新築マンション購入にかかる費用とは?相場や注意点について徹底解説
新築マンションの購入を検討している人にとって、費用や手続きに関する情報は必須です。
また、新築マンションの購入にともなって、どんなことに気を付けて選べばいいのか、何に注意すればいいのかわからない人もいるでしょう。
一生に一回になるかもしれない大事な買い物なだけに、失敗だけはしたくないはずです。
今回は、新築マンション購入にかかるもろもろの費用や購入までの流れ、節約できるポイントや購入前の注意点を解説します。
新築マンションの購入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
目次
新築マンションを購入する際に必要な費用の相場
新築マンション購入時には、物件そのものの費用とは別に諸費用がかかります。
物件や購入者の判断にもよりますが、以下のものが新築マンション購入時には費用として発生します。
初期費用 | 入居後の費用 |
---|---|
|
|
以上の金額が新築マンション購入の際には必要になります。
一概に相場がいくらと断言できないのは、物件の価格や所在地、頭金の有無で変動するためです。
相場で漠然と調べるよりも、ひとつひとつの課目について調べたほうが良いかもしれません。
新築マンションを購入する際に必要な費用
新築マンション購入時には、購入するために必要な初期費用と、入居後も必要になる費用の2種類に大別できます。
それぞれ購入する新築マンションの金額や立地、広さによって異なるため、不動産会社からシミュレーションをもらっておくと良いかもしれません。
初期費用
初期費用には以下のものがあります。
金額の目安 | |
---|---|
申込証拠金 | 購入申込みをした証拠となるお金 |
手付金 | 売買代金の5~10% |
頭金 | 購入費用の一部 |
印紙税 | マンションの購入価格によって異なる |
不動産所得税 | 土地・建物を取得した際にかかる税金 |
登録免許税 | 登記の際にかかる税金 |
司法書士への依頼料金 | 司法書士に登記を依頼した場合に発生する |
ローンの費用(印紙税、火災保険料など) | ローンを組む際に必要になる |
修繕積立基金、管理準備金 | マンションの維持管理に必要な費用 |
消費税 | 各種課税対象になる金額の合計の10% |
初期費用ではもうひとつ、仲介手数料を入れる場合があります。
しかし、扱いが不動産会社によって異なるため、ここでは割愛します。
申込証拠金
申込証拠金とは、不動産を購入する際に申込みしていることを示すお金のことです。
申込金とも呼ばれています。
新築マンションにかかわらず、すべての不動産売買において設定されており、もしマンション購入をキャンセルした場合は返金される仕組みです。
相場は数万~10万円程度ですが、なかには設定されていない場合もあります。
事前に確認をとってみましょう。
手付金
申込証拠金と混同されますが、手付金はマンションの売買契約を結ぶにあたって買主が売主に支払う費用を指します。
申込証拠金との最大の違いはキャンセルしても返金がないことです。
また、売主が手付金を受け取っているにもかかわらず契約を破棄した場合、買主に対して受け取った手付金の2倍を買主に対して支払うよう決められています。
なお、舘家金の相場はマンション価格の5~10%ですが、両者の合意があれば1万円でも手付金と認められます。
頭金
頭金とは住宅ローンを使わずに支払う自己資金のことを指します。
頭金の額に上限はなく、自己資金から出せる分だけの費用で問題ありません。
マンション価格の10~20%程度が頭金の相場と言われていますが、現在は頭金ゼロで購入する買主も少なくありません。
印紙税
印紙税とは、売買契約の際に契約書に貼りつける印紙のことで、不動産や自動車などの高額商品の契約の際には必ず使用するものです。
購入する新築マンションの価格によって必要な印紙税額は変動します。
原則、売主と買主双方が購入しなければなりませんが、売主のもとに契約書のコピーを渡すことで印紙税負担は買主からのみとなります。
不動産所得税
不動産取得税とは、土地・建物を取得した際に支払う税金を指します。
固定資産税評価額の4%が税額に相当します。
新築住宅の場合、床面積が50㎡以上240㎡以下の場合は、固定資産税評価額から1,200万円の控除が適用されていましたが現在は廃止されています。
ちなみに、不動産取得税は道府件税に該当します。
登録免許税
登録免許税は、登記にかかる税金のことです。
新築マンション購入にあたっては「所有権保存登記」「抵当権設定登記」の2つが必要です。
別々に課税されるものではあるものの、新築マンション購入時には同時に手続きができるため、一括で支払えば問題ありません。
司法書士への依頼料金
不動産関連の登記は司法書士に依頼するのが一般的です。
手続きやそれに必要な資料作成の数が多く、素人でするには大変な作業です。
基本的には不動産会社指定の司法書士に依頼する形となり、費用は30万円前後となります。
ただし、依頼料は司法書士によって異なるため事前に確認するといいでしょう。
ローンの費用(印紙税、火災保険料など)
住宅ローン・火災保険に加入する場合はそれぞれに必要な印紙税・保険料を支払わなければなりません。
住宅ローンを組まない場合は火災保険に関する費用だけで問題ありませんが、いくらになるかは取り扱う金融機関や損害保険会社によって異なります。
修繕積立基金、管理準備金
修繕積立基金は、マンションの設備を修繕する際に使用されるお金で、マンションに住んでいる人全員が支払わなければなりません。
管理準備金はマンションの維持管理を目的に使用されるお金で、管理人の給与などにあてられます。
こちらも同様にマンションに住まう人全員が支払う必要があります。
どちらも特性が異なり、額面もマンションや管理会社によって違うため、気になる場合は事前に確認しましょう。
消費税
消費税は、課税対象のものを購入した際に課される税率10%の税金のことです。
非課税とされている税金類や費用を除いた課税対象額の合計の10%が上乗せされます。
入居後の費用
入居後の費用については以下のとおりです。
金額の目安 | |
---|---|
固定資産税・都市計画税 | 固定資産税:評価額×1.4% 都市計画税:評価額×0.3% ※入居時期で日割り計算 |
修繕積立基金、管理準備金 | 物件・入居時期によって異なる 年度の途中であれば日割り計算 |
引っ越し代金 |
固定資産税・都市計画税
不動産所有者全員に毎年加算させる税金です。
土地と建物に対してそれぞれ固定資産税評価額が決められており、それに1.4%をかけた分が税額となります。
自治体によっては税率が異なる場合もあるため、確認が必要です。
なお、納付方法は毎年役所から送られてくる納税通知書についている納付書を使って行います。
修繕積立基金、管理準備金
初期費用で触れたものと同じものです。
マンションに居住している場合は支払い続ける必要があるもので、マンションの大きさや共有スペースの有無・管理人の有無などで金額が異なります。
引っ越し代
転居してくる際に引っ越し業者を利用した場合に発生します。
利用しない場合は自力での引越しとなります。
引越し業者は3~4月を繁忙期としており、そのタイミングでの引越しは料金が高くなるように設定されているため注意が必要です。
また、マンションの構造によっては大型家具や家電の大きさに制限がかかってしまう場合もあるため、新規購入・運搬ともに家具の大きさの確認が必要です。
新築マンションを購入する流れ
新築マンションを購入するステップは、以下のとおりです。
マンション選びから購入、入居までの一般的な期間は数ヶ月~1年程度とされています。
各種書類の提出やローンの審査が理由で長引くことが原因です。
書類に不備があったりすると書き直す必要が出てくることもあるため、入念な準備が必要です。
手付金や申込証拠金は。
上記の表③で支払いをします。
その後何事もなければ順次ステップを踏んでいき、転居をして購入手続きは完了となります。
長く見積もって1年ほどの期間は必要になるため、慎重に検討しましょう。
新築マンション購入で費用を抑えるポイント
新築マンション購入にかかる費用は、先に説明したとおり多岐にわたります。
しかし、大きな買い物であるため少しでも支払金額を抑えたい人もいるでしょう。
新築マンション購入時に抑えられる費用の項目は少ないものの、以下の2つはやってみる価値があるでしょう。
- 住宅ローンを組む金融機関の選び方
- 比較検討を行う
最大の節約ポイントはズバリ住宅ローン。
どの金融機関のものを採用するかで支払う合計額が大きく変動するため、ぜひ実践してみてください、
住宅ローンを組む金融機関の選び方
住宅ローンは生命保険と同じく金融商品です。
そのためどの金融機関がサービスを行っているかによって、支払う手数料の金額が変わります。
注目されるのは金利の低さですが、それ以外の手数料や保証内容がよくない場合もあります。
住宅ローンの全体像を見て決めることが重要です。
比較検討を行う
住宅ローンは1社からだけではなく複数の金融機関のものを比較・検討しましょう。
同じ金額の同じような金利の商品でも、内容に大きな差があることも珍しくありません。
また、万が一審査に通らなかった場合は、他の金融機関の住宅ローンを申し込まなければなりません。
第1候補だけではなく、第2、第3と決めておくと良いでしょう。
新築マンションを購入する際の注意点
新築マンションは現在不動産市場でも勢いのある商品です。
購入時に中古での売却を検討している人も少なくありませんが、それ以外にも注意してみておく必要がある項目があります。
新築マンション購入時に見ておくべき注意点について解説します。
市場価格を調査しておく
マンションの資産価値が年々高まってきているとはいえ、すべてのマンションで同じことが言えるわけではありません。
市場調査をしっかりと行い、購入するマンションは高額で売却できそうか、その条件を満たしているかを確認しておくと良いでしょう。
また、購入後も周辺の開発で資産価値が一変する場合もあります。
周辺の開発計画も合わせて、不動産会社に尋ねておくと良いかもしれません。
資産価値を調査しておく
マンション購入後、価値が大幅に下がらないか事前に調べておきましょう。
マンションの先述のとおり資産価値は向上しているものの、周辺環境や立地、部屋の間取りによっても資産価値は変動します。
一般的に高い資産価値を持っている物件の条件とされるのが、駅近であること、複数路線を利用できることなどのアクセスに関する項目です。
長期計画開発にともなって、人口流入が見込めるかも大きなポイントになるでしょう。
災害リスクについて調査しておく
近年の大災害に対応するような構造をしているか、立地的に被災のリスクは少ないかどうかもしっかり調査しましょう。
市区町村役場などで配布されているハザードマップや、不動産情報とともに渡される資料をもとに、災害に強いかどうかは要確認です。
マンションの場合は耐震構造が一般住宅よりも優れている場合もあるため、その点も合わせて確認しておくようにしましょう。
住宅ローン控除が利用できるか確認する
住宅ローン控除が適用されるかどうかによって判断基準を変えても良いでしょう。
ローンを組んでから13年間、年末残高の1%が所得税から控除される仕組みです。
控除しきれなかった超過分については、翌年の住民税に持ち越しされるため、適用可能かどうかは確認してきましょう。
ただし、住宅ローン控除は実際に現金が戻ってくるわけではなく、あくまでも税金の納税額を減らすものです。
意味を取り違えないように注意しましょう。
資金計画を十分に立てているか
新築マンションを購入するにあたってもっとも重要なのが資金計画です。
購入にかかる初期費用から毎月返済するローン、修繕積立金・管理費を支払えるかどうかのシミュレーションは必須と言えるでしょう。
資産価値が高いマンションですが、売る際にも費用がかかります。
困ったときには売却すればいいと、安直な考えではいけません。
資金計画をしっかり立てて、無理のないローン返済や初期費用の支払いをしましょう。
まとめ
新築マンションを購入するのは、人生でも1回あるかないかという人もいるでしょう。
売却する目的で購入するにしても、かなりの費用がかかるのは間違いないため、十分な資金計画と準備が必要です。
住宅ローンの借入先の検討や災害時のリスクなど、購入にかかる費用面だけ考えていてはいけないのも要注意です。