マンションを売却するか賃貸に出すか?メリットとデメリットを解説
「使わないマンションを売却するか賃貸に出すか迷っている。それぞれのメリットとデメリットを知りたい!」
自分で居住するなどして使うことがないマンションは、売却するか賃貸に出すかのどちらかにする人が多いです。もっとも、売却と賃貸どちらがいいのか分からないという方も多いでしょう。
マンションの売却と賃貸には、それぞれメリットとデメリットがあります。メリットとデメリットの両方を正しく把握して、自分に合った選択をすることが重要です。
この記事では、マンションの売却と賃貸それぞれのメリットとデメリットなどについて解説しています。
この記事を読むことで、マンションの売却と賃貸を比較する際の考え方を押さえることができ、売却するか賃貸に出すかを適切に判断できるようになります。
マンションを売却するメリットとデメリット
まずは、マンションを売却するメリットとデメリットについてご説明します。
メリット1:まとまったお金が手に入る
マンションを売却すると売却代金としてまとまったお金が手に入ります。
まとまったお金が手に入れば、次の物件を購入するための頭金にしたり、当面の生活費に充てたり子どもの学費や事業のためのお金にしたりすることもできます。
このように、まとまったお金を必要としている事情がある場合には、マンションを賃貸するよりも売却したほうがよいといえます。
また、マンションを賃貸に出さずに今すぐに売却すれば、それだけ築浅のうちに売却できるということになります。当然、築浅のうちに売却するほうがより高く売却できるので、手元に残るお金はより多くなる傾向にあります。
もっとも、マンションを売却する場合には、売却代金が全てそのまま手元に残るとは限らないことに注意しましょう。
売却の際には仲介手数料や登記費用などの諸費用がかかりますし、売却時に住宅ローンが残っていればそれを完済しなければなりません。もし住宅ローンの残高のほうが売却代金よりも高ければ、むしろ不足分を手元のお金から持ち出して支払わなければならず、手元のお金が減ることもあります。
また、売却して利益が出た場合には、譲渡所得にかかる税金を納めなければならないので、そのことにも留意しておきましょう。
メリット2:マンションの維持費を支払わなくてよくなる
マンションを所有していると維持費がかかります。
マンションの維持費には、次のようなものなどがあります。
- ・管理費
- ・修繕積立金
- ・固定資産税
管理費は一戸当たり1万円超、修繕積立金は一戸当たり1万円前後かかることが多いです。
マンションを賃貸に出す場合でも、管理費や修繕積立金を負担するのは基本的にはマンションの所有者です。賃料を上げることによりこれらのお金を借主に転嫁して支払ってもらうことは可能ですが、あまり賃料を上げると借主が見つかりにくくなります。
また、借主が見つからずに空室の場合には、たとえ賃料収入が入ってこなくてもマンションの所有者が維持費を負担しなければなりません。
賃貸であれば、いつ借主が入居してどのタイミングで空室になるのかをコントロールしたり予測したりすることは難しく、たとえ空室の期間が続いても数万円にもなるマンションの維持費を支払う必要があります。
マンションを売却してしまえば、これらの維持費の負担からは完全に解放されるので、維持費や空室リスクを心配する必要はなくなります。
維持費や空室リスクを心配したくないという方は、マンションを売却してしまうほうがよいといえます。
メリット3:賃貸よりストレスが少ない
賃貸は、空室になる都度、借主を募集しなければなりません。不動産会社に仲介を依頼することはできますが、この場合には不動産会社とのやり取りのために手間がかかったり空室が長続きしないかというリスクを心配したりすることになります。
賃貸は、定期借家契約を除き、いつ借主が退去するかをコントロールできないので、頻繁に借主が変わるようなことが続けば経済的・精神的な負担が大きくなってしまいます。
賃貸は、借主が見つからない時も考慮に入れつつ利益が出るように考えて賃料を設定しなければならないので、適切な賃料設定のための周辺相場や物件の価値の勉強・研究なども絶えず必要になります。
また、場合によっては借主のクレームやトラブルに対応しなければならないこともあり得るので、この点もストレスになります。
これらに対して、一度マンションを売却してしまえば、売却の手間はその時限りです。売却が完了したらもうストレスに晒されることはありません。
デメリット1:一度手放すと賃料収入を得たり後からまた使ったりできない
マンションは、物件によっては高い賃料で賃貸することが期待できるものもあります。収益性の高い物件であれば、売却してしまうよりも賃貸に出すほうが手間や負担のことを考えてもプラスになるというケースもあります。
マンションを賃貸した後、ある時期になれば自分で住むために使おうと考えるようになるかもしれません。あるいは、子どもの一人暮らしのために使わせたり、事業を始める際の事務所として使ったりすることもあり得ます。
これらに対し、マンションを売却して手放すと、当然ながら賃料収入を得たり後からまた自分で使ったりすることはできません。
あらためてマンションを買い直すということは簡単ではないので、これらのことを踏まえてマンションを売却しても問題がないかを検討する必要があります。
デメリット2:売却しても購入時の価格以下でしか売れないことがある
マンションは、新築で購入した時の価格が一番高く、その後は築年数が経つにつれて摩耗や損傷などによってどんどん価値が下がっていく傾向にあります。
このため、マンションは、売却しても購入時の価格以下でしか売れないことも多くあります。購入時の価格と売却価格との差額は損ということになり、自分の負担となるので、損が出ても問題がないかを考える必要があります。
もっとも、購入時の価格や物件のエリア、不動産市場の動向によっては、購入時よりも高く売却できるということもあります。例えば、都心のようなマンション需要が大きいエリアの中古マンションを不動産価格が低い時期に仕入れて、その後に中古マンションの価格相場が値上がりしている時期に売却すれば、マンションの売却で利益が出るということもあります。
売却によって損が出るか利益が出るかは、購入時の価格や物件のエリアなど個別の事情によるところが大きいので、自分の売却しようとしている不動産であればどれくらいの価格で売却できるのかということをしっかりと調査して把握し、その上で売却するかどうかの判断材料にすることが大切です。
デメリット3:仲介手数料等の諸費用を負担しなければならない
マンションを売却するためには、仲介手数料などのさまざまな費用を負担しなければなりません。
マンションを売却する際にかかる諸費用には、次のようなものがあります。
- ・仲介手数料
- ・抵当権抹消登記手続の費用
- ・印紙税
- ・住宅ローンを一括返済するための手数料
- ・クリーニング費用
- ・引っ越し費用
この中で最も高いのは、仲介手数料です。
仲介手数料は、売却価格に応じて上限が決められており、実際には上限どおりの仲介手数料で契約されることが多いです。
仲介手数料の上限は、次のとおりです。
- ・売却価格が400万円超:売却価格の3%+6万円
- ・売却価格が200万円超400万円以下:売却価格の4%+2万円
- ・売却価格が200万円以下:売却価格の5%
マンションを売却する場合には売却価格が400万円を超えることが多いため、「売却価格の3%+6万円」という仲介手数料になることが一般的です。
例えば、マンションの売却価格が3,000万円だった場合の仲介手数料は、3,000万円×3%+6万円=96万円(+消費税)です。
抵当権抹消登記手続の費用は、国に納める登録免許税と司法書士報酬から成ります。登録免許税は物件1つにつき1,000円です。司法書士報酬の相場は、1万円~2万円程度です。
印紙税は、売買契約書に収入印紙を貼付して納める税金で、不動産の売却価格に応じて決まります。おおむね1万円~3万円程度となります。
住宅ローンを一括返済するための手数料は、銀行によって異なります。おおむね3万3,000円(税込み)としている銀行が多いです。
このように、マンションを売却する場合には、売却価格によるものの合計100万円を超える諸費用が発生することも多くあります。
マンションを売却するにあたっては、これだけの諸費用を負担できるのかをよく考えて検討する必要があります。
デメリット4:売却に手間取ると経済的負担が大きい
マンションの売却に手間取ると、その間は当然何もお金が入ってきません。
お金が入ってこなくても、管理費や修繕積立金、固定資産税などの負担は発生します。
賃貸に出していれば賃料収入が入ってきたはずなのに、売却しようとして売却に手間取ってしまうと、経済的負担は大きくなってしまいます。
売却すると決めたらできるだけスムーズに売却できるように、手続きを迅速に進めたり売り出し価格を適切に設定したりすることが大切です。
マンションを賃貸に出すメリットとデメリット
マンションを売却するメリットとデメリットについて把握できたら、次は賃貸に出す場合についても検討することが必要です。
マンションを賃貸に出すメリットとデメリットについてご説明します。
メリット1:賃料収入を得られる
マンションを賃貸に出すと、賃料収入を得ることができます。賃料収入は、いわば不労所得であり、金額も大きいです。このことは最大のメリットだといえます。
賃料収入は、入居者がいる限り確実に一定額が入ってくるため、将来の収入予測も比較的立てやすいです。
マンションを貸し出す際の家賃を高く設定すればするほど、高い収入を得ることができますが、その分入居者が入りにくくなります。周辺のマンションの賃料相場を見つつ、最適な賃料を設定するように心がけましょう。
メリット2:将来また使う場合は物件の管理につながる
将来またそのマンションを自分で使う予定がある場合には、貸し出したほうが物件の管理につながって望ましいといえます。
マンションを含む住宅は、長い期間誰も住まずに管理されないでいると、さまざまなところが傷んでしまいます。
特に、定期的な換気と排水を行うことは管理の上では重要です。換気がなされないままでいると湿気がこもって結露やカビの原因にもなりますし、排水がなされないままでいると排水管の中で貯められている悪臭を防ぐための水(封水)が蒸発してしまい下水から上がってくる悪臭の原因となります。
賃貸に出して人が住んでいる状態を保つと、換気や排水は自然に行われます。そのため、誰も住まないままでいる場合と比べてマンションの管理につながり、マンションの価値を維持することにもつながります。
メリット3:収益物件として将来も高く売却できる可能性がある
賃貸マンションは収益物件であり、マンション投資をする人にとって一定の需要があります。
安定して高い家賃収入が見込めるマンションであれば、収益物件として値下がりしにくく、将来も高く売却できる可能性があります。
このことは、自分で住むための居住用物件が築年数の経過につれて値下がりしていくことと異なります。収益物件であれば「どれだけ家賃から利益が出るか」で判断されるため、築年数が古いからといって必ずしも低い売却価格でしか売れないというわけではありません。
もちろん、賃貸に出したときにどれだけ賃貸需要があり賃料収入が見込めるかによって、収益物件としての価値も変わります。しかし、ご自身のマンションが収益物件として優れているのであれば、賃貸に出して賃料収入を得たうえで、必要なタイミングで収益物件として売却するという選択肢もあります。
デメリット1:空室リスクがある
マンションを賃貸に出すデメリットのうち最も大きなものが、空室リスクがあることです。
賃貸の募集を出したからといって、すぐに入居希望者から申込みがあるとは限りません。また、たとえ入居者が入っていてもいつその入居者が退去を申し出るかは分かりません。退去後に次の入居者がすぐ見つかる保証もありません。
先ほどもご説明したとおり、空室で賃料収入がない間も、管理費などさまざまな維持費を負担する必要があります。
このような空室リスクがあることを踏まえて、賃料収入の計画を立てるようにしましょう。
賃借人が常に途切れずにいるという前提で賃料収入の計画を立ててしまうと必ず失敗するので、十分に注意する必要があります。
デメリット2:貸す前にリフォームが必要になることがある
物件によっては、壁紙が傷んでいたり水回りが古くなっていたりして、そのままでは賃貸に出せないこともあります。賃貸に出すにあたっては、それらをリフォームしてきれいにする必要があります。
当然、リフォームにはまとまったお金が必要です。また、リフォーム代金は先に自分で支払わなければならず、後から賃料収入で回収するという形になるので、先にまとまったお金を負担できる経済的余裕があることが必要となります。
もしリフォームが必要なのにリフォームのためのまとまったお金が手元にないという場合には、賃貸に出すことが難しくなるため、売却を考えていくことになります。
デメリット3:住宅ローンが使えず金利の高いローンを使う必要がある
住宅ローンは、住居を確保するためのローンであり、特別に低い金利で融資を受けられるようになっています。貸し出そうとしているマンションに対してまだ住宅ローンが残っていると、ローン契約上、原則としてそのままではマンションを貸し出せません。
マンションの使い道を住居用から賃貸用に変更する場合には、まずは住宅ローンを完済しなければなりません。その際、ローンの借り換えをするのであれば、賃貸住宅用のローンに借り換えることとなります。
賃貸住宅用のローン(アパートローン)は、居住用の住宅ローンと比べて金利が高くなります。住宅ローンの金利が約0.5%程度であるのに対し、賃貸住宅用のローンの金利は2~5%程度になるのが一般的です。
借換えをするとローンの金利が高くなってしまうため、返済の負担が増えてしまうことに注意が必要です。
賃貸に出すことを黙って住宅ローンを借りたままにしていると、契約に違反したものとして一括返済を求められるなど厳しい対応が取られます。マンションを賃貸に出す場合には、必ず住宅ローンの融資を受けている金融機関に連絡を入れ、その旨を伝えて適切な対応を取るようにしましょう。
なお、住宅ローンを組んだままマンションを賃貸に出せる例外的なケースも存在します。それは、住宅ローンを利用したマンション購入後にやむを得ない事情によって住み続けることができなくなり、引っ越す必要があるが、将来またそのマンションに戻ってくる可能性があるというケースです。
具体的には次のようなケースが想定されています。
- ・会社の都合による一時的な転勤
- ・親の介護のための引っ越し
これらの例外的なケースでは、転居後に住宅ローンを組んだまま物件を賃貸に出すことが認められる可能性があります。
具体的なケースで住宅ローンを組んだまま賃貸に出せるかは、融資する金融機関の判断によります。まずは融資を受けている金融機関に相談し、どのように対応すればいいのかを相談してみるようにしましょう。
デメリット4:普通借家契約であれば簡単に借主を退去させられない
賃貸の際には物件を貸す契約を結びます。この契約には、「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。
「定期借家契約」とは、契約の際に賃貸の期間を決めておくもので、契約期間が経つとそこで物件の賃貸が終了し、契約の更新がないのが特徴です。もっとも、貸主と借主が合意すれば新たに契約を結ぶことはできます。
定期借家契約では、契約期間が経った時点で確実に借主に退去してもらうことができるので、一時的な転勤中など一定期間だけマンションを賃貸に出したいという場合に活用できる契約です。
「普通借家契約」は、一般的に使われる契約の形態であり、定期借家契約と異なり契約の更新が可能です。逆に、たとえ更新の時期であっても、借主が希望する限りは基本的に更新を拒絶して借主を退去させることはできません。
このように、借主の住む権利が法律によって手厚く保護されているため、借主は希望する限り長く住み続けることができます。
将来的に自分でマンションを利用しようと思っているのに普通借家契約で物件を貸し出してしまうと、自分が使いたい時期になっても借主に退去してもらうことが難しくなるので、特に注意が必要です。
マンションを売却するときに使える税の優遇制度
マンションを売却して利益が出ると、税金を納めなければなりません。
「税金を納めなければならないなら売却はためらう」という方もいるかもしれません。
しかし、一定の場合には税の優遇制度を使うことができ、納める税金を減らすことができます。
マンションを売却して利益が出ると税金を納める義務がある
不動産の売却による利益のことを譲渡所得といいます。
マンションを売却して利益が出たときには、譲渡所得にかかる税金(所得税・住民税)を納める義務が生じます。
課税対象となる譲渡所得(課税譲渡所得)は、次の計算式により算出することができます。
- ・譲渡所得=収入金額-取得費-譲渡費用
- ・課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除
課税譲渡所得に対してかかる税率は、所得税と住民税を合わせて次のとおりです。
- ・所有期間が5年超の場合(長期譲渡所得):20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
- ・所有期間が5年以下の場合(短期譲渡所得):39.63%(所得税30.63%、住民税9%)
このように、マンションを売却して利益が出ると、多くの税金を納めなければなりません。
マイホームを売却すると税の優遇制度により税金を減らせることがある
マイホーム(居住用財産)を売却したときは、税の優遇制度によって納める税金を減らせることがあります。
マイホームであるマンションを売却する際には、この税の優遇制度についてもしっかりと押さえておくことが大切です。
優遇制度1:居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
マイホームを売却したときは、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。
この特例の適用を受けるためには、「自分が住んでいる物件を売却するか、または以前に住んでいた物件を住まなくなった日から約3年以内に売却すること」などのいくつかの条件を満たさなければなりません。
この特例の適用を受けることで、譲渡所得から最高3,000万円まで控除され、その部分については税金が課されません。
優遇制度2:10年超所有軽減税率の特例
マイホームを売って一定の要件に当てはまる場合には、長期譲渡所得の税率を通常よりも低い税率で計算することができます。
特例の適用を受けるための要件には、「自分が住んでいる物件を売却するか、または以前に住んでいた物件を住まなくなった日から約3年以内に売却すること」、「売却した年の1月1日時点で物件の所有期間が10年を超えていること」などがあります。
軽減税率は、次のとおりです。
- ・課税長期譲渡所得のうち6,000万円以下の部分:14.21%(所得税10.21%、住民税4%)
- ・課税長期譲渡所得のうち6,000万円を超える部分:20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
このように、要件を満たせば6,000万円までの課税長期譲渡所得については低い税率で課税されるので、納める税金が少なくて済むことになります。
マンションの売却で使える税の優遇制度を相談できる専門家
マンションの売却では、ここまでにご説明したような税の優遇制度を利用することができますが、ご自身だけでは自分のケースで適用対象になるのかどうかの判断が難しいことも多くあります。
また、申告・納税の手続きもどのようにすればよいのか分からないということも多くあるでしょう。
そのようなときは、専門家に相談・依頼して手続きを進めるようにしましょう。
税の優遇制度の利用について相談できる専門家には、次のようなものがあります。
- ・税理士
- ・弁護士
税理士は、税の専門家であり、税の優遇制度に詳しいです。税理士は、あなたのケースで制度が利用できるかどうかを的確に判断してアドバイスしてくれます。また、税の申告・納税の手続きについても代行してくれます。
弁護士は、税に詳しい弁護士や不動産の売却に詳しい弁護士であれば、マンション売却の際に使える税の優遇制度についても適切にアドバイスしてくれます。税の申告・納税手続まで代行してくれる弁護士は多くありませんが、税理士と連携して対応してくれる弁護士事務所もあります。また、何らかの法律問題をほかにも抱えている場合には、弁護士に相談すればあわせて対応してくれます。
基本的には税理士に相談し、その他の法律問題についても相談したい場合には弁護士に相談するようにするとよいでしょう。
売却と賃貸のどちらがよいか判断するためのポイント
マンションを売却するか賃貸に出すかどちらがよいかを判断するためには、いくつかのポイントがあります。
これらのポイントは、売却か賃貸かを判断するための考慮要素となります。
ポイント1:住宅ローンがどれだけ残っているか
売却の際にも賃貸に出す際にも、住宅ローンは完済しておかなければなりません。
手持ちの資金で住宅ローンを完済できない限り、売却の際には売却代金から支払い、賃貸の際には賃貸物件用のローンに借り換えることになります。
賃貸物件用のローンは、利率が高く、負担も大きくなります。できれば利用しないほうが経済的な負担は少なくて済みます。
このため、住宅ローンの残りが手持ちの資金で完済できる程度であれば、賃貸物件用のローンを利用することなく賃貸に出すことができるので、負担なく賃貸を選ぶことができます。
これに対し、手持ちの資金では住宅ローンを完済できない場合には、賃貸物件用のローンを利用してでも賃貸に出すのか、それとも売却することにするのかという判断をすることになります。
ポイント2:将来自分で利用する可能性があるか
一時的な転勤であって将来同じ場所に戻ってくることが確実であるケースなど、マンションを将来自分で利用する可能性があるのであれば、売却には向きません。賃貸に出してマンションを手放さずに持っているという選択をすることになります。
これに対し、特にマンションを将来利用する予定がないのであれば、あえて所有し続けていていいのかデメリットの点も考慮しつつ売却も視野に入れて検討するべきです。
ポイント3:マンションの立地は賃貸向きか
立地が良く賃貸需要が高いエリアのマンションであれば、賃貸に出しても借主を見つけやすく、賃貸に出す際の負担は少なくなります。
これに対し、立地が悪ければ借主がなかなか見つからないリスクも高まり、賃貸では空室リスクにより損をする可能性も高まります。なかなか借主が見つからないのであれば、いっそのこと売却してしまうという選択肢も視野に入ります。
駅から徒歩数分の距離であるか、最寄り駅は快速や特急などが停車する駅か、近隣に大きな会社・工場や大学などがあるかなどの点から、立地について検討してみるようにしましょう。
ポイント4:築年数と設備が新しいか
築年数や設備が古いマンションであれば、リフォームやリノベーションをしなければ借主が見つからないというケースもあります。しかし、賃貸に出すためだけにリフォーム・リノベーションをするとなると、費用倒れになってしまう可能性も十分にあります。
築年数や設備が新しくそのままでも賃貸に出せるのであれば、賃貸も選択肢に入ります。これに対し、築年数や設備が古くてそのままでは賃貸に出せないのであれば、売却してしまったほうがよいということも多くあります。
まとめ:マンションの売却と賃貸を比較するにはメリットとデメリットを押さえることが大切
マンションを売却するか賃貸に出すかの判断は、それぞれのメリットとデメリットを押さえて行うことが大切です。
売却か賃貸かは簡単に決められるものではなく、いくつかの考慮要素を踏まえつつ、さまざまな角度から検討する必要があります。
もっとも、マンションを賃貸に出すには、一般的にはさまざまな手間や負担がかかります。マンションを売却してしまうよりも手間や負担が大きく、空室リスクによって損をしてしまう可能性もあるため、賃貸に出すという選択は慎重にしたほうがよいといえます。
マンションを売却する際には、一定の要件を満たせば税の優遇制度を利用することもできます。これにより、納める税金がゼロになったり大幅に少なくなったりする可能性も十分にあります。
税の優遇制度が使えるかという点は、税理士などの専門家に相談することがおすすめです。また、あなたのケースでマンションを売却したほうがよいのか賃貸に出したほうがよいのかということについても、不動産関連の案件を扱う税理士や弁護士などの専門家であれば相談に乗ってくれることがあります。
自分だけでは判断できないと思ったら、専門家に相談するようにしましょう。