「不動産を買った際にかかる税金の基礎知識」印紙税について
不動産を購入する際にかかる税金の一つとして、「印紙税」があります。
それでは、印紙税とはどのような税金と言えるのでしょうか?印紙税の特徴について確認を行い、注意すべき点等について押さえていきましょう。
また、今回は印紙税としてどのくらい支払いをしなければいけないのかについても見ていきますので、不動産の印紙税を知りたいという方は是非最後までお読み頂ければと思います。
印紙税とは?
印紙税というのはどのような税金なのでしょうか?
印紙税は法的文書について貼付される「印紙」として納める税金ですが、不動産の場面については契約書を締結する際に必要となります。
不動産の購入の場面では、建設業者に依頼をして、建物を建てる際の「建築請負契約書」の締結、あるいは出来上がった不動産を購入する際の「不動産売買契約書」があります。
ちなみに、「印紙」というのは主に収入印紙を購入し、これを契約書に貼付すれば良いことになっており、この印紙というものは一般に郵便局に行くと購入することが出来ます。
通常、なかなか印紙を買うことはないと思いますので、ここで一つ覚えておきましょう。
印紙を貼らないとどうなる?
上記のように、不動産に関する契約書には印紙を貼らなければいけないということを理解して頂きますと、自然と印紙を貼らないと契約書は成立していないのではないかという疑問をお持ちになったかもしれません。
ところが、法律上は契約書を貼っていなくても契約書の効果としては問題がないことになっています。
そのように聞くと、安心される方も多くいらっしゃるかもしれませんが、実際にはそうではありません。
印紙を適切に貼付しなければ「過怠税」の支払いを求められますので注意しなければいけません。
間違って印紙を貼ってしまったら?
後述しますが、印紙の対象文書のルールは少々複雑であるため、専門家でなければいくら印紙を貼らなければいけないのか分かりにくいものです。
そうすると、自分で正しいと思っていた金額が実際には間違っていたということも起こりえます。
そのような場合には泣き寝入りをしなければいけないのかというと、そうではありません。
税務署にある申請書に必要事項を記載の上、提出すると、超過額の還付を受けることが出来ますので覚えておきましょう。
契約書にはすべて印紙を貼らなければいけないか?
契約書には印紙を貼らなければいけないということでしたが、「契約書」であればすべて印紙を貼らなければいけないかというと正確には少し違います。
契約書として印紙を貼るべきものは、契約当事者がサインをし、印鑑を押したもののみ印紙を貼付することになっており、契約書を単にコピーしたにすぎないものには印紙を貼る必要はありません。
一方で、予備で作ったものであっても、それが当事者のサイン・押印のあるものであれば、その予備の契約書にも印紙を貼らなければいけないことになります。
不動産に関する契約書の印紙金額はどのくらいか?
不動産取引に使用される印紙金額の仕組みがどのようになっているかについては想像が少し難しいかもしれません。
そこで今回は、具体的な図を用いてご説明したいと思います。
契約金額 | 印紙税額 |
---|---|
1万円~10万円 | 200円 |
10万円超~50万円 | 400円 |
50万円超~100万円 | 千円 |
100万円超~500万円 | 2千円 |
500万円超~1,000万円 | 1万円 |
1,000万円超~5,000万円 | 2万円 |
5,000万円超~1億円 | 6万円 |
1億円超~5億円 | 10万円 |
5億円超~10億円 | 20万円 |
10億円超~50億円 | 40万円 |
50億円超~ | 60万円 |
契約金額記載なし | 200円 |
上記図は国税庁でも公表されておりますが、不動産の譲渡に関する契約書・地上権または土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書・消費貸借に関する契約書についての印紙税額を表しています。
こちらは、すべての印紙税額を表しているわけではありませんが、このような仕組みとなっているというイメージはご理解頂けたのではないでしょうか。
まとめ
今回は印紙税の基礎知識についてお伝えさせて頂きました。
印紙税というのは、あまり聞き覚えのないという方も少なくないのではないでしょうか。
少額ではありますが、納税を忘れてしまうとペナルティもありますのでしっかりと押さえておきましょう。