【仲介と買取】不動産売却方法の違いとは?できるだけ高く売却するポイントや税金についても解説
この記事でわかること
- 不動産売却する際の仲介と買い取りの仕組みがわかる
- できるだけ高く不動産を売ることができるようになる
- 売却する際のコストがわかる
- 売却のポイントを理解することができる
何かしらの理由で不動産を売却する場合には、せっかく売却するのですから、できるだけ高く売れるようにしたいところですよね。
その売却をする場合には2つの方法があります。
一つは不動産会社に「仲介」をしてもらうという方法と、もう一つは買取専門会社に不動産を買い取ってもらうという方法です。
不動産をできるだけ高く売却するにはどういうやり方がよいのか、また、売却する場合にどのような費用がかかり、どういう点に注意しておく必要があるのかという点を解説します。
目次
不動産を売却する方法とは
冒頭でもご案内したように、不動産を売却する方法には、大きく分けると買取専門会社に「買取」をして貰う方法と不動産会社に「仲介」してもらう方法があります。
買取については、専門の買取業者に自分の不動産を買い取ってもらうという方法になり、至ってシンプルです。
もちろん、間に不動産会社は入らない直接取引ですので、仲介手数料はかかりません。
仲介とはどういう仕組みかというと、不動産会社に不動産の売却を依頼して、買ってくれる人を探してもらうというものです。
売却を依頼する場合には、不動産会社と売却を依頼した人が媒介契約を締結する必要があります。
媒介契約においては更に3種類の契約方法があり、複数の業者に仲介を依頼することができる一般媒介契約、1社のみに依頼する専任媒介契約と専属専任媒介契約というものがあります。
媒介契約の内容としては、
- ・売却業務を不動産会社に委託する
- ・売却できた場合には、仲介手数料を支払う
というものです。
仲介手数料は通常売却価格の3%プラス6万円(別途消費税)以内と法律(宅地建物取引業法)で定められています。
買取と仲介、不動産を高く売却するならどちらがおすすめ?
それでは、不動産を売却するにあたり、買取と仲介ではどちらがおすすめできるでしょうか。
買取と仲介ではどのようなメリットとデメリットがあるのかご案内したいと思います。
【不動産の売却】買取のメリット
まず、不動産を売却する上で買取のメリットは次のとおりです。
- ・仲介手数料がかからない
- ・不動産の現金化が明確である
- ・瑕疵担保責任を負わない
- ・近所に売却活動を知られない
では、これらのメリットについて個別にご説明します。
仲介手数料がかからない
買取の場合は、売主と買主の直接取り引きになりますので、間に不動産会社が入らないため仲介手数料がかかりません。
不動産会社の仲介手数料は売却価格の3%プラス6万円(別途消費税)以内ですが、そもそも不動産自体の価格が大きいということもあり、例えば売却価格が3,000万円であった場合でも、税込みですと100万円以上の手数料を仲介してくれた不動産会社に支払う必要があります。
不動産の現金化が明確である
買取の場合は、買取業者が提示した金額で売主が納得すれば、即時買取の場合にはすぐに現金化されます。
早く現金化したいという場合には、非常に有効な手段といえるでしょう。
瑕疵担保責任を負わない
不動産を売却する上で、「瑕疵担保責任」という大きな問題があります。
瑕疵担保責任というのは、売却した不動産に後日欠陥が見つかった場合には、それに対して売主は責任を持たなければならないということです。
例えば、晴れた日に物件を内見した際は雨漏れがなかったけれども、後日雨漏りがしたなどというような場合があるときは、売主の方で補修する義務があるということです。
ところが、買取業者が不動産会社(宅地建物取引業者)である場合は、瑕疵担保責任は免除されます。
瑕疵担保責任でトラブルになるということはありません。
近所に売却活動を知られない
通常、仲介などをする場合には、売却を依頼された不動産会社は広告活動をします。
その広告活動をすると、物件の内見ということになったり、状況によっては休日などにオープンハウスという方法でお客さんが気軽に見に来られるようにするなどして販促活動をします。
この販促活動のデメリットとしては、近所の人に家を売り出しているということがわかってしまうということです。
ところが買取の場合は、冒頭でもご案内したように売主と買主の直接取引になるので、そういう問題は一切起こりません。
【不動産の売却】買取のデメリット
では、買取のデメリットは何かというと、ズバリ価格です。
買取業者が不動産を買い取るということは、商品化するための仕入れ業になります。
買取業者は、不動産を買い取って、それを転売することが目的ですので、家のリフォームはもちろん行うことになりますし、当然利益を載せて売却活動に入ることになります。
その価格は当然市場価格ということになりますから、買取価格というのは当然市場価格よりもかなり安くなります。
具体的には良くて市場価格70%、状況によると、市場価格の50%くらいが買取価格になるでしょう。
【不動産の売却】仲介のメリット
一方で、仲介のメリットは、大きく分けると2つです。
一つは市場価格で売却されるということです。
そしてもう一つは売却の雑多な事務をしなくてもよいということです。
では、この2つについて、もう少し詳細にご説明します。
市場価格で売却
不動産会社は媒介契約を締結した場合には、不動産業者の情報共有ネットワーク「レインズ」に登録することが義務付けられます。
レインズは不動産情報を多くの不動産業者の間で共有することにより早期の売却活動を促進していくということが目的となっていて、このネットワークがあることで不動産会社も相場の価格をつかみやすいというメリットがあります。
不動産を購入したいというニーズは、常にあるので、極端に高い価格である場合以外は、ほぼ市場価格で売却が可能です。
そのため仲介不動産を売却する場合には、物件によほどの瑕疵がない限り通常は市場価格で売却されることになります。
雑多な売却事務がない
媒介契約は、売却手続きをほぼ全て不動産会社に委託しますので、契約書などの重要書類の作成や買主との交渉などはすべて媒介契約を締結した不動産会社が対応してくれます。
依頼主は、不動産会社からの売却活動の進捗状況の報告を受けて、どのように今後売却活動を進めていくのかということを決めるだけです。
【不動産の売却】仲介のデメリット
仲介のデメリットは、仲介手数料が高額であるということです。
法律では売却価格の3%+6万円(税別)以内ということになっていますので、売却価格が高ければ高いほど、仲介手数料の金額もそれに比例して高くなるということになります。
買取と仲介どちらがおすすめ?
以上不動産を売却する際に買取と仲介についてご説明をしてきましたが、買取の場合は確かに瑕疵担保責任というものがありません。
ただし、買取の場合は仕入れということになるので、状況によってはびっくりするほど安くなることがほとんどです。
一方でやはり市場価格で売却できるという点では仲介の方が高く売れるので、売主の責任ということもありますが、売却する前に事前にチェックしておけば、それほど大きな問題にならないと思われます。
以上の点から不動産を売却するという点から考えますと、仲介がおすすめです。
家を売る場合に必要な税金や費用
家を売却する際には、様々な費用がかかりますので、事前に知っておくとよいと思います。
というのは、家を売却した場合にかかる費用は色々ありますが、特に税金との関わりが不動産は大きく、税金は必ず払わないといけないので、あとになって税金がたくさんかかって困ったということになる可能性があるからです。
事前に知っておくようにしましょう。
家を売却する際にかかる税金は
- ・印紙税
- ・譲渡所得税
- ・住民税
です。
印紙税というのは、不動産を売却する際には、売買契約を締結することになるのですが、その売買契約書に収入印紙を貼付する必要があります。
収入印紙は売却価格によって変動します。
以下の表をご覧ください。
契約金額 本則税率 軽減税率 10万円を超え 50万円以下のもの 400円 200円 50万円を超え 100万円以下のもの 1千円 500円 100万円を超え 500万円以下のもの 2千円 1千円 500万円を超え1千万円以下のもの 1万円 5千円 1千万円を超え5千万円以下のもの 2万円 1万円 5千万円を超え 1億円以下のもの 6万円 3万円 1億円を超え 5億円以下のもの 10万円 6万円 5億円を超え 10億円以下のもの 20万円 16万円 10億円を超え 50億円以下のもの 40万円 32万円 50億円を超えるもの 60万円 48万円
次に不動産を売却した場合には、売却した翌年の確定申告をしなければなりません。
その際に売却益があった場合には、税法に従って譲渡所得税を納付し、その確定申告に基づいて、その年の6月頃に不動産売却に伴う住民税の納付をする必要があります。
なお、売却した不動産が居住用の場合は3,000万円控除という特例があるので、売却益が3,000万円以下であれば、売却に伴う税金の納付はありません。
ただ、これらの特例等は時限立法ですが、いつまで適用されるのかしっかりチェックするようにしましょう。
不動産を売却した場合にかかる税金以外の費用としては以下が挙げられます。
- ・仲介手数料
- ・登記費用(住宅ローンを借りている場合には、抵当権抹消費用。あとは司法書士への報酬など)
- ・その他必要に応じて支払う費用(測量費、解体費、廃棄物処分費など)
- ・引越し費用
マンションと戸建てで変わる、売却するときのポイントとは
不動産を売却する上でも、マンションと戸建住宅は売却のポイントが変わってきます。
それは、マンションは土地と建物が一体化している「区分所有建物」であり、戸建ての場合は土地と建物は別々の不動産だからです。
それぞれどのようなポイントをチェックしてくことが必要なのか、みていきましょう。
マンション売却ポイント
マンションを売却する上で、いちばん大事なことは不動産会社選びです。
この場合どのようなポイントで不動産会社を選ぶべきかというと、まず1社だけではなく複数社に声をかけてみるということです。
その中から、その不動産会社がマンションの売却が得意であるかどうかということを基準にして不動産選びをしましょう。
不動産会社には、不動産の種別で得意不得意というのが必ずあるので、まずはマンション売却が得意な不動産業者を選ぶようにしましょう。
不動産会社が決まったら、その不動産会社を信じてしっかりコミュニケーションをとって、売却活動を進めていきます。
売却活動が始まると、内見の申込みが入りますので、そういうときは物件を見に来てくれた人の印象を良くするためにも、家の中はきれいにしておくようしましょう。
ただ、マンションとして注意しておきたいこととしては、物件の特徴、相場などをチェックしておくことが必要です。
同じマンションでも向き築年数、階数などによって価格が変わってきます。
あとは重要なこととしては、設備状況がどうなっているのかもチェックしておきたいポイントです。
ここをしっかりチェックしておかないと、後日瑕疵担保責任を追及される場合があります。
最後にチェックした置きたいポイントとしては、管理体制です。
マンションの場合、管理によってずいぶん状態が変わってきますので、しっかり管理されているのか、また、管理人の勤務状態はどのようになっているのかということも重要なポイントとなります。
戸建ての売却ポイント
一戸建て住宅の場合も、高く売るために必要なこととしては、一戸建て住宅の得意な不動産業者を見つけるということです。
特に一戸建て住宅の場合は、土地も扱いますので、隣地との境界線などの問題も含めて、業務内容において様々な専門性があります。
そういう問題に慣れていない不動産業者ですと、売却活動の事務に大きな支障をきたすこともありますので、まずは自分が納得できる不動産会社を選ぶということがどうしても必要です。
なお、内見申込みがある場合には、マンション同様、買い手に好印象を与えるためにも家の中はきれいにしておくようにしましょう。
個別で対応する場合には、一戸建て住宅の場合は、土地付き建物ということになりますので、
- ・接道状況
- ・土地の形状(地型)
- ・隣地の状態
- ・日当たりの状態
- ・築年数
- ・建物の面積
- ・建物の損耗状態
などは重要なポイントになります。
特に建物の築年数が25年以上経過している場合には、原則建物の価値は認められず、古家付き土地という扱いになり、状況によっては建物の撤去費用が値引きとして要求される場合もありますので、注意が必要です。
家を買い替える場合は売れるまでの期間もチェック
家を売却して買い換えるという場合には、売却依頼をして売れる期間の期日管理も重要です。
ここでいう「売れる」というのは、売買契約をして、買主に引き渡しをするまでを指します。
流れとしては
- 1.不動産会社を見つける:1週間から10日
- 2.媒介契約を締結して買主を見つける:1~3ヶ月
- 3.売買契約~決済~不動産の引き渡し:1~1ヶ月半
となりますので、大きく見積もって6ヶ月位はかかると思っておいたほうがよいと思います。
まとめ
不動産を売却する場合に高く売るということから考えると、仲介を選んだ場合には仲介手数料を3%+6万円(税別)を払って市場価格で売却する方が、市場価格の50~70%で買い取る買取よりもずっと有利であるということがわかります。
ただ、仲介の場合は、個人間売買の場合は売主は買主に対して瑕疵担保責任などの重い責任があります。
一方で買取の場合は価格は安いものの、現金化はとても早いですし、買主が不動産業者の場合瑕疵担保責任は免除されるというメリットもあります。
そのため、どちらを選んだらよいのかというのは迷うところですが、この場合売却する場合のプライオリティは何かということを明確にしておけば、優先順位がはっきりしていますので、どちらを選ぶかということがはっきりします。
そのため、高く売りたいというのであれば、仲介がよいですし、できるだけ早く売って後腐れなくしたいという場合は買取という選択肢もあると思います。