土地を高く売却するポイントとは?売る流れとかかる費用・税金を解説
この記事でわかること
- 土地を売却する流れがわかる
- 土地を高く売却するためのポイントがわかる
- 土地を売却した場合の費用や必要書類がわかる
目次
土地を高く売却するための5つのポイント
土地を高く売却するための5つのポイントは次の通りです。
- 複数の不動産会社に査定してもらう
- 土地のメンテナンスをする
- 古家付きで土地を売る
- 土地相場をチェックする
- 土地売却のタイミングを見計らう
ここからはそれぞれのポイントを詳しく見ていきます。
複数の不動産会社に査定してもらう
自分の土地がいくらで売れるのかという相場価格を知ることは重要です。
土地の査定には明確なルールがないため、不動産業者によって価格の決め方が異なるケースがあります。
そのため、複数の不動産会社に土地の査定してもらうことが大切です。
土地をメンテナンスする
土地を売却する場合、更地であるほうが買主には喜ばれます。
それは買主がその土地を利用して建物を建てるなどの計画をしている場合に、余計なコストがかからないからです。
ただ更地といっても、雑草でひどいことになっていたとか、ゴミ置き場になっていた、自転車が捨てられていたというようなことがあると、物件を見に行った人のイメージが悪くなりますよね。
したがって、物件案内の日程が決まったら不動産会社に連絡をもらえるようにしておき、当日までにきれいにしておくと良いでしょう。
印象が良いと、土地の売却に繋がる可能性も高くなります。
古家付きで土地を売る
古家付きの土地は、土地の上に古い建物が建っている状態なので、その建物を使いたいと考える人でなければ購入しないのではないかと思うかもしれません。
しかし、実際には古家が建っている土地の方が高く売却できることがあります。
それは、古家付きの土地の場合、住宅ローンを利用できるからです。
仮に古家を取り壊して更地にしてしまうと、購入者は住宅ローンを利用できなくなってしまいます。
そのため、住宅ローンより高い金利を短い返済期間で支払うことのできる人しか購入できません。
一方、古家付きの土地を購入する人は、土地と建物の購入代金について、住宅ローンの融資が受けられます。
そのため、より多くの購入希望者を集めることができ、結果的に高い売却代金につながる可能性があるのです。
土地相場をチェックする
土地を売却する際には、周辺の土地の市場価格の動向を常にチェックしておきましょう。
周辺の土地相場が下落傾向にある場合は、すぐに売りに出すのではなく、価格の上昇が見られるまで売却を待つのも選択肢となります。
土地の相場は常に上下しており、いくらで売却するのが適正価格なのか、その判断は誰にとっても非常に難しいことです。
そこで、国土交通省の「不動産取引価格情報検索」というサイトで、その動向をチェックしておくといいでしょう。
このサイトでは、過去に実際に行われた土地の売買事例が、土地の所在地、売却時期、取引価格(総額・坪単価)、土地の面積や計上など、あらゆる情報が網羅されています。
このサイトで土地相場の動向をチェックし、少しでも高く売れそうな時を逃さないようにしましょう。
土地売却のタイミングを見計らう
土地を売る場合は、その土地を購入しようとしている人の気持ちを想像し、土地を売却するタイミングを考えます。
土地を購入する理由で一番多いのは、マイホームを購入するためです。
その土地を購入した人が、その土地の上に建物を建築し、住み始めるにはどれくらいの期間がかかるのか想像してみましょう。
また、建物ごと売却する場合は、その土地と建物を購入した人が住み始めるまでにどれくらいの時間が必要なのか考えてみましょう。
一般的には、子供の進学や入学、そして就職や転職などといった新生活のスタートを切るのは、4月が多くなります。
購入した人が4月から新生活を始めるために、何か月前に購入する必要があるのかを考えて、売りに出すようにしましょう。
土地売却の流れ
土地の売却に際しては、仲介に入る不動産会社が色々とサポートしてくれますが、不動産会社に任せっきりにすると納得できる取引ができなくなる可能性がありますので、ここでしっかり知識を習得しておきましょう。
査定を依頼する
土地の売却を決めたら、まず土地価格の査定をしてもらいましょう。
複数の業者に依頼をして査定してもらうということになりますが、この査定依頼は不動産業者を選ぶポイントにもなりますので、しっかりチェックするようにしてください。
また、査定のポイントとして、どういう条件で価格が変わってくるのかということも知っておくとよいでしょう。
土地の査定方法の詳しい内容は以下の記事をご覧ください。
不動産会社を選び、媒介契約を締結する
不動産会社が選定できたら、媒介契約を結びます。
契約形態の種類は次の3つです。
専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
複数業者との契約 | 不可 | 不可 | 可能 |
不動産流通機構「レインズ」 への登録 | 7日以内 | 5日以内 | 任意 |
契約有効期間 | 3ヶ月 | 3ヶ月 | 指定なし |
自己発見取引 (売主が買主を直接探す) | 可能 | 不可 | 可能 |
一般媒介契約の場合、売却依頼者は複数の不動産業者と締結することができますが、専属専任媒介契約と専任媒介契約の場合は、他の不動産業者への売却依頼は禁止となります。
不動産会社のモチベーションを考えると、専属専任媒介契約か、専任媒介契約を締結することをおすすめします。
それぞれの契約形態の詳しい内容は以下の記事をご覧ください。
売却価格を決めて、営業活動を展開する
前述した不動産査定書に基づいて土地の価格設定をしましょう。
土地取引の場合は定価で売却できることはほぼなく、必ず価格交渉が不動産会社を通じてありますので、相場価格よりは少し高めの金額に設定しておくことをおすすめします。
売却価格が決まると、今度は不動産会社が営業活動に入ります。
販売図面を作成して、次に不動産会社のネットワークであるREINS(レインズ)に登録します。
状況によってはインターネットの情報サイトなどに登録をして、広く多くの人に売却しようとしている土地の情報を見てもらうように、プロモーション活動を行ってもらうことになります。
土地の購入申込み
通常土地などの不動産に対する購入申込みの場合、売却の依頼を受けている不動産会社に対して「この土地を〇〇円で購入を申し込む」ということが記載された買付証明書が提出されるのが一般的です。
すると、不動産会社が売主に対して「買付証明が入っているけれども、どうしますか?」という相談があります。
その後は売主と買主双方が不動産会社を通じて交渉を重ね、価格などの条件がまとまれば、合意・売買契約ということになります。
売買契約と引き渡し
土地の売却に関して、売主と買主が合意すれば売買契約を結ぶ流れになります。
ただ、これは売主と買主の土地売買に関しての約束事になるので、最終的には買主から売主に対して残代金が支払われて売主がその土地を引き渡すことで、土地売買に関する取引が完了します。
土地売却の必要書類
土地を含めた不動産を買主に引き渡すときの必要書類は次の通りです。
【土地の引き渡し時に売主が用意しなければならない書類】
- 本人確認書類(運転免許書やパスポートなど)
- 本人の実印(決済に必要。特に引渡しに関わる司法書士などに提出する書類には必ず必要になる)
- 印鑑証明書(法務局で所有権を移転登記をする際に必要な添付書類)
- 権利証(2005年以降は登記情報識別通知)
- 固定資産税の納付書(固定資産税の納付は、1月1日の所有者となるが、不動産の取引の慣例においては引き渡し時をもって日割り計算をし、買主から引き渡し日以降の納付を負担してもらうことになっており、その計算をする上で必要)
- 固定資産評価証明書(登録免許税算出に必要)
土地売却にかかる税金・費用
土地を売却するときに必要な費用は次の通りです。
金額の目安 | |
---|---|
仲介手数料 | 売却額×3%+6万円 |
譲渡所得税 | 売却による利益の15~30% |
印紙税 | 売却価格により変動 |
登録免許税 | 売却価格×1.5% |
その他の費用 | 状況による |
ここからは、5000万円の土地の取引があった場合に、具体的にどのような費用がかかるのかをご説明します。
仲介手数料
不動産の売買取引をする場合には、売買契約をしますが、その買い手を見つけてくるのが媒介契約をした不動産会社です。
媒介契約というのは報酬を支払うことを約束したものですが、通常は売買価格に対して3%+6万円および消費税を支払うことになります。
仲介手数料の支払い時期は、通常は引き渡し時に一括で支払うことが多いです。
なお、契約時に半分、決済時に半分仲介手数料を支払うという契約をする場合もあります。
5000万円×3%+6万円=156万円
これに消費税10%乗じた171.6万円を売主は仲介をした不動産業者に支払うことになります。
譲渡所得税
土地を売却して利益(所得)が発生すると、その所得に対して所得税が課されます。
土地の売却代金から、その土地を購入した価格や仲介手数料などの譲渡費用を差し引いた後の金額が、土地売却により発生した所得となります。
所得が発生した場合は、その土地を所有していた期間に応じ、所定の税率を乗じて所得税額を計算します。
所有期間が売却した年の1月1日時点で5年を超える場合は、「長期譲渡所得」として所得税率15.315%、住民税率5%の合計20.315%の税金がかかります。
また、先ほどの所有期間が5年以下となる場合は、「短期譲渡所得」となり、所得税率30.63%、住民税率9%の合計39.63%の税金が発生します。
印紙税
不動産会社が買主を見つけてきて、双方の合意を得た場合には、売買契約書を作成して双方がそれを保管します。
不動産売買契約書には収入印紙を貼付することが義務づけられており、必ず収入印紙を売買契約書に貼付する必要があります。
これが印紙税の納付で、収入印紙の金額は売買契約の金額によって変わってきます。
国税庁では次のような表をインターネット上で公開しており、これに基づいて印紙税を納付することになります。
契約金額 本則税率 軽減税率 10万円を超え 50万円以下のもの 400円 200円 50万円を超え 100万円以下のもの 1千円 500円 100万円を超え 500万円以下のもの 2千円 1千円 500万円を超え1千万円以下のもの 1万円 5千円 1千万円を超え5千万円以下のもの 2万円 1万円 5千万円を超え 1億円以下のもの 6万円 3万円 1億円を超え 5億円以下のもの 10万円 6万円 5億円を超え 10億円以下のもの 20万円 16万円 10億円を超え 50億円以下のもの 40万円 32万円 50億円を超えるもの 60万円 48万円
今回の取引金額は5,000万円ですので、本則税率では2万円ですが、軽減税率で1万円の印紙税を納付することになります。
登記費用
土地の取引で最も大事なことは、所有権を移転することです。
土地を含めた不動産の所有権の移転を「引き渡し」といいますが、必ず登記をする必要があります。
通常、所有権を移転する登記や残代金を支払うために住宅ローンを利用して、そのための抵当権を土地に設定する場合の登記費用は買主負担となります。
一方で売主は、土地に抵当権が設定している場合には、その抵当権を抹消しないと所有権は移転できませんので、抵当権抹消登記として登録免許税がかかります。
抵当権抹消の登録免許税は不動産1個あたり1,000円となりますので、この土地の上に古家が建っていて抵当権が設定されていれば、土地建物それぞれ抵当権を抹消する必要があります。
1,000円×2個=2,000円
これが登録免許税となります。
これ以外に司法書士の報酬を支払うことになりますので、通常は登録免許税+司法書士の報酬が必要です。
通常は1~2万円ほどになります。
その他費用
通常土地の取引をする場合には、測量をして境界線や実際の土地の広さを確定させます。
この測量費が、土地の筆数によりますが50万円前後かかります。
これ以外に古家がある場合は撤去を求められますので、その場合は売主の負担になることが多く、建坪あたり3、4万円ほどかかります。
このように土地を売却する場合には様々な費用が掛かりますが、これらの費用はほぼすべて売却に伴う費用として計上することができます。
これは売却する際に譲渡益があった場合には、経費として差し引くことができますので、これらの領収書はなくさずにしっかり保管して、引き渡し翌年の確定申告の際に利用するようにしましょう。
納付する譲渡所得税や住民税を合法的に減税することができます。
まとめ
土地の取引は、マンションなどに比べると専門性の高いものですが、適正価格であれば需要はあります。
そのため、できるだけ自分の納得できる価格で売却するために、以下のポイントをおさえておきましょう。
- 複数の不動産会社に査定してもらう
- 土地のメンテナンスをする
- 古家付きで土地を売る
- 土地相場をチェックする
- 土地売却のタイミングを見計らう
また、土地の売却には必要な書類が多くあります。
土地を売却するときに必要な費用には、仲介手数料・譲渡所得税・印紙税・登録免許税などがありますので、事前に確認しておきましょう。