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不動産譲渡所得を計算する際の「取得費」とは?

所有する不動産を売却しようとする場合、無事、買主が見つかり、売買契約も締結して、代金の支払い、物件の引き渡しも完了したとしましょう。
しかし、まだ終わりではありません。
不動産等の資産を譲渡した場合には、譲渡所得税が課税される可能性があります。
そこで、本稿では、譲渡所得税の計算方法、そして、その際に問題となる「取得費」について整理しておきましょう。

譲渡所得税とは

所得税法第33条第1項は、「譲渡所得とは、資産の譲渡による所得をいう」と定めています。
そして、同条第3項は、譲渡所得の金額を、「当該所得にかかる総収入金額から当該所得の基因となった資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除」した残額から、更に譲渡所得の特別控除額を控除した残額をいうとしています。
つまり、
譲渡所得=譲渡による総収入 − 取得費 − 譲渡に要した費用 − 特別控除額
という形で計算されることになります。

取得費とは

基本的な考え方

既に延べと通り、譲渡所得を計算するには、取得費を計算する必要があることになります。そこで、具体的に取得費とは何を言うのかが問題となります。

譲渡所得税とは、資産を売却した場合に、当初取得した時に支出した費用、および、その資産を売却時まで保有し続けた費用の合計額よりも、譲渡によって得た収入が多い場合に、その増加額分に対して所得税を課すという制度です。
従って、ここでいう取得費には、その資産を購入した際の購入代金や、建物の場合には建築代金のほか、設備などの増設費用・改装費用等も含まれます。
一方で、建物については、減価償却費用は、その建物の価値の減少ですので、取得費からひかれることになります。

取得費の具体的な内容

①購入代金または建物の建築代金
当該不動産を購入した場合や、建築請負契約を締結して建物を建築した場合には、その購入代金や建築代金が取得費に含まれることになります。
ところで、当該資産を贈与や相続など、対価を支払うことなく取得した場合には、どのように取得費を出すべきかが問題となります。
この場合には被相続人や贈与者がその物件を当初取得した費用を考慮することになります。

②取得時に要した費用
所有権移転登記をした場合の登録免許税、取得した際に納めた不動産取得税、特別土地保有税(取得分)、売買契約書に貼付した印紙税などが含まれます。
ただし、印紙税については、その不動産を取得後にどのような目的に使用していたかによって取り扱いが異なってきます。つまり、その不動産事業用資産として使用していた場合には、印紙税額は必要経費とされます。従って、その場合には取得費には含まれないことになります。

③取得時の仲介手数料
当該不動産を取得した際の媒介業者に支払った仲介手数料も取得費に含まれます。

④立ち退き料など
賃借人などがいる土地を購入した場合において、その賃借人に立ち退いてもらう為に立ち退き料などを支払った場合には、その費用も取得費に含めることができます。

⑤取り壊し費用
土地を利用する目的で、家屋がある土地を購入した場合において、購入から概ね1年以内に土地上の家屋を取り壊した場合には、その取り壊し費用も取得費用に含めることができます。

⑥固定資産税清算金
年の途中で不動産を購入した場合、売主が支払い済みであった固定資産税について、譲渡日を基準として日割りで精算する場合があります。この場合、買主が支払った固定資産税精算金も取得費に含めることができます。

⑦借入金の利息
不動産購入時にローン等を利用した場合については、その借入金の利息のうち、当該不動産を実際に使用開始するまでに支払った分は取得費に含めることができます。

⑧土地の埋め立てや盛り土、地ならし等に要した費用
土地を購入後、その利用のために土地の埋め立てや、盛り土や、地ならしなどを行った場合には、その土地を活用するための費用として、取得費煮含めることができます。

⑨測量費
土地購入に際して、測量を行った場合については、その費用を取得費煮含めることができます。

⑩所有権を確保するために要した訴訟費用
不動産を購入後、その所有権の帰属に関して訴訟等がなされた場合、その所有権を確保するために弁護士費用等を支出して、所有権を維持した場合には、その訴訟に要した費用が取得費煮含めることができます。

概算取得費について

以上は、実際の取得費を計算する場合に、何が取得費に含まれるかを見てきたものです。
しかし、相続した不動産などについては実際の取得時に支払った代金の額がわからない場合などもあります。
そのような場合には、実際にかかった取得費を合計するという方法ではなく、売却金額の5%を取得費とすることが認められています。これを概算取得費といいます。
収入金額×5%=概算取得費
これは、取得費がわからない場合だけでなく、実際には取得費がわかる場合でも利用することが可能です。
従って、実際の取得費を計算した上で、譲渡価格の5%とどちらの金額が大きいかを判断して、その金額が多い方を取得金額とすることも可能となります。

まとめ

譲渡所得税を計算する場合の控除額である取得費として具体的にどのような費用が考慮されるかについて、整理してみました。
ただ、実際には、これら以外でも取得費に含めることが可能か、わからないものもあります。
それらについては、実際に税務署に確認する必要が生じます。

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