家を売るにはどうするの?これさえ見ればOK!不動産売却の流れから、経費や書類までわかりやすく解説
この記事でわかること
- 不動産売却までの流れが理解できる
- 不動産会社の選び方がわかる
- 「仲介」と「買取」の違いとメリット・デメリットがわかる
- 家を売るときの必要経費と書類がわかる
- 高く、早く売るためのポイントが理解できる
不動産をなるべく安心して、高く売却するにはどうしたらよいのでしょうか。
不動産の売却は、誰もが何度も経験することではありません。
しかしその一方で、不動産取引には専門用語や煩雑な手続きも登場するため、一般の方には理解しづらいことがたくさんあります。
事実、十分な知識や事前準備がなかったために、いざ売却活動をしてみると思わぬトラブルや出費に悩またという方は少なくありません。
そこで今回は、売却までの大まかな流れを解説しながら、必要経費や必要書類、売却成功のポイントについて詳しく説明していきます。
この記事を読んでいただければ、ご自身の売却に関する課題点がきっと見えてくるはずですので、ぜひ最後まで読み進めてください。
目次
不動産を売却する流れ
不動産売却までには、「相場を調査する」「買主を見つける」「契約する」「決済・引き渡しをする」という4つの大きなステップがあります。
このステップは、戸建てやマンション、収益不動産に至るまで、どんな不動産の種別であっても同様の手続きが行われますので、必ず理解してください。
それぞれの内容について見ていきましょう。
相場を調査する
まずはご所有の不動産がどのくらいの価格で売れるのか、相場を調べるところから始めましょう。
国土交通省が運営する「土地総合情報システム」では、エリア別に売買価格を含む取引事例を公開していますので、まずはこちらを参考にすると良いでしょう。
このサイトでは、土地や戸建て、マンション、農地までさまざまな不動産取引が紹介されています。
また、もし所有されている不動産周辺に類似取引が見つからない場合は、スーモやアットホームなどの不動産情報サイトから類似物件を検索し、現在売りに出されている物件の価格を参考にすることもおすすめです。
買主を見つける
買主の見つけ方は「自分で探す」もしくは「不動産会社に依頼する」方法があります。
不動産取引においては、必ずしも不動産会社に売却活動や契約手続きを依頼する義務はありません。
特に、親戚や知人などへの売却に際しては、不動産会社へ支払う仲介手数料を節約するために、直接取引を行う方も一定数いることは事実です。
ただし、不動産は高額であるため、さまざまな取引上のリスクが存在します。
そのため、一般的な取引はもちろんのこと、親戚や知人への売却であったとしても、不動産のプロに一連の手続きを依頼した方が、後々のリスクを考えると無難と言えます。
なお、不動産仲介手数料は成約報酬ですので、契約が成立するまでは不動産会社から請求を受けることは原則的にありません。
不動産会社へ依頼すれば、手続きの手間も省けるうえ、積極的な広告活動によって買主の幅も広がるため、ぜひご相談されることをおすすめします。
契約する
購入希望者が見つかったら、契約を締結します。
通常、購入希望者から取引条件が記載された「購入申込書」を受領します。
そこで条件が整えば売主から「売渡証明書」を購入希望者へ差し入れ、その内容に沿って契約を締結します。
ここで条件が整わない場合は交渉をするか、他の購入希望者が現れるまで売却活動を継続します。
契約締結時には、買主から売買金額に対する1割〜2割程度の「手付金」を預かることが一般的です。
この手付金は、もし契約以後に買主から契約解除の申し入れがあった場合は、契約を解除する代わりに売主がそのまま受け取ります。
一方、売主から契約解除を申し入れた場合は、この手付金を買主へ返還し、さらに同額を買主へ支払います。
契約解除については、契約内容の中でも特に重要です。
どういった場合に契約解除となるのか、またペナルティはどの程度か、少しでも疑問がある場合は不動産会社へ質問し、必ず理解してから契約に臨んでください。
「物件状況報告書」と「付帯設備表」を記入は要注意
契約に向けた準備として「物件状況報告書」と「設備状況報告書」という書類への記入を依頼される場合があります。
「物件状況報告書」とは、契約時点における物件の状況(過去に雨漏りがあったか、周辺住民とのトラブルがあったか等)を買主に告知する内容の書面です。
また、「付帯設備表」は不動産に付帯する設備(給湯設備や空調設備、照明器具等)があるのか無いのか、ある場合は故障していないかといった内容を記載します。
これらの書類の内容を契約時点で買主に説明し、承諾をもらいます。
なお、この内容と引き渡し時点の状況が大きく違う場合は、買主から補修の要求を受けることもあるため、特に注意深く内容をチェックして記入するようにしましょう。
決済・引き渡しをする
契約から物件の決済・引き渡しまでは、おおむね1ヶ月程度の期間をおくことが一般的です。
この期間中に、所有権移転登記手続きの準備や、買主が住宅ローンを利用する場合はその準備を行います。
引き渡し当日は、買主からの入金確認や所有権移転登記手続きに必要な全ての書類を司法書士がチェックし問題がなければ決済完了です。
最後に買主から要求があれば、物件の現地にて立ち合いをします。
契約時に記入した「物件状況報告書」と「設備状況報告書」の内容と現状に大きな乖離がなければ、晴れて物件の引き渡しが完了となります。
売却完了までは2ヶ月〜6ヶ月かかる
物件を売り出してから引き渡しをするまでには、おおむね2ヶ月〜6ヶ月の期間を要します。
期間の内訳は下記のようなイメージです。
- ・不動産会社選びと媒介契約締結までに1〜2週間
- ・売却活動に1〜3ヶ月
- ・購入検討者との条件調整と契約締結までに1〜2週間
- ・契約〜決済までに1ヶ月
なお、物件の状況や価格などの条件よっては、それ以上の期間を要する場合もあります。
そのため、まずは依頼される不動産会社へ、ご自身の不動産の場合はどの程度の期間が必要になるのか、事前に意見を聞いておくと良いでしょう。
不動産会社はどう探してどう選ぶ?
どの不動産会社に依頼するかによって、売却の成功は大きく左右されるため、不動産会社選びは慎重に行いたいところです。
では、どのように不動産会社を選べば良いのでしょうか。
不動産会社の探し方には、下記の通り主に5つのポイントがあります。
- ・不動産会社の得手不得手を見極める
- ・複数の会社に相談してみる
- ・地元の不動産会社を探す
- ・広告などで目にする不動産会社に問い合わせる
- ・インターネットの一括査定サイトで複数の不動産会社を探す
不動産会社の得意分野を見極める
不動産会社によって、得意とする物件の種類が異なるケースが多くあります。
不動産会社のホームページでは、売却活動中の物件を掲載している場合が多いため、まずは気になる不動産会社がどんな物件を多く取り扱っているのか、チェックすることがおすすめです。
売却する物件の種類を得意とする不動産会社に依頼するほうが、早く、高く売ってくれる可能性が高まります。
複数の会社に相談してみる
売却の相談は、一社ではなく複数社にするのが良いでしょう。
不動産会社によっては、エリアや物件の種類による得手不得手の他にも、会社や担当者の質もさまざまです。
仲介は一旦依頼するとなかなか変更ができにくいため、なるべく多くの不動産会社と会話をして、ご自身が納得のいく会社および担当者へ依頼できるようにしましょう。
地元の不動産会社を探す
地元の不動産のポイントは、地域の事情や市場に詳しいという点です。
大手不動産会社の場合、担当者は数年単位で店舗間異動をする場合が多いのです。
一方で地元不動産会社は、会社規模は小さいものの、長年地元に根付いて営業している担当者が多い傾向があります。
そのため、地域の事情や市場に精通しており、より具体的で適正な売却方法の提案に期待が持てます。
広告などで目にする不動産会社に問い合わせる
テレビCMや駅看板などで広告を展開している不動産会社は、大手不動産会社である場合が多いです。
なんといっても、大手不動産会社の強みは「見込み顧客の多さ」にあります。
駅やエリアごとに店舗を構えている大手不動産会社では、来店客に加え、電話やメールでの問い合わせも多く、見込み顧客をたくさん抱えているという特徴があります。
また、店舗間での情報共有もしており、社内のネットワークによる見込み顧客とマッチングできれば、よりスムーズな手続きが可能です。
インターネットの一括査定サイトで不動産会社を探す
インターネットの一括査定サイトで不動産会社を探すことも一つの方法です。
一括査定サイトでは、一度物件の情報を入力すれば、複数の会社から一括して査定報告を受けることができます。
不動産会社によって、エリアや物件種別の得意不得意があるため、査定価格が大きく異なる場合もあります。
価格だけで会社を選ぶのはあまり得策とは言えませんが、まずは物件の査定を受け、その後より詳細な説明を受けたうえで不動産会社を決定するのが良いでしょう。
「机上査定」と「訪問査定」の違いは?
不動産査定には、「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。
それぞれの役割を理解しておきましょう。
まずは大まかな価格が知りたい場合は「机上査定」依頼する
おおまかな査定価格を知りたい場合は、不動産の所在や大きさ、築年数などの基本的な内容を伝えて簡易的に価格を算出する「机上査定」を依頼します。
あくまで周辺相場や類似物件の情報を基に算出した価格であるため、机上査定は参考程度の価格であるということに注意しましょう。
通常はこの机上査定を受けた後、より詳細な価格算出をするために次の「訪問査定」に移っていきます。
より具体的な価格が知りたい場合は「訪問査定」依頼する
「訪問査定」では、不動産会社の担当者に来訪してもらい、不動産の周辺環境や部屋内部の状況を細かく見てもらうことで、具体的な査定価格を算出してもらいます。
またこの際には、売却完了までの大まかな希望スケジュールなど、物件以外の事情等を伝えた上で売り出し価格を提案してもらいましょう。
この査定時には、不動産会社の担当者のエリア知識や接客対応等をしっかりと見極めておくことも大切です。
売却活動が始まってしまうと不動産会社や担当者を頻繁に変えることが難しくなります。
売却活動を開始する前に、ご自身の大切な不動産を預けて心配ないか、人間的な相性は合うかなど、担当者と会話をしていく中で判断していきましょう。
「仲介」「買取」の違いとメリットデメリット
売却の方法には、下記のように「仲介」と「買取」の2種類があります。
- ・「仲介」は、一般消費者に売却する方法
- ・「買取」は、不動産会社に売却する方法
それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身の事情に合わせて選択する必要があります。
「仲介」のメリット・デメリット
仲介のメリットは、高く売れる可能性があるという点です。
仲介では一般消費者向けに広告活動を展開し、購入者を探していきます。
最初は高く売り出していき、なかなか検討顧客が見つからないようであれば、徐々に価格を下げていく手法が一般的です。
そのため、売り出し開始の時点で運よく条件がマッチする顧客を発見することができれば、良い価格条件で売却できる可能性があります。
一方で、売却活動期間が長期間かかる可能性があるというデメリットもあるため、売却完了までに時間の余裕があり、高値での売却にチャレンジしたい方向けの方法と言えるでしょう。
「買取」のメリット・デメリット
買取は早く確実に売れるというメリットがあります。
そのため、早急に現金化する必要がある方におすすめの方法です。
さらに、プロである不動産会社への売却であるため、価格交渉や手続きが一般的な仲介に比べて手間が少なく、スピード感のある売却が可能であることもメリットの一つです。
ただし、買取をする不動産会社は再販することを目的としているため、市場価格よりも低い価格での売となってしまいます。
家を売るときの必要経費と書類
不動産を売却する際には、さまざまな必要経費と書類を準備しなければなりません。
普段の生活ではあまり見慣れないものばかりですので、不測の事態とならぬよう、事前に知っておく必要があります。
諸経費は売却価格の5〜10%程度かかる
不動産の売却には、下記のような諸経費が発生します。
- ・仲介手数料
- ・登記費用
- ・住宅ローン関連費用
- ・印紙代
- ・引っ越し代
売却にかかる必要経費は、おおむね売却価格の5〜10%程度と言われています。
ただし、物件の状態や売却価格、住宅ローンの残債有無などにより大きく異なるため、売却活動を行う前に不動産会社へ相談し、概算金額を必ず確認しておきましょう。
利益が出たら「譲渡所得税」がかかる
不動産をした場合、「譲渡所得税」が課税される可能性があります。
譲渡所得税のポイントは、売却価格全てに課税されるのではなく、その不動産を購入したときの購入費用や売却するために必要となった経費を差し引いて残った利益に課税されるシステムである点です。
つまり、利益が出なければ、原則的に納税の義務はありません。
さらに居住用不動産などは、一定の要件をクリアすることができれば、特別控除の制度を利用することもできます。
税金に関して不安な方や詳細を知りたい方は、不動産会社や税務署などに事前に相談されることをおすすめします。
利益が出たら「確定申告」をしよう
不動産を売却したことによって、譲渡所得税が課税される場合には、確定申告が必要です。
したがって、基本的に利益が出なかった場合には、確定申告は必要ありません。
ただし、売却によって損益が発生した場合や、住宅ローンを利用した場合など、一定条件を満たすことで所得税の還付を受けられる可能性もあるため、確定申告は行った方が良いでしょう。
売却時に必要な書類とは?
売却活動を始める際に、不動産会社からさまざまな書類の提出を求められます。
下記がその代表的なものの一覧です。
- ・購入時の売買契約書や重要事項説明書
- ・登記識別情報通知(権利証)
- ・土地測量図
- ・境界確認書
- ・固定資産税納税通知書
- ・固定資産税評価証明書
- ・物件の図面
- ・設備の仕様書
- ・建築確認済証や検査済証
- ・マンションの管理規約、使用細則、維持費関連書類
- ・耐震診断報告書やアスベスト使用調査報告書
これらの書類を万が一紛失してしまった場合や、そもそも書類が無い場合でも安心してください。
基本的には行政機関で再度取得できるものや代替できる書類であるため、不動産会社へ所有していないことを伝えれば適宜対応してもらえます。
より高く、早く売るには?
相場があるとはいえ、なるべく高く、そして早く売りたいのは当然のことです。
ここからは、そんな方のためにいくつかポイントを紹介していきます。
そもそも売れやすい家とは?
売れやすい家にはいくつか特徴があります。
代表的には以下のようなポイントがあると購入検討者の目に留まりやすいと言われています。
- ・相場より手頃感がある価格
- ・立地や周辺環境がよい
- ・交通利便性がよい
- ・日照に優れる
- ・建物の状態が良い
- ・面積や間取りが一般的で汎用性がある
- ・大手デベロッパーやメーカーによる建築
- ・駐車スペースがある
上記は、家を購入検討する際に優先度として上位に挙げられる項目です。
そのため、当てはまる項目が多いほど、売れやすい家であると判断できます。
売却活動をする際は、不動産の市場価値を分析することがとっても重要です。
まずはご自身の不動産が売れやすい物件か、上記項目などを参考にして判断し、今後の売却活動の戦略材料としましょう。
物件のアピールポイントを明確にする
売却活動の際には、広告物に物件の特徴や魅力を最大限記載してもらいましょう。
物件広告の中には、必要最低の記載しかなく無機質で、あまり魅力が感じられないものも残念ながら数多く存在します。
売却活動を始める際には、どういった内容が購入検討者の心に刺さるのか、営業担当者と意見を交わしながら広告物を作成していきましょう。
また、内見を受ける際にも、営業担当者だけでなく、所有者自らが物件の魅力を伝えることも重要です。
より正確でリアルなアピールポイントを伝えることで、購入検討者に安心してより魅力的に感じてもらうことができれば、売却価格の向上につながるはずです。
適正価格で売り出す
相場価格を大きく上回る売出し価格を付けることは禁物です。
なぜならば、購入検討者もある程度の相場知識を持って物件を探しているため、仮に条件が合っていたとしても割高であるために購入候補から外されてしまう可能性があります。
さらに、市場に長く売りに出されている状態は、売れ残り物件として認識されてしまうリスクもあるため、検討購入者から敬遠されてしまうことも考えられます。
そのため、高い価格にチャレンジするとしても、売出し価格は査定提示された上限価格からスタートすることが、返って高い価格で売れるポイントであると言えるでしょう。
ホームステージングを利用する
内見時の第一印象を高めることは、早く売れる可能性を高める秘訣です。
そのために「ホームステージング」を検討することもおすすめです。
ホームステージングとは、インテリアや家具、小物などで部屋をコーディネートすることで、モデルルームのように部屋を演出する方法です。
ホームステージングしない場合、売却期間は平均して156日かかる一方で、ホームステージングをした場合は平均42日と、売却期間を大幅に短縮できるというデータもあります。
売却依頼先は得意分野で選ぶ
不動産会社には、エリアや物件の種別によって得手不得手があるのも事実です。
そのため、不動産会社を選ぶ際には、インターネットの情報や口コミなども参考にしつつ、そのエリアや物件種別の取り扱いの実績は豊富か、また営業担当者の評価に問題はないかチェックしましょう。
良い不動産会社、良い営業担当者と出会うことができれば、より高く、そして早く売却できるよう、最適な提案がもらえることに期待ができます。
状況によって変わる不動産売却のポイント
売却物件の状況や条件によって、注意すべきポイントがあります。
ここでは、住み替え、相続物件、住宅ローンの残債がある物件の3つのケースについて、押さえておくべきポイントを紹介します。
住み替え(買い替え)の場合
住み替えの場合は、売却と購入のタイミングがポイントです。
売却を先にするのか、もしくは住み替え先の購入をするのかによって、資金計画の方法が変わります。
また、それぞれにメリット・デメリットもあるため、ご自身の状況に合わせて正しい選択をすることが必要です。
売却を先行する場合
「売却先行」は、売却代金を買い替え先の購入費用に充てる方法です。
売却活動を先に行うため、購入を含めた資金計画が立てやすく、さらに焦らずに売却活動をすることができます。
ただし、売却が先に決まってしまい、買い替え先の目処が立っていない場合は、仮住まいをしなければならないリスクもあります。
購入を先行する場合
「購入先行」は、売却代金に頼らずに買い替え先を購入方法です。
この場合、新居の頭金を貯蓄で用意ができること、そして現在の住宅ローンと新居の住宅ローンの2重ローンを払えることが条件となります。
資金的な条件が厳しい一方で、納得いくまで住み替え先を探すことができ、また仮住まいが必要ないというメリットがあります。
相続した家を売る場合
相続した家を売却する場合は、所有者を親からご自身に変更する「相続登記」が必要です。
この相続登記は、いつまでに手続きしなければいけないという期限の決まりがありません。
そのため、親が亡くなったあとでも、不動産の名義が親のままになっているということも少なくありません。
また、相続した不動産であっても利益が生じた場合は、他の不動産と同様に譲渡所得税がかかる可能性があります。
なお、相続不動産の場合は特別控除制度を利用できる場合がありますので、不動産会社へ相談されると良いでしょう。
住宅ローンが残っている家を売る場合
住宅ローンが残っている家を売却するためには、買主へ引き渡すまでにローンを完済して抵当権を抹消する必要があります。
完済するためには、貯金など自己資金を充当するか、住み替えローンを利用する方法があります。
住み替えローンとは、住み替え先の購入費用に上乗せして住宅ローンの残債の借りることができる商品です。
また、買い替え先の売主の承諾を得られれば、契約書に「買い替え特約」を設定するという方法もあります。
買い替え特約とは、売却する不動産がいつまでに売れなければ、購入を取りやめことができる特約事項です。
さらに、この特約を設定することで仮住まい等のリスクも避けることができます。
しかし、特約期間は一般的に2〜3ヶ月と短い場合が多く、売り急がなければなりません。
そのため、売却価格が想定よりも低くなってしまうこともあるので注意が必要です。
【参考】マンションと一戸建ての違い
マンションと一戸建てでは、住んだときのライフスタイルに違いがあり、顧客が重要視するポイントも異なってきます。
それぞれどんな特徴があるのか、ポイントを含めて見ていきましょう。
マンションは、資産価値が重要視される
マンションは、エリアや駅距離が何よりも重要視されます。
マンションは戸建てに比べて耐用年数も長く、さらに流通性も高いため、安定した資産性があると言えます。
築年数が経過したマンションについは、リフォームをしてから売りに出した方が良いのでは、と思われる方も多いかもしれません。
しかし、最近はリノベーションの技術や人気もあがっていることから、かえってリフォームをせずにマンションの立地や外観といったハード面をアピールする方が高く、早く売却できる可能性があります。
一戸建ては、建物の状態や住環境が重要視される
一戸建ての場合は、主にファミリー層が顧客ターゲットです。
そのため、駅からの距離といった資産性よりも、安全な建物であるか、安心できる住環境であるかという点を重要視する傾向にあります。
そのため、売却する際には、水回りなどを中心に洗浄・補修をしておくこともおすすめできます。
特に、築年が古い物件である場合は、少々費用は必要ですが家屋調査を実施しておくとアピールポイントとすることができます。
まとめ
以上、不動産売却の流れとポイントについて解説していきました。
不動産はどれ一つ同じものがないため、それぞれに異なる特徴があり、リスクがあり、魅力があります。
そのため、売却をする際には事前知識を身に付け、所有されている不動産のことをしっかり理解しておくことが売却成功の秘訣です。
不動産売却についてさらに詳しく知りたい方は、まずは不動産会社へ相談されることをおすすめします。