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不動産の売却価格はどう決まる?売り出し価格などを決める相場や査定の流れをわかりやすく解説

この記事でわかること

  • 不動産物件価格の6つの価格のそれぞれの内容と違う点がある
  • 物件を売却しようと決断してから売買契約が成立するまでの価格の推移や動きが分かる
  • 不動産業者が出してくる査定金額と根拠と違いが分かる

不動産を売却しようと考えるときに一番心配になることは、この不動産はいったいいくらで売れるのだろうか、ということだと思います。

そこで、ここでは不動産の価格をどうやって決めて、いくらくらいで売れるのかという流れを解説します。

不動産物件価格の考え方は6つある

不動産の価格と一言で言っても、いくつもの考え方があります。

不動産には定価という概念がなく、買いたい人と売りたい人が合意できれば、いくらで取引しても問題がないからです。

とはいえ、金額にはある程度の目安があります。

不動産業界では、その目安を指標としながら不動産売買が進められていきます。

ここでは、考え方に分けて指標となる価格の種類について説明をしていきます。

市場価格とは

市場価格とは、その名の通り、実際の市場で取引されている価格を指します。

不動産の場合、「売ろうとしている物件があるエリアで、同規模同程度の建物がいくらで契約されているのか」を調べることで、市場価格を知ることができます。

この市場価格は実際に取引されている価格なので、公開されている情報ではなかなか調べることができず、素人が調べることが難しい価格の一つです。

そのため、市場価格を他の人よりも早く正確に知ることが、不動産売買を成功に導くきっかけになるといえるでしょう。

希望売却価格とは

希望売却価格とは、物件の持ち主である売主が、実際にこの金額で売りたいと希望する価格を指します。

不動産業者ではない売主の場合は、物件に対する心理的な思い入れから市場価格から大きく離れた金額で売りたいと希望する場合もあります。

一般的なケースだと、売主は1円でも高く売りたいと考えているため、この希望売却価格は高くなるケースが多いです。

査定価格とは

査定金額とは、プロの不動産業者が「この不動産なら幾らくらいで売れるか」という知識や経験をもとにして値付けした価格です。

査定金額は、机上査定や訪問査定の結果計算される金額で、物件に関する情報が多ければ多いほど査定の精度が上がります。

また、不動産業者が仲介として査定する場合と、買主として査定する場合では、若干の金額の違いがあるのが一般的です。

売り出し価格とは

売り出し価格とは、実際に不動産が売り出されるときの価格です。

不動産業界の場合は、プロの不動産業者と素人の売主の知識の差、経験の差が大きく、この売り出し価格をいくらに設定するかというのもその差が表れる場面といえるでしょう。

比較的人気のないエリアや中古物件の場合は、指値(さしね)と呼ばれる価格交渉を受けることを前提として、査定金額よりも高めに売り出すという戦略が取られる場合もあります。

購入希望価格とは

購入希望価格とは、不動産の買主が「この金額で購入したい」と希望する価格です。

一般的には、売り出し価格よりも購入希望価格が低いことが多いです。

もちろん、買主がいくらで購入したいかを希望するのは自由ですが、あまりにも相場からかけ離れた指値を入れることは不動産業界ではタブー視されています。

場合によっては次の取引に影響することもあるので注意しましょう。

成約価格とは

成約価格とは、最終的に売主と買主が合意し、売買契約が成立したときの価格です。

人気のエリアや新築物件など売主に有利な物件であれば売り出し価格に近くなり、逆に不人気エリアや築年数が古い物件であれば買主の購入希望価格に近付くことが多いです。

この成約価格の実績を積み上げていくとそのエリアの相場が形成されていき、これらの相場が市場価格を形成していきます。

6つの価格の関連性と高さ、安さについて

これまでに挙げた6つの不動産物件価格の考え方は、それぞれが独立しているのではなく、互いに関連しあっている価格です。

ただし、すべてが根拠のある価格というわけではありません。

市場価格・成約価格・査定価格は、比較的取引実績から導き出された客観的な価格なのに対して、売却希望価格・購入希望価格は、完全に売主・買主の主観的な価格です。

また、通常は一番高いのが売主の希望売却価格、逆に一番低いのは買主の購入希望価格で、売り出し価格や成約価格はその間に位置する価格といえます。

不動産の売却価格決定する際の流れは?

複数の価格の関係性が理解できた上で、不動産の売却価格が決定するまでの流れを解説します。

ここでは、売主が売ろうと決意してから、不動産業者への査定の依頼、売却の仲介依頼を経て、買主が見つかり売買契約が成立するまでの流れを順を追って説明します。

希望売却価格と最低価格の決定

まずは、売主が不動産を売却しようと決断するところから始まります。

相続した物件でない限りは、ほとんどの場合が購入した時の金額が最初の基準になります。

売主はその基準の金額から、不動産の状態や築年数、インターネットでの近隣エリアの検索情報などを踏まえて希望売却価格を決定します。

また、同時に最低価格も決めておきましょう。

最低価格とは、「少なくともこの金額で売れてほしい」と希望する価格のことで、住宅ローンが残っている場合の残高だったり、今後の資金計画の基礎になる金額であることが多いです。

不動産業者への査定依頼

おおよその希望売却価格と最低価格を決めた後は、不動産業者に査定を依頼しましょう。

この時のポイントは、一社だけではなく複数の業者に査定を依頼することです。

複数の業者から査定を依頼することで、信頼度が上がります。

例えば、5社から査定を取った場合に、4社は5000万円付近なのに対して、1社だけ1億円以上の価格で査定してきたら、その業者は依頼をして欲しいがために少し甘めの査定をしているのではないかという疑念が生じます。

逆に、1社だけ飛び抜けて安すぎる金額を査定してきた場合は、相場感の把握に疑問符が生じる業者という推測が働きます。

査定結果の情報はこの後の仲介を依頼する業者の選定基準になるので、是非とも複数の業者に査定を依頼しましょう。

査定金額が高いからといってぬか喜びしないように

不動産業者の出してくる査定金額はあくまでも予想の金額です。

仮に高い金額で査定金額が返ってきたとしても、必ずしもその金額で売却できるわけではありませんので注意しましょう。

希望売却価格と最低価格と査定価格から売却価格の決定

売主が自分で決定した希望売却価格と最低価格、そして不動産業者から出された査定価格から、売り出し価格を決定します。

査定価格が最低価格を下回っている場合は、いったん売却計画を見直す方が良いでしょう。

仮に売却できたとしても、売却価格ではマンションの住宅ローンが返済できず、手出しをしてローンの返済をする状況が予想されるからです。

ローンの返済ができなければ、マンションに設定された抵当権を抹消することができず、マンションの所有権移転もできなくなってしまう可能性があります。

その場合は、売買契約の違約金の支払いまで発生することになり、結果として借金だけが増えてしまうため、注意が必要です。

指値を受けることを前提とした売却価格の決定は正しいのか

売却価格を決定する際に、指値と呼ばれる価格交渉を受けることを前提として少し高めに価格設定を行なうことがあります。

不動産業者から申し出る場合もあれば、売主の希望で高めに設定することもあります。

指値を受けることを前提とした価格設定のメリットは、言うまでもなく「物件が高く売れる可能性があること」です。

しかしその反面、「価格が高いために問い合わせが少なくなる」「毎回指値に応じて金額の交渉をする手間がかかる」などのデメリットも存在します。

そのため、慎重に価格設定を行う必要があります。

査定価格を決めるための代表的な手法を3つ紹介

売主が売却価格を決定する要素として重要なのが、不動産業者が出してくる査定価格です。

この査定価格は、一体どのような仕組みで決定されているのでしょうか。

ここでは、価格を決めるための代表的な3つの手法である

  • ・取引事例比較法
  • ・収益還元法
  • ・原価法

について分かりやすく説明していきます。

取引事例比較法とは

取引事例比較法とは、売却希望の不動産に似た物件が過去にいくらで取引されたかという事例を調べて、その価格から物件の価格を決める方法です。

この取引事例比較法の利点は、比較対象が実際に取引された事例であることです。

適切な事例と比較すれば、いわゆる市場の相場と限りなく近い価格が算出できます

適切な事例とは、最近行われた取引でエリアが近接しており、売却理由なども同一であるような事例ですが、ここまでの事例はほとんどありません。

そのため、時期や場所などの要素については慎重に補正をして算出する必要があります。

また、事例が多いほど適切な比較対象が選べるのですが、都市部は事例が多く、地方は少ないため、地方の物件にはやや不向きとも言えます。

収益還元法とは

収益還元法とは、売却希望の物件の将来の価値を算出してから、現在の価格を導く方法です。

収益還元法の利点は、居住用の物件よりも投資用の物件の場合に効果が発揮されることです。

つまり、利回りから計算すれば、買い手側の考えに一番近くなりやすいということです。

しかし、収益還元法はその計算方法から分かるように、収益物件のために考え出された計算方法なので、マイホームなどの自己使用物件については合理的な価格を算出することは苦手です。

また、将来どのくらいの利益を生むかという未来への期待が価格の根拠になるため、実際の数字よりも期待値込みの価格が出てしまう場合もあります。

原価法とは

原価法とは、物件の価格を決める際に、もしも同じ物件を建てるとしたらどれだけの費用がかかるかという基準で算出する方法です。

原価法の利点は、他の方法に比べて基準となる要素が数値で計算しやすく、面積や用途地域での数値補整がしやすい点です。

例えば、築年数が古い場合は、原価法で算出した価格に対して、一年あたりいくらかを減額して調整します。

この数値調整は、銀行が担保評価をするために用いる算出方法です。

通常の買主は、銀行で住宅ローンを組んで物件を購入するのが一般的です。

そのため、原価法で査定をした場合は、銀行の住宅ローンの上限に近い金額で査定ができるといえます。

「売却希望価格(上限値)」と「売却可能価格(下限値)」の考え方

売主からすると1円でも高く売れた方が嬉しいのは間違いありませんが、買う側はもちろん逆のこと、つまり1円でも安く買いたいと考えています。

それでは、売主は売却希望価格を決定する際に、どのような考え方に基づいて金額を決定すれば良いのでしょうか。

売却希望価格(上限値)とは

はじめに、売却希望価格の上限値はどのように決定すれば良いかという点について考えてみましょう。

もちろん高いに越したことはないのですが、やはり常識的な金額を設定しないと、買い手側に興味を持ってもらえません。

そこで、上限を決める際には、3か月程度で売れるであろう金額を上限値の目安として考えることをおすすめします。

これ以上の期間を待つことになると、付近の相場が変化したり、予想外の経費をがかかる可能性が高くなります。

売却可能価格(下限値)とは

上限とは逆に下限を決める場合は、上限とは別の観点から金額を決定しましょう。

このままだと相場が下がるという確信がある場合以外は、下限以下の金額で売却することはあまり意味がありません。

つまり、下限を決める際には、相続財産の分与や離婚に伴う財産分与など、現金化して分与する場合に必要な金額を算出して、その金額を下限値とするのがよいでしょう。

「机上査定」と「訪問査定」とは?価格査定の2つの方法

不動産業者に査定を依頼すると、「机上査定と訪問査定の二つが選べますがどうしますか?」という返答が返ってくることがあります。

この二つの査定方法には、どのような違いがあるのでしょうか。

分かりやすく解説していきます。

机上査定とは

机上査定とは、その名の通り実際に物件を見ないで査定をする方法です。

査定する際の情報は、土地に関しては公示価格、路線価などの情報と面積、建物の場合は近隣エリアで取引された類似事例を元にします。

机上査定のメリットは、とにかく結果が出るまでが早く、電話やメールで依頼してすぐに査定結果が出る点です。

不動産業者からすると、公示価格、路線価などは住所を打ち込めばすぐに調べられる情報であり、近隣事例も現在はすぐに検索できるため、一から調査をすることがほとんどありません。

ただし、具体的な物件を見ないで査定をするので、正確な価格の査定が難しいというデメリットもあります。

訪問査定とは

訪問査定とは、不動産業者が実際に物件を訪問して査定をする方法です。

  • ・建物の使用状態
  • ・設備の有無
  • ・道路との関係

など、実際に訪問しないと分からない要素についても査定に反映することができるという特徴があります。

訪問査定のメリットは、実際の物件に即した査定金額が出やすいことです。

また、不動産業者が実際に訪問してくるわけですから、査定の際にチェックしたポイントをその場ですぐに質問することができます。

例えば、一般の人に比べて業者が重視するポイントなども引き出すことができます。

逆にデメリットは、やはり査定に時間がかかることと、訪問の場合のスケジュールを調整しないといけないことです。

訪問査定でいい金額を引き出すコツとは

訪問査定で不動産業者が必ず見ているポイントは、きちんと掃除されているかどうかです。

これは簡単なようでなかなか難しく、訪問査定の際に全く掃除されていないというケースも少なくありません。

少しでも高く売却したいと考えている方は、訪問査定の前にできる範囲で物件を掃除しておくことをおすすめします。

机上査定と訪問査定の使い分けはどうすれば良いのか

それでは、机上査定と訪問査定の違いが理解できたところで、どのように使い分ければ良いのでしょうか。

まずはそれぞれのメリットを踏まえた上で、机上査定を依頼し、大まかな金額を把握しましょう。

続いて、机上査定の中で対応がよく、売却の仲介まで依頼したいと考える不動産業者に対して訪問査定を依頼します。

そのうえで、より物件の価値を反映した査定をとるのが理想と言えます。

まとめ

以上が、不動産の売却価格の種類の説明と、成約価格が決まるまでの一般的な流れです。

不動産の売却は高額のため、人生において大きな決断の一つになることは間違いありません。

大きな決断だからこそ、価格の決まり方や査定価格の分析など色々な情報を総合的に分析し、ぜひとも損をしない不動産売買をおこなってください。

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