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土地売買契約での決済や引渡しのマナーとは?【服装や手土産などの慣習・同伴者など】

この記事でわかること

  • 不動産売買契約時、決済・引渡し時の手続きの内容がわかる
  • 不動産売買契約に臨むときの服装マナーがわかる
  • 不動産売買契約・引渡し時に手土産の持参は必要かがわかる
  • 不動産売買契約・引渡し時に家族は同伴しても良いのかがわかる

不動産会社の担当者や金融機関の担当者、司法書士の先生は不動産取引のプロですので、売買契約の手続き、引渡しの手続きを流れるように滞りなく進めます。

しかし、一般の方は、数多くの申込書類、契約書類、関連する資料を目の前にして、気疲れしてしまうかもしれません。

そのようなときに、契約時、決済・引渡し時のマナーについて知っておけば、気苦労も緩和されることでしょう。

今回は、不動産売買契約締結、および引渡し・決済時における服装や振る舞い、手土産などのマナーについて紹介します。

これから不動産の売買契約、引渡し・決済を迎える方は、このコラムを参考にして準備してみてください。

人生で数回しかない土地売買契約は緊張するのがあたりまえ

不動産の売買契約手続き、決済・引渡手続きをするときには、周りの専門家たちが手際よく手続きを進めていきますので、まるで何かの儀式に参加しているような雰囲気を感じることと思います。

売主・買主として参加した当事者は、このような手続きに全く慣れていない場合が多いことから緊張するのは当たり前です。

緊張しすぎて、気疲れしてしまうことを少しでも緩和するためには、「形」や「マナー」から学んでみましょう。

マナーや振る舞いについて事前に不動産会社の担当者に相談することで、アドバイスを受けておけば安心して契約・決済に臨むことができます。

まずは、売買契約手続き、決済・引渡し手続きにどのようなことが行われるのかについてみていきましょう。

不動産売買契約時の手続き内容

不動産の売買契約は、主に不動産会社の応接室で売主・買主双方が立会いの下に行われます。

不動産会社の仲介担当者は、宅建士であることを確認できる宅地建物取引士証を提示し、売買対象物件の重要事項説明を行います。

内容に問題がなければ重要事項説明書、売買契約書に売主・買主双方が記名押印します。

売買契約書や重要事項説明書は事前に売主・買主双方に開示されるために、内容をあらかじめ確認しておけば当日の説明にもスムーズに対応できます。

特に重要事項説明書の特記事項の部分については、売買対象物件特有の注意点や不具合箇所、特別な契約条件などが記載されますので、丁寧に読んでおくことが必要です。

重要事項の内容について売主・買主双方が事前に確認している事項のみであるならば、契約手続きにかかる時間は1時間から1時間半程度です。

決済・引渡し時の手続き内容

決済・引渡しの手続き時は、ローンの実行や代金決済、諸費用の支払いがあるために、金融機関の応接室で行われることが多いと思います。

銀行が営業しているときに手続きを行わなければいけないので、基本的には平日に引渡し・決済手続きを行います。

また、売主の銀行口座への売買代金の着金に時間がかかる場合に備えて、手続きの開始は午前中であることが多いと思います。

売買代金の着金が翌日にずれ込むと、決済日・引渡日・移転登記の日などさまざまな影響が出ますので、売主口座への代金の着金だけは決済日に完了させなければなりません。

売主は、事前に振込票や必要書類を記入し、金融機関の担当者に着金後の諸費用の支払いを依頼しておくことで段取りをすることは可能ですが、買主は、当日作成する申込書や振込票などの資料が特に多いために、朝早くから手続きをする金融機関に訪問し書類を作成します。

すべてが調ったところで、ローンの実行をし、売主は入金確認後、仲介手数料の支払い、ローン残債の支払いなどの手続きを行います。

同時に司法書士は売主・買主から必要書類を入手し、抵当権抹消登記(売主分)と所有権移転登記、抵当権設定登記(買主分)の手続きを行います。

売主が売買代金の着金についてそれほど時間がかからずに確認できれば、引渡し・決済手続きは、書類作成の時間を合わせて1時間から1時間半ほどで終了します。

売買代金の着金確認は、売主側の金融機関の担当者に問い合わせることで行います。

メガバンク同士の送金の場合には、比較的早く確認できますが、信用組合・信用金庫などの地方金融機関からメガバンクの口座に送金する場合には、やや時間がかかる場合があるため買主から振込票のコピーを受け取って着金確認に代える場合があります。

その際には、後に口座を確認し着金が認められた時点で、領収書を発行します。

不動産売買契約時の決済・引渡しの服装マナーとは


不動産売買契約時や決済・引渡し手続きの時の服装については、特に決まったルールはありません

普段着ているカジュアルな服装でも特に問題はありません。

周りの専門家たちは、皆スーツで契約・決済に臨んでいるために、自分もスーツで行った方が良いのではないかと思う方もいるかもしれません。

しかし、プライベートなことであり、冠婚葬祭や公的な行事とは異なります。

いつも不動産会社や金融機関に相談する時に着ていく服装で良いと思います。

逆に、自分もスーツで契約に臨むと、余計な力が入ったり緊張感が増したりするかもしれません。

また契約の相手方がスーツでなかった場合、自分だけスーツでないことについて余計に気を使わせることになるかもしれません。

リラックスできる服装で契約に臨みましょう。

華美な服装やあまりにラフな服装は禁物

一方で、契約当事者の相手の他の事を考えると、あまりに派手な服装や、Tシャツにハーフパンツ、サンダル履きなど過度にラフな服装は避けた方が良いでしょう。

契約の相手方は、人生を左右するかもしれない重要な契約に望んでいます。

こちらの服装いかんによっては気を悪くして、契約を翻すかもしれませんし、決済引渡し後何かトラブルがあったときに、変な先入観をもたれてしまう可能性も否定できません。

過度に相手方の印象について気を揉む必要はありませんが、常識を疑われるような服装は避け、一般的に許容される服装を心がけたいものです。

不動産売買契約時の決済・引渡しで手土産の必要性について

結論から言うと、不動産売買契約時や、引渡し・決済時において契約の相手方や金融機関、不動産会社、司法書士や弁護士などの専門家に対する手土産を持参する必要はありません

ビジネスの場合は初対面のご挨拶のため、会話を円滑に進めるため、相手に気持ちよく交渉にあたってもらうためなどの理由でよく手土産を持参することがあります。

特に不動産売買の売主側の場合には、買主に自分の不動産を買って頂くのですから、手土産を持参すべきと思う方もいると思います。

しかし、不動産の売買契約の場合、特にそのような商習慣はなく、手土産を何にしたら良いか、どのようなタイミングで渡したほうが良いのかなどについて気にする必要はありません。

引渡後のトラブルがあったときには手土産の持参もあり

もっとも、引渡し後に売買対象物件の不具合が見つかり、買主の生活に支障が出ているような場合においては手土産を持参することも一考に値します。

売主は、決済・引渡し後についても売買対象物件について契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)を負っており、売買対象物件の不具合について、自分に過失がなかったとしても責任を負うことになります。

自己の不手際によってトラブルが生じ謝罪しなければ場合はもちろん、原因がよくわからない場合でも、買主の気を鎮め、スムーズな会話ができるように、面会する時には手土産を持参した方が良いと思います。

謝罪の気持ちをこめて手土産を持参するときには、会ってすぐに手土産を渡すのは「手土産を持ってきたから許してください」という気持ちを表現することにもなりかねず、相手方の気持ちを逆なですることになる場合もあります。

このようなときには、お許しを得てからタイミングを見て手土産を渡します。

手土産を渡すときは、袋から出し、相手に箱の正面を向くようにして渡しましょう。

決済・引渡し時に家族などの同伴者は同席しても良いのか

決済・引渡し時に家族などの同伴者を同席させることについても、特に問題はありません

親族や友人に不動産売買に慣れている人がいる場合には、事前に不動産会社の仲介担当者を通じて契約の相手方に知らせておくのが良いでしょう。

しかし、同伴者が二人、三人となる場合には、相手に余計なプレッシャーを与えてしまうことにもなりかねません。

相手方もプライベートな場として決済・引渡し手続きに臨んでいるため、大人数で押しかけるのはマナー違反です。

また、決済・引渡し手続きの会場となる応接室はそれほど広いところではないことが多いです。

そのため、同伴者は一人くらいに留めておいた方が良いでしょう。

家族に小さな子供がいる場合についても注意が必要です。

不動産売買契約時、決済・引渡し時には様々な重要書類を扱います。

また、売買契約に関する重要な事項が説明されます。

小さな子供が契約の場に立ち会うと、気を取られて集中できなくなったりしがちです。

また契約の相手方も気が散ったりして、迷惑をかけることがあります。

このような場合には、しかるべきところに預ける、もしくは別室で待つなどの配慮が必要になってきます。

決済・引渡しはマナーよりも重要なのが内容

ここまで不動産売買契約時、決済・引渡し時のマナーについて紹介してきましたが、手続きの内容についてしっかりと準備しておき、当日スムーズに手続きを完了させることが、最も重要となります。

手続きの内容についておろそかになってしまっては元も子もありません。

ここでは、契約時、決済・引渡時の注意点について説明します。

契約書や重要事項説明書の内容をあらかじめ確認しておく

契約日当日には、重要事項説明書や売買契約書の内容について仲介担当者から説明がありますが、これらの書類の内容については、予め確認しておき、疑問点がある場合には契約前であっても質問して明らかにしておいた方が良いと思います。

契約当日は、契約書類、添付書類の説明のほかにも書類の作成など時間のかかる手続きがあります。

すべての内容について細かい質問をすることは、いたずらに時間を浪費し、契約の相手方も不安になってしまいます。

場合によっては、契約交渉のやり直しとなって当日に契約がまとまらない可能性もあります。

不動産売買契約は金額も大きく、不安を抱えながら行うのはわかりますが、だからこそ不安な点については契約当日に持ち込まないように事前に解決しておくことが大切です。

決済に必要な書類や段取りを整えておく

決済・引渡し日には、買主は、ローンに関する書類や諸費用の振込、引渡しに関する書類、登記書類への記名押印などさまざまな書類が必要になってきます。

当日の手続きをスムーズに行うためには、事前に作成できる書類についてはあらかじめ受け取っておき、当日持参するだけにするなどの手はずを整えておくことが有効です。

売主も、代金の着金後すぐに諸費用の支払いが済ませられるように、金融機関の担当者に事前に必要事項が記入された書類を預けておくなどをすることが多く見られます。

引渡しを実行できる状態にしておく

不動産売買の売主にとって実務的にも法律的にも重要なことは、売買対象物件について引渡日当日にきちんと引渡しできる状態にしておくことです。

特に居住したままで売却活動を行うときには、引渡し前日までに物件を明け渡しておく必要があります。

具体的には、家具・家電の移動・撤去、引越しに必要な各種手続き(電気・ガス・水道・郵便・新聞などの転居手続きなどを済ませておくこと、残置物や廃棄物、ゴミは撤去しておくこと)は必須です。

このようなことが守られなければ、買主に迷惑をかけるだけではなく、法的にも問題が生じてきます。

「引渡し」と「代金の決済」は同時履行が原則です。

履行できなければ、法的には売買契約の解除、遅延損害金・違約金の請求をすることが可能となり、大きなトラブルに発展する可能性があります。

引渡時にきちんとした準備が行われないケースは意外に多いものです。

買主との信頼関係を壊さないためにも、引渡しの準備はしっかりと行いましょう。

まとめ

不動産の売買契約、決済・引渡し手続きは、不動産の専門家でなければそうそう立ち会う機会はありません。

人生に一度か二度しかない機会ですから、不慣れな点があるのは仕方ありません。

しかし、全く何の準備もしないままに契約・決済当日に臨むことは、契約の相手方にも失礼ですし、時には契約が先延ばしになってしまうことも考えられます。

手続き当日のマナーや当日に向けての準備・段取りについては、不動産会社の仲介担当者と相談しながら進めていきましょう。

不安なポイントはできるだけ当日に持ち込まないようにして、晴れ晴れした気持ちで契約日・決済日当日を迎えることが、不動産売買成功の秘訣です。

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