家を売るベストなタイミングと売却してはいけない時期
この記事でわかること
- 家を売るベストなタイミングについて理解できる
- 家を売るのに向かない時期がわかる
- 家が売れるまでにかかる期間がわかる
家を売りたいと思う理由には色々あります。
家が狭くなったから、逆に広くなったから、古くて住みづらいからなど、人それぞれでしょう。
しかし、本当に今売るべきなのか判断に迷うのではないでしょうか。
そこで、この記事では家を売るベストなタイミング、売ってはいけない時期などを解説します。
家を売ると所得税がかかるケースがあり、税金についてもポイントをお伝えしますので、家の売却を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
家を売るタイミング5つ
はじめに、家を売るベストなタイミングを5つ解説します。
ご自身の状況に合わせて参考にしてください。
相場が上がっているとき
家を売るなら高い価格で売りたいと思う方は多いでしょう。
不動産相場が上がっているときに売るのがベストです。
しかし、現在はバブルの時のような急な不動産相場の上昇は望めません。
また、2020年からのコロナ禍が影響し、不動産市場は不安定な状態となっており、不動産相場を予測するのは、難しいといえるでしょう。
急いで売りたいわけではなく、相場が上がっているときに売りたいと思う方は少し様子を見るとよいでしょう。
ただし、不動産市況の他にも、家を売るタイミングはいくつかあります。
そのタイミングを逃さないように注意してください。
物件の築年数が浅いとき
物件の築年数は、家の売却価格に大きな影響があります。
耐用年数による売却するタイミングと、マンション特有のタイミングを確認します。
耐用年数による売却のタイミング
家といっても、一戸建てか分譲マンションかによっても家の売却価格が変わるので、所有物件の築年数による価格変動の目安を知っているとよいでしょう。
築年数による家の価格変動の目安はいくつかありますが、まずは減価償却の際の耐用年数が挙げられます。
耐用年数が経過する前が、家を売るタイミングの1つです。
- 木造住宅…22年
- 鉄筋コンクリート・鉄骨鉄筋コンクリート造の住宅…47年
一戸建ては木造が多いので、築20年を超えると資産価値は大きく下がります。
また、築45年を超えた分譲マンションも高い評価を得るのが難しいでしょう。
なお、分譲マンションの場合、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリート造が多くなっていますから耐用年数はそれだけ伸びますが、築年数が短い方がと当然高く売れます。
ただし、家が所在するエリアが人気だと、家の築年数にかかわらず高い価格が付くことがあります。
また、分譲マンションの場合は築30年~40年程度であっても、修繕の状況等により価格が下がる可能性があります。
マンション特有の売却のタイミング
分譲マンションの場合、一戸建てと違い、価格の下落は比較的緩やかですが、やはり築年数も売却のタイミングをはかる目安となります。
マンションの築年数と価格
築年数 | 価格 |
---|---|
築5年まで | 新築時の90%程度 |
築6~10年 | 新築時の80%程度 |
築11~15年 | 新築時の75%程度 |
築16~20年 | 新築時の65%程度 |
築21年~ | 新築時の40~45%程度 |
築5年までは、新築と同様の人気があります。
築6年から築15年までは、内装の劣化が激しくなければ、価格の手ごろ感から、購入希望者も多いでしょう。
築15年くらいまでは、マンションを売却するのであればベストと言えるでしょう。
事情が許せば、マンションは築年数が浅いうちに売却するのがおすすめです。
築16年を超すと、大規模修繕が実施されていなかったり、管理が不十分だったりすると、マンション購入を検討している方から敬遠されがちです。
築20年を超すと、間取り、外装の古さが目立つマンションもあり、競合物件が多いと売却に苦戦を強いられるかもしれません。
築30年前後のマンションは、購入希望者がマンションを気に入っても、築年数との関係でローンが成立しないケースもあります。
一戸建てと違い、築50年前後まで居住できるマンションも多いとはいえ、築30年のマンションを25年ローンにより購入するとローン完済時には耐用年数を超えてしまいます。
建て替えも検討しなければならない時期です。
そのため、ローン対象マンションの築年数によっては、ローンの借入期間や返済額などを制限する金融機関もあります。
購入希望者がローンを組みやすいかどうかも、事前にリサーチしておくとよいでしょう。
ローン金利が低いとき
ローン金利が低いときも、家を売るタイミングです。
購入希望者にとっては、住宅ローンの金利が低ければ負担が軽くなります。
金利負担が軽くなるということは、毎月の返済額を低く抑えることができるということです。
ローン金利が低い時は「買い時」であり、「売るタイミング」でもあります。
ただし、近年ローン金利は長く低い状態で落ち着いているので、あまり金利の上下を気にする必要はないでしょう。
税金の優遇が受けられる時
税金の優遇が受けられる時期は、家を売るタイミングとして分かりやすいでしょう。
居住用財産譲渡の特別控除
居住用財産譲渡の特別控除を受けられる期間内は、家を売るタイミングの1つです。
家を売ったときに儲けが出ると、その儲けに対して所得税がかかってしまいます。
たとえば、代金3000万円、費用200万円で購入した家を6200万円で売却した場合、購入費用を控除しても、3000万円の儲けが出ます。
この3000万円の儲けに所得税がかかるのです。
所得税が高くなれば住民税も高くなります。
しかし、売った家が直前まで住んでいた家、つまり居住用財産であれば、最高3000万円までの特別控除の適用を受けることができます。
つまり、儲け3000万円から特別控除3000万円を引けば儲けはゼロとなり、家の譲渡に対する所得税はかかりません。
居住用財産譲渡の3000万円までの特別控除は、所有期間の長短に関係なく受けられます。
ただし、空家を売却した場合は、次の期間内に家を売らなければなりません。
- ・住んでいた家に住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
- ・住んでいた空き家を取り壊した場合、取り壊した日から1年以内に敷地の売買契約が締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
相続財産譲渡の特別控除
相続または遺贈により取得した被相続人の居住用財産や敷地を売却した場合、最高3000万円まで特別控除を受けることができます。
この特例を受けるためには、平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に家を売らなければなりません。
相続財産である家を売るのであれば、令和5年12月31日までがタイミングでしょう。
なお、相続財産譲渡の特例は、分譲マンションでないことなど、特例適用の条件があります。
長期譲渡所得の税率
家を売却して儲けが出た場合に、その儲けにかかる所得税の税率は、家を所有していた期間により異なります。
所有期間が5年を超えたら、家を売るタイミングです。
ただし、特別控除との関係をよく検討してください。
譲渡所得の特例や税率については複雑なので、不動産会社に税理士を紹介してもらうとよいでしょう。
譲渡所得税率
所有期間 | 所得税 | 住民税 | |
---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 5年以内 | 30% | 9% |
長期譲渡所得 | 5年超 | 15% | 5% |
ライフイベントがある時
何といっても、家族のライフイベントは、家を売るタイミングです。
子どもが生まれたり巣立ったりしたときは、家を売ることを検討するきっかけとなるでしょう。
家族の人数が変わると、家は狭くなったり広くなったりするためです。
また、ライフイベントの一つとして終活も考えるとよいでしょう。
70歳になったら、80歳になったらなど、一定の年齢に達した時、安心して最後まで住める家への住み替えを検討するのもおすすめのタイミングです。
家を売るのに向かないタイミング
家を売るのに向かない時期は、次のタイミングが当てはまります。
不動産相場が下がっているとき、住宅ローン金利が上がっているとき、税金の優遇を受けられない時は、家を売るのに向かない時期です。
不動産相場が極端に下がっているときは、高い売却価格を望めません。
住宅ローン金利が上がっているときは、購入希望者が少ない可能性があります。
税金の優遇措置を受けられなければ、所得税や住民税が高くなってしまいます。
これらの要因は十分に検討して家を売るタイミングを決めましょう。
家が売れるまでにかかる時間
家を売りたいと不動産会社に相談して、すぐに売れるわけではありません。
簡易査定、本格的な査定を経て、不動産会社との媒介契約を締結します。
その後、不動産会社の販売活動が始まり、内見やオープンハウス、広告などが行われます。
販売活動が開始されて1か月で購入希望者が現れて成約することもあれば、3か月、6か月で成約することもあります。
家の築年数やエリアなど条件によっては、なかなか内見希望者も現れないこともあります。
売買契約締結まで至っても、代金の授受と家の引き渡しは売買契約の2~3か月後になります。
家を売ろうかどうしようか迷ったら、早めに売却活動を始めることが大切です。
家を早く売る方法
先述の通り、家が売れるまでにかかる時間は様々ですが、できる限り早く売る方法はあります。
家を売りたいと思ったら、以下の準備を始めましょう。
- ・近隣の同様の物件相場を調べる
- ・不動産会社の無料査定を積極的に受ける
- ・信頼できる不動産会社を探し始める
また、査定を受ける際、物件のアピールポイントとマイナスポイントを不動産会社から説明してもらうのもおすすめです。
客観的な評価基準を聞き、自分で想定していたよりも価格を下げるのも、家を早く売る方法です。
修繕しなければならない状況の家の場合、リフォーム代を想定して価格を下げるなどの工夫も必要になってきます。
まとめ
家を売るタイミングを決めるには、市況や築年数、税金など様々な要因があることが分かりました。
家族の状況も大きく関係します。
家を売るべきタイミングかどうかを自分で判断するのはむずかしいかもしれません。
いつ家を売るか迷う方には、今が売り時なのかどうかについて、不動産会社に相談することをおすすめします。
その際、やみくもに即時の売却をすすめるのではなく、要因ごとに売るべきタイミングか否かを説明してくれる不動産会社を信頼して任せるとよいでしょう。