不動産に関する記事

ハウスクリーニングは、賃貸マンションを退去したときに行われるものというイメージがあるかもしれませんが、不動産売却においてもハウスクリーニングは大切です。

特に長年住んだ中古マンションや中古一戸建てを売却しようとする場合、ハウスクリーニングがされていない、成約や売買価格にも影響することもあります。

ただ、不動産売却前にハウスクリーニングがなぜ必要なのか、いつすべきかなど、疑問もあるでしょう。

そこでこの記事では、不動産売却前にハウスクリーニングすべき理由やタイミングを解説します。

また、ハウスクリーニングの相場や、業者選びの注意点をもお伝えします。

国民生活センターが呼びかけている注意事項も紹介しますので、ぜひ、参考にしてください。

不動産売却の際にハウスクリーニングをすべき理由

ハウスクリーニングには費用がかかるだけでなく、家にクリーニング業者が立ち入ります。

できるかぎり不動産売却に掛かる費用を抑えたかったり、家に他人が立ち入るのが不安だったりする方は、不動産売却を検討する際にハウスクリーニングをすべきかどうか迷のではないでしょうか。

結論から言うと、不動産売却の際にハウスクリーニングはすべきです。

その理由は、次の3つです。

• ・内覧時の印象がアップし成約につながりやすい
• ・売却価格の値引き防止になる
• ・不具合の発見のチャンスとする

特に、子どもが居たり、ペットを飼っていたりするご家庭では、お住まいの汚れが目立つ場合があります。

長年住み慣れた家は、自分たちにとっては清潔に見えても、他人から見て印象がよいとはかぎりません。

普段まめに掃除していると言っても、プロの掃除とは違います。

内覧時に印象が悪いと、掃除すれば十分に住める家でも買い手がなかなかつかないかもしれません。

またクリーニングが行き届いていないと、クリーニング代などを理由に値引き交渉される可能性があります。

掃除が行き届いていないと、埃や汚れに隠れて、修繕すべき部分が後から見つかる場合もあります。

物件を買主に引渡した後に、契約不適合責任を問われるかもしれません。

以上が、不動産売却の際のハウスクリーニングは義務ではありませんが、やるべきと言える理由です。

不動産売却でハウスクリーニングをするタイミング

次に、不動産売却でハウスクリーニングをするタイミングを2つのタイミングに分けて解説します。

2つのタイミングとは、査定前、内見前です。

査定前

不動産売却の際、通常、不動産仲介会社に相談します。

売却相談を受けると、不動産会社は最初に物件の査定をすることになります。

査定には机上査定と呼ばれる簡易な査定と、物件を訪問して行う訪問査定があります。

机上査定は電話やメール等、不動産会社店頭でおこなわれる査定なので、この前にハウスクリーニングすると、少しタイミング的には早いかもしれません。

そして、不動産会社とのやりとりが進み、本格的な訪問査定を受けることが決まったらその前が、ハウスクリーニングを受けるタイミングです。

不動産会社は、土地の相場や建物の築年数だけでなく、購入希望者を案内して気にいってもらえる物件かどうかなども総合的に考えて査定するためです。

内見前

訪問査定前にハウスクリーニングできないこともあるでしょう。

その場合は、不動産会社と媒介契約（仲介の依頼に関する契約）を締結し、内見希望者があらわれる前までがハウスクリーニングのタイミングです。

不動産会社が仲介の依頼を受けた物件でも、内見者ががっかりしてしまうような印象の物件だと、購入希望者に物件をすすめてくれないこともあるためです。

不動産会社にもよりますが、仮にすすめてくれたとしても、「当て物」と呼ばれる物件の扱いをされる可能性もあります。

「当て物」とは、購入希望者に印象の悪い物件を先に見せて、その後でイチ推しの物件を見せるという営業の手法です。

先に印象の悪い物件を見た内見者は、後から綺麗だったり新しかったりする物件を見ると、後から見た物件がよりいっそうよく見え、購入申し込みにつながることが多いためです。

必ずしも査定前や内見前にハウスクリーニングを行う義務はありません。

しかし、購入希望者が受ける印象を考えると、遅くても内見前にハウスクリーニングをすることをおすすめします。

ハウスクリーニングの相場

実際にハウスクリーニングを行うのに必要な費用の相場を見ていきますが、各社で幅が広く、内容によっても異なります。

比較的大手のハウスクリーニング料金を参考に相場を紹介します。

ガス会社のハウスクリーニング

都市ガス供給でお馴染みの会社が、ハウスクリーニングも手掛けています。

エアコン、マットレス、浴室など単体でのクリーニングも行ってくれますが、セット料金もお得なようです。

このガス会社が提供する寝室のお掃除セットは26,647円（税込）からとなっています。

セット内容は壁掛けエアコン1台、ベッドマットレス、換気口です。

ただし、エアコンはお掃除機能付きかどうかで、クリーニング費用が変わるので注意しましょう。

エアコンやマットレス内部のアレルギー原因物質の除去などもしてくれるので、不動産売却のためだけでなく、花粉症対策など気になる方は検討するとよいでしょう。

その他、この会社のハウスクリーニングでは、次のコースが用意されています。

浴室クリーニングでは、鏡のウロコ取り無し、洗濯機は縦型で乾燥機能なしの料金です。

また、キッチンは間口4ｍ内の料金です。

寝室が26,000円程度、浴室が30,000円程度、キッチンが20,000円程度からクリーニング料金が設定されているようです。

単体ならもっと安くなります。

例えば、浴室だけで洗濯機は対象外なら、17,000円程度からクリーニングしてもらえます。

エアコンの性能、クリーニングの対象やキッチンの広さによっても、料金は変わりますので注意しましょう。

もうひとつ気をつけたいのが、作業時間です。

2時間～3時間半かかる場合もあるので、家族の予定等と調整する必要があるでしょう。

CMで有名なハウスクリーニング

もう一社CMで有名なハウスクリーニング会社の料金を簡単に見ておきましょう。

キッチン1ヵ所(間口3m未満) で18,700円（税込み）となっています。

ただし、間口1m追加ごとに2,310円（税込み）加算となります。

この会社では細部ごとに料金を設定しています。

食器棚、冷蔵庫表面、キッチン排水管、魚焼きグリルクリーニング等です。

セットでの申し込みも可能です。

例えばキッチンのクリーニングは、20,000円から頼めますが、頼む内容により幅があるということです。

一般的な相場

下記、一般的なハウスクリーニングの相場を紹介いたします。

ただし、前述したように相場といっても各社によりハウスクリーニングの料金体系は異なります。

また、セットで頼むのか、単体で頼むのかによっても、かなり変わってきます。

• ・浴室等　20,000円前後～
• ・キッチン　20,000円前後～
• ・寝室　20,000円前後～

大手のハウスクリーニング会社でなく、個人の業者にハウスクリーニングを依頼する場合、10,000円前後で依頼できることもあります。

誰に、何を頼むか、いくらまで費用を掛けられるのかなど、ご家庭の状況に合わせるのが大切です。

「相場」という言葉を気にし過ぎず、上手にハウスクリーニング会社を選びましょう。

詳しくは後述します。

ハウスクリーニングの費用が相場より高くなる要因

前述したとおり、ハウスクリーニングに明確な料金体系があるわけではありませんが、一般的に20,000円前後から水回りなどのハウスクリーニングを頼めます。

では、どんな場合に、ハウスクリーニングの費用が相場より高くなるのでしょうか？

ハウスクリーニングの費用が「相場より高くなる」のは、料金体系が大きな要因なので、注意してください。

浴室セット、キッチンセット、水回りセットなど、セットで頼むと相場通りでも、単体でクリーニングを頼むよりも〇％安くなるという料金体系の会社があります。

そういった会社に単体でのクリーニングを頼むと「相場より高くなる」要因となってしまいます。

一方、単体でのクリーニングは相場通りでも、細かな箇所のクリーニングにつき追加料金を設定する会社もあります。

そのような会社にオプションでのクリーニングを沢山頼むと「相場より高くなる」要因となってしまいます。

ハウスクリーニングを相場より安くする方法3つ

ハウスクリーニングの費用は、依頼する会社によってかなり違うことがわかりました。

そこで、ハウスクリーニングの費用を相場より安くする方法を3つ紹介します。

1つ目の方法は「水周りで重点的に綺麗にしたい箇所を決める」という方法です。

不動産売却の際のハウスクリーニングは、査定額や内見者の印象をよくするためです。

家の水周りが汚いと印象が悪くなる可能性は高いです。

キッチン、お風呂・洗面所、トイレは自分で掃除してもピカピカにしづらい箇所なので、プロに頼むとよいでしょう。

ただし、家の水回り全てのハウスクリーニングを依頼すると、それなりの額が掛かってしまうので「自分では掃除しづらい箇所」だけにすることも検討しましょう。

2つ目の方法は、「セット割引を探す」という方法です。

ハウスクリーニングしたい箇所は複数あっても費用を掛けたくない場合、セット割引をしている会社に依頼すれば相場より安くなります。

3つ目の方法は「頼みたい箇所を限定する」という方法です。

今まで見てきた通り、キッチン1か所だけ頼めば安い費用でおさまるハウスクリーニングがあるためです。

ただし、プロに頼まない箇所については、不動産売却の前にきっちりと掃除をしなければなりません。

内見で印象よく思ってもらうためには、水回り、寝室、居室等を、よい機会ととらえて大掃除してください。

ハウスクリーニング業者を選ぶときの注意点

最後に、ハウスクリーニング業者を選ぶときの注意点を確認します。

国民生活センターが呼びかけているハウスクリーニング業者選びの注意点のうち、主な事項を紹介しますので、参考にしてください。

他にも、国民生活センターではハウスクリーニング中の換気、トラブル対処法など注意点を紹介しています。

ハウスクリーニング中は、貴重品の保管にも気をつけましょう。

ハウスクリーニングでは強い薬剤を使用したり、業者によっては設備の破損等トラブルもあったりします。

ハウスクリーニングを依頼するときは、一度、国民生活センターの注意事項を確認するとよいでしょう。

まとめ

不動産売却の際にハウスクリーニングを行うべき理由、ハウスクリーニングの料金相場等見てきました。

ハウスクリーニングが済んでいるかどうかは、査定額や内見者の印象に大きく影響します。

できる限り、査定前または内見前にハウスクリーニングを終わらせておきましょう。

そうはいっても、費用や時間がかかるのでハウスクリーニングをできないご家庭もあるでしょう。

そのときは、正直に不動産会社の営業担当者に相談することをおすすめします。

ハウスクリーニングが間に合わなければ、リフォームを前提として購入したいという人に紹介してもらう方法もあります。

一般の買主でなく、不動産会社に早期に買い取ってもらうのも1つの方法です。

不動産売却については様々な情報があります。

そんな時代だからこそ、不動産会社のノウハウを積極的に取り入れることが成功への鍵でもあります。

信頼できる担当者を探すためにも、早めに不動産会社に相談することをおすすめします。