固定資産税は何坪から高くなる?住宅・土地別の計算方法まとめ
この記事でわかること
- 固定資産税が何坪から高くなるのかがわかる
- 土地の固定資産税の計算方法がわかる
- 建物の固定資産税の計算方法がわかる
土地や建物などの不動産を所有している人に対しては、固定資産税が毎年課税されます。
固定資産税は、土地・建物ともにある一定の坪数より大きくなると、課税額が増加してしまいます。
そのため、土地・建物を購入するときや、建物を新築するときには、どのくらいの坪数から固定資産税が増加してしまうのか知っておくことが大切です。
本記事では、固定資産税が何坪以上になると高くなるのか、土地の固定資産税の計算方法、建物の固定資産税の計算方法を解説します。
目次
固定資産税は何坪から高くなる?
固定資産税は土地と建物の両方に課税されますが、どちらもある一定以上の坪数になると課税額が高くなります。
ここでは、土地の固定資産税が何坪以上になると上がるのか、建物が何坪以上になると固定資産税が高くなるのかを紹介していきます。
なお、坪数計算は㎡ × 0.3025で計算し、小数点第2位以下は切り捨てています。
土地は60.5坪以上になると固定資産税が高くなる
土地の固定資産税は60.5坪以上になると固定資産税が高くなります。
その理由は、住宅が建築されている敷地の固定資産税には減税措置が認められており、200㎡=60.5坪以下の敷地は固定資産税が減額されることにあります。
減額幅は次の表のとおりです。
住宅の敷地面積 | 固定資産税評価額の軽減率 |
---|---|
小規模用土地(200㎡以下) | 評価額 × 1/6 |
一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 評価額 × 1/3 |
表のとおり、200㎡=60.5坪以上になっても、更地よりは土地の固定資産税が減額されます。
しかし、減額幅が小さくなるため、土地の固定資産税を最大限抑えるためには、住宅の敷地を200㎡以下にして取得するのがよいでしょう。
新築住宅は84.7坪以上になると固定資産税が高くなる
新築住宅の固定資産税は、建物の延床面積が84.7坪以上になると固定資産税が高くなります。
新築住宅にも土地と同じく、固定資産税の減税措置が認められています。
新築住宅の固定資産税減額条件は、次の表の通りです。
床面積要件 | 減額割合 | 減額期間 | |
---|---|---|---|
新築住宅 | 50㎡以上280㎡以下 | 1/2 | 3年間 |
新築マンション | 1/2 | 5年間 | |
認定長期優良住宅 | 1/2 | 5年間 7年間(耐火・準耐火建築物、マンションなどの場合) |
参考:国土交通省
新築住宅の固定資産税減額を受けようとする場合、建物の床面積が50㎡以上280㎡以下であることが条件です。
つまり、新築住宅の延床面積が15.1坪以上84.6坪以下であることが条件となります。
この面積条件をクリアしていれば、新築住宅を購入・建築してから3年間~7年間、建物の固定資産税が半額になります。
なお、この新築住宅の固定資産税の減税措置は利用期間が決まっており、2024年3月31日までに建築された住宅に適用されます。
中古住宅には坪数は関係がない
中古住宅には固定資産税の減税措置がないため、面積によって固定資産税額が増加することはありません。
ただし、面積が大きいほど固定資産税額が高くなり、築年数が浅いほど固定資産税額が高くなります。
そのため、面積が小さくなるほど固定資産税額は安くなり、築年数が経過するほど固定資産税額が安くなります。
つまり、固定資産税は建物の大きさにより、課税額が変動するということです。
固定資産税の計算方法
固定資産税を計算するためには、固定資産税評価額を知る必要があります。
固定資産税評価額は、固定資産税を計算する元となる数字で、固定資産税を課税する自治体が評価額を決定します。
固定資産税評価額は、不動産所有者に郵送されてくる固定資産税納税通知書や、自治体で取得できる固定資産税評価証明書に記載されています。
ここからは、固定資産税の計算を土地と建物に分けて計算していきます。
なお、固定資産税の税率は標準税率である1.4%で計算をしますが、自治体によって税率が異なります。
土地の固定資産税の計算方法
土地の固定資産税の計算方法は、次のとおりです。
土地の固定資産税減税措置が利用できる場合の計算方法は、次のとおりです。
【土地の面積が200㎡以下の部分】
土地の固定資産税額 = 土地の固定資産税評価額 × 1/6 × 1.4%
【土地の面積が200㎡を超える部分】
土地の固定資産税額 = 土地の固定資産税評価額 × 1/3 × 1.4%
事例【土地の固定資産税の減税なしシミュレーション例】
更地面積300㎡、評価額2000万円の土地の固定資産税を計算していきます。
土地の固定資産税評価額2,000万円 × 1.4% = 固定資産税額28万円
このシミュレーション例の場合は、土地の固定資産税が28万円課税されます。
事例【土地の固定資産税の減税ありシミュレーション例】
住宅の敷地になっている300㎡、評価額2000万円の土地の固定資産税を計算していきます。
【土地の面積が200㎡以下の部分】
土地の固定資産税評価額2,000万円 × 1/6 × 1.4% = ①固定資産税額 約4.6万円
【土地の面積が200㎡を超える部分】
土地の固定資産税評価額2,000万円 × 1/3 × 1.4% = ②固定資産税額 約9.3万円
① + ② = 固定資産税額 約13.9万円
このシミュレーション例の場合は、土地の固定資産税が約13.9万円課税されます。
減税措置がない場合は28万円課税され、減税された場合は約13.9万円課税されます。
そのため、このシミュレーション例での減税ありなしの差は、約14.1万円となります。
建物の固定資産税の計算方法
建物の固定資産税の計算方法は、次のとおりです。
建物の固定資産税減税措置が利用できる場合の計算方法は、次のとおりです。
事例【建物の固定資産税の減税なしシミュレーション例】
中古住宅、評価額2,000万円の土地の固定資産税を計算していきます。
土地の固定資産税評価額2,000万円 × 1.4% = 固定資産税額28万円
このシミュレーション例の場合は、土地の固定資産税が28万円課税されます。
事例【建物の固定資産税のシミュレーション例】
延床面積100㎡、評価額2,000万円の新築住宅を取得した場合の固定資産税を計算していきます。
土地の固定資産税評価額2,000万円 × 1/2 × 1.4% = 固定資産税額 14万円
このシミュレーション例の場合の建物の固定資産税は14万円課税されるということです。
土地の固定資産税が約13.9万円課税されているのであれば、土地と建物の合計で約27.9万円の課税をされることになります。
減税措置がない場合は28万円課税され、減税された場合は14万円課税されます。
そのため、このシミュレーション例での減税ありなしの差は14万円です。
まとめ
固定資産税は不動産を所有している限り、毎年課税されます。
そのため、固定資産税の減税措置が利用できると、固定資産税の支払い総額を大きく抑えることができます。
特に60.5坪以下の土地面積であれば、住宅が存在している限り、土地の固定資産税が1/6に抑えることができます。
建物の固定資産税については新築住宅にしか固定資産税の減税措置の適用がありませんが、3年~7年間固定資産税が半額になります。
このように、固定資産税は面積などの要件を満たすことにより、減税措置を受けることができます。
固定資産税について知っておくだけでかなりの節約になるため、不動産購入・建築するときには固定資産税の減税対象になっている不動産か確認した上で購入・建築するようにしましょう。