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相続した空き家を駐車場にするメリット・デメリット!費用・注意点も紹介

この記事でわかること

  • 相続した空き家を駐車場にするメリットとデメリットについて理解できる
  • 相続した空き家を駐車場にするときにかかる費用や相場観がわかる
  • 駐車場以外の活用方法もわかる

相続した空き家は、放置せずに土地活用することがおすすめです。

その一つの活用方法が、駐車場経営です。

空き家を解体して駐車場にする工事は、さほど大掛かりなものではありません。このように誰でも簡単にできそうな駐車場経営ですが、空き家を駐車場にすることには、メリットとデメリットがあります。

本記事では、相続した空き家を駐車場にするメリットやデメリット、駐車場設置にかかる費用などについて解説します。

この記事を最後までお読みいただくことで、駐車場設置にかかる費用や注意点、さらに駐車場以外の土地活用の方法がわかります。

最終的に、将来的な土地活用の選択肢も広げることができるでしょう。

相続した空き家を駐車場にするメリット

実家を相続した場合、活用する予定がなく空き家のままになるのであれば、土地活用するのがよいでしょう

土地活用することで収益を得られ、固定資産税など毎年かかるランニングコストに補填できるからです。

さらに、ランニングコスト以上に収益が確保できれば、退職後の貴重な収入源となります。

では、相続した空き家を駐車場に転用したいとき、メリットやデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

まずは、相続した空き家を駐車場にするメリットをご紹介していきます。

賃料収入を得られる

空き家を駐車場にすると、賃料収入を得られます

仮に、貸家として活用できる状態であれば、そのまま空き家を貸すことで賃料収入を得られます。

しかし、相続した後、長年放置した空き家であれば、人がすぐに住める状態ではなく、貸家で賃料収入を得ることは困難だと言えるでしょう。

一方で、空き家を解体し駐車場に転用すれば、駐車区画を貸し出すことで賃料収入を得られます。

空き家を放置するよりは、土地活用で駐車場を設置することで周辺の駐車場不足の解消など、地域貢献に繋がることもあるでしょう。

固定資産税などの支払いに充てられる

空き家を駐車場にすることで、その収入を固定資産税などの支払いに充てられます

空き家を相続し所有すると、毎年固定資産税と都市計画税がかかります。

一般的に所有するのみであれば、毎年の収支はこういったランニングコストの出費のみです。

しかし、空き家を駐車場に転用すれば、賃料収入でランニングコストの出費分に充てられます。

空き家所有による収支の赤字分を穴埋めができることだけでも、メリットと言えるでしょう。

退職後の貴重な収入源になる

前述したように、空き家を駐車場に転用し、ランニングコスト以上の収益があれば、様々な経費の財源となります。

駐車場経営で所得を得られれば、将来的には退職後の貴重な収入源となるでしょう。

年金収入の足しとなれば、老後を安心して迎えることも期待できます。

アパートなどに比べると設置費用が安価

駐車場への転用は、アパートなどに比べると設置費用が安価に済みます

土地活用をしたいが多額の初期費用負担ができない人に、駐車場はおすすめの土地活用と言えるでしょう。

駐車場は、敷地内を更地にした後に砂利やアスファルト舗装を行い、区画線を引くのみと簡易的な工事で済むのが特徴です。

また、駐車場設置工事は短期間で完了できるため、駐車場経営はすぐに始められることもメリットと言えます。

空き家を維持管理する手間がなくなる

駐車場に転用することで、空き家を維持管理する手間がなくなります

空き家には、定期的な室内の通風・郵便ポストの清掃・庭の雑草の除去など管理が必要です。

また、外壁が朽ちるなど経年劣化がある場合には、補修工事も必要となります。

仮に空き屋から遠方に居住していれば、維持管理のための労力は計り知れません。

しかし、空き家がないことでこれら一切の手間から解放され、空き家の維持管理で悩むこともなくなります。

これまで空き家の維持管理に費やしていた時間や経費を、趣味や旅行など日常生活を豊かにする時間に充てることができます。

空き家により近隣に迷惑をかけることがなくなる 

駐車場に転用することで、空き家により近隣に迷惑をかけることがなくなります

たとえば、台風など暴風雨や強風のときに朽ちたトタンなどの外壁が、近隣に飛来し建物を損傷させるおそれがあります。

また、空き家が朽ち、廃屋のような見た目になることで、不審者の住み付きや虫がわくなどの衛生的な部分で迷惑となる可能性もあります。

空き家がなくなることで、近隣に迷惑をかける心配がなく安心して過ごるでしょう。

狭い、若しくは歪な形の土地でもできる

駐車場は、狭い土地や歪な形の土地でも設置できます

駐車場の区画は、1台当たり概ね「幅2.5m×奥行6m」です。

よって、敷地が狭いときや形が歪な土地であったとしても、道路から車が敷地内に入れる間口の広さがあれば基本的に設置できます。

アパートなどの土地活用が難しい土地でも、駐車場なら設置できるというケースはあるでしょう。

将来的に他の土地活用に転用できる

駐車場は、将来的に他の土地活用に転用できます

たとえば、「活用方法が決まっていない土地を一旦駐車場にしておく」のもよいでしょう。

駐車場は敷地上に工作物が少ないため、転用自体がしやすいというメリットがあります。

相続した空き家を駐車場にするデメリット

続いて、相続した空き家を駐車場にするデメリットを紹介していきましょう。

空き家の解体に多額のコストがかかる

駐車場を設置するとき、空き家の解体に多額のコストがかかります

空き屋の解体費用は、木造住宅で1坪あたり4万円前後が相場です。

たとえば、30坪の木造2階建て住宅を解体する費用は、約120万円となります。

これらの費用は、自己資金で負担しなければなりません。

なお、解体のしやすさで費用は変わります。

たとえば、木造住宅で間口が広い住宅であれば、敷地内への重機の搬入や解体物の搬出もしやすく人手がかかりません。

よって、解体費用は安くなる傾向があります。

一方で、重機の搬入ができず解体を手作業に頼るなど、手間がかかると解体費用は高めです。

駐車場の需要がなければ経営が成り立たない

駐車場を設置したとしても、需要がなければ経営は成り立ちません

駐車場設置前には、周辺に一定の需要が見込めるかを調査したほうがよいでしょう。

たとえば、近隣の月極駐車場がどこも満車という調査結果があれば、駐車場が不足している可能性があるため、需要が見込めます。

収益性は低い

駐車場はアパートに比べて収益性は低くなります

駐車場を経営するエリアにもよりますが、1車室あたり概ね10,000円前後の賃料であれば、10台で満車の駐車場では月10万円の収入です。

そこから不動産管理会社に支払う管理料を差し引くと、アパート経営と比べて収入は多くありません。

固定資産税が上がってしまいランニングコストが増える

空き家があった敷地を更地にすると、固定資産税が上がり、毎月のランニングコストが増えます

敷地内に空き家など建物があることで、住宅地用地の特例が適用されます。

小規模住宅用地の場合、住宅1戸当たり200㎡以下の住宅用地の固定資産税の課税標準額は1/6、都市計画税は1/3です。

しかし、空き家を解体すると軽減措置がなくなるため、固定資産税等のランニングコストが増えます。

つまり、年間の想定賃料(7割~8割程度の稼働と想定)に対し、ランニングコストが上回るようであれば賃料や土地活用自体の見直しが必要です。

トラブルに巻き込まれる可能性がある

空き家を駐車場に転用することで、トラブルに巻き込まれる可能性があります

たとえば、賃料の未払いや借り主同士のトラブル(車を傷つけられた、駐車区画間違いなど)は管理会社が対応します。

一方で、ゴミの不法投棄や車の乗り捨てなど、敷地内に関するトラブルを解決するのは貸主です。

ゴミの処分費用や車の撤去費用などの負担を余儀なくされることがあり得ます。

相続した空き家を駐車場にするときの費用内訳・相場

ここでは、相続した空き家を月極駐車場にするときの費用内訳や相場を紹介していきます。

空き家の解体費用

空き家の解体費用は、建物の構造により変わります。

建物の構造別での解体費用相場は、以下のようになっています。

解体費用の相場

建物構造1坪あたりの費用(目安)
木造40,000円
鉄骨造60,000円
鉄筋コンクリート造70,000円

(参照元: NPO法人空き家・空き地管理センター

このように、解体に手間がかかる建物ほど費用は高くなります。

月極駐車場設置の初期費用

月極駐車場設置の初期費用は、以下のとおりです。

月極駐車場の初期費用の相場

項目費用の相場
駐車場の舗装 砂利敷き:2,000円/㎡~
アスファルト:3,000円/㎡~
コンクリート:5,000円/㎡~
区画線5,000円~/1区画
車止めの設置5,000円~/1台
看板設置10,000円~
フェンスの設置20,000円~/m

これらの費用項目は、必須のものではありません。

どのような駐車場にするかで、初期費用は変動します。

相続した空き家を駐車場にする際の注意点

相続した空き家を駐車場にする際の注意点は、以下のようなものが挙げられます。

節税の効果は薄い

駐車場に節税効果は期待できません

駐車場はアパートのように減価償却できる資産が少なく、収益から差し引ける経費がほぼないからです。また、先述で紹介したように固定資産税などは増えるため、むしろ節税という考えとは真逆の効果と言えます。

工事の発注は複数社に見積もりをとってから

家の解体や駐車場設置工事は、複数社に見積もりを取ります

これらの工事は普段の生活で身近なものではなく、相場観がわかりづらいものです。

複数社の査定を取り、金額や工事内容などを比較し、最善の会社を選べるようにしましょう

収支計画は適正な稼働割合で考える

駐車場の事業計画は、適正な稼働割合で立てることが大切です。

前述したように、駐車場経営を大きく左右するものには「立地」があります。

100%の稼働率ではなく、70~80%程度の稼働率で収支を見積もるのがよいでしょう。

相続した空き家・土地の活用方法

相続した空き家や土地は、駐車場以外にも活用方法があります。

代表的な活用方法3つをご紹介していきます。

駐輪場・バイク置き場

駐車場同様に設置費用などを安価に抑えたいのであれば、駐輪場やバイク置き場があります。

これらは、駅に近い立地の場合におすすめです。

トランクルーム

トランクルームとは、敷地内にコンテナを設置し、収納スペースを提供する土地活用です。

集合住宅などが多い地域では、収納スペースが不足しているケースが多く、需要があります。

なお、トランクルーム経営では、土地を運営会社に貸して地代収入を得るシステムもあります。

土地を貸すのみで初期費用がかからないため、初心者でもできる土地活用です。

アパート

アパート経営は、オーソドックスな土地活用の一つです。

敷地内にアパートを建設し、賃料収入を得ることで成り立ちます。

アパート経営は比較的参入しやすい分野ですが、高リスク高リターンの土地活用です。

仮にアパート経営を望むのであれば、事業資金はできるだけ自己資金で賄い、アパートローンの割合を少なくするなど、リスクの低減策を講じていきましょう。

まとめ

相続した空き家を駐車場にすると、賃料収入などを得られるメリットがある反面、空き家の解体などに初期費用がかかるなどのデメリットがあります。

駐車場への転用は、初期費用や注意点を留意し、収支的に問題がないかを検証してから始めるようにしましょう。

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