【建物種別】2,000万円で買った家いくらで売れる?高値で売却する方法とは
この記事でわかること
- 2,000万円で買った家の築年数ごとの売却価格の目安がわかる
- 2,000万円で買った家を高値で売却する方法がわかる
- 2,000万円で買った家の現時点の価値を調べる方法がわかる
- 家を売却するときの注意点がわかる
2,000万円で買った家は、いくらで売れるのでしょうか。
家の売却価格は様々な要因によって決まりますが、築年数や家の構造で大きく変わります。
一般的には、築年数が経過するほど価値は減少し、マンションよりも一戸建てのほうが価値は減少します。
本記事では、2,000万円で買った一戸建てやマンションの築年数ごとの売却価格、高値で売却する方法や現時点での価値を調べる方法について解説します。
2,000万円程度で買った一戸建てやマンションの売却を検討する人は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
目次
【建物種別】2,000万円で買った家はいくらで売れる?
家を売却する場合、築年数によって価格は大きく変わります。
下のグラフは、国土交通省の調査による中古戸建住宅の価格査定の例で、築年数が経過するとどのくらい家の価値が下がるかを示したものです。
一戸建て、マンションともに築年数が経過するとともに徐々に価値が下がっていることがわかります。
マンションに比べると戸建てのほうが大きく下がっています。
建物の構造によって異なる法定耐用年数が、大きく影響した結果と言えます。
上の図にある減価償却年数とは、法定耐用年数のことで、価値を公平に算出するために国が定めた年数のことです。
法定耐用年数は、建物の構造や用途によって異なり、木造一戸建住宅であれば22年、鉄筋コンクリート造のマンションは47年です。
上の図を参考に、築年数が経過するごとに2,000万円で買った家の価値がどのくらい減少するのか構造ごとに解説します。
2,000万円で買った一戸建ての場合
一戸建ての価値は築5年で約30%、築10年では50%以上も減少することがわかります。
木造一戸建ての法定耐用年数は22年のため、実際の売却査定では、築20年を過ぎたあたりから建物の価値はほぼ価値がないと見られる傾向にあります。
しかし、築年数の経過によって価値が下がるのはあくまで建物のみで、土地の価値に影響はありません。
一戸建ては築浅でも価値の減少率が高いため、買った金額と同等の額で売却することは難しいでしょう。
ただし、エリアによっては土地の価値が上昇する場合があるため、購入時よりも高く売却できる可能性があります。
それでは、上記のグラフを参考に、2,000万円で買った一戸建てがいくらになるのか築年数ごとにシミュレーションします。
なお、土地の価格は1,000万円で変わらないものと仮定します。
2,000万円の一戸建ての売却価格の目安(土地の価格1,000万円) | |||
---|---|---|---|
築年数 | 建物の価値減少率 | 建物の価格 | 売却の価格 |
1年 | 5% | 950万円 | 1,950万円 |
2年 | 12% | 880万円 | 1,880万円 |
3年 | 18% | 820万円 | 1,820万円 |
5年 | 30% | 700万円 | 1,700万円 |
10年 | 53% | 470万円 | 1,470万円 |
15年 | 75% | 250万円 | 1,250万円 |
20年 | 85% | 150万円 | 1,150万円 |
25年 | 89% | 110万円 | 1,110万円 |
30年 | 92% | 80万円 | 1,080万円 |
2,000万円で買った一戸建ては、築20年で1,150万円まで価値が下がり、建物のみの価格は150万円となります。
実際に売却する場合は、値引き交渉が入ることが多いため、仮に100万円値引きすると建物の価値はほぼないと言えるでしょう。
2,000万円で買ったマンションの場合
マンションの価値の下落推移は、一戸建てに比べて緩やかになっています。
築1年では10%下落しているものの、その後は緩やかに減少し、築20年経過しても40%ほどしか価値は下がっていません。
それでは、上記のグラフを参考に、2,000万円で買ったマンションがいくらになるのか築年数ごとにシミュレーションします。
2,000万円のマンションの売却価格の目安 | ||
---|---|---|
築年数 | 価値減少率 | 売却の価格 |
1年 | 10% | 1,900万円 |
2年 | 12% | 1,880万円 |
3年 | 14% | 1,860万円 |
5年 | 18% | 1,820万円 |
10年 | 27% | 1,730万円 |
15年 | 33% | 1,670万円 |
20年 | 43% | 1,570万円 |
25年 | 50% | 1,500万円 |
30年 | 60% | 1,400万円 |
マンションは一戸建てと違い、土地の持分が極端に少ないため、建物の価値の減少が売却価格に大きく影響します。
一戸建てと同様、エリアによっては土地の価値が上昇する場合があり、購入時よりも高く売却できる可能性があります。
2,000万円で買った家の現時点の価値を調べる方法
築年数と建物の構造で家がいくらぐらいで売れるかの目安はわかりますが、実際の売却金額は大きく異なることがあります。
実際にはいくらで売れるのか、現時点での価値を調べる方法を紹介します。
自分で調べる
家の売却価格は、自分で調べることができます。
木造一戸建てやマンションであれば「レインズマーケット」を利用することをおすすめします。
レインズマーケットは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理しているシステムです。
不動産会社が閲覧できる成約事例の一部になるため、実際に成約した物件の築年数や面積を把握することできます。
また、不動産ポータルサイトでは、現在販売している物件の価格を確認することができます。
同じエリアで似たような築年数や面積の販売価格や成約事例によって、現時点での価値を把握することができるでしょう。
不動産会社に査定を依頼する
売却価格の目安は自分でも確認することができますが、もっと正確な価格が知りたい場合は、不動産会社に査定を依頼しましょう。
不動産の査定方法には机上査定と訪問査定の2種類があります。
どちらの査定も無料ですが、それぞれ特徴が異なるため、詳しく解説します。
机上査定(簡易査定)
机上査定とは、実際に物件を訪問せず、売却価格を算出する査定方法で、簡易査定とも呼びます。
対象物件の立地条件、築年数などの物件情報や周辺の成約事例、市況などのデータを参考に査定額を算出します。
短期間で査定額を算出できることが特徴で、複数の不動産会社の査定価格を比較したい時に便利でしょう。
訪問査定
訪問査定とは、実際に物件を現地調査し、不動産のデータを参考に総合的に売却価格を算出する査定方法です。
建物や設備の状態、周辺環境など詳細な調査を行うため精度の高い査定方法だと言えます。
机上査定と違い、査定には1週間程度かかりますが、実際に売却を依頼する場合には訪問査定が必要となります。
訪問査定で必要になる書類は以下の通りです。
必要な書類(訪問査定)
- 登記識別情報(権利証)
- 本人確認資料
- 図面、パンフレット
- 公図、測量図
上記の他に住宅ローンの残債がある場合は、残高がわかる書類があると不動産会社は査定がしやすくなるでしょう。
2,000万円で買った家を高値で売却する方法
家の価値には、築年数が大きく影響しますが、他にも様々な要因があります。
家の売却価格に影響する要素は以下の通りです。
- 市況
- 立地条件
- 日当たりや風通し
- 土地や建物の面積
- 土地の形状
- 物件の設備の状態
- 眺望
- 周辺環境
築年数が古い場合でも、リフォームによって設備を交換していれば、相場よりも高く売れることもあるでしょう。
築20年を経過して価値がほぼなくなるのは、あくまで設備などの内装に手を入れていない場合の時です。
それでは、家を高く売却するコツを紹介します。
最適な時期に売る
家の売却に最適な時期は、2、3月です。
4月からの新生活に必要な新しい拠点となる住宅を探す時期となるため、住宅の需要はピークになります。
2、3月に売却できるように、12月後半から1月初旬ぐらいまでに売却の準備をすることをおすすめします。
1月 | 997件 |
2月 | 1,220件 |
3月 | 1,286件 |
4月 | 1,190件 |
5月 | 1,154件 |
6月 | 1,145件 |
7月 | 1,176件 |
8月 | 877件 |
9月 | 1,124件 |
10月 | 1,212件 |
11月 | 1,029件 |
12月 | 1,036件 |
1月 | 2,760件 |
2月 | 3,146件 |
3月 | 3,405件 |
4月 | 3,094件 |
5月 | 2,877件 |
6月 | 3,003件 |
7月 | 3,104件 |
8月 | 2,348件 |
9月 | 2,990件 |
10月 | 3,072件 |
11月 | 2,797件 |
12月 | 2,835件 |
上記は、東日本不動産流通機構のサマリーレポートをもとに作成した表ですが、2月、3月が他の月と比べて成約件数が多いことがわかります。
2月、3月が家の売却の最適な時期と言えるでしょう。
築年数が浅いうちに売る
少しでも高く家を売るためには、できるだけ築年数が浅いうちに売ることを意識しましょう。
先述の通り、築年数が経過すればするほど、家の価値は減少します。
特に一戸建ては、築20年を経過すると建物の価値がほぼなくなるため、注意が必要です。
事前準備をしっかり行う
家を売却する場合は、事前準備が重要になります。
家を売却する際には、必ず実際の部屋を内覧します。
少しでも印象を良くするために、できるかぎり部屋を片付け、きれいに清掃しましょう。
できるだけ部屋を広く見せるために、不要なものは処分し、処分できないものは実家に預けましょう。
預ける場所がない場合は、賃貸のトランクルームが最適です。
また、ペットを飼っている場合は、クロスの交換やフローリングの補修など簡易的なリフォームをしたほうがいいケースがあります。
高値での売却を成功させるには、事前準備をしっかり行うことが重要なので覚えておきましょう。
売却スケジュールに余裕をもつ
一般的に、家の売却には、3〜6ヶ月間かかると言われています。
3ヶ月以内に売却などと売却期限を設けてしまうと、大幅に値引きをしなくてはならない可能性があります。
少しでも家を高く売りたい場合は、売却スケジュールに余裕をもつことをおすすめします。
また、築年数によって変わりますが、リフォームが必要な場合などは、事前準備に時間がかかります。
先述した最適な時期に売却するためには、リフォーム期間も考慮して、準備をはじめる必要があるでしょう。
最適な時期での売却を目指すために、逆算して行動を開始することをおすすめします。
複数の不動産会社に査定を依頼する
家を売却する際の査定は、1社ではなく3〜5社に依頼するようにしましょう。
複数査定してもらうことで、家の売却査定金額の平均がわかるため、適正な売り出し価格を設定できます。
複数の不動産会社に査定を依頼するのは時間がかかりますが、不動産一括査定サイトを活用すれば簡単にできます。
1回の登録で済むため時間もかからずおすすめの方法です。
また、家の売却を依頼する不動産会社を決める場合は、査定価格だけで決めるのはやめましょう。
戸建てやマンションの売却を得意とした不動産会社や売却する物件のエリアに強い会社を選ぶことが大切です。
不動産会社の担当者との相性もふまえ、好条件で売却してくれる会社かどうか総合的に判断しましょう。
2,000万円で買った家を売却するときの注意点
家を売却するときに、注意すべきポイントを解説します。
住宅ローンを完済する必要がある
住宅ローンを完済しないと、家を売却することができません。
住宅ローンを組む場合、金融機関は購入する物件を担保にするため抵当権を設定します。
抵当権を抹消するために、住宅ローンを完済させる必要があります。
家の売却金額が、住宅ローンの残高を上回っていれば問題ありません。
家を売却する場合は、自分で調べるか机上査定によっておおよその売却価格を調べ、住宅ローン残高の金額を確認する必要があります。
瑕疵や欠陥がある場合は隠さず伝える
家を売却するときは、瑕疵や欠陥を不動産会社の担当者に必ず伝えましょう。
瑕疵とは、見えない欠陥や不具合のことです。
瑕疵にはシロアリや床下浸水などの建物に関するものと、地中埋設物や土壌汚染などの土地に関するものがあります。
また、「過去、事件により死亡者が出た」なども心理的瑕疵に相当するので、事前に伝える必要があるでしょう。
不動産売買において、売主は契約不適合責任を負う必要があります。
契約不適合責任とは、売買契約において瑕疵があった場合、売主が一定期間負う責任のことです。
売買契約書に瑕疵の内容が記載されていない場合、引渡し後でも買主が瑕疵や欠陥に気づいた場合は、売主が責任を問われます。
売却後にトラブルにならないように知っている瑕疵や欠陥は必ず伝えるようにしましょう。
不動産会社との媒介契約の内容を検討する
不動産会社に家の売却を依頼する場合は、媒介契約を締結する必要があります。
媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。
一般媒介契約は、複数の不動産会社に重ねて売却を依頼することができる点が特徴です。
専任媒介契約や専属専任媒介契約は、不動産会社を1つに絞る必要があるため、時間をかけて売却活動をしてもらえるでしょう。
選ぶ媒介契約によって売却結果は変わるため、慎重に選ぶ必要があるでしょう。
〈補足〉家を売却できたら確定申告をする必要がある
家の売却によって利益が生じた場合は、「譲渡所得税」がかかります。
譲渡所得税とは、不動産に限らず、株式、貴金属などの所有物を売却して得られた利益にかかる税金のことです。
居住用財産の売却において譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができるマイホームの特例を適用しても利益が生じる場合は譲渡所得税がかかるため、売却の翌年に確定申告をしなければなりません。
また、家の売却までの所有期間によって税率が異なることにも注意しましょう。
家の売却までの所有期間ごとの税率は以下の通りです。
所有期間 | 所得税 | 復興税 | 住民税 | 合計 |
---|---|---|---|---|
短期譲渡所得 (5年以内) | 30% | 0.63% | 9% | 39.63% |
長期譲渡所得 (5年超え) | 15% | 0.315% | 5% | 20.315% |
まとめ
はじめて家を売却する人にとって家がいくらで売れるは、気になる問題でしょう。
まずは、所有している一戸建てやマンションの価値がいくらぐらいなのか、不動産会社に査定依頼することをおすすめします。
売却することを決めた場合は、解説している高く売却する方法や売却するときの注意点を参考にしながら、好条件での売却を目指しましょう。