪い印象を持たれて敬遠されるリスクが高まります。
内覧は、購入希望者にとってはその物件を購入するかどうかを見極める非常に重要な機会です。内覧で失敗しているケースでは、このことを十分に意識した丁寧な内覧対応をできていないことがあります。
理由6:より魅力的な競合物件が多く存在する
売ろうとしているマンションの近隣により魅力的な競合物件が多く存在していると、相対的にご自身のマンションが埋もれてしまい、購入希望者が現れにくくなります。
魅力的な競合物件が多く存在するのに特に対策もなく売り出しても、なかなか成約には至らない結果となりやすいです。マンションがなかなか売れない場合には、まずは周辺での物件の売り出し状況を確認し、競合物件がどの程度存在しているかを把握することが必要です。
理由7:需要が少ない時期に売り出している
不動産は、一年を通して常に需要が一定というわけではなく、需要が多い時期と少ない時期があります。
もちろん、いつマンションを売り出すのかはさまざまな事情に左右されるため、自由に売り出す時期を決められるわけではないかもしれません。しかし、需要が少ない時期に売り出してしまうと、なかなかマンションが売れない結果に陥ってしまうこともあるため、注意が必要です。
マンションが売れない場合には、需要が少ない時期に売り出しているのではないかということにも意識を払ってみましょう。
理由8:仲介を依頼している不動産会社の選び方が適切でない
仲介を依頼している不動産会社の選び方が不適切だと、マンションを売り出してもなかなか売れない結果に陥りやすいです。
マンションが売れるかどうかは、不動産会社の腕も関わってきます。決してどの不動産会社でも同じわけではありません。
また、単に不動産会社の実績や経験が不足しているというだけでなく、得意としている種類の物件ではないことも、なかなかマンションが売れない理由のひとつとなります。
例えば、築古のマンションを売ろうとしているのに、依頼した不動産会社が最も得意としているのが築浅の一戸建てであれば、築古のマンションの取扱いを得意としている不動産会社に依頼した場合と比べて差が出てくる可能性は十分にあります。
依頼している不動産会社の得意な取扱い分野と売却を依頼する物件との種類に食い違いが生じてしまっているのに、そのことに気付かないままでいると、なかなか物件の売却を成功させられません。
マンションがなかなか売れないときの対処法
マンションがなかなか売れないときには、適切な対処法を講じることによって売却を成功させられることがあります。
マンションがなかなか売れないときの対処法についてご説明します。
なお、以下にご紹介する対処法はそれぞれ直前でご紹介したマンションが売れない理由に対応しています。
対処法1:適正な販売価格に調整する
相場に比べて売り出し価格が高すぎる場合には、適正な販売価格に調整することで、売却できる可能性が高まります。
物件としては魅力的であるものの高すぎるから買うのを控えて様子見しておこうという購入希望者がいれば、販売価格を引き下げれば購入に踏み切ってくれるかもしれません。
適正な販売価格に調整するにあたっては、細かく値下げを繰り返すのではなく、できるだけ思い切って最初から適正と思われる販売価格にまで引き下げてしまうのが望ましいです。細かな値下げを何度も繰り返していると、「まだもう少し下がるのではないか」などと思われてなかなか購入に踏み切られない可能性があるからです。
相場よりも高すぎる販売価格であれば、特にその物件を相場より高くても購入したいという特別な事情がない限りは、購入してくれません。
相場より高い販売価格で売り出しつつ、なかなか物件が売却できないという場合には、まずは適正な販売価格に調整してみてください。
対処法2:地域の事情に精通した不動産会社に依頼する
立地的に需要が少ない場合でも、少ないだけでどこかには需要が隠れているはずです。
このような需要が少ない地域においてうまくマンションを売却するには、地域の事情に精通した不動産会社に売却を依頼してみるのがひとつの方法です。
基本的にどの地域にもひとつはその地域での物件売却を得意とする地域密着型の不動産会社が存在します。地域密着型の不動産会社であれば、その地域の事情に詳しく、その地域でうまくマンションを売却するためのノウハウを持っています。
例えば、売りやすくするためにはどのような値段の付け方にすればいいのかをよく知っていたり、独自の販売ルートを持っていたりすることもあります。
需要の少ない地域でマンションを売却しようとしているもののなかなか売れないという場合には、全国対応の大手不動産会社に依頼するだけでなく、地域密着型の不動産会社にも依頼してみることを検討してみましょう。
対処法3:築年数に応じた価格設定に見直す
不動産には、築年数に応じて適正な売却価格が存在します。築年数よりも高すぎる売却価格では、なかなか売れません。
築年数が古く、そのことが原因でなかなか売れないと思われる場合には、築年数に応じた価格設定ができているかどうかを確認してみましょう。その上で、築年数が古いのに高すぎる価格設定になっていると思われる場合には、少し販売価格を調整してみるようにしてください。
販売価格を調整するにあたっては、相場を正しく把握していることが大切です。築古のマンションの売却を得意としている不動産会社であれば、そうでない不動産会社に比べてより正確に相場を把握できていることが一般的です。
現在依頼している不動産会社が築古のマンション売却を得意とする不動産会社ではないのであれば、築古のマンション売却を得意とする不動産会社に依頼し直してみることもひとつの方法です。
十分な知識と経験を有している不動産会社と相談しながら、売ろうとしているマンションの築年数などの条件に合った価格設定になるよう見直してみましょう。
対処法4:広告写真を充実させて販売戦略を見直す
広告写真が充実していないと思われる場合には、まずは広告写真を充実させましょう。
広告写真がこのままでよいのかを判断するにあたっては、マンションの購入希望者の立場に立って考えることが大切です。購入希望者であれば知りたい部分がしっかりと撮影されているか、魅力的で内覧してみたいと思わせる写真となっているかなどの点を、購入希望者になった気持ちで考えてみましょう。もし協力してくれる第三者がいれば、広告写真として充実しているかどうかを見てもらって意見をもらうのもよいでしょう。
販売戦略についても、売ろうとしているマンションの特徴に合わせて適切に見直してみることが大切です。
売ろうとしているマンションの特徴を冷静に分析し、その特徴に合った売り方になっているかを確認してみてください。単身・二人暮らし向け物件なのにファミリー向けに訴求しているのではないかなど、ターゲット層と実際に訴求している層がずれていないかを確認することはとても大切です。
正しくターゲットを捉えて、適切な販売戦略でマンションを売り出していきましょう。
対処法5:ハウスクリーニングや修繕を行い内覧時の印象をよくする
内覧時にマンション内部があまりにも汚れていたり破損している部分が目立ったりすれば、内覧の結果購入意欲を削ぐことにつながります。
このようなおそれがあるのであれば、適宜ハウスクリーニングや修繕を行い内覧時の印象をよくすることも検討してみてください。
内覧時に想像以上に綺麗な物件だと思えば、購入意欲は高まります。
内覧を、購入に向けて後押しするチャンスと捉えて、できる限り前向きな気持ちにさせることは大切です。
なお、ハウスクリーニングや修繕には費用がかかります。あまりたくさん費用をかけても、販売価格には転嫁できずに最終的にその分がマイナスとなってしまうかもしれません。過剰な修繕などはせず、あくまでも最低限に留めることがポイントです。
対処法6:自分の物件だけの強みを見つけてアピールする
どんな物件にも、ひとつはその物件だけの強みが隠れているものです。
自分の物件をできる限り詳しく分析し、そのような強みを見つけてアピールすることが大切です。
なかなか強みが見つからなければ、別の不動産会社に相談し直してみるのもひとつの方法です。
別の不動産会社であればこれまでとは異なる角度から物件を見ることができ、強みを見つけてくれるかもしれません。
諦めずに売却につながる強みを見つけ、見つけた強みを最大限アピールして他の物件との違いを強調してみましょう。
そのような強みを魅力に感じて購入に踏み切ってくれる人が現れるかもしれません。
対処法7:需要が多い時期にあらためて売り出す
不動産には需要が多い時期と少ない時期があります。需要が少ない時期には多い時期と比べればなかなか売れないため、可能であれば需要が多い時期にあらためて売り出すという方法もあります。
不動産の需要が多い時期は、一般的に4月頃や10月頃、それらの少し前などとされています。多くの人はこの時期に転勤や新生活を迎えるため、それに合わせて必要なマンションを購入するなどの行動を取るからです。
これに対して、これらの中間の時期は、比較的転勤などによる新生活を始める人が少ないため、不動産の需要は少なめであり、なかなか物件が動かないことも多くあります。
需要が少ない時期に物件を売り出してなかなか売れないでいると、市場に売り出している期間が長くなり、購入希望者にとっては長期間滞留している物件に見えて魅力的でなくなっていくおそれがあります。
可能であれば、いったん売却を取り下げてから需要が多い時期にあらためて売り出してみることも検討してみましょう。需要が多い時期であれば売却が成功するかもしれません。
対処法8:不動産の特性に合わせて不動産会社を選び直す
なかなかマンションが売れないのは、不動産会社選びがうまくいっていないからかもしれません。
不動産の特性に応じて選ぶべき不動産会社は異なります。例えば、築古のマンションであればその取扱いを得意とする不動産会社に依頼するべきです。また、なかなか売れにくい地域のマンションは、地域密着型の不動産会社を選べば売れやすくなることもあります。
もし今の不動産会社ではなかなか売却につながらない、より良い不動産会社に切り替えたいと思うのであれば、すでに結んだ契約の内容に従って不動産会社を切り替えても構いません。
売ろうとしているマンションの特性に合わせてより良い不動産会社を選び、売却を成功につなげましょう。
不動産会社探しにお悩みの方は、不動産売却マップへご相談ください。
売却したい物件について不動産コンサルタントがお話を聞き、より条件に合った不動産会社を紹介いたします。
マンションがなかなか売れないときによくある質問
マンションがなかなか売れないことに関して、よくある質問をご紹介します。
仲介でなかなか売れない場合に他のマンション売却方法はある?
仲介でなかなかマンションが売れなければ、不動産会社による買取という売却方法もあります。
「買取」とは、その名のとおり不動産会社が直接不動産を買い取ることをいいます。
買取であれば、市場で売却できないマンションも売れることがあります。
買取は、不動産会社が後で必要なリフォーム等を行ってから市場で物件を販売し、利益を得る目的で行われます。
このため、買取による売却価格は仲介により市場で成約した場合の売却価格よりもある程度低いのが一般的です。
買取では、市場で売却するよりも低い価格でしか売却できませんが、どうしても仲介では売れず、価格にこだわらずに早くマンションを手放したいという場合には活用できる売却方法です。
買取という売却方法もあるということを頭の片隅に置きながら、その時点で最適な方法を選びつつ、マンションの売却を進めてみるとよいでしょう。
マンションがなかなか売れないから賃貸に切り替えるのはあり?
マンションがなかなか売れないと、所有し続けたまま賃貸に出したほうがいいのではないかと考えるかもしれません。
たしかに、賃貸で成功すれば、定期的な賃料収入を得ることができます。
しかし、売却を考えていたマンションが売れないからといって安易に賃貸に切り替えるのはあまりおすすめできません。
賃貸では、常に適切に物件を管理していなければなりません。基本的な管理は管理会社に任せることができますが、大家として対応しなければならないこともいくつかあり、なくすことはできません。
また、賃貸人がなかなか見つからないということもあり得ます。一度は賃貸人が見つかっても、退去してしまえば次の賃貸人を探さなければなりません。賃貸人を探すのはまた手間がかかる作業ですし、賃貸人がいない間は賃料収入が途絶えます。
このように考えると、安易に賃貸に切り替えても手間や負担が増えるばかりで賃料収入が安定しないリスクも高いことから、おすすめできる考え方とはいえません。
一度マンションを売却すると決めたら、売却方法を工夫するなどして成約まで頑張ってみるほうがよいでしょう。
どうしても手放したいから所有権を放棄することはできる?
売却代金もいらないからとにかくマンションを手放したいという事情がある方もいるでしょう。
どうしてもマンションを手放したいからマンションの所有権を放棄できないかと考えるかもしれません。
しかし、現在、単にマンションの所有権を放棄して手放すということは事実上認められていません。
マンションの所有権を放棄することが認められない以上は、販売価格を切り下げたり不動産会社による買取などを利用したりしつつ何とか買主を見つけるしかありません。
相続時にマンションを受け継がないようにするにはどうすればいい?
なかなか売れず価値も低いため、親からマンションを受け継がないまま手放したいということがあるかもしれません。
相続時には、「相続放棄」をすることでマンションを受け継がないことができます。
相続放棄の注意点として、全ての財産をまとめて放棄しなければならないということがあります。
手放したいマンションだけを選んで手放すことはできません。
相続放棄を検討している場合には、まずは弁護士や税理士などの専門家に相談してみましょう。
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まとめ:マンションが売れない場合には適切な対処法で売却可能性を上げよう
なかなかマンションが売れないとつらいものですが、マンションが売れないことには理由があり、適切に対応することで売却可能性を上げることができます。
マンションが売れない場合には、その原因を正しく分析し、適切な対処法を取るようにしましょう。
また、マンションが売れない理由を分析するにあたっては、依頼している不動産会社に相談するのはもちろん、それ以外の不動産会社に相談して第三者からの視点で分析するのも有効です。
場合によっては、不動産会社を切り替えるという手もあります。よりよい不動産会社に依頼できれば、マンション売却が一気に成功に向かうということもあります。
マンションが売れないときは、その理由に応じた対処法を適切に講じて、マンションの売却を成功させましょう。