一戸建ての固定資産税の平均・相場はいくら?計算方法や節税方法とは?
この記事でわかること
- 一戸建てに課税される固定資産税の目安がわかる
- 一戸建ての固定資産税の計算方法がわかる
- 一戸建ての固定資産税の節税方法がわかる
- 固定資産税の納税方法や納期がわかる
一戸建ての固定資産税の平均・相場はいくら?
一戸建ての固定資産税の平均・相場は、15万円程度です。
固定資産税は年間で課税される税金のため、1ヶ月換算に直すと約1万2,000円程度の課税です。
また、固定資産税は土地の大きさや相場、建物の築年数や大きさによって変動します。
そのため、目安の15万円というのは一般的な大きさの一戸建てで売却相場3,000万円程度、建物築年数10年と想定しています。
その他にも、一戸建ての構造(木造や軽量鉄骨造など)や建材の質によっても固定資産税が変動しますが、構造や建材の質については考慮していません。
なお、固定資産税には土地、建物ともに減税措置があります。
この目安の計算では固定資産税の減税措置も加味した税額です。
一戸建ての固定資産税の計算方法
一戸建ての固定資産税は計算の方法がわかると、自身でも計算することができます。
ここからは一戸建ての固定資産税を計算する方法をシミュレーションしながら紹介していきます。
シミュレーション条件
- 売却相場:3,000万円(土地2,000万円・建物1,000万円)
- 土地面積:100㎡
- 建物延床面積:100㎡
- 築年数:10年
- 構造:木造
固定資産税評価額の算出
固定資産税を計算するときには、まず不動産の固定資産税評価額を調べます。
所有している不動産であれば、固定資産税納税通知書に記載されていますが、所有していない不動産の固定資産税評価額を知るためには、不動産売却相場から固定資産税評価額を算出します。
なお、不動産売却相場から算出する固定資産税評価額は目安であること、土地と建物では計算方法が異なることには注意が必要です。
土地の固定資産税評価額の計算方法
土地の固定資産税評価額の計算方法は次のとおりです。
70%を掛ける根拠は、土地の固定資産税評価額は公示価格の70%を目安に算出されるからです。
公示価格とは、地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年公示する標準地の評価額のことです。
シミュレーション土地の固定資産税評価額
土地売却相場2,000万円 × 70% = 土地の固定資産税評価額目安1,400万円
建物の固定資産税評価額の計算方法
建物の固定資産税評価額の計算方法は次のとおりです。
60%を掛ける根拠は、再建築価格の約60%を固定資産税評価額とするという目安があるからです。
再建築価格とは、建物をもう一度建築するときに必要になる建築費のことで、築年数による経年劣化も加味して補正します。
シミュレーション建物の固定資産税評価額
建物売却相場1,000万円 × 60% = 建物の固定資産税評価額目安600万円
固定資産税額を算出(減税措置を考慮しない場合)
固定資産税評価額を計算したら、固定資産税額を算出します。
固定資産税の計算法は次のとおりです。
なお、税率は各自治体が自由に決定することができるため、各自治体により異なります。
シミュレーション減税を考慮していない場合の固定資産税
- 土地の固定資産税評価額1,400万円 × 1.4% = 19万6,000円
- 建物の固定資産税評価額600万円 × 1.4% = 8万4,000円
固定資産税額は、土地建物合計で28万円(減税措置を考慮しない場合)となります。
固定資産税額を算出(減税措置を考慮した場合)
固定資産税には土地と建物にそれぞれ減税措置の規定があります。
シミュレーション条件では、土地の減税措置を受けられる条件に該当するため、土地の減税措置の内容の解説とシミュレーションをしていきます。
今回のシミュレーションでは、住宅用地に対する特例措置を利用することができます。
住宅用地に対する特例措置とは、住宅の敷地となっている土地は、一定の面積分の固定資産税の課税額が下がる制度です。
住宅用地に対する特例措置は、土地面積により次の表のように減税額割合が変わります。
住宅の敷地面積 | 固定資産税評価額の軽減率 |
---|---|
小規模用土地(200㎡以下) | 評価額 × 1/6 |
一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 評価額 × 1/3 |
シミュレーション減税措置を考慮した場合の固定資産税額
シミュレーション条件では土地面積を100㎡としているため、土地全体の固定資産税が1/6になります。
土地の固定資産税額は19万6,000円でしたので、この数字を1/6にすると約3万3,000円になります。
土地の固定資産税額約3万3,000円に建物の固定資産税額8万4,000円を足すと、固定資産税額は11万7,000円となります。
なお、建物の固定資産税が軽減されるケースとしては、築年数による減税措置(新築住宅に対する特例措置)があります。
新築住宅に対する特例措置とは、取得した住宅が新築の場合に適用される減税措置です。
新築されてから3年間、建物の固定資産税額が1/2になり、耐火・準耐火建築の新築マンションを取得した場合なら、5年間、固定資産税額が減額されます。
新築住宅に対する特例措置の詳細は次の表のとおりです。
床面積要件 | 減額割合 | 減額期間 | |
---|---|---|---|
新築住宅 | 50㎡以上280㎡以下 | 1/2 | 3年間 |
新築マンション | 1/2 | 5年間 | |
認定長期優良住宅 | 1/2 | 5年間 7年間(耐火・準耐火建築物、マンションなどの場合) |
※2024年3月31日までに建築された住宅に適用
一戸建ての固定資産税を節税する方法
一戸建ての固定資産税は高額なため、固定資産税が多く課税されない住宅を取得したいと思われる方もいることでしょう。
そのような方のために、ここからは一戸建ての固定資産税を節税する方法を4つ紹介していきます。
新築の一戸建てを取得する
固定資産税の節税方法の1つ目は「新築の一戸建てを取得する」ことです。
固定資産税は2024年3月31日までに建築された新築一戸建てに対して、減税措置があります。
そのため、新築の一戸建てを取得すれば、新築から3年間、建物の固定資産税が半額になります。
また、取得する新築の一戸建てが認定長期優良住宅であれば、新築から5年間、固定資産税が半額になります。
敷地面積200㎡以内の一戸建てを取得する
固定資産税の節税方法の2つ目は「敷地面積200㎡以内の一戸建てを取得する」ことです。
土地の固定資産税の減税措置は、住宅の敷地面積により減税割合が異なっています。
敷地が200㎡以下であれば、土地の固定資産税の減税措置を最大限利用することができるため、取得する住宅の敷地面積が200㎡以下の一戸建てを取得すると固定資産税の節税になります。
築年数の古い一戸建てを取得する
固定資産税の節税方法の3つ目は「築年数の古い一戸建てを取得する」ことです。
固定資産税の計算の元となる建物の固定資産税評価額は、建物の築年数が古くなっていくほど下がっていきます。
そのため、築年数が古い建物ほど、建物の固定資産税額が低くなります。
リフォームやリノベーションをした一戸建てなら中古でも良いという方であれば、固定資産税を節税することができます。
クレジットカードで固定資産税を納税する
固定資産税の節税方法の4つ目は「クレジットカードで固定資産税を納税する」ことです。
固定資産税には多くの納税方法がありますが、そのうちの1つにクレジットカードで納税をする方法があります。
クレジットカードによっては固定資産税の納税額分のポイント還元などを受けることができるため、固定資産税の節税につながります。
固定資産税の納税方法・期限
固定資産税は1年分課税され、納税する期限が設けられています。
また、固定資産税には多くの納税方法があります。
ここからは、固定資産税の納税方法や納期について紹介していきます。
固定資産税額の納税方法
固定資産税の納税方法は多くあり、各自治体によって納税可能な方法が異なります。
固定資産税を納税する主な方法が次のとおりです。
固定資産税額の納税方法
- 現金納付
- 振替納税
- クレジットカードによる納税
- 電子マネーによる納税
- スマホ決済アプリによる納税
近年は日本政府がキャッシュレスを推進していることもあり、現金納付以外の方法でも固定資産税が納付できるようになってきています。
固定資産税の納期
固定資産税の納税は、4回に分けることができ、それぞれに納期が設定されています。
そして、この納期は各自治体により異なります。
ここでは、代表的な自治体の令和4年度の納期を紹介します。
- 東京都(中央区):6月、9月、12月、2月
- 大阪市:5月、8月、12月、2月
- 名古屋市:5月、8月、1月、2月
なお、上記の納期は末日までではない場合があります。
たとえば、大阪市の8月の納期は、8月1日です。
いつが納期になっているか、事前に確認しておきましょう。
まとめ
一戸建ての固定資産税は、おおよそ15万円前後です。
固定資産税は、土地の広さや相場、建物の新しさや大きさによって変動します。
そのため、15万円前後という税額は目安となります。
もし自分が取得する一戸建ての固定資産税額が15万円前後になるのか心配なときには、自分で固定資産税を計算してみるのも良いでしょう。
固定資産税の計算はシンプルで、減税措置の内容も分かりやすいため、自分で計算することも可能です。
また、取得する一戸建てによっては固定資産税を節税することが可能なため、減税措置の内容や納税方法を把握しておくことが大切です。