マンションの家屋番号の調べ方5つ【どんなときに必要になる?】
この記事でわかること
- 家屋番号とは何か理解できる
- マンションの家屋番号の調べ方がわかる
- マンションの家屋番号が必要になるケースがわかる
家屋番号とは、建物を識別するために不動産登記法上付けられた番号のことです。
家屋番号が同じ建物はなく、すべて違う番号が付けられます。
番号はほとんどのケースで土地の番号である地番と同じ番号になります。
しかし、ケースによっては地番と家屋番号が異なることもあります。
また、家屋番号は特定のケースで使うことがあるため、調査方法を知っておく必要があります。
本記事では、家屋番号とはどのような番号なのか、家屋番号が地番と異なるケースはどんなケースなのか、家屋番号を調べる5つの方法、家屋番号が必要になるケースを解説します。
目次
家屋番号とは
前述したように、家屋番号とは、不動産登記法により建物に付けられ番号のことです。
この家屋番号をもとに、それぞれの建物を識別しています。
家屋番号は建物の識別番号のため、同じ番号が使われることはありません。
家屋番号は一戸建てだけではなく、区分所有建物の1室1室にも付されます。
基本的に敷地の番号である地番をもとに家屋番号が付けられますが、条件によっては地番と家屋番号が異なる場合があります。
ここからは、家屋番号が地番と異なる番号が付けられる条件を紹介していきます。
なお、地番と住居表示(普段利用している郵便物などを送る住所のこと)も違う表記方法のため、地番=住居表示の数字とはならないことにはご注意ください。
1つの敷地に2つ以上の建物がある場合
1つの敷地に2つ以上の建物がある場合は、地番と家屋番号が異なる建物が発生します。
たとえば、地番50の敷地に2つの建物が建っている場合、1つの建物の家屋番号は地番と同じ50になります。
しかし、もう1つの建物は50-1などの番号が付されます。
50の後に付く-1という番号は支号と呼びます。
また、区分所有建物が建っている場合もこのケースに該当します。
1つの敷地に複数個の区分所有の部屋があると、地番と同じ番号ではなくなってしまいます。
たとえば、昔であれば家屋番号50-1が101号室、50-2が102号室などという家屋番号の付け方をしていました。
現在では、部屋番号を家屋番号にすることが多く、101号室の家屋番号は50-101、102号室の家屋番号は50-102などになるケースが多くあります。
なお、区分所有建物とは、1つの建物の中にそれぞれ独立した部屋などがあり、その独立した部屋ごとに所有権を付けた建物のことを言います。
代表的な区分所有建物は、分譲マンションやタウンハウスです。
建物を建て替えた場合
建物を建て替えたときには、新しく家屋番号が付けられます。
そして、解体した建物の家屋番号は滅失登記をしないと残り続けてしまいます。
そのため、建て替え前の建物の家屋番号を消さないまま新しい建物の家屋番号を付けてしまうと、地番と違う家屋番号が付いてしまいます。
たとえば、地番80の上に家屋番号80の建物が建っていたが、家屋番号80の建物を壊したときに滅失登記をしないと、家屋番号80の建物は登記上残り続けることになります。
そのため、新しい建物を建築するときに家屋番号80はすでに使われてしまっている状態になるため、家屋番号80-1などという番号が付けられるということです。
旧建物を解体し、滅失登記を行ってから建物を新築した場合は、旧建物の家屋番号は欠番になっているため、新しく建築した建物に旧建物と同じ家屋番号が付きます。
なお、滅失登記とは、建物を解体したときに登記に記載されている建物の記録を消す登記のことです。
1つの建物が2つ以上の敷地にまたがっている場合
1つの建物が2つ以上の敷地にまたがっている場合も、地番と家屋番号が異なります。
原則として、家屋番号は建物が多く乗っている土地の地番と同じ番号になります。
たとえば、地番200と地番201にまたがって乗っている建物のほとんどが地番200の場合、家屋番号は200になります。
そのため、地番201でもある建物なのにも関わらず、建物の家屋番号は200となり、異なる番号になってしまいます。
土地を分筆した場合
1つの土地に1つの建物しかなく、地番と家屋番号が同じ番号でも土地を分筆すると地番が変更されて家屋番号と番号が異なってしまいます。
たとえば、土地の地番5に家屋番号5の建物が建っていたときに土地を半分に割ってしまうと、地番が5-1と地番5-2に分かれます。
そのため、地番と家屋番号の数字が変わってしまうことになります。
なお、分筆とは1つの土地を2つ以上の土地に割る登記上の手続きのことを言います。
マンションの家屋番号の調べ方5つ
マンションの家屋番号を調べる方法は5つの方法があります。
ここからは、マンションの家屋番号の調べ方を5つ紹介します。
権利証や登記原因証明情報で確認
自身で所有しているマンションの家屋番号であれば、権利証や登記原因証明情報を見ることで確認することができます。
固定資産税納税通知書で確認
自身で所有しているマンションの家屋番号は、権利証などの他、固定資産税納税通知書でも確認することができます。
自身で所有していないマンションだとしても、売買契約予定などの関係者であれば、固定資産税納税通知書の写しをもらえるケースがあります。
権利証や登記原因証明情報は重要な書類のため、写しをもらうことはまずできません。
法務局へ電話確認
家屋番号は法務局へ電話することで確認することができます。
ただし、法務局によっては電話での回答をしてくれないところがありますし、地番がわからない場合は家屋番号を教えてくれないことには注意が必要です。
このような場合は、直接法務局へ行って確認しなければなりません。
インターネットサイト「登記情報提供サービス」で確認
登記情報提供サービスとは、家屋番号を検索し登記簿を取得できるインターネットサイトのことです。
家屋番号を検索するだけであれば無料で検索することができます。
ただし、ログインするためには情報を入力し、クレジットカードの登録などしないといけないため、手間がかかります。
また、家屋番号自体は検索できるものの、家屋番号の内容(所有者や地番など)を知るためにはクレジットカードでの支払いが発生します。
手数料は内容にもよりますが、300円から500円の間を支払うことになります。
ブルーマップで確認
法務局によってはブルーマップという本が備え付けてあり、ブルーマップで地番を確認することができます。
ただ、ブルーマップには地番しか掲載されていません。
そのため、家屋番号を調べるときにはブルーマップで地番を調べ、法務局の人へ地番を伝えて家屋番号を教えてもらうことで確認できます。
ただし、法務局によってはブルーマップを備え付けていない場合もありますし、そもそもブルーマップが発行されていない地域もあるため、必ずブルーマップで確認できるということではありません。
マンションの家屋番号が必要になるケース
マンションの家屋番号は、特定のケースにおいて必要となるときがあります。
ここからはマンションの家屋番号が必要になるケースを紹介していきます。
マンションの一室の登記簿を取得するとき
マンションの一室の登記簿謄本を取得するときには、その一室に対応している家屋番号が必要になります。
役所への申請のときに登記簿謄本(全部事項証明書)を取得して提出しなければならないケースもあるため、所有している不動産の家屋番号は知っておいたほうがよいでしょう。
マンションを売却するとき
マンションを売却するときには、家屋番号が必要になります。
マンションを売却するときには、不動産売買契約書を作成します。
そのときに、マンションのどの部屋を売買するのか特定するために家屋番号を記載します。
まとめ
家屋番号は建物を特定するために付けられる登記法上の番号のことを言います。
基本的に家屋番号は、土地の番号である地番と同じ番号が付けられます。
しかし、1つの敷地に2つ以上の建物が建っている場合や、2つ以上の敷地に1つの建物がまたがっている場合などには、地番と家屋番号が異なるケースがあります。
そのため、地番が分かっていても家屋番号を調査することができない場合があります。
家屋番号を調べるためには、法務局へ行って調査するのが確実ですが、インターネットサイトで調査することや、法務局へ電話連絡することで調査できる場合もあります。
家屋番号は役所に提出することもある登記簿取得をするときや、不動産売買で利用するため、調査方法を知っておくと役立つときがくるかもしれません。