COLUMN不動産に関する記事

TOP 不動産に関する記事 不動産売買契約書とは|確...

不動産売買契約書とは|確認ポイントや書き方をひな形付きで徹底解説

不動産の売買契約書とは|種類や書き方を徹底解説

この記事でわかること

  • 不動産売買契約書はどんな書類かがわかる
  • 不動産売買契約書は誰がどんなときに書けばいい書類かがわかる
  • 不動産売買契約書を書くときに注意するべき点がわかる

初めて不動産を購入する際には、分からないことだらけですよね。

しかし、契約前に契約書について注意すべきポイントを抑えておくことで、スムーズに売買を進められます。

本記事では、不動産売買契約書の書き方や確認ポイントを専門的に解説します。

初めての不動産購入に役立ててください。

売買契約書とは?

売買契約書とは、売主と買主が売買を行ったり売買契約を交わしたりする際に、当事者同士で取り決めた事項を記載した書類です。

売買契約書にはいくつかの種類がありますが、不動産関連では主に以下の売買契約書を扱います。

不動産に関する売買契約書の例一般的な売買契約書の例
  • ・不動産売買契約書
  • ・土地売買契約書
  • ・建物売買契約書
  • ・借地権付建物売買契約書
  • ・区分所有建物売買契約書
  • ・商品売買契約書
  • ・商品取引基本契約書

売買契約書は通常の取引であれば不動産業者が仲介するので、不動産業者が作成します。

土地や不動産に関して知識がない売主が作成するわけではありませんが、作成された契約書の中身については理解しておく必要があります。

売買契約書を作成する理由とは

不動産売買契約で契約書を作成しなければいけない理由は、大きく分けて3つあります。

  • 宅地建物取引業法で、契約書などの書面作成が義務であると規定されているから
  • 不動産は高額なので当事者間でのトラブルを避けるため、互いの主張を書面に残す必要があるから
  • 災害時などのリスクを軽減するため

それぞれの理由について、もう少し詳しい内容を見ていきましょう。

理由1:宅地建物取引業法で定められているから

不動産業者が守らなければならない宅地建物取引業法第37条では、不動産の売買において契約内容を書面で作成し、交付することが義務付けられています。

この場合の不動産には土地も建物も両方含まれているので、土地売買契約書であっても建物売買契約書であっても契約書の作成が必要です。

宅地建物取引業法を遵守するために、不動産業者は売買が成立したら契約書を作成して、宅地建物取引士に記名押印させて書面を公布しています。

理由2:トラブルを避けるため

不動産は高額なので些細なことから大きなトラブルに発展する可能性があります。

しかし、売買契約書をあらかじめ作成しておけば、万が一トラブルが生じたときに解決の手段として役立ちます

トラブル発生防止の具体例とは

たとえば、交渉段階で買主が「引き渡しまでの間に売主の費用で庭の木を切って欲しい」という要望を伝えて、売主がこれを了承したとします。

ところが売主がこの約束が大事だと思わずうっかり忘れてしまい、引き渡しまでに行われませんでした。

この買主の要望を契約書に「売主は自らの責任と負担において引き渡しまでに庭木を伐採し、買主に引き渡す」と記載しておけば、お互いにこの要望が大事であるという共通認識を持つことができたのです。

そして、この共通認識がトラブル回避に大きく役に立つのです。

理由3:災害などが発生した場合のリスク軽減のため

売買契約書を作成する理由の1つに、災害リスクの軽減があります。

売買契約書に、災害時の賠償は負わない旨を記載しておくことで、災害賠償リスクの軽減につながります。

不可抗力の損害賠償は負わない旨を記載したり、損害賠償の上限を定める内容を記載したりすることで、万が一の事態が起こってもリスクを軽減できるのです。

売買契約書について更に詳しく学びたい方は、不動産売却時の「売買契約書」とは?書く意味や記載内容を知ろうの記事を参考にしてください。

売買契約書の作成方法

売買契約書を作成するには、記載事項やひな形があれば作成しやすくなりますので、ここで解説します。

売買契約書の記載事項を確認

売買契約書の記載事項は、売買契約書の種類によって異なる部分はあります。

しかし、基本的な記載事項はどの書類でも同じです。

下表で確認しておきましょう。

【売買契約書の基本的な記載事項】

記載事項内容
基本合意売主と買主を明確に記載
目的物売買目的物の名称や数量を明確に記載不動産であれば土地や建物の所在地・名称などが必要
引渡し商品を引き渡す期日と場所を明確にする
代金代金の額面・支払期日・支払方法を明確に記載
所有権の移転所有権の移転時期を記載
検査買主が売買目的物の検査をする方法・検査期間を記載
遅延損害買主からの代金支払いが遅れた場合の損害金を取り決めて記載
契約不適合責任目的物に欠陥や数量不足が生じた場合の対応について取り決めて内容を記載
保証売主が目的物を保証する場合に保障内容や期間を定めて記載
契約解除契約不適合による契約解除や契約違反が生じた場合の契約解除について記載
協議契約書の定めにない問題を協議により解決することを定める
合意管轄売買トラブルについて審理する場合の裁判所を定めて記載

記載事項をしっかり確認して売買契約書を作成すれば、売主と買主の双方が納得できる契約を締結できるためぜひ参考にしてください。

【ひな形】見本を参考に売買契約書を作成しよう

ここでは、不動産契約における土地・建物の売買契約書の見本を紹介していきます。

テンプレートを参考に、どのような内容を書いていくのか参考にしてみてください。

【ひな形】土地建物 重要事項説明書

【ひな形】土地建物 売買契約書

売買契約書を作成するときの注意点

売買契約書の作成には、3つの注意点があります。

1点目は、買主と売主が平等になる売買契約書を作成することです。

一方に有利な売買契約書であれば、パワーハラスメントの嫌疑がかかったり、契約がまとまらなかったりします。

2点目は、古い売買契約書見本やテンプレートに対してです。

2020年に施行された改正民法によって、危険負担と瑕疵担保責任が改正されています。

古いテンプレートを使用する際には、売買契約書に記載した文章が変更されているか確認しなければなりません。

3点目は、民法の改正によって生まれた危険負担の債権者主義についてです。

旧民法の債権者主義の維持を希望する場合は、売買契約書にその旨の記載が必要であるため忘れないようにしましょう。

不動産売買契約の流れ

不動産売買契約を行う際には、流れと必要なものを知っておくとスムーズに進行できます。

不動産売買契約の基本的な流れ

  1. 1. 買主との顔合わせで失礼がないように注意しましょう。
  2. 2. 重要事項の説明は、買主と売主の双方が揃っていることが大切です。
  3. 3. 売買契約書は事前に作成しておきましょう。契約時には、記載内容を確認し、読み合わせすることをおすすめします。
  4. 4. 売買契約書の署名・捺印時には、収入印紙も忘れないように注意しましょう。
  5. 5. 買主から手付金を受け取ったら必ず領収書を渡してください。

【契約時に必要な書類や準備物】

  • ・本人確認書類
  • ・登記識別情報
  • ・実印と印鑑証明書
  • ・付帯設備表
  • ・収入印紙

また、不動産の売却時に必要な書類を知りたい方は、不動産売買時に買主が用意する必要書類とは?【本人の場合と代理人立ち会いの場合での違い】の記事を参考にしてください

売買契約書を取り扱うときに知っておくべき用語とは

売買契約書を取り扱う上で、次の用語は特に押さえておきましょう。

  • 手付解除金
  • ローン特約解除
  • 契約不適合責任
  • 危険負担

手付金解除

手付金解除とは、契約締結後に契約を解除したくなったら、売主買主それぞれが手付金を利用して解除できると契約書に定めることです。

買主であれば一度交付した手付金を放棄して契約解除できます。

売主であれば交付を受けた手付金を返還して、さらにその金額を買主に倍返しすることによって契約解除が可能です。

契約を一度締結したとしても、その後に別の事情が生じて契約が続けられないことはよくあります。

たとえば、結婚するから新居として購入しようと思っていたが結婚自体がなくなってしまったという場合です。

契約後に何らかの事情で契約を解除したい場合は、手付金の取り扱いによって解除できるように契約書に定められているか確認しましょう。

ただし、手付金解除ができるのは「相手が契約の履行に着手する」までの間だけであるため注意しましょう。

ローン特約解除

ローン特約解除とは、買主が住宅ローンを否決されてしまった場合には、契約を解除できると契約書に定めることです。

不動産は金額が大きいので現金一括で購入する方は非常に少なく、たいていの場合は、金融機関で住宅ローンを組んで購入します。

通常は契約時には仮審査だけ行い、売買契約締結後、決済までの間に買主がローンを正式に申し込んで本審査をする流れが一般的です。

しかし住宅ローンが否決されてしまった場合は、売買代金の支払いができなくなるため、契約を続けることが困難です。

この場合契約書にローン特約解除がある場合は、買主はこの条項を利用して契約を解除できます。

また、不動産売買の契約が解除されてしまったときの対処法については、不動産売買契約を解除する・解除されたときの流れを確認!【違約金など売却成功のための注意点とは】の記事を参考にしてください。

契約不適合責任

契約不適合責任とは、売買の目的物が契約の内容に適合しない場合に、売主が買主に対して負うこととなる責任のことです。

2020年以前の民法では瑕疵(かし)担保責任とも呼ばれていました。

たとえば、居住目的で家を購入したのに、実は傾いていて居住できない場合などは、購入の目的が達成できないということになります。

契約書に「契約をした目的が達成できないという重大な不適合があれば買主は無条件で契約を解除できる」という内容があるか確認しましょう。

危険負担

危険負担とは、買主・売主どちらの責任でもなく売買の目的物が損壊、滅失したときにどちらが負担するかという責任のことです。

代表例としては、地震・洪水などの天災によって不動産が滅失してしまったケースです。

契約書に「天災によって目的物が滅失した場合は引き渡し前であれば買主は無条件で契約を解除できる」という内容があるか確認しましょう。

不動産の売買契約書に関するよくあるQ&A

不動産売買契約書に関するよくあるQ&Aを紹介します。

不動産売買契約書はどこでもらえますか?

不動産売買契約書は不動産の仲介会社や、販売会社からもらえます

不動産の買主が見つかり、売買契約を締結する段階になると、仲介会社や販売会社が不動産売買契約書を作成するので、自分で準備する必要はないでしょう。

ただし、不動産会社を介さずに売買契約を結ぶときは、売主と買主が協議して不動産売買契約書を作成することになります。

不動産売買契約書と土地売買契約書の違いは?

不動産売買契約書と土地売買契約書は、契約内容が異なります

しかし、売買契約書の項目や金銭の授受などに大きな違いは生じません。

ただし、不動産売買の中でもマンションの場合は、マンション管理組合に管理費・修繕費が積み立てられている可能性があるので注意が必要です。

契約解除においても大きな違いはありませんが、すでに建物が存在する不動産売買の場合は「建物の居住」が目的であるのに対して、土地売買の場合は「建物の建築」が目的です。

そのため、契約の目的が達成できないとき、という基準も微妙に異なるため注意しましょう。

契約書の書式は効力の違いに影響する?

契約書の書式が違うからといって効力には、まったく影響はありません。

書式の違いよりも、内容がきちんと盛り込まれているかに着目しましょう。

ちなみに、不動産売買契約書と土地売買契約書は同じ書式を使うこともあれば、別々の書式を使うこともあります。

実は、契約書の書式は必ずしも一律の書式ではありません。

不動産業者によって使用している書式は異なり、FRK標準書式を使用している業者もあれば、業者オリジナル書式を使用している例もあります。

参考:標準書式とは

FRK標準書式は、一般社団法人不動産流通経営協会が出しているものです。

実務上、中小の不動産業者はこの書式を使用していることが多いように見受けられます。

この書式は不動産取引一般において注意すべきポイントがすべて盛り込まれていて、見やすくわかりやすい内容になっています。

売買契約書は不動産のプロに任せた方が安心ですか?

売主や買主からすると、不動産業者に対して希望する書式を使用してもらいたいという場合もあるかもしれません。

しかし、書式の希望をするよりもむしろ契約内容に関する特約を契約書に盛り込むように依頼する方が優先順位は上でしょう。

また、不動産業者からすると慣れた書式の方が作成しやすく間違いがおきにくいと考えます。

まとめ

不動産売買では、不動産売買契約書が買主と売主の間で取り交わされます。

不動産売買の場合は宅地建物取引業法で定められているからであり、不動産売買契約書を作成することで、トラブルやリスクを抑えられるからです。

なお不動産売買契約書の作成や取り扱いは、不動産のプロに任せることが一般的です。

不動産売買契約書について不安や心配事がある方は、不動産売却マップに相談してください。

不動産売買契約書だけでなく、あらゆる不動産の悩みに寄り添って解決します。

【不動産売却】家を売るのに必要な書類...
マンションを高く売るには何をすればい...
一覧へ戻る

不動産売却専門スタッフが
無料相談!

不動産を高く売りたい、すぐに売りたい、一括査定後の対応を相談したい、セカンドオピニオンが欲しい、税や法律・相続について相談したい、など不動産売却についてどのようなご相談でもお気軽にご連絡ください。

他にも「不動産売却」に関するご相談があればお気軽にご相談ください!

※山林・雑種地・私道のご相談については対応しておりません。
0120-442-342

営業時間:9時~19時(土日祝も対応) 
対応エリア:関東・関西・名古屋

※山林・雑種地・私道のご相談については対応しておりません。
 メールで相談 不動産売却無料相談 0120-442-342