土地売却の相場を調べる方法5つ!自分で調査するときの注意点も
この記事でわかること
- 土地の売却相場を調べる方法がわかる
- 土地の売却相場を自分で調べるときの注意点がわかる
- 土地を高く売却するコツがわかる
土地を好条件で売却したい場合、相場を把握することが重要です。
土地の売却相場を調べる方法は5つあり、それぞれ特徴があります。
相場より安い価格で売却する、また売却するタイミングを見逃さないように、できるだけ正確な売却相場を調べましょう。
本記事では、土地売却の相場を調べる方法5つと、自分で調査するときの注意点を解説します。
これから土地を売却する予定のある人は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
目次
土地売却の相場を調べる方法5つ
土地の売却相場を調べる方法は、以下の5つです。
- 実際の取引価格で調べる
- 地価公示価格から調べる
- 路線価から調べる
- 固定資産税評価額から調べる
- 査定価格から調べる
それぞれ特徴が異なるため、詳しく解説します。
【土地売却の相場を調べる方法】実際の取引価格で調べる
土地売却時の実際の取引価格は、実勢価格を調べることでわかります。
実勢価格とは、過去に実際の売買契約で成立した価格のことです。
実勢価格は、国土交通省が運営している「土地総合情報システム」で誰でも調べることが可能です。
土地総合情報システムを使って、実際に実勢価格を調べる手順を紹介します。
【手順1】条件を指定して検索する
「不動産取引価格情報検索」にアクセスし、時期、種類、地域を選択します。
【手順2】検索結果から類似物件を探す
選択した条件に合う結果が表示されるため、最寄り駅までの距離や面積などを確認し、売却する土地に似た物件を探します。
なお、項目ごとに並び替えすることができるため、この機能を活用すると検索しやすくなります。
様々な項目ごとに並び替えできますが、所在地、最寄り駅、取引総額、面積、形状、取引時期などがわかりやすいでしょう。
【手順3】実勢価格を確認する
表示されている項目の中の取引総額が、実勢価格となります。
【手順4】実勢価格を参考に相場を算出する
売却する土地の条件に近い物件を複数ピックアップし、平均値を算出します。
土地の実勢価格は市況によって大きく変動するため、取引時期には注意が必要です。
できるだけ取引時期の新しい物件を優先して算出しましょう。
また、土地総合情報システムで売却する土地に似た事例が少ない場合などは、不動産情報サイトで現在販売されている物件の価格を調べて参考にすることも1つの方法です。
しかし、販売価格はあくまで売りに出している価格で、実際に取引すると下がる可能性があるため、注意しましょう。
【土地売却の相場を調べる方法】公示地価、基準地価から調べる
土地の売却相場は、公示地価や基準地価で調べることもできます。
公示地価とは、国が公表している土地売買の目安となる価格のことを指し、基準地価とは、公示地価と目的はほぼ同じで、都道府県が公表している価格です。
土地総合情報システムでは、公示地価、基準地価も調べることができます。
土地総合情報システムを使って、実際に公示地価や基準地価を調べる手順を紹介します。
【手順1】調べたい場所を選択する
「地価公示・都道府県地価調査」にアクセスし、表示される日本地図から調べたい都道府県と市区町村を選択します。
【手順2】条件を指定して検索する
調べたい場所を選択したら、条件を指定して検索します。
【手順3】公示地価、基準地価を確認する
表示されている価格が公示地価、基準地価になります。
【手順4】公示地価、基準地価を参考に相場を算出する
実勢価格は、公示地価と基準地価の1.1倍程度といわれています。
売却する土地に最も近い標準地や基準地の地価に1.1をかけると、おおよその実勢価格を算出できます。
相場を算出する計算式は以下のとおりです。
実勢価格=公示地価×土地の面積×1.1
【土地売却の相場を調べる方法】路線価から調べる
次に、路線価を使って、土地の売却相場を調べる方法を紹介します。
路線価とは、土地の贈与税や相続税を算出する際に使われる評価額のことで、相続税評価額とも呼ばれます。
国税庁が毎年公表する、その年の1月1日時点における主要な道路に面した1㎡あたりの土地価格です。
路線価は、国税庁のホームページから調べることができます。
【手順1】調べたい都道府県を選択して路線価図を選ぶ
路線価図・評価倍率表にアクセスし、都道府県を選択します。
次に路線数を選択します。
【手順2】調べたい場所の詳細なエリアを選択する
調べたい土地の住所を選択すると詳細な地図が表示されます。
【手順3】路線価を確認する
道路に記載されている数字が路線価で、1㎡あたりの土地の評価額になります。
また、路線価の表記は、千円単位となっています。
たとえば「330C」と表記されている場合は、1㎡あたり330,000円という意味です。
図形は土地の種類を表しており、アルファベットは借地権の場合の割合を示しています。
【手順4】路線価を参考に相場を算出する
路線価は相続税や固定資産税の納税額を計算するために使われるため、公示地価の80%に設定されています。
また、先述のとおり、実勢価格は公示地価の1.1倍程度です。
このため、以下の計算式で相場を算出することができます。
実勢価格=路線価×80%×土地の面積×1.1
【土地売却の相場を調べる方法】固定資産税評価額から調べる
土地の売却相場は、固定資産税評価額から算出することも可能です。
固定資産税評価額は、毎年4~6月頃に自治体から送られる納税通知書で確認できます。
納税通知書が見つからない場合は、役所で取得できる固定資産証明書でも確認することが可能です。
なお、納税書の形式は市区町村によって異なるため、ホームページで確認することをおすすめします。
土地の固定資産税評価額は公示価格の70%程度とされており、以下の計算式で売却相場を算出することができます。
実勢価格=固定資産税評価額×70%×1.1
【土地売却の相場を調べる方法】査定価格から調べる
土地の査定とは、不動産会社が土地の売却可能な価格を算出することです。
査定には、机上査定と訪問査定の2種類があります。
机上査定
机上査定は、土地の情報と類似物件の取引事例などをもとに市況を考慮して、おおまかな売却価格を算出する査定のことで、簡易査定ともいいます。
不動産会社の担当者が現地を訪問せず、短期間で結果がわかるメリットはありますが、訪問査定と比べると精度が落ちるため、おおまかな目安としてとらえたほうが無難です。
訪問査定
訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に現地を訪問し、詳細に調査して査定額を算出するため、精度の高い査定方法だといえます。
実際に土地の売却を依頼する場合には、訪問査定が必須となります。
土地売却の相場を調べるときの注意点
土地の売却相場を調べる場合に、気をつけるべき注意点を解説します。
売却相場はあくまでも目安と捉える
自分で調べた売却相場は、あくまで目安としてとらえることが大切です。
実際の土地の取引では、土地ごとの細かい条件によって、売却価格が変わります。
土地売却相場に影響を与える具体的な要素は、以下のとおりです。
- 土地の面積
- 日当たり、風通し
- 土地の形状
- 角地か中間地か
- 接している道路の幅員の広さ
- 道路に接する土地の面積
上記の要素でプラスになる条件があれば売却相場より高く売れる可能性があり、逆にマイナスになる条件であれば、相場より安くなるでしょう。
過去に査定した金額はあてにしない
過去に土地の売却を検討して査定を受けていた場合でも、再度査定を依頼しましょう。
土地の売却相場は土地の状況に応じて常に変動しており、数年でも大きく変わることがあります。
また先述のように、売却する時には訪問査定が必須となります。
過去に訪問査定を受けていた場合でも、新たに査定を受けましょう。
査定は複数社に依頼する
土地売却の査定をするときは、複数社に依頼することをおすすめします。
複数の査定価格がわかることによって、平均額が把握できるため、より正確な土地の売却相場がわかるでしょう。
販売価格と実際の成約価格は異なる
先述のとおり、販売価格はあくまでも売りに出している価格のため、実際に契約するときの価格とは異なります。
実際には値引き交渉が入ることが多いため、販売価格よりも成約価格が下がることも少なくありません。
値下げ交渉が入ることを予想して高めに売り出し価格を設定している場合もあるため、注意しましょう。
土地を高く売却するコツ
土地を売却する場合は、少しでも高く売りたいものです。
土地をできるだけ高く売却するコツを紹介します。
市況がいいときに売却する
土地の売却価格は、土地の要素によっても異なりますが、市況(市場での取引や株取引)の影響も大きく受けます。
周辺の土地の売却相場が上がっている場合や、購入した金額よりも高く売却できそうな場合は、「市況がよい」と判断できます。
具体的には、再開発が予定されているエリアや、ショッピングモールなどの商業施設の建設が決定しているエリアなどは需要が高まるため、土地を高く売却できる可能性が高いといえるでしょう。
隣地との境界を確定する
土地を高く売却するためには、懸念事項をできるだけなくし、買いやすい状態にしておくことが大切です。
まずは、隣地との境に境界杭があるかどうか確認しましょう。
見つからない場合は、測量されているのか確認し、管轄の法務局で確定測量図を取得できれば、測量自体は完了しています。
確定測量図をもとに現地で境界杭を探しましょう。
道路工事の影響などにより境界杭がなくなっている場合には、測量会社に再設置を依頼します。
管轄の法務局に確定測量がなければ、土地家屋調査士に測量を依頼しましょう。
他の条件はクリアしていても境界があいまいになっていることにより、売却できないこともあり得ます。
売却するときは境界を確定することをおすすめします。
まとめ
土地の売却相場は、5つの方法で自分でも比較的簡単に調べることができます。
しかし、土地の細かい条件によって売却価格は異なり、市況によっても大きく変動します。
土地の売却を検討するときは、市況を予測することをおすすめします。
実際に土地を売却する場合は、複数の不動産会社に査定依頼し、高く売却するコツを参考にしながら好条件での売却を目指しましょう。