一軒家の値段はどれくらい?年収から見た購入金額や諸費用・維持費の相場を紹介
この記事でわかること
- 一軒家の購入会社・種類別の値段相場がわかる
- 一軒家を購入するときにかかる費用がわかる
- 一軒家を購入してから必要な費用や注意点がわかる
賃貸のアパートやマンションに住んでいると、毎月家賃を支払わなければなりません。
一軒家を購入してその払っている家賃をローン返済に充てれば、最終的に一軒家が自分のものになるというメリットがあります。
また、アパートやマンションでは、声や足音が他の部屋の人に迷惑になっていないか気になりますよね。
一軒家を購入すれば、ある程度の生活音は気にしなくてよくなります。
そのため、結婚したり子どもが生まれたタイミングで「一軒家を購入したい」と思う人は多いですよね。
しかし、実際に一軒家を購入するには、立地や間取り、住環境、値段、ローンの返済方法など決めるべきことが沢山あります。
今回はそういった一軒家を購入するときの疑問をひとつひとつ解説していきます。
目次
【購入会社・物件種類別】一軒家の値段相場
一軒家を購入する場合、その値段相場はどのくらいなのでしょうか。
一口に一軒家の購入といってもその内容は千差万別です。
購入者が土地を所有しているかどうか、土地を購入する場合は都市部か地方かでも、かかる金額は大きく異なります。
一軒家を購入するケースは、購入する会社別、物件の種類別にみて、大まかに3つのケースに分けることができます。
【ケース1】建築済みの分譲建て売り住宅を購入する
一軒家を購入する1つのケースとして、パワービルダーやハウスメーカーが建築した分譲の建て売り住宅を購入するという方法があります。
分譲土地や分譲住宅といった分譲物件を購入する一番のメリットは「成形地を無駄なく購入できる」ことです。
分譲建て売り住宅を売る企業側も、まとまった土地に建築すると建築費用を抑えることができるため、購入者は比較的安い金額で購入することができます。
さらに、すでに建物が建っている物件のほうが、時期によっては購入者に有利な値段交渉がしやすいのです。
そのため、建て売りの分譲住宅は一軒家を購入する場合に最も値段を抑えることができる購入方法だといえます。
建て売り住宅を購入する場合の値段は、一般的には3000万円程度となりますが、エリアによって大きく差が付きます。
たとえば、建物100㎡土地100㎡の建て売りを購入しようとすると、東京23区内では3200万円から、東京都下では2300万円からとなります。
【ケース2】所有している土地に注文住宅を建てる
すでに一軒家を建てるための土地を所有している場合、ハウスメーカーや工務店に依頼してその土地に注文住宅を建てるのがもっとも購入金額を抑えられる方法です。
ただし、建物が建てづらい形状の土地など、土地によって建築費用が高くなってしまうケースもあります。
所有している土地に注文住宅を建てる場合の値段は、建物の構造やハウスメーカー、工務店など建築会社によって異なります。
たとえば、木造の注文住宅を建てる場合、かかる費用は一坪当たり65万円が相場ですが、建築する会社によって金額は異なります。
大手のハウスメーカーだと少し高くなって坪単価70万円程度、ローコストのハウスメーカーや工務店だと坪単価60万円程度となります。
100㎡の木造の一軒家を建てる場合、かかる費用は2000万円から2500万円を目安とするとよいでしょう。
【ケース3】土地を購入して注文住宅を建てる
一軒家を購入する場合にもっとも自分の希望通りの家を手に入れられるのが、土地を購入し、ハウスメーカーや工務店に依頼して注文住宅を建てるという方法です。
自由にエリアを選べ、自分の好みの建物を建てることができます。
しかし当然ながら、もっとも費用がかかる方法でもあります。
土地を購入して注文住宅を建てる場合の値段は、土地のエリアや建てる建物のグレードによって金額が大きく変わります。
たとえば100㎡の土地を購入しようとすると、東京23区内では2400万円から、東京都下では800万円からとなります。
それぞれに坪単価70万円で100㎡の建物を建てると想定すると、東京23区内では4800万円から、東京都下では3200万円からが値段相場と言えるでしょう。
年収から見た一軒家の購入にかけられるお金
一軒家の値段の相場は、土地の立地や建物の構造などによって大きく異なることがわかりました。
では、実際にどのくらいの金額を購入予算とすればよいのでしょうか。
年収から一軒家の購入予算を逆算する方法
一軒家を購入するためには、住宅ローンを組む方がほとんどです。
近年はかなりの低金利が続いているため、購入金額の全額をローンにする方も少なくありません。
しかしローンの額が自分の返済能力を超えてしまうと、一軒家を購入したあとの生活に支障をきたす恐れがあります。
年収からみた住宅ローンの上限額はどのくらいなのでしょうか。
一般的に返済能力を超えない範囲でのローン金額は、年収の3倍から5倍と言われています。
たとえば年収500万円であれば、1500万円から2500万円のローンが適正となります。
ローンの組み方を工夫して価格の上限を上げる
ローンの組み方を工夫することで、毎月の返済額を減らしたり価格の上限を上げたりすることができます。
実際の具体例を見てみましょう。
【例】
- 年収:800万円
- ローン金額:4000万円
- 金利:年0.8%
- 借入期間が25年の場合:毎月の返済額は143,616円
- 借入期間が35年の場合:毎月の返済額は105,611円
このケースでは、年収が800万円なので適正な借り入れ金額は5倍の4000万円となります。
借入期間が25年であれば、毎月の返済額は143,616円となります。
もし、この毎月の返済額が高くて生活を圧迫するようならば、ローンの借入期間を延長しましょう。
ローンの借入期間を35年に変更すると返済額が105,611円となり、25%以上金額を抑えることができます。
もし、毎月の返済額143,616円でも生活に支障がない場合は、逆算してもっと高い金額でローンを組むことができます。
毎月の返済額を14万円として35年のローンを組む場合、5127万円まで借り入れることができる計算です。
一軒家の購入にかかる諸費用・相場
一軒家の購入にあたっては、土地や建物の代金以外にもかかる諸費用があります。
こういった諸費用については見逃されがちですが、土地や建物の代金の10%前後かかるため、決して安いものではありません。
一軒家の購入にかかる諸費用にはどんなものがあるか、解説します。
諸費用の内訳と金額の相場
一軒家を購入するときにかかる諸費用は下記となります。
購入する物件や、不動産会社、住宅ローンを契約するかどうかで、かかる費用は異なります。
種類 | 相場 | 内容 |
---|---|---|
申込金 | 1万円~10万円程度 | 不動産の購入を申し込むとき、申込者が購入の意思を示すために支払う購入後は購入代金の一部となるキャンセルした場合は返金される |
手付金 | 購入金額の5%~10% | 不動産の売買契約をするとき、購入者が支払うもの購入後は購入代金の一部となる契約を破棄した場合、返金されない |
固定資産税 | 固定資産税評価額×1.4%軽減特例あり | 該当年の1月1日に不動産を所有している所有者が支払う税金のこと売買契約時は一般的に代金とともに日割りで精算される |
都市計画税 | 固定資産税評価額×0.3%軽減特例あり | 該当年の1月1日に不動産を所有している所有者が支払う税金のこと売買契約時は一般的に代金とともに日割りで精算される |
仲介手数料 | 物件価格の3.24%+6万4,800円が上限 | 不動産仲介会社に支払う手数料直接売主から購入した場合は不要 |
印紙税 | 物件価格1000万円超で2万円から | 不動産売買契約書に印紙を貼付して納める税金 |
不動産取得税 | 課税標準額の3% | 不動産を購入したときに支払う税金のこと |
登記費用 | 30~40万円程度 | 購入時の所有権移転登記、住宅ローン契約時の抵当権設定登記にかかる費用 |
住宅ローン諸費用 | 購入金額の3%~9% | 住宅ローン契約時にかかる諸費用のこと保証料、団体信用生命保険料、火災保険料、事務手数料など |
一軒家の購入後にかかる維持費
一軒家を購入すると、一軒家を維持管理していくための維持費が必要となります。
住宅ローンを組む際に、月々の返済額の支払いができるかどうか試算をしますが、このときに購入したあとの維持費についても計算しておくとよいでしょう。
毎年かかる固定資産税と都市計画税
一軒家に限らず不動産を所有していると、毎年必ずかかってくるのが固定資産税と都市計画税です。
毎年4月に納税通知書が送られてきますので、一括納税か4回の分割納税を選択して支払います。
税率は所有している不動産の固定資産税評価額にかかり、固定資産税が1.4%、都市計画税が0.3%です。
ただし軽減特例がありますので、一軒家を購入時に必ず確認しておきましょう。
10年ごとにかかるメンテナンス費用
一軒家の場合、特に10年ごとにかかるメンテナンス費用が重要となります。
具体的には、外壁、屋根の外回りの補修や、給湯器、ガスコンロ、洗面台といった水回りを中心とした設備の修理交換となります。
メンテナンス費用は、どれだけかけるかの個人差が大きいものです。
ただ、築年数がたつほど費用がかさむので、計画的にプールしておく必要があります。
一軒家の購入を成功させるコツ
一軒家の購入は、人生でもっとも大きな買い物のひとつです。
多くの人が一軒家を購入するときに住宅ローンを組みますが、この住宅ローンの組み方によって一軒家の購入は成功にも失敗にもなります。
では成功させるための住宅ローンの組み方とはどんなものでしょうか。
頭金は1割から2割程度を目安に
住宅ローンを組む場合、頭金はローン金額の1割から2割程度を目安に準備するとよいでしょう。
頭金の割合が多ければ多いほど、月々の返済額が少なくなり、短い返済期間で返すことができます。
ただし、近年はかなりの低金利時代が続いていますので、必ずしも頭金をローンに使うのが正解ではありません。
ローン金額の1割から2割程度の頭金を用意し、それをいざというときの貯蓄としてプールしながら住宅ローンを返済していく、という手法もあります。
住宅ローンの期間を自分がコントロールする
住宅ローンは、長ければ35年を超える長期間のローンです。
購入時に35年後を想像することは難しいですが、プランを決めてローン契約をしなければなりません。
そういう場合は、最初に長期的なプランを組んでしまうことをおすすめします。
そして、金銭的に余裕のある時期に繰り上げ返済をすれば、返済期間を短くしたり、月々の返済額を減らしたりすることができます。
住宅ローンは借金だからと無理に返済を早める必要はありません。
特に前述したように近年は低金利時代ですから、どんなローンより一番安い金利で借りられるのが住宅ローンです。
住宅ローンの期間を自分でコントロールしながら、長期的につきあっていくとよいでしょう。
一軒家を購入するときに注意すべきこと
一軒家を購入するときに注意したいのは、自分と家族のライフプランを長期的に考えることです。
「支払えるだろう」ではなく「支払えなくなるかもしれない」という視点を持つことが大切です。
高額な出費が予想されるライフイベント
子どもが生まれたのをきっかけに一軒家を購入する方は多いですが、子ども関連の高額な出費には注意が必要です。
特に、高校受験、大学受験などにかかる教育費はかなりの額になります。
高校や大学の学費だけでなく、受験対策の塾や予備校、遠方の大学に進学したときの仕送り費用なども考慮しましょう。
金利の上昇にも注意が必要
今は低金利の時代ですが、景気が上昇すれば金利が上昇することが想定されます。
たとえば3000万円を35年で返済する住宅ローンの場合、金利が1%上がれば月々の返済額は15,000円上がります。
景気がよくなるのはいいことですが、金利の上昇があることも想定する必要があります。
まとめ
一軒家を購入するというイベントは、誰にとっても人生で数少ないビッグイベントです。
あれもこれもと夢が膨らみ、金銭的なことは何とかなるだろうと軽く考えている人は少なくありません。
しかし、長い人生にはどんなトラブルが起こるかわからないものです。
トラブルが起こってから慌てるのではなく、一軒家を購入する前や住宅ローンを契約するときに、充分気を付けておく必要があるでしょう。
自分や家族の状況をよく整理して、背伸びをしすぎないライフプランを描くことが大切です。