レインズ(REINS)とは?一般人はどうやったら見れる?閲覧方法と使い方
この記事でわかること
- レインズとはどんなシステムなのか理解できる
- 一般人がレインズを閲覧するメリットがわかる
- レインズの使い方がわかる
自宅などの不動産を売却する際、売却金額と売却タイミングは誰もが気になるところです。
高く売れることはもちろんですが、早く売れることも重要であり、買い手の付かない不動産は人気も落ちるため、値下げしなければ売れなくなってしまうでしょう。
そこで、より多くの人に売り物件の情報を見てもらうため、不動産業界ではレインズ(REINS)というシステムを使っています。
不動産会社専用のシステムなので「一般人には関係なさそう」と思われるかもしれませんが、情報の一部は売主も閲覧可能です。
今回は不動産業者が使用するレインズに注目し、一般の方が閲覧できる方法なども詳しく解説します。
目次 [隠す]
レインズ(REINS)とは
レインズ(REINS)とは、不動産流通機構が運営する物件情報のネットワークシステムで、会員になっている不動産会社(宅建業者)だけが使用できるシステムです。
不動産会社と媒介契約を締結する際、専任契約であれば7日以内、専属専任であれば5日以内に物件情報をレインズへ登録することになっています。
正式には「Real Estate Information Network System」といい、頭文字をとった呼称になっていますが不動産会社の物件情報共有システムと捉えればよいでしょう。
レインズに登録されている物件
不動産を売却する場合、売り主と不動産会社は媒介契約を結びますが、拘束力の強い順に以下のような種類があります。
- (1)専属専任媒介契約
- (2)専任媒介契約
- (3)一般媒介契約
専属専任媒介契約と専任媒介契約はレインズへの登録が義務づけられていますが、具体的には次のような違いになっています。
専属専任媒介契約
もっとも拘束力のある契約方式であり、専属の場合は売り主が自分で買い主を見つけることができません。
専任とは1つの不動産会社に媒介(仲介)を任せることを指すため、他の業者と重複した媒介契約はできなくなっています。
ただし専属専任媒介契約は、締結日の翌日から5日以内にレインズへ登録する義務があり、1週間に1回以上は売り主へ販売状況が報告されます。
専任媒介契約
専属専任と異なり、専任だけの媒介契約は売り主が自分で買い主を見つけても構いません。
契約締結の翌日から7日以内にレインズへ登録され、2週間に1回以上は売り主へ販売状況が報告されます。
一般媒介契約
ほとんど拘束力がない契約が一般媒介契約です。
他の業者と重複契約しても問題なく、自分で買い主を見つけても構いませんがレインズへの登録義務や販売状況の報告義務はありません。
レインズを一般人が閲覧するメリット
レインズを利用すると、以下のような情報がわかります。
- 不動産の取引相場がわかる
- 信頼できる取引情報を入手できる
- 不動産市場の流通動向がわかる
不動産売却を検討している場合はすべてメリットとして活かせるので、次に解説する具体的な内容を参考にしてください。
不動産の取引相場がわかる
レインズを使うと地域指定の絞り込み検索ができます。
指定できる最小エリアは市や町になりますが、過去の取引実績が表示される点は大きなメリットになるでしょう。
新聞折り込みやポスティングの広告には近隣物件の売出価格が表示されていますが、実際にいくらで取り引きされたかまではわかりません。
しかし、レインズでは実際の取引相場を閲覧できるので、自分なりの基準値を持てるようになります。
取引相場がわかれば、不当な安値を付けられたとしても容易に見抜けるでしょう。
信頼できる取引情報を入手できる
「いくらで売れるか?」という予測ではなく、レインズには実際の取引状況が登録されています。
物件が特定されないよう価格は百万円単位となっており、1㎡あたりの単価も小数点以下を四捨五入していますが、実績を反映しているので信頼性は抜群です。
一般の方でも無料で情報収集できるので、不動産売却する際の情報ソースとして活用できるでしょう。
不動産市場の流通動向がわかる
レインズを利用すると、過去1年間の取引状況もわかります。
築年数に応じた1㎡あたりの単価もわかるので、上昇・下降・横ばいといった流通動向もグラフから視覚的に把握できるようになります。
売りどきや買いどきを見極める際にも、レインズの情報が役に立つでしょう。
レインズの使い方
レインズは一般の人が見ることはできないので、どのようにしてレインズを見られるのか理解しておきましょう。
レインズは不動産会社しか見ることができない不動産サイトです。
不動産に関する有用な情報がたくさん掲載されており、一般の人も参考になる事項が多くあります。
レインズの使い方を理解し有用な情報を入手して、スムーズな不動産売却につなげていきましょう。
不動産会社に依頼する
レインズを見るには、不動産会社に依頼することがもっともよい方法です。
不動産売却に有用な情報が多く掲載されていますが、個人情報が掲載されているため、すべての内容を一般公開することは望ましくありません。
しかし、不動産会社に依頼をすれば、個人情報に該当する場所を消して見せてくれる可能性があります。
どの部分の情報まで公開してくれるかは不動産会社によって異なりますが、相談してみる価値はあります。
なお、不動産会社に依頼しても、レインズを自由に見せてくれることはありません。
レインズのIDやパスワードを教えるのは規約違反であり、必ず不動産会社の人と一緒に見ることになります。
売却時に登録証明書をもらう
物件の売り主は以下の手順でレインズの登録情報を閲覧できます。
- (1)不動産会社からレインズの登録証明書を受け取る
- (2)該当する地域のレインズ公式サイトへアクセスする
- (3) 売却依頼主向けログインをクリックし、登録証明書へ記載されたID・パスワードを入力
- (4)売却物件が表示されるので、正しく登録されているかチェックする
レインズに物件情報が登録されると「登録証明書」が発行されるので、不動産会社から受け取ってください。
23時から翌日7時までのメンテナンス時間以外は自由にアクセスできるので、物件情報や図面の登録状況、取引状況をチェックしておきましょう。
なお、レインズは国内4ヶ所に分かれているので、以下のURLから該当するサイトへアクセスしてください。
参考:
東日本レインズ
中部レインズ
近畿レインズ
西日本レインズ
レインズ・マーケット・インフォメーションを利用する
レインズには物件を特定できる情報が登録されているため、個人情報保護への配慮から不動産会社だけの利用に限定されています。
しかし情報を絞り込んだ「レインズ・マーケット・インフォメーション」を利用すれば、一般の方でも物件の所在エリアや取引価格を閲覧できるようになっています。
レインズ・マーケット・インフォメーションには、物件を特定する詳細情報はありませんが国内すべてのレインズ情報が集約されています。
システムを上手に活用すれば有利な不動産売却もできるでしょう。
まとめ
レインズとは、不動産会社の物件情報共有システムですが、売主も物件の取引状況などを閲覧できます。
売主がレインズを利用したい場合は、不動産会社に依頼してレインズの登録証明書を受け取った後、該当する地域のレインズ公式サイトへアクセスしましょう。
また、一般人がレインズの情報を閲覧したい場合は「レインズ・マーケット・インフォメーション」を利用すると、物件の所在エリアや取引価格を確認できます。
ただし、システムから得られる情報はあくまでも相場であり、実際の物件には様々な増額要素や減額要素もあります。
不動産売却を検討する場合は一括査定サイトなどを利用し、さらに現地を見て査定してくれる専門家の意見も参考にしましょう。