「空き家差し上げます!」無償で取引できるサービス4つと譲渡時の費用相場
この記事でわかること
- 無償譲渡可能なサービスを知ることができる
- 空き家を無償譲渡するメリットやデメリットがわかる
- 空き家を無償譲渡するときの注意点がわかる
- 空き家を買い取りしてもらうメリットがわかる
空き家を所有している方は維持管理に困っている方や、なかなか売却できずに困っている方が多いのではないでしょうか。
そのようなときには、空き家を無償譲渡するためのサービスを利用するとよいでしょう。
ただし、空き家を無償譲渡するときにはデメリットやリスクがあるため、無償譲渡を進めるときにはデメリットなどを理解しておかなければいけません。
本記事では、空き家を無償譲渡するためのサービスの紹介、無償譲渡のメリット・デメリット、無償譲渡するときに必要な費用などを解説します。
目次
「空き家差し上げます!」無償譲渡できるサービス4つ
空き家がなかなか売却できないときには、無償譲渡できるサービスを利用するとよいでしょう。
空き家を無償譲渡できる代表的なサービスは4つあり、本章ではその4つのサービスを紹介します。
みんなの0円物件
みんなの0円物件はその名のとおり、空き家を0円で譲渡できるサービスです。
みんなの0円物件では、0円で空き家をインターネットサイトに掲載できます。
空き家をサイトに掲載し買い手が見つかった後、売り手自身が買い手と不動産売買契約を締結し、引き渡しを行います。
みんなの0円物件には有料版(税込16.5万円)があり、有料版を利用すれば売買契約書の作成や所有権移転手続きのサポートをしてくれます。
ただ、あくまでも仲介業務(不動産契約の締結など)は行っていないため、契約の締結自体は自分で行わなければなりません。
とはいえ、契約書の作成や所有権の移転手続きなどを行ってくれるので、忙しい方は有料版を利用したほうが安心だといえるでしょう。
空き家ゲートウェイ
空き家ゲートウェイは、空き家を100円もしくは100万円で掲載できるサービスです。
掲載物件ごとに専門のライターが物件紹介文を書いてくれるため、買い手に魅力的なアピールができることが大きなメリットです。
一方、空き家ゲートウェイでは空き家を100円か100万円でしか掲載できず、100万円を超える価値がある不動産は掲載できません。
空き家ゲートウェイに掲載する費用は無料ですが、買い手が見つかったときのやり取りや手続きはすべて自分で行わなければなりません。
家いちば
家いちばは、他のサービスと違い、自分自身で買い手と商談できるサービスです。
自分が売りたいと思った買い手と直接商談できるのが、家いちばの魅力です。
家いちばを利用するには利用料がかかりますが、不動産仲介会社に依頼したときの仲介手数料の半分くらいで済みます。
そして、司法書士の手配などもしてくれ、安心して利用できることも大きなメリットです。
空き家バンク
空き家バンクは、自治体が運営するホームページに空き家情報を掲載できるサービスです。
空き家バンクは無料で登録できます。
また、自治体が運営するホームページであることから、より多くの地域住民が閲覧してくれるということが期待できます。
ただし、無料サービスのため、発見した買い手との手続きは売り手自身が行わなければいけません。
空き家を無償で譲渡するメリット・デメリット
空き家を無償譲渡するときには、メリットやデメリットが発生します。
本章では、空き家を無償で譲渡するメリットやデメリットを解説します。
空き家を無償で譲渡するメリット
空き家を無償で譲渡することにはメリットがあります。
具体的には次のようなメリットです。
メリット
- 維持管理をしなくてもよい
- 維持管理にかかる費用から解放される
- 特定空き家の指定を免れる
空き家は、管理に年間数十万円かかると言われています。
たとえば、固定資産税やライフラインの基本使用料、空き家の修繕費用などがかかります。
住んでもいない不動産に年間数十万円払うのはかなりの負担でしょう。
また、空き家は維持管理をしないとすぐに家が傷んでしまいます。
傷んでしまうと倒壊などが発生し、隣地や通行人にケガをさせてしまうかもしれません。
そして、空き家が危険な状態になると自治体から特定空き家に指定されてしまいます。
特定空き家に指定されると、土地の固定資産税減税措置解除や行政代執行などをされることもあります。
しかし、空き家を手放すことによりこれらのリスク回避可能です。
空き家を無償で譲渡するデメリット
空き家を無償で譲渡することにはデメリットがあります。
具体的には次のようなデメリットです。
デメリット
- みなし譲渡所得税や贈与税課税の恐れがある
- 売買契約を自分自身で行う必要がある
- 空き家の保証をしなければならないことがある
空き家を無償譲渡しても課税されることがあり、払う税金分マイナスになってしまうケースがあります。
税金は個人か法人かの種別や、売買代金により課税されるのかどうかが変わります。
税金について詳しく知りたい方は、税理士などの専門家に確認するとよいでしょう。
また、無償譲渡をする場合はほとんどのケースで、売買契約や引き渡しを自分自身で行わなければいけません。
一般人が自分で取引するのは難しいため、結局不動産会社に仲介してもらうことになります。
そのため、費用がかかり損失を出して無料で引き取ってもらう形になってしまいます。
空き家を無償で譲渡する際にかかる費用の内訳・相場
空き家を無償で譲渡しても、費用が発生します。
本章では、空き家を無償譲渡するときにかかる費用の内訳や相場を解説します。
印紙税
空き家を無償譲渡しても、売買契約書作成時には印紙税が課税されます。
物件代金が10万円以下の売買契約書を作成するときには、200円の収入印紙を売買契約書に貼付しなければなりません。
登録免許税
空き家に抵当権が設定されている場合、抵当権抹消登記をしなければなりません。
抵当権抹消登記をするときには、抹消1件につき1,000円の登録免許税が課税されます。
司法書士費用
所有権移転登記などの登記を司法書士に依頼する場合、司法書士への報酬を払わなければなりません。
所有権移転登記の場合、売渡証書作成費用として1万円前後かかります。
空き家を無償譲渡する際の注意点
空き家を無償譲渡する際には、いくつかの注意点があります。
本章では空き家を無償譲渡する際の3つの注意点を解説します。
リフォーム工事をしなければならない
空き家の状態が悪い場合、リフォーム工事をしなければ無償でも譲渡できないことがあります。
リフォーム費用は数百万円になるケースがあるため、リフォーム工事をして無償譲渡をすると、リフォーム工事費用分だけ赤字になってしまいます。
害虫駆除工事をしなければならない
空き家を放置していると、シロアリやゴキブリ、ネズミなどが住み着いてしまいます。
これらの害虫がいると買い手が検討してくれなくなってしまうため、害虫駆除工事をしなければいけなくなるでしょう。
売買契約書を自分で作成
無償譲渡をする場合、不動産仲介会社からのサポートを受けられなくなる場合があります。
不動産仲介会社は売買代金に応じた仲介手数料で収入を得るため、無償譲渡では仲介手数料がもらえず利益が上がらなくなってしまうからです。
不動産仲介会社が仕事を受けてくれない場合は、売買契約書作成や引き渡しの手続きを自分で行わなければなりません。
しかし、売買契約書作成などは専門的な知識がないと行えず、売り手にとってかなりのリスクになります。
空き家を買い取り業者・不動産会社に購入してもらうメリット
空き家の無償譲渡は早期に譲渡できる可能性はありますが、自分で契約書を作成し、リフォーム工事をするには大きなリスクを伴います。
このリスクを回避するおすすめの方法は、不動産買取業者の買い取りを利用することです。
不動産買取を利用することにより、売買契約書作成や引き渡し手続きも不動産買取業者が行ってくれます。
不動産買取は無償譲渡のリスクをすべてカバーしてくれるので、無償譲渡をするときには買い取りしてくれるか、確認してから進めていくようにしましょう。
まとめ
空き家を処分するときには、無償譲渡サービスを利用する方法があります。
不動産仲介会社に依頼してもなかなか売却できないときには、無償譲渡サービスを利用するのもよいでしょう。
ただし、無償譲渡には様々なデメリットやリスクがあるため、デメリットなどを理解した上で進めていきましょう。
もし無償譲渡のデメリットやリスクを負いたくないのであれば、不動産買取業者の買い取りがおすすめです。
不動産買取業者の買い取りであれば、買取業者が売買契約書作成や引き渡しの手続きをしてくれるため、安心して空き家を譲渡できます。
税理士や司法書士が在籍している不動産業者であれば、より柔軟なサービスが期待できますので、すぐにでも手放したい物件がある場合には問い合わせをしてみることをおすすめします。