カーポートに固定資産税は原則かからない!課税されるケースや注意点について
この記事でわかること
- カーポートには原則、固定資産税がかからないことがわかる
- 固定資産税が課税されるカーポートの条件がわかる
- カーポートを建てるときの注意点がわかる
目次
【原則】カーポートに固定資産税はかからない
カーポートは原則、固定資産税は課税されません。
カーポートは基本的に柱と雨除けの屋根だけでできていますが、このようなカーポートには固定資産税は課税されません。
このような形態のカーポートであれば、1台分でも2台分でも台数は関係なく、固定資産税の課税対象にはならないとされています。
ただし、原則固定資産税は課税されませんが、カーポートの面積は建ぺい率に算入されてしまうことには注意が必要です。
建ぺい率とは、敷地面積に対して建築面積がどのくらい取れるのかを決めている割合です。
建築面積とは建物を真上から見たときの面積のことで、建物の1階部分が建築面積となることが多くなります。
カーポートが建ぺい率に算入されてしまうと、家の建築面積が減ります。
たとえば、建ぺい率60%、敷地面積100㎡の場合には建築面積は最大で60㎡までしか建築できません。
そしてカーポート面積で25㎡使ってしまうと、建築面積は35㎡になってしまいます。
つまり、このケースの場合、建物の1階部分が35㎡しか取れなくなる恐れがあります。
固定資産税のかかるカーポート
カーポートは原則、固定資産税は課税されないものの、一定の条件を満たしたカーポートには、固定資産税が課税されてしまいます。
そのため、どのような条件で固定資産税が課税されてしまうのか知っておく必要があります。
固定資産税が課税されるのは、不動産登記法上に定める建物に該当する場合です。
不動産登記法上では、外気分断性・土地定着性・用途性のある建築物を建物としています。
- 外気分断性:3方向以上に壁があって屋根がある建築物
- 土地定着性:基礎などで土地に固定されており、容易に移動できない建物
- 用途性:建築物を建てた目的に応じた利用が可能な状態になっている建築物
この3つの性質を兼ね備えている建物には固定資産税が課税されます。
たとえば、ガレージと呼ばれる壁や屋根、シャッターがついている建築物は、固定資産税が課税される条件を満たしています。
仮にシャッターが付いていなくても、壁や屋根があり容易に移動できないようになっている場合には固定資産税が課税されます。
なお、固定資産税が課税されるかどうかは、各自治体が現地調査をして判断しているため、自身で勝手な判断をしないようにしましょう。
カーポートを建てる際の注意点
カーポートは建築基準法により建物として扱われます。
そのため、カーポート建築のときにはさまざまな制限が課されます。
カーポートを建てる前には様々な制限など注意点を知っておく必要があります。
建築確認が必要になる場合がある
カーポートは建築物のため原則、建築確認を申請しなければなりません。
建築確認とは、建築予定の建築物が建築基準法などの建築関係法規に合致しているものか、審査するための手続きです。
建築確認を行うには専門家により書類作成が必要で、手数料も高額になります。
ただし、一定の条件を満たしているカーポートを建築するときには、建築確認をする必要がなくなります。
建築確認をしなくても良いカーポートの条件は次のとおりです。
- 1.防火地域か準防火地域ではない地域に建築する場合
- 2.すでに建築された建築物が存在する敷地内の増築工事で、用途上不可分の建築物である場合
- 3.建築物の延べ床面積の合計が10平方メートル以内である場合
住宅のカーポートは2に該当するため、1と3も併せて該当する場合には建築確認は不要となります。
隣地境界線から一定の距離を取らなければならない
カーポートは建築物のため、民法に規定されている隣地境界線から一定距離を離して建築する必要があります。
民法によると、建築物は隣地境界線から50cm以上離して建築しなければならないとしています。
そのため、カーポートを隣地境界線からギリギリに建築する計画は立てられないので注意しましょう。
セットバック道路に注意
敷地に接している道路がセットバック道路の場合、自分が所有している敷地でも一部、カーポートが建築できない部分が出てしまいます。
セットバック道路とは、建築基準法42条2項で定められた4m未満の幅員の道路のことです。
セットバック道路に接している場合、道路中心線から2mのところまでは移動が容易にできない建物を建築することはできません。
建ぺい率は地域によって異なる
前述しましたが、カーポートを建築するときには、家の建ぺい率に算入されることにも注意をしなければなりません。
建ぺい率は地域によって異なり、建ぺい率が低いところでは30%という地域があります。
このような地域の場合、2、3台分のカーポートを建築してしまうと、住宅を建築できなくなる恐れがあります。
そのため、カーポートと住宅を建築するときには、建築士などの専門家に相談しつつ建築をしていきましょう。
万一、建ぺい率を超えて建築してしまった場合、悪質と判断されるとカーポート撤去などの命令を自治体から受けることもあります。
まとめ
カーポートには基本的に固定資産税は課税されません。
しかし、壁で3方囲まれていると固定資産税が課税される可能性があります。
また、固定資産税が課税されないカーポートだとしても、カーポートは建物扱いになるため、建築基準法が適用されます。
建築基準法の建物扱いになると建築制限を多く受けるため要注意です。
カーポート建築をするときには、法律や税金など専門的な知識が必要なので、できる限り建築士などの専門家のアドバイスを受けたほうが良いでしょう。