ワンルームマンション投資のハードルが低い理由とは?メリットだけでなく失敗事例・リスクも解説
この記事でわかること
- ワンルームマンション投資が、なぜハードルが低いかについて理解できる
- ワンルームマンション投資のメリットとデメリットがわかる
- ワンルーム投資のリスク回避方法がわかる
不動産投資に興味を持って、何から始めようかと関連書籍を読む、インターネットで検索するなどを行った場合には、ワンルームマンション投資に関する情報が多いことに気が付かれるでしょう。
読み進めて行くうちに、どうやらワンルームマンション投資は簡単に思えてきます。
数ある不動産投資の中でも、ワンルームマンション投資は手軽で検討しやすい条件がそろっています。
ですが、投資に絶対はありません。
不動産投資の中では初心者向けと言われるワンルームマンション投資も、当然としてメリット・デメリットが存在します。
情報の中には、提供するメソッドを正確に行えば90%は成功すると言った売り込み記事や、逆にワンルームマンション投資の80%以上は失敗すると言った内容の記事もあり、投資初心者が何を信じれば良いのか戸惑うことも多いでしょう。
結論から言えば「ワンルームマンション投資のメリット・デメリット」の内容を正確に理解して、販売会社から提供された情報を鵜呑みにせず「自らが選択して納得できた物件」に投資を行うようにすれば成功確率は高まります。
メリットだけを聞けば簡単に思えるために、あまり深く考えずに投資を行って失敗している方は無数におられます。
デメリットや失敗事例から学ぶことによって、それらを回避することができるようになります。
今回は、なぜワンルームマンション投資はハードルが低く始めやすいかをメリットとともにご紹介することから初めて、デメリットや注意すべき点まで説明を行い、全体を通してリスクを理解しながらも収益を得る投資方法について解説します。
目次
不動産投資でワンルームマンション投資のハードルが低いと言われる理由
不動産投資の中でワンルームマンション投資のハードルが低いと言われる理由については、いくつかあります。
よく言われる理由として下記の様なものがあります。
- ・投資額が低く抑えられる
- ・経費負担が少ない
- ・賃料の変動率が少ない
- ・間取りが固定的であることから入居者を選ばない
- ・融資が利用しやすい
投資額が低く抑えられる
ファミリータイプの分譲マンションと比較して面積が少ないことから、価格が低くなります。
特に投資初心者は、空き家になった場合の費用負担などの観点から投資に対しての警戒心が働きますが、不動産投資ローンを使用しても融資額が抑えられるため、負担が少ないことから心理的に安心できます。
そのように心理的ハードルが低いことからも「投資額が低い=リスクが少ない」といった人間心理が働きます。
投資に絶対はありませんが、誰しもが最初は初心者です。
ある程度、経験を積むことによって真の意味でのメリットやリスクが理解できるようになります。
経費負担が少ない
固定資産税や管理費・修繕積立金など、所有していることにより発生する経費も、専有面積に応じて割安になります。
投資を検討する場合に重要視される利回りは下記の計算式で算出できます。
年間家賃収入÷購入価格=表面利回り
上記から固定費などの経費を差し引いた物が、実質利回りとなり最も重要です。
年間家賃が安定しており、購入価格が低く固定経費が低ければ実質利回りが高くなり、投資が成功しやすくなります。
賃料の変動率が少ない
ワンルームマンションは、専有面積がファミリータイプの分譲マンションと比較して小さくなります。
部屋の大きさから、主に単身者をターゲットとしており、エリア需要や面積から勘案される家賃設定も当初から低く設定されることから、景気変動による上下幅も少なく安定的な収入が期待されます。
間取りが固定的であることから入居者を選ばない
単身者が部屋選びに優先するのは立地・生活利便施設・家賃設定です。
一部屋しかないワンルームは間取りの大差がないことから、間取りの優先順位が低いとされています。
室内の住設機器についても豪華さを求めず、最低限の生活が行える程度で良いとされる傾向が強いということも、理由の一つに挙げられます。
これの意味合いから、入居者を選ばず入居率が高いと言えます。
融資が利用しやすい
取得額が低額であることから、不動産投資ローンを使用する場合にも審査基準である返済負担率が抑えられます。
個人の与信力によって異なりますが、融資が利用しやすい傾向があります。
ワンルームマンション投資のメリット
ワンルームマンション投資には、下記のようなメリットがあります。
- ・初期補用が低い
- ・売却もおこないやすい
- ・維持経費が安く抑えられる
- ・入居者が見つけやすい
初期補用が低い
不動産投資と一言でいっても、その投資対象により考え方が変わります。
その中でワンルームマンション投資のメリットとしては、購入価格の低さがあげられます。
投資原則は「投資金額を抑えて最大の利益を得る」ですが、実際には投資額の大きさに比例するようにリターンもリスクも増加します。
但し、投資初心者がそのような博打的要素の高い投資に手を染めるのはお勧めができません。
確実性の高い投資に目を向けるべきでしょう。
ワンルームは、一部屋に洗面・浴室・収納などを一体化して構成されていますので、総じて専有面積が小さくなります。
マンションの価格は築年数・立地・建築会社のブランド・管理体制などが価格評価の基準となりますが、条件が同等である場合には、専有面積が小さいほど購入価格が安くなります。
購入価格が安くなれば、必要な自己資金や融資金額が低くなりますので、手軽に不動産投資ができるというメリットが生まれます。
また、融資を受ける場合に金融機関が審査を行う基準については、給与などの所得に対するローン支払いの「返済負担率」も重視されますので、人によっては「自己資金0円」で不動産投資ができることもあります。
売却がしやすい
分譲マンションや戸建て投資、アパートなどの1棟投資と比較して、ワンルームマンションは資産売却を検討した際にも、その流動性の高さから売却が楽だと言われています。
多額の資金がなくても購入しやすいことから需要が多いことも後押ししていると言えます。
更にワンルームは、売買価格も低くなることからステップアップを目的とした買い替えなどを検討した場合には換金性が高いと言えます。
売却には一般的な仲介業者を利用しますが、査定額を算出する場合には以下の3点を総合的に勘案します。
- ・収益還元法
- ・原価法
- ・取引事例比較法
収益還元法
不動産が将来において、どれくらいの利益を生み出すかを計算し、販売価格を算出する方法です。
投資に大切な「利回り」から算出する直接還元法と、将来利益の予測値から求めるDCF法の2種類から投資利益を検討する方法です。
原価法
売却物件を再調達する場合の再調達費をもとに算出されます。
実際には再調達価格から築年数による残存年数を差し引く形で積算価格を割り出す方法です。
取引事例比較法
売却物件所在地の近隣事例から、最も条件が近い物を参考に交通便などの「評点」を項目について精査して金額を算出します。
一般的な不動産相場とは、この取引事例比較法の金額が根拠となります。
実際の売り出し額
上記の方法を参考にそれぞれ金額の目安を算出し、エリア優位性などを調整する「流動性比率」を勘案したものが査定額となります。
査定額が算出されたからと言って、その金額が売り出し価格になる訳でも売却価格になる訳でもでもありません。
実際の売り出し価格は、根拠として提示された金額をもとに、仲介業者と打ち合わせを行いながら決定します。
最終的な価格を決定するのは、物件を所有している投資家自身です。
また購入希望者が現れた場合にも値下げ交渉があるなど、最終的には契約合意に至った金額が売却額になります。
維持経費が安く抑えられる
不動産を所有していると管理費や修繕積立金・固定資産税などの経費が必要となります。
これらは不動産の所有者に対して請求されますので、賃借人が支払いを行ってくれる訳ではありません。
維持経費の中には設備機器の補修費用なども含まれますが、ワンルームマンションはファミリータイプのマンションとは違い、キッチンや浴室サイズも小さく比較的に安価な商品設置がされていることから、補修費用も抑えやすいといった特徴もあります。
家賃の年間総額が、ワンルームマンション投資の収入になりますが、そこから経費を差し引きしたものが「実質利回り」として不動産投資等において重要だとされています。
維持費が抑えられるということは投資目的を達成しやすい要因です。
入居者が見つけやすい
ワンルームマンションは、その専有面積から主に単身者を入居ターゲットとしています。
部屋の間取り構成や住設機器による差別化も少ないことから、単身者が好むエリア条件さえ満たしていれば入居者が探しやすいといったメリットがあります。
ワンルームマンション投資のデメリット
不動産投資の中でもハードルが低いことから、初心者向けと言われるワンルームマンション投資ですが、投資である以上は相応のデメリットが存在します。
投資目的を達成させるためにはメリットだけではなく、デメリットも理解して検討を行う必要があります。
具体的なデメリットで代表的なものは下記のようなものです。
- ・不動産投資の中では利回りが低い_損益分岐の回収ラインまで時間がかかる
- ・売却時の値上がり期待が低い
- ・エリア競合率が高い
- ・老築化により入居者が入りにくい
- ・入れ替わりが激しいことから、募集広告費や仲介手数料が増加する
ここではデメリットについて、それぞれ解説します。
不動産投資の中では利回りが低い_損益分岐の回収ラインまで時間がかかる
投資利回りは家賃収入と購入価格から計算されますが、家賃金額の設定も近隣相場から算出され、ワンルームマンションは高額になりにくいことから、一件辺りで得られる実質利回りの収益が多いとは言えません。
不動産投資はBERと呼ばれる「最低限必要な売り上げ目標を数値化」を行い、このBERが高いほど経営リスクが高いとされています。
ワンルームマンション投資は固定費が低くすむといったメリットもありますが、併せて家賃も低く設定されがちです。
空き家状態が長期化して融資や固定費の支払いが続くと、その期間は逆ザヤの状態が続くことになり原価償却の採算ラインまでの期間が長引きます。
投資には、物件を所有していることにより「利益を獲得し続ける」ことが求められますが、月々の利益の合計が購入物件の価格にまで達する時間は賃借人の入居期間によって算出されます。
入居者が入らない空き家状態が長期化した場合に家賃を下げると、更に採算ラインまでの時間を要するなどのデメリットが発生しやすくなります。
売却時の値上がり期待が低い
売却の価格を抑えられることがワンルームマンション投資の魅力ですが、売却時には購入価格を上回る期待値はほぼ持つことができません。
逆に築年数により価格が低下します。
ファミリータイプの分譲マンションの場合、立地や希少性で売却額が購入価格を上回ることが期待されるケースもありますが、単身者への投資が目的のワンルームマンションは、そのような要因の影響を受けにくいからです。
エリア競合率が高い
マンション投資は立地が9割、と言う人がいるほどに立地は重要視されます。
特に利便性を求める傾向の強い単身者にはその傾向が顕著に現れます。
従って人気エリアにはワンルームマンションが林立することになります。
単身者が求める条件は
- ・駅までの距離
- ・生活利便施設までの距離
- ・スーパー
- ・コンビニ
- ・ドラッグストアー
- ・コインランドリー
- ・銀行(ATM)
この条件を満たすエリアはワンルームマンション投資の成功率が高まることから、競合化がおこりやすくなります。
老築化により入居者が入りにくい
同一エリアで同程度の広さの場合、多少なら家賃が高くても築浅のワンルームマンションを選ぶ傾向が、単身者にはあります。
このような場合の対策としては、家賃の値下げが効果的ではありますが、どこまで下げれば入居者が見つかるかも不確定要素です。
結果的に家賃の値下げは利回りに跳ね返ってきますから、長期の融資で空き家状態が続けば当初考えていた投資計画が破綻してしまします。
また、老築化マンションでは大規模修繕の必要性が生じる可能性が高くなりますが、修繕積立金で費用を賄えない場合には、一時金が徴収されることもあります。
入れ替わりが激しいことから、募集広告費や仲介手数料が増加する
入居者が見つけやすい反面として、身軽な単身者がメインであることから賃借人の入れ替わりが多く、募集を行って入居者を探してもらった場合には都度、仲介料や広告費がかかります。
また、賃借人が退去してからすぐに新たな入居者が見つかれば良いのですが、エリアや時期によっては空室リスクが伴います。
ワンルームマンション投資の失敗事例
ハードルが低いことから人気の高いワンルームマンションの投資ですが、リスクがないわけではありません。
投資である以上、当然として相応のリスクが伴います。
不動産投資において、何を持って失敗とするかは投資目的により異なります。
投資目的には主に、下記の様なものがあります。
- ・老後の生活資金
- ・資産リスクの分散
- ・退職準備
- ・相続対策
- ・節税対策
これらの投資目的が達成できない場合において「失敗」とされます。
理論としての投資目的は「投資金額に見合う、相応のキャッシュフローを得ること」です。
つまり「トータル収支で損をしない」ことが、なによりも大切だと思います。
トータル収支で損をしないためには、初期の投資金額や月々のキャッシュフロー、融資金利や運営リスクなど中・長期的な視点からの検討が必要です。
投資目的を明確に持たず営業マンに上手く乗せられて、投資のハードルが低いというメリットばかり強調されて安易に手を出した場合には失敗の確立が高まります。
ここでは実際によくあるワンルームマンション5つの失敗事例を解説します。
- 1.収益率が低いことから回収まで時間がかかる失敗事例
- 2.経費算入の目論見が、甘かった失敗事例
- 3.複数の投資を、一気にしてしまった失敗事例
- 4.入居期間が短く、次の入居者がきまるまでの空白期間が繰り返される失敗事例
- 5.投資エリアの調査が甘かった失敗事例
収益率が低いことから回収まで時間がかかる失敗事例
新築ワンルームマンション投資でよくある事例です。
投資に対する基本的な考え方ですが、投資効率を考えた場合にはまず利回りを重視する必要があります。
利回りは「年間家賃収入額」÷「物件購入価格」×100%で計算できます。
月々のランニングコストやローン支払いを考慮せず、同一エリアで購入価格25,000,000の新築ワンルームマンションと築浅の購入価格20,000,000の中古マンションを購入した場合で、新築についてはプレミアで多少年間家賃収入が高い場合の表面利回りを計算して見ましょう。
物件A (年間家賃収入)1,200,000÷物件価格25,000,000円×100%=4.8(表面利回り)
物件B (年間家賃収入)1,000,000÷物件価格20,000,000円×100%=5%(表面利回り)
単純計算ではありますが、新築のプレミア家賃を設定しても表面利回りで下回っています。
新築ワンルームマンションは、新築時こそプレミアがつきますが、いったん入居者が入ってしまえばそれ以降の入居者にとっては「築浅中古ワンルームマンション」でしかありません。
もちろん築浅であることは入居者が部屋を選ぶ際の大切な要因にはなりますが、もともとの家賃設定が低く、単身者をターゲットとしているワンルームマンションですから、築浅効果により反映される家賃が極端に高くなるわけではありません。
エリア競合物件の家賃設定を同等として購入価格が低く抑えられているほど利回りが良くなり、回収時期が早まると理解しましょう。
経費算入の目論見が、甘かった失敗事例
ワンルームマンション投資を行い入居者から家賃が得られたものが収入となります。
前項でご説明しましたが「表面利回り」は、月々の家賃収入を12倍したものを購入価格で割ったものです。
ただし、実際にはワンルームマンションを所有すると様々な経費が必要となります。
おもな経費としては
- ・固定資産税
- ・都市計画税
- ・管理費
- ・修繕積立金
などがあります。
また固定した経費とは言えませんが、賃借人の責任ではない住設機器故障時の補修費用なども不確定な経費として必要となる場合もあります。
これらの経費を「表面利回り」から差し引いたものが「実質利回り」です。
ワンルームマンション投資に限らず全ての不動産投資は、この「実質利回り」を重視する必要があります。
また、これらの経費は賃借人の入居の有無によらず支払いが発生しますので、家賃収入が得られていなくても必要になります。
複数のワンルームマンション投資を、一気にしてしまった失敗事例
ワンルームマンション投資を検討するきっかけは、インターネットで情報を見たり、雑誌の記事を見て興味持ったりなど人それぞれだと思います。
ワンルームマンション投資の営業会社から突然の営業電話があり、話を聞いているうちにその気になったという場合もあるでしょう。
自己資金があり、勤務先の社会的な認知度が高く給与も高い方は、金融機関の「与信力」も総じて高いことから、返済負担率の範囲内積極的に融資をしてくれます。
営業マンに分散投資を勧められ、利回りの低さや空き部屋リスクを回避するために一気に複数のワンルームマンションを購入して失敗するケースを、よくお聞きします。
もちろん分散投資も、投資を成功させるための手法ではありますが、投資初心者が営業マンの言いなりになって深く考えず、複数のワンルームマンションを購入するのは典型的な失敗パターンの一つです。
入居期間が短く、次の入居者が決まるまでの空白期間が繰り返される失敗事例
基本的に単身者は入居期間が短いと理解しましょう。
ワンルームマンションは入居者のほとんどが単身者であることからも、入居期間が長期化することはほとんどありません。
その考えを基本として、購入前のシミュレーションを組み立てます。
そこで大切なのが、エリア選定と競合物件数です。
間取りや設備の優劣は、先ほどご説明したように入居を決める基準として高くありません。
ただし下記に列記する部分については、単身者が入居先を選ぶ際に重視する項目です。
- 1.駅までの距離
- 2.生活利便性(スーパーやコンビニなどまでの距離)
- 3.近隣嫌悪施設の有無
- 4.騒音の有無
- 5.上下階振動音
- 6.築年数
「人口密集地区だから失敗しない」と、営業マンの甘言に乗せられて失敗した事例では、エリア人口の大半はファミリーでワンルームマンションの需要が少ないうえに、上記の様な条件を満たしていない物件でした。
このような物件は、そもそもターゲットである単身者人口が少ないうえに、部屋を選定するための魅力にも乏しいことから空白期間が長くなり、採算割れした典型的な事例だと言えます。
投資エリアの調査が甘かった失敗事例
シミュレーション結果から導き出した適正価格で家賃設定をおこない、競合物件の少ないエリアで需要があるのなら、ワンルームマンション投資が失敗する理由がありません。
投資を行う方々は、それなりの情報を得て検討を行ってから投資を始めていると思います。
ですが、実際に失敗事例には事欠きません。
具体的な失敗事例としては以下のようなものがあります。
- ・運用がうまくいかないので、せめて売却益だけでもと思い売却を検討したが安値でしか販売できないことが分かった。当初、ワンルームマンション販売会社から聞いていた話とは違い、下落率が著しかった。
- ・損益通算で確定申告を行う際に、ワンルームマンション投資を行うことによる節税効果が非常に高いと聞いていたが、実際には減価償却分やローン金利などでは償却できない固定費の支出があり赤字になった。
- ・中古ではなく、新築ワンルームマンションを購入して投資を行うことのメリットを強調され、売却時にも場合よっては値上がりも期待できると言われていたが、実際には下落して売るに売れなくなった。
上記のように具体的な失敗事例の原因は、ワンルームマンション販売会社などから与えられた情報のみで始めた投資だからです。
競合物件数や適正家賃設定・ワンルームマンション投資の優位性は、販売会社が優しく全てを教えてくれる訳ではありません。
メリットを強調し、デメリットはほとんど説明しないと思った方が良いかもしれません。
営業マンはワンルームマンションを販売するのが仕事であって、投資の成功には関心が低いからです。
もちろん自社の取り扱い物件や施工物件を販売するために、表面上のデータや中長期のシミュレーションなどの情報は提供してくれるでしょう。
例えば資料に書かれている情報は正しいのでしょうか?
- ・コンビニまでの距離が記載されていますが、本当にその店は営業していますか?
- ・市役所が近いとなっていますが、実際は出張所で取り扱い業務が少ないことはありませんか?
- ・予備校密集地帯を狙いましたが、生徒数は本当に正しいのですか?
全て疑えとまでは言いませんが、少なからぬ資金を使って投資を行う以上、最終的に失敗の責任は自分自身にあります。
ワンルームマンション投資を始める前の物件調査などは、実際に現地に赴いて近隣を歩き回ってみる。
インターネットを駆使して、提供された情報の真偽を確認するといった行動が大切です。
まとめ
ここまでにご説明をしたように、ワンルームマンション投資は、ほかの不動産投資と比較しても購入価額が低く、物件数も豊富にあることから投資初心者が手始めとして行うのに適しています。
実際にも投資を始める方が多いから、投資セミナーが活発化しているのでしょう。
ただし、不動産投資には少なからずリスクが伴います。
今回、失敗例であげたように、空き家リスクや固定費の読み込み不足、競合の物件調査など、投資を始めるにあたっては「正確なリスクも読み込んだ長期的シミュレーション」が必須です。
メリットばかりを見て、調査不足に陥り営業マンの甘言に乗せられ、失敗事例でご説明したように、初心者が複数のワンルームマンションを購入し、失敗して債務超過になった事例にはことかきません。
投資を始める以上は、まず情報を集めると同時に知識を学び、リスクも含めた理解を深めましょう。
ワンルームマンション投資の人気が高いことから、関連書籍は本屋に溢れています。
それらを買い込んで独学する、または「ワンルームマンション投資セミナー」などに積極的に参加して知識を深めるのも方法です。
- 1.投資物件の選定方法
- 2.納得できる長期のシミュレーション
- 3.空き家リスクや固定費の変動など突発的事態に対する対応策
少なくてもこの3点は、自分自身の言葉で説明できるようになってから投資を始めたいものです。