固定資産税路線価とは?調べ方や相続税路線価との違いまとめ
この記事でわかること
- 固定資産税路線価とは何かがわかる
- 固定資産税路線価と相続税路線価との違いが理解できる
- 固定資産税路線価の調べ方がわかる
- 固定資産税路線価から固定資産税評価額を計算するのが難しい理由がわかる
目次
固定資産税路線価とは
固定資産税路線価とは、固定資産税を計算する元となる固定資産税評価額を計算するために必要な数字です。
固定資産税路線価は固定資産税を課税する基準を設けるため、固定資産税の課税主体である市町村(東京都は区)が3年に1度、4月頃に公表されます。
固定資産税路線価は、一般的に公示価格の70%の評価になるとされています。
この固定資産税路線価は固定資産税の他にも、不動産取得税や登録免許税、都市計画税などの算出にも利用されます。
固定資産税路線価と相続税路線価の違い
路線価と言うと、一般的には相続税路線価のことを言います。
しかし、固定資産税路線価と相続税路線価は違う数字です。
固定資産税路線価と相続税路線価の主な違いは次の表のとおりです。
固定資産税路線価 | 相続税路線価 | |
---|---|---|
計算に利用される税金 | 固定資産税、都市計画税 登録免許税、不動産取得税 | 相続税 贈与税 |
評価する行政 | 市町村(東京都は23区) | 国税庁 |
評価の調査頻度 | 3年に1度 | 毎年 |
価格算出時期 | 3年ごとの1月1日時点 | 1月1日時点 |
価格公表時期 | 3年ごとの4月頃 | 毎月7月頃 |
公示価格比率 | 70% | 80% |
相続税路線価は相続税を算出するために必要な数字で、金額自体も固定資産税路線価とは違います。
相続税路線価は公示価格の80%を目安としており、固定資産税路線価は公示価格の80%を目安としています。
また、価格を算出しているのも相続税路線価は国税庁であるのに対し、固定資産税路線価は市町村(東京都は23区)と異なっており、まったく違う数値であることがわかります。
なお、公示価格とは、国が毎年土地の価格を評価している約2万6,000ヵ所の土地単価のことです。
その他にも実勢価格(時価相場)、都道府県地価調査価格などの土地の価格を表す数字がありますが、すべて固定資産税路線価とは違う価格を表しています。
固定資産税路線価の調べ方
固定資産税路線価は「一般財団法人資産評価システム研究センター」が提供している全国地価マップで調べることができます。
ここからは、一般財団法人資産評価システム研究センターが提供している全国地価マップでの固定資産税路線価の調べ方を紹介していきます。
①全国地価マップを開く
検索サイトで「一般財団法人資産評価システム研究センター」もしくは「全国地価マップ」と検索し全国地価マップのサイトを開きます。
全国地価マップを開くことができたら、サイト内にある掲載マップ一覧の「固定資産税路線価等」をクリックします。
②自分が調べたい地域をクリック
固定資産税路線価等をクリックし「全国地価マップご利用にあたってに」の内容を確認し、同意をしたら日本の地図が表示されます。
そして、都道府県→市区町村をクリックし、詳細地図が表示されたらご自分が調べたいところまで地図を移動させます。
なお、サイトの左側にある住所検索に住所を打ち込むことで調査したい町名まで移動することが可能です。
③調査したい土地に接している道路の数字を確認する
地図上で調査したい土地を発見できたら、その土地に接している道路に記載された数字を確認します。
数字は1㎡あたりの数字が記載されているため、地図上に200000と記載されていれば、1㎡当たり20万円の評価であるということがわかります。
この数字は坪単価ではありませんので注意ください。
たとえば、調査した土地が200㎡で評価が20万円/㎡であれば
この計算式により、固定資産税評価はおおよそ4,000万円ということになります。
ただし、この数字はあくまで参考です。
なぜ算出した数字が参考にしかならないのかは、次項で解説します。
固定資産税路線価から固定資産税額を計算するのは難しい
固定資産税路線価からおおよその固定資産税評価額を計算することはできますが、そこから固定資産税額を正確に算出することはかなり難しいことになります。
その理由は、固定資産税評価額を算出するためには、固定資産税路線価と面積を掛けるだけの単純な計算では算出できないからです。
土地は様々な形をしており、高低差がある場合や、間口が狭い場合もあります。
そのため、各土地の特徴を補正としてマイナス評価、あるいはプラス評価をします。
この補正を計算に入れた上で、固定資産税評価額を算出します。
しかし、この補正はかなり計算が難しく、一般個人では計算できないでしょう。
そのため、固定資産税路線価と土地面積を掛けただけの数字は参考程度にしかなりません。
実際の計算方法を知るためには、不動産鑑定士などに計算をしてもらうことになります。
もし簡単に固定資産税評価額だけを知りたいのであれば、固定資産税の納税通知書を確認するのが一番手軽な方法です。
固定資産税の納税通知書には計算方法は記載されていませんが、計算した結果である固定資産税評価額が記載されています。
固定資産税の納税通知書は、1月1日現在の所有者のところに郵送される書類です。
もし、購入する不動産の固定資産税額や固定資産税評価額が知りたい場合は、その土地の売主を担当する不動産会社に問い合わせをすれば、価格を教えてくれます。
固定資産税評価額が分かれば、固定資産税額を計算することは容易です。
固定資産税額の計算方法は次のとおりです。
このような計算式で計算することができます。
税率は1.4%が大半を占めていますが、税率は市町村(東京都は23区)が決定することができるため、各自治体により税率が異なっています。
また、固定資産税には減税措置がいくつかあり、減税措置がある場合には計算式が変わることもあります。
土地の固定資産税は住宅が建築されているだけでその敷地の固定資産税額が1/6になることも、1/3になることもあります。
そして建物の固定資産税は新築の場合、3年間から7年間、固定資産税額が半額になります。
まとめ
固定資産税路線価とは、固定資産税評価額を算出するための価格であり、相続税路線価とは違います。
固定資産税評価額が分かれば、固定資産税額を計算することは簡単にできます。
しかし、固定資産税路線価から固定資産税評価額を計算するには、土地の高低差や土地の形状などの補正値を計算に入れないといけないため、一般個人が計算することは不可能に近いです。
もし計算式を知りたいという場合は、不動産鑑定士などに依頼するしかありません。
計算式ではなく固定資産評価額だけ知りたいという場合は、固定資産税の納税通知書を確認すれば分かります。
また、固定資産税の納税通知書には固定資産税額も記載されているため、正確な数字を把握したい場合は固定資産税の納税通知書を手に入れるようにしましょう。
購入する不動産の固定資産税額や固定資産税評価額を知りたい方は、その売主を担当する不動産会社に問い合わせることで把握することができます。