便利な不動産の一括査定にもデメリットあり!注意点を徹底解説
「不動産の一括査定は便利そうだけれど、デメリットや注意点はある?」
不動産を売却しようと考えて査定を依頼するためにインターネット検索をしていると「一括査定」というものを見かけたことがあるのではないでしょうか。
一括査定は、複数社が一括で査定をしてくれるサービスであり、一見すると簡単にたくさんの査定結果を得られるので良いことしかないように見えるかもしれません。
しかし、一括査定にはいくつかのデメリットや注意点があり、デメリットや注意点を踏まえて利用しなければ思っていたのとは違う結果になってしまうこともあります。
逆に、正しくデメリットを把握すれば、一括査定を上手に活用することも可能です。
この記事では、不動産の一括査定のデメリットや注意点について詳しく解説しています。
この記事を読むことで、不動産の一括査定のデメリットや注意点を知ることができ、それらを踏まえて不動産の一括査定を利用するかどうかを判断できるようになります。また、不動産の一括査定の上手な活用方法についても把握できます。
目次
不動産の一括査定とは
「不動産の一括査定」とは、複数の不動産会社から一度に査定価格を取得できるインターネット上のサービスのことをいいます。
物件の売却を検討している方が不動産の一括査定を利用すれば、複数の不動産会社と個別に査定依頼のやり取りをする手間をかけずに複数の査定結果を得ることができます。また、複数の査定結果を比較し、仲介を依頼するために最も良い不動産会社を選ぶ参考情報を得ることができます。
不動産の一括査定は、インターネット上から申し込むことができ、一般的には、物件の所在地や面積、築年数などの基本的な情報を入力するだけでその一括査定サービスと提携している複数の不動産会社から査定結果を得ることができます。
不動産の一括査定サービスは、忙しくて査定のやり取りをするための時間が取れない人や手間をかけずにできるだけたくさんの査定結果を得たい人にとっては、とても便利なサービスです。
不動産の一括査定のメリット
不動産の一括査定を利用するメリットには、次のようなものがあります。
- ・時間と手間を節約できる
- ・複数の査定結果を簡単に比較できる
- ・不動産会社の選択肢の幅が広がる
まず、不動産の一括査定を利用すれば、複数の不動産会社に対して個別に問い合わせる必要なく、オンラインで一度に査定の依頼を行うことができます。これにより、不動産会社とやり取りする時間と手間を節約することができ、忙しい中でも効率的に複数の査定結果を集められます。
また、不動産の一括査定を利用すると、複数の不動産会社からおおむね同時期にまとめて査定結果を得ることができるため、それぞれの査定結果を簡単に比較することができます。このことにより、不動産の売却相場を把握しやすくなり、最も適切な売り出し価格を設定するために使える情報を手に入れることができます。
さらに、不動産の一括査定は、複数の不動産会社と提携して査定結果を得られるため、一括査定を利用していなければ存在を知らなくて連絡を取れなかったはずの不動産会社からも査定結果を得ることができます。
これにより、一括査定を利用せずにご自身だけで探す場合よりも不動産会社の選択肢を増やすことができ、信頼できる不動産会社を選べる可能性が高まります。
このように、不動産の一括査定には、さまざまなメリットがあります。
もっとも、不動産の一括査定にはメリットだけがあるわけではありません。
デメリットもいくつかあるため、デメリットについてもしっかりと押さえておくことが大切です。
不動産の一括査定のデメリットについては、次に詳しくご説明します。
不動産の一括査定の5つのデメリット
不動産の一括査定のデメリットには、次のようなものがあります。
- ・査定結果と実際の売却価格は異なる
- ・利用した一括査定サービスと提携している不動産会社の査定結果しか得られない
- ・売却する不動産の所在地域によっては査定を受けられない
- ・営業の電話対応が煩雑になることがある
- ・一括査定サイトが十分に信頼できるか分からないことがある
これらのことについて、詳しくご説明します。
デメリット1:査定結果と実際の売却価格は異なる
不動産の一括査定を利用すると複数の査定結果を得られますが、実際に得られた査定結果と実際の売却価格はある程度は異なることが一般的です。
査定結果として示された価格は、あくまでも不動産会社が提供する参考値です。
実際にその価格で売却できることを保証するものではありません。
また、不動産の査定価格は、物件の所在地、広さ・面積、築年数、周辺の環境などの基本的な情報に基づいて計算されますが、実際の売却価格はそれ以外にもさまざまな要因が影響して決まります。
例えば、買い手の需要がどれだけあるか、不動産市場の動向、個別の交渉結果などは、最終的な売却価格に影響する要素です。
特に、個別の需要や交渉結果によっては相場にかかわらず大きく売却価格を動かすこともあるので、そのような個別事情を勘案できない一括査定サービスの査定結果が実際の売却価格と一致することはほとんどありません。
このようなことから、一括査定の結果をそのまま信じてしまうのではなく、複数の査定結果を比較したうえで売却価格について総合的な視点から判断することが重要です。
また、実際に売り出し価格を決めるにあたっては、信頼でき、仲介を依頼する不動産会社と直接詳しく相談したうえで、個別の事情に即して最も適切な価格設定をすることが大切です。
一括査定で得られた査定結果はあくまでもひとつの目安として捉えるにとどめるようにしましょう。
デメリット2:利用した一括査定サービスと提携している不動産会社の査定結果しか得られない
不動産の一括査定サービスを利用しても、当然ながらあらゆる不動産会社の査定を受けられるわけではなく、利用した一括査定サービスと提携している不動産会社からの査定結果しか得られません。
一括査定サービスにもさまざまなものがあり、利用した一括査定サービスと提携している不動産会社の数や内容は一括査定サービスによって異なります。
このことから、物件が所在する地域や物件の特徴によっては、そのエリア・物件にとって最適な査定を受けられる不動産会社が一括査定サービスの中に含まれておらず、必ずしも最適な査定を受けられていないということがあり得ます。
特に、特定のエリアに特化した不動産会社や、独自の販売ルート・販売戦略を持つ会社は、一括査定サービスの中に含まれていないこともあり、そのような不動産会社の査定結果を得られなければ実際の売却価格にできる限り近い査定結果を得ることが難しくなる可能性もあります。
また、もし利用した一括査定サービスと提携している不動産会社の数が少なかった場合には、十分な数の査定結果のデータが得られないこととなり、それぞれの査定結果が本当に適正であるかどうかの判断が難しくなることもあります。
このようなことから、一括査定サービスを利用する際には、その一括査定サービスと提携しており査定を受けられる不動産会社の数や内容、評判を事前に確認しておくことが大切です。
あわせて、一括査定サービスだけで満足してしまうのではなく、必要に応じて他のより物件のエリア・特徴に合った専門性の高い不動産会社の査定を受けることも重要です。
一括査定サービスと個別の不動産会社の査定を組み合わせることで、可能な限り正確で信頼できる査定結果を把握することができます。
デメリット3:売却する不動産の所在地域によっては査定を受けられない
不動産の一括査定サービスを利用した場合には、どのようなエリアでも査定を受けられるわけではありません。
物件の所在する地域によっては査定を受けられないことがあります。
これは、一括査定サービスが提携している不動産会社のサービスエリアが必ずしも日本全国を網羅してるわけでなく、ある程度限られていることが原因です。
特に、都市部から離れた地方や過疎地域では、一括査定サービスを通じた査定を提供する不動産会社が比較的少なくなる傾向にあります。これは、これらの地域では不動産の取引量が限られていて実績が少なく、一括査定のような形で査定を行うための基礎的なデータが不足していることも理由のひとつです。
不動産の一括査定サービスを通じて査定を受けることができないエリアの不動産を売却しようとしている場合には、売却を希望する物件の所在する地元の不動産会社に直接問い合わせを行い、個別に査定を依頼することが有効です。
地域密着型で営業活動を展開する不動産会社は、そのエリアの不動産市場の動向や地域特有の需要に詳しく、そのエリアの不動産売却については、より正確な査定結果を提供してくれます。
このようなことから、一括査定サービスでは対応できないエリアの不動産を売却しようとしている場合には、その地域に密着して営業活動を展開している不動産会社に個別に査定を依頼するなど、異なる方法を組み合わせて査定結果を得ることが必要となります。
デメリット4:営業の電話対応が煩雑になることがある
不動産の一括査定サービスを利用すると、一括査定サービスと提携している複数の不動産会社から営業電話がたくさんかかってくることがあります。あまりにもたくさん営業電話がかかってくるために、それらへの対応が大変になってしまうこともあります。
一括査定サービスは、利用者が入力した情報を基に複数の不動産会社に対して査定依頼を一斉に行う仕組みです。そのため、査定依頼を受けた不動産会社は他社よりも少しでも早く顧客とやり取りをして自社と契約してもらうために、先を争って連絡を取ろうとしてくることが一般的です。
この結果として、短い間に非常に多くの電話がかかってくることがあり、特に平日の日中に仕事をしている人やプライベートの時間にまで営業電話を受けたくないという人にとっては、電話対応が大きな負担になってしまう可能性が高いです。
このようにたくさんの営業電話を受けたくないという方は、そもそも一括査定サービスを利用しないほうがいいかもしれません。
逆に、たくさんの営業電話を受けても構わないから、できるだけ多くの不動産会社とやり取りをしたうえでその中から依頼する不動産会社を選びたいという方には、一括査定サービスは向いているかもしれません。
一括査定サービスによっては、利用する際に連絡方法や時間帯の希望を事前に指定できることがあり、そのような場合にはそれを活用することも有効です。
また、一括査定サービスを利用したからといって、全ての営業電話に丁寧に対応しなければならないわけではありません。
興味のある不動産会社とはしっかりとやり取りをしつつ、そうではない他の会社には丁重に断りを入れるなど、対応を工夫するようにすると効率的にやり取りを進めることができるでしょう。
デメリット5:一括査定サイトが十分に信頼できるか分からないことがある
利用しようと考えている不動産の一括査定サービスが十分に信頼できるかどうか分からないことがあります。
インターネット上には多数の一括査定サイトが存在しますが、その中には残念ながら信頼性が低いものも一部含まれています。
信頼性の低いサイトを利用すると提供される情報が正確ではないだけでなく、個人情報の管理が不十分かもしれません。
最悪の場合には、信頼できないサイトを利用することで詐欺や情報漏洩の被害に遭う可能性もあり得ます。
このようなリスクを避けるためには、利用する一括査定サイトの運営会社の評判などを事前に確認しておくことが重要です。
口コミやレビューを確認できるのであれば確認し、信頼できると思われるサイトを選ぶようにしましょう。
これにより、できる限り安全で信頼できるサービスの下で査定結果を得ることができます。
不動産の一括査定の3つの注意点
不動産の一括査定を利用するにあたっては、注意点を踏まえて利用することでより適切に利用することができます。
不動産の一括査定の注意点には、次のようなものがあります。
- ・あくまでも相場の目安を知る手段のひとつとして利用する
- ・複数の査定結果を比較して信頼できる不動産会社を選ぶ
- ・一括査定サービスごとの違いや特徴を理解して選ぶ
注意点1:あくまでも相場の目安を知る手段のひとつとして利用する
一括査定で提示される価格は、各不動産会社が提供する参考価格であり、必ずしも実際の売却価格を保証するものではありません。
一括査定では高い価格が提示されるかもしれません。
しかし、実際にその価格で売り出してもなかなか成約せず、実際にはより低い価格でしか売却できなかったということも十分にあり得ます。
査定結果は、物件の基本的な情報や不動産市場の一般的な動向に基づいて算出されます。
しかし、最終的な売却価格は、個別の交渉結果や物件の特徴など個別性の高い要因の影響を強く受けます。
このため、一括査定の結果だけを信じて「査定価格のとおりに売却できる」と過信してしまわないことが重要です。
一括査定の結果は、相場の目安を知る手段のひとつとして利用するようにするのが最も望ましいです。
具体的な売却条件や売り出し価格は、依頼すると決めた信頼できる不動産会社と詳しく相談しつつ、個別の事情も勘案しながら決めるようにしましょう。
注意点2:複数の査定結果を比較して信頼できる不動産会社を選ぶ
不動産の一括査定を利用すると、複数の不動産会社が算出した査定結果を得ることができます。
これらの査定結果はそれぞれの会社が異なる基準や視点に基づいて査定を行って算出されたものであるため、提示される価格にはある程度のばらつきがあることが一般的です。
複数の査定結果を比較して依頼する不動産会社を決めるにあたっては、単に最も高い査定価格を提示した会社を選ぶというのはあまり良い決め方ではありません。むしろ、それぞれの会社がどのような根拠に基づいて査定を行ったか、どのような対応・サービスを提供してくれるかなどをしっかりと確認し、比較検討したうえで依頼する不動産会社を決めることが重要です。
例えば、依頼候補となる不動産会社の過去の取引実績、担当者の経験、対応の丁寧さ、売却活動の提案内容、仲介手数料の条件など、さまざまな点を確認し、複数の視点から信頼できるかを判断して、依頼する不動産会社を選ぶとよいでしょう。
このようにして慎重に依頼する不動産会社を選べば、安心して売却活動を進められるとともに、最も望ましい売却成果を得られる可能性を最大限高めることができます。
注意点3:一括査定サービスごとの違いや特徴を理解して選ぶ
不動産の一括査定サービスを利用する際には、各サービスの違いや特徴を十分に理解して選ぶことが重要です。
一括査定サイトは数多く存在し、それぞれの特徴やサービス内容は少しずつ異なります。
これらの違いを把握することで、より今の自分の状況に適したサービスを選んで利用することができます。
まずは、各一括査定サービスが提携している不動産会社の数や質に注目してみましょう。提携している不動産会社の数が多いサービスであれば、より多くの査定結果を得られる可能性が高まります。
もっとも、数が多ければそれだけで良いというわけでもありません。提携している不動産会社をどのような基準で選んでいるか、具体的にどのような会社が選ばれているかなどを確認し、提携先に信頼できる不動産会社が含まれていることを確認しましょう。
また、一括査定サービスごとにサービスの仕組みや利用条件が異なるため、それらを正確に理解することも必要です。例えば、どのような個人情報を入力しなければならないか、入力した個人情報どのように利用されるか、一括査定後にどのような流れで結果が知らされるのか、営業電話はかかってくるものなのかなど、サービスの詳細を確認しておくことで想定外のトラブルを避けることができます。
さらに、一括査定サービスに対する利用者の口コミやレビューを参考にすれば、その一括査定サービスの使いやすさや得られる成果などをある程度予想することができます。口コミやレビューを確認できる一括査定サービスであれば、できるだけそれらを確認しておくようにしましょう。
不動産の一括査定を上手に活用するためのポイント
不動産の一括査定を上手に活用するためのポイントには、次のようなものがあります。
- ・物件の情報はできるだけ詳しく入力する
- ・査定価格以外の要素も考慮して不動産会社を選ぶ
- ・一括査定サービスごとの特徴を把握した上で利用する
ポイント1:物件の情報はできるだけ詳しく入力する
まず、一括査定を利用する際には、物件の情報はできるだけ詳しく入力するようにしましょう。
詳しい情報があればあるほど、より正確な査定結果を得られます。
逆に、面倒に思って適当な情報しか入力しなければ、不正確な査定結果しか得られず査定をした意味がありません。
例えば、面積や建物の築年数などは、それが分かる資料を手元に用意するなどして正確に入力するとよいでしょう。
ポイント2:査定価格以外の要素も考慮して不動産会社を選ぶ
依頼する不動産会社を選ぶにあたっては、査定価格の高さだけを見るのは適切ではありません。
そもそも、査定価格が高ければ高いほど高い価格で売却できるというものではないため、査定価格が他社より高いことはそれほど意味のあることではありません。
査定結果だけでなく、個々の不動産会社とやり取りをする中で、どのような付加的サービスを提供しているか、担当者の対応が丁寧か、コミュニケーションをしっかり取ってくれるか、販売戦略が十分に練られているかなど、価格以外のさまざまな点を考慮することがとても重要です。
ポイント3:一括査定サービスごとの特徴を把握した上で利用する
一括査定サービスにはさまざまなものがありますが、サービスごとにそれぞれ異なる特徴を有しています。
例えば、提携している不動産会社が多いことに強みがあるサービスもあれば、広いエリアに対応できることを強みとするサービスもあります。
一括査定サービスの特徴を把握し、ご自身の事情と照らし合わせつつ、自分に合ったサイトを選ぶことが大切です。
まとめ:不動産の一括査定はデメリットも意識して活用しよう
不動産の一括査定は、メリットだけでなくデメリットも多くあります。
デメリットを意識しないまま一括査定を利用してしまうと、想定外のことにがっかりしてしまうことにもなりかねません。
まずは、一括査定のデメリットも正しく把握することが大切です。
そのうえで、一括査定を上手に活用するようにしましょう。一括査定は複数の不動産会社から査定結果をまとめて得られる点で通常の査定とは異なる強みがあり、うまく使えば上手に依頼する不動産会社を選ぶことも可能です。
不動産の一括査定をうまく使って、上手に依頼する不動産会社を選び、不動産の売却を成功させましょう。
また、不動産売却マップでは、「一括査定をしたものの、どう選べばいいかわからない」というようなご相談も受け付けておりますので、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。不動産コンサルタントが丁寧に対応いたします。