マンション売却で後悔しないために!売却の流れ&かかる費用まとめ
目次
マンション売却で後悔したくない方、必見!売却には、通常4ヵ月から6ヵ月程度を要します。
あらかじめ手順や費用を知っておけば、計画的でスムーズな、しかもより高値での売却を実現することが可能です。
マンションを売却する際の手続きやかかる費用など、まとめて解説します。
マンション売却の流れ:事前準備~不動産業者選び
書類などの準備
マンション売却に必要な書類を準備しておきます、主な書類は、登記済証などの登記関係書類、印鑑証明書や住民票などの本人確認書類、税金や住宅ローンの領収書です。
また、マンションを選んだ際のパンフレット、購入した時の売買契約書や重要事項説明書、管理規約なども用意しておくと、売却を依頼する時に役立ちます。
物件の査定
複数の不動産業者に、物件の査定を依頼するのが一般的です。
査定結果や不動産業者を比較すれば、物件の相場や業者ごとの違いを知ることができます、価格査定では、マンションやその周辺の状況などを調査し、3ヵ月程度で売却可能と判断される適正な価格水準が判定されます。
売却期間の目安は3ヵ月
マンションを売却する目安は3ヵ月です。
マンションを探している購入希望者から見れば、閲覧した物件が登録から3ヵ月を経過している場合、売れ残っているとの印象を与えることにもなりかねません。
不動産業者の選定と媒介契約
最も大切なことは、信頼できる不動産業者を選ぶことです。
提示された査定価格などに基づいて、選んだ業者との間で、委任契約の一つに当たる「媒介契約」を結びます。
媒介契約には「一般媒介契約」、「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類があります。
1社だけに任せる専任契約
3種類の媒介契約のうち、「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」は、契約した不動産業者が「専任」で売却活動を行うことができ、有効期間は3か⽉に限定されます。
依頼者が他の業者に依頼できない拘束を受ける代わり、依頼を受けた不動産業者には期間を限定して、積極的に販売活動を行うように努力義務が課されます。
2種類の契約の大きな違いは、物件公開までの期間と依頼者への報告頻度です。
専任媒介契約では、7日以内の物件公開と2週間に1回以上の依頼者への報告義務が課されます。
専属専任契約では、物件公開が5日以内、依頼者への報告は1週間に1回以上と、よりスピーディな対応義務が課されます。
また、契約期間が終了しても、依頼者から契約更新の依頼がない限り、自動更新はできません。
複数の業者に競わせる一般媒介契約
複数の不動産業者と媒介契約を結び、互いに販売を競わせる契約方法もあります。
広告の幅が広がるほか、不動産業者ごとに得意とする分野が違っていたり、特色を持った営業活動が行われていたりしますので、比較しながら売却を進めることができます。
ただし、2種類の専任契約とは違い、物件の公開義務も、依頼者への報告義務も課されません。
また、契約の有効期間も定めがなく、依頼者側にも業者側にも制約や義務の少ない媒介契約です。
媒介報酬は?
媒介契約では、売買契約が成立したら、不動産業者に媒介報酬を支払います。
言い換えると、媒介契約の期間中に売却が成立しなければ、不動産業者は媒介報酬を得ることができません。
報酬の額は、国土交通省によって限度額が定められています。
支払いは、通常、物件の引き渡し時に行います。
報酬の限度額は、物件の消費税を含まない取引額に対する割合として決められています。
200万円までが5.4%、200万円を超え400万円までが4.32%、400万円を超える部分は3.24%となっています。
売却価格が400万円を超える物件の場合、報酬の限度額は、取引額x3.24%+64,800円として計算することができます。
売却を急ぐ場合は買取や買取保証も
マンションの売却方法としては、自ら売主として買主を探す「媒介契約」のほか、「買取」や「買取保証」といった仕組みもあります。
一般的に、買取価格は低いものの、急いで売りたい場合には、検討の余地があります。
「買取」は、売却したいマンションを不動産会社に買い取ってもらう方法です。
不動産会社が買主となるため、提示される価格で納得できるのであれば、すぐに売却することが可能です。
また、不動産業者によっては「買取保証サービス」を設けている場合もあります。
これは、一定期間内に売却できなかった際、事前に契約した価格で買取るというサービスです。
不動産売却の仲介・買取それぞれのメリットやデメリットについては「不動産売却 仲介・買取どちらがいいの?」をご参照ください。
マンション売却の流れ:価格設定
適正な価格設定が大切
価格は、販売活動の成否に大きく関わるため、慎重に検討して設定します。
市場動向や周囲の売却事例なども踏まえた不動産業者の査定価格を目安として、売主の希望や売れ残りそうな際の値下げ分をどの程度加味するかも考えておくと良いでしょう。
売却価格は、売主の希望を上乗せして設定することが可能ですが、購入希望者にお得感やこれなら買いたいと感じさせるような価格設定を考慮する必要もあります。
周辺相場や売却物件の相場を把握しておく
このため、価格設定に際しては、地価公示などの公的価格、国土交通省の不動産取引価格情報、周辺の物件情報などのほか、複数の不動産業者から査定を受け、売却しようとする物件自体の相場を把握しておくことが大切です。
なお、不動産業者が運営する、インターネットを利用した簡易な「机上査定」を受けることができる、一括査定サイトを利用する方法もあります。
マンション売却の流れ:販売開始~売買契約の成立
売却活動の開始~仲介業者による経過報告
不動産業者は、不動産の売却情報を一括して公開する公的な情報網レインズへの登録を初めとして、インターネット広告、新聞折り込みやチラシなどを利用して売却マンションの広告を行い、販売を開始します。
店舗を訪れた購入希望者に対しては、物件説明や現地案内などによって販売活動を行います。
このような販売活動の状況について、業者は依頼者に対し、専任媒介契約では2週間に1度以上、専属専任媒介契約では1週間に1度以上報告する義務を負います。
一方、一般媒介契約では、レインズ登録や報告義務がなく、依頼者への対応は不動産会社の任意となっています。
不動産業者は、得意とする分野や営業力に差がある場合も多く、その差は販売活動に現れます。
また、熱⼼かつ誠実に販売活動をしてくれて、信頼できる不動産業者を選ぶことは、売却をスムーズに進めるために、とても大切なことと言えます。
物件と購入希望者との巡り合わせ
販売活動を開始しても、すぐに売却できるわけではありません。
通常、売却物件の条件や状態が、マンション購入希望者の予算や希望する立地条件、物件の状態と一致するまで待たなければなりません。
売却の際は、販売開始から購入希望者が決まるまでに、最も時間がかかります。
内覧で物件の良さをアピール
販売開始後は、仲介する不動産業者に内覧希望の問合せが来ます。
内覧には、可能な限り予定を合わせて同席し、物件の良さをアピールします。
内覧は、物件の良さをアピールする最大のチャンスであるとともに、最大の関門となります。
主に、購入希望者が広告を見て受ける印象と、実際に物件を見た印象に相違が発生しやすいことが要因です。
3ヵ月以上かかると対策を講じた方がいい
売却の目安となる3ヵ月を超えるような物件になると、「売れ残り」や「訳あり」といった印象を与えてしまう懸念が否定できません。
一般的に、目安となる3ヵ月以上買主が決まらないようであれば、価格や物件の状況など、売却が進まない原因を検討して、対策を講じることが望ましいと言えます。
不動産業者との専任媒介契約は有効期限が3ヵ月ですから、契約を更新するか、別の業者へ依頼するかも検討すると良いでしょう。
売買条件の交渉
内覧で購入希望者が現れたら、次に条件交渉を行います。
この際は、支払金額や支払方法、引渡時期や方法、そのほか契約に関する内容全般について、互いの利害を調整しつつ、条件交渉を行います。
条件が合えば、交渉成立です。
売買契約の締結
交渉成立後は、売買契約を締結します。
売買契約では、マンションの登記記録や売買条件などに関する事項をまとめた重要事項説明書、契約条件をまとめた売買契約書、付帯設備表などを読み合わせ、署名・捺印を行い、最後に手付金の受渡しを行います。
マンション売却の流れ:引き渡し
住宅ローンの解約と抵当権の抹消
住宅ローンの残債があるマンションを売却するには、設定された抵当権を抹消する必要があります。
事前の相談が必要ですが、売却で得られた資金で住宅ローンを一括返済することにより、抵当権を抹消してもらうことができます。
抵当権とは、住宅ローンが返済できなかったときの担保として、不動産を確保しておく権利を指します。
不動産を購入するために住宅ローンを組む場合、金融機関が対象となる不動産に抵当権を設定します。
引越しの準備~不動産の引き渡し
時期によっては予約が取りにくいこともあるため、売買契約が終わったら早めに、引越し手配を行います。
引き渡し前に、余裕をもって引っ越しが完了するように計画しましょう。
引き渡しと清算
引き渡しは、買主が利用する住宅ローンの取り扱い金融機関で行うことが一般的です。
売却代金の残額を初めとして、税金や諸費用を清算し、買主に鍵を引渡します。
税金
不動産売却に掛かる税金は、印紙税、所得税及び住民税の3種類です。
不動産売買契約書は、契約書に記載された金額に応じ、買主と売主双方が印紙税の支払い義務を負います。
所得税と住民税は、不動産売却によって利益が得られた場合のみ課税されます。
2037年までは、所得税に対して2.1%の復興特別所得税が、別途課税されます。
諸費用
税金以外の費用としては、媒介報酬(仲介手数料)、抵当権抹消のための登録免許税や司法書士への報酬、引っ越し費用、公共料金の清算代金などがかかります。
より高値で売るためのポイント
売れやすいマンションの特徴とは?
中古マンションの購入希望者は、購入する目的や予算などを決めた上で、物件を探します。
予算を低めに抑えたいと思うのは当然のことで、物件の相場より手頃な価格であることが売れやすさの大きな特徴です。
また、最寄りの駅名や駅からの距離、広さや築年数などは、売れやすい物件として重要なポイントです。
このような点でアピールできる物件なら、売却に有利と言えるでしょう。
物件の良さを上手にアピール
購入希望者に、物件の魅力を最大限にアピールすることが重要です。
内覧は、物件の良さをアピールする最大のチャンスです。
より見栄えがするように、家具や小物などを配置して、ホームステージングと呼ばれるモデルルームのような演出方法を取り入れると効果があります。
ホームステージングは、業者に依頼すれば費用も掛かりますが、自分で工夫することもできます。
インターネットで物件を探す購入希望者にも、視覚的に物件の良さを伝える効果が期待できます。
査定で見られるポイントを知っておく
売却価格を上げたいなら、不動産業者が査定時に見るポイントを知っておくべきです。
「どこが見れているのか?」を知っていれば、事前に対策ができます。
具体的には、下記のポイントをチェックされます。
チェック箇所 | 詳細 |
---|---|
立地・周辺環境 | 景観や利便性をチェック |
耐震対策 | 新耐震構造か、旧耐震構造かチェック |
室内状況 | 玄関・水回り・収納で大きな修繕が発生するか |
共有部分 | 共有部分が清潔か、メンテナンスは行われているのか |
部屋の向きと階数 | ベランダの方角、角部屋か、何階か |
まず立地・周辺環境は、景観が良かったり、利便性の高い環境なら買い手が見つかりやすいです。
耐震に関しては、1982年以前だと旧耐震構造となっている場合が多く、売却が難しくなるので注意しましょう。
ただし物件によって異なるため、自分の物件がどうなっているか確認してみてください。
室内状況・共有部分は、劣化がないか・清潔であるか・修繕の必要がないかをチェックされます。
もしリフォームをしているなら「どの部分をどうやってリフォームしたか?」を説明してください。リフォームしていることは大きなアピールポイントになります。
マンション売却で知っておきたいこと
下記では、マンション売却時に知っておきたいことを紹介します。
マンション売却は1回で大きいお金が動くので、しっかり対策をして、損をしないようにしましょう。
「取引事例比較法」によって査定金額が出る
不動産の査定金額は、下記の3つの方法によって算出されます。
- ①取引事例比較法
- ②原価法
- ③収益還元法
とてもややこしい印象を受けますが、マンション売却は取引事例比較法を使うことが多いです。
取引事例比較法とは、似た条件のマンションと自分のマンションを比較して、査定金額を出す方法です。
インターネットで自分のマンションの周辺にあるマンションを探して、だいたいの相場を掴んでおけば、取引事例比較法で算出される金額も分かります。
原価法は新築の物件から、経過した年数によって金額を引いていくもの。
収益還元法は、その物件が生む収益を計算しながら、金額を算出する方法です。
簡単にいえば、個人のマンション売却は「他のマンションと比較して金額を出す」と覚えておきましょう。
売り出し価格と成約価格は異なる
査定が終わってマンションの価格が決まっても、実際にその金額で売れるわけではありません。
マンションの持ち主が「この金額で売りたい」と出している金額を「売り出し価格」といいます。
対して実際に売れた金額を「成約価格」といいます。
売り出し価格に対して、買い手は値下げ交渉をしたり、売れずに売主側が値下げをしたりします。
実際には売り出し金額よりも、安い成約価格で決まることが多いです。
マンションを売却するときは「自分の売り出し価格よりも低い成約価格になる」と覚えておきましょう。
まとめ
マンションの売却を何度も経験する方は少ないはず。
「売却の手順や費用をあらかじめ知って、スケジュールや予算の見通しを立て、計画的に、一つ一つを確実に進めて、納得の上で売却したい。」
そんな願いを叶えるために、マンション売却の流れや費用について、全体像を把握しておくことがおすすめです。
気になるキーワードがあったら検索して、知識を深めておくと一層安心です。