相続した不動産、売却するならいつがいい?
相続で土地や建物など不動産を取得した場合、特に使う予定もないので売却しようと考えることもあるかもしれません。
ただ、相続した後、いつ、どのタイミングで売ればよいのでしょう。
売りやすいタイミングだけでなく、税金面などの負担も考えた上で、いつを目安に売却すればよいかご説明します。
相続税を節税できるタイミング
相続により財産を得ると、その総額によっては相続税の課税対象となります。
現在、相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算するので、この金額を上回る総額を相続で得た場合には、相続税が課税されます。
相続税が課税される方のうち、相続で得た不動産を売却したいけれど、その不動産が相続税評価額より安い金額でしか売れない場合、相続税の申告期限である相続が発生して10か月以内に物件を売り、その売った金額をもって相続税の計算を行えば相続税を抑えることができます。
ただ、売却価格が安くなった理由が、売却をあまりに急いだことによる場合や、親族に対する売却などの場合は認められない可能性もあるので注意してください。
売却により発生した利益に対する税金を抑えるなら
不動産が相続税評価額より安い金額でしか売れないわけではないけれど、相続税の申告・納税は必要という場合、相続が発生してから3年10ヵ月以内に相続した不動産を売却しましょう。
その不動産に対して納付した相続税の一部を、売却したことで発生する税金から一部控除することができます。
この特例は、相続税の取得費加算の特例といいますが、売却により利益が生じる場合で相続税をすでに納付している場合には上手く適用させて節税しましょう。
空き家のまま放置しても固定資産税は軽減されない?
土地や建物を相続したけれど、すでにマイホームを別で購入しているので相続した家には住む予定がないというケースは多々あります。
そのまま相続した不動産を放置してしまうと、現在日本で社会問題となっている空き家になってしまいますが、放置することで近隣に迷惑がかかることに理解が必要です。
人が誰も住まない空き家は老朽化が早く、壁や屋根が剥がれたり、倒壊の危険性が高まれば近隣住民の不安の種でしかなくなります。
土地の上に居住用の建物が建っているだけで、土地に対する固定資産税は更地の6分の1まで抑えることができます。
この固定資産税の軽減制度を適用させたい理由で、空き家を放置する方が続出している状態です。
特定空家等に指定されれば軽減措置は適用されない
ただ、現在は空家等対策の推進に関する特別措置法の施行により、明らかに危険と判断される空き家などは、特定空家等に指定されることで固定資産税の軽減制度は適用されません。
空き家のまま放置していても固定資産税の節税にならないなら、住める状態の間に早めに売却したほうがよいといえるでしょう。
まとめ
せっかく相続で不動産を取得したのだから本当なら自分が住みたいけれど、物件から遠い場所で仕事をしていたり、すでにマイホームを購入しているなどで、売却を検討することもあるでしょう。
その場合、一定期間までに売却すれば税金が軽減されるなど、節税に繋がるタイミングもありますのでその期間内に売ったほうが有利です。
また、相続した不動産に限らず、不動産取引が活発になるのは年明け始めから3月にかけてといわれていますが、これはあくまでも目安です。
実際にはいつ不動産を売りに出せば有利ということはなく、売り手と買い手の縁やタイミングが大きいところといえるでしょう。